第58話
夢小説設定
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顔を歪めながらロイは大総統を睨むように見つめた。
「そんな顔をしないでくれ」
「…アレが最後だと言った」
「そう思っていたんだが。
事情が事情でな。
君に侵入捜索して貰いたいんだ」
「クラブ、ですか?」
「複数の未成年が被害に遭ってる」
「クラブに未成年…?」
「表向きは普通のクラブだが。
未成年が寄り集まっている。
ヤンチャな奴等が」
「非行少年、少女ですか」
「大総統が言葉を濁したのにハッキリ言うなよ」
「こんなことに言葉を濁したって意味がない。
大人や年上の奴等に騙されても自業自得では?」
「まぁ、そう言うな。
性犯罪の可能性もある」
ピクリと反応し、ロイは報告書に目を通した。
「甘い話なんて裏があるに決まっているだろう。
弱っている時に優しくされたら、そうなってしまうか」
「単独ですか?」
「いいや、男女でないとクラブには入れないようだ。
ホークアイ中尉と行って欲しい」
「中尉、ですか?」
「吹き飛ばす可能性があるのは例外にしても狭いクラブ内で戦闘になれば、君を守りながら戦える中尉がいいだろう」
「私は守られる前提ですか」
「最前線で君は戦うからな。
中尉なら掩護も完璧だろう?
君が直接鍛えたのだからな」
ロイは深いため息をつき、背凭れに寄り掛かる。
「それならば、マスタング大将でなくても?
マスタング大将の隊の者ならば」
「未成年が多いからな。
ロイならまだ未成年に見えるだろう」
「すみませんね、童顔で!」
「それが役立つのだから怒るな。
中尉もメイクや服装で未成年に見えなくもないだろう」
「クラブの服装、ねぇ…」
「行ったことあるか?」
「…ない」
「だろうな。
まぁ、立ち振る舞い方や口調を変えれば大丈夫だろう」
「中尉の服装も用意するか。
恋人設定ですか?」
「その方が傍に居ても何かと怪しまれないだろう」
ハッと将軍達も軍議に参加中のセルシアが静かなことに気づく。
『腕に抱きつく、抱える。
唇に軽いキス。
それ以外は認めません』
「え…?」
『何か問題でも?』
「キス、するつもりは…」
『怪しまれるのでは?』
「君、我慢しているだろう」
『当たり前でしょう!
今すぐに大総統を吹き飛ばして、そこにいる若い連中も吹き飛ばして差し上げましょうか!?』
((…案の定だった))
セルシアはロイの腰に抱きついて半泣き気味になっている。
『任務だって分かってるもん。
中尉ならそんなこと言わないし、独占しようとしないし!』
「そんなことないと思うけどな。
それを表に出さないだけだ。
恋愛感情ではないけど」
『えっ?』
「気の強さも独占欲も人並みにある。
そう見えないんだよなぁ〜」
『嘘だぁ…』
「隠すのがうまくなったよ。
君と任務に行くことがあると面白いことになるぞ」
『面白いこと…?』
「くくっ、観察力はまだだな。
一緒に行きたいのなら銃撃も観察力も学んでおけ。
今回は裏に回れ」
『了解です』
コツンと額に手を当てられてセルシアは微笑む。
「キスは何回だ?」
『…1回なら許す。
それ以上はダメ。
本当はしたら嫌です』
「出来る限りは回避しよう」
甘えるように腰に抱きつくセルシアに苦笑いし、ロイはポンポンと背を優しく叩いた。
コンコンッとロイがドアをノックすると開けられた。
「失礼します。
マスタング大将、御用でしょうか?」
((何で分かるんだ))
「コレを…」
「クラブの潜入捜査ですか?
随分と若い子達が…」
「君と私で恋人設定。
未成年が多いからな」
「リーゼル准将ではなく?」
ロイは大総統に言われた言葉をそのまま伝える。
「未成年…ですか」
「そこは気にするな。
衣服とヘアメイクも私が担当する。
すまないが、露出が多いぞ」
「貴方の好みですか?」
「違うっ!」
「以前にミニスカートと仰有っていたので」
「冗談に決まってるだろう。
えっ?
待て待て。
君、本気にしてたのか?」
「えっ…と」
『私も冗談だと分かってたわよ。
それでのってマスタング大佐の元にミニスカートで行ったけど』
「突撃して来たな」
『すぐに着替えさせられた』
「当たり前だろう。
男連中に変な気を起こさせたら。
中尉、どうした?」
「…すみませんでした」
「今の今まで本気にしてたのか?
ぶはっ!
グラマン将軍のアイディアだぞ。
女遊びしてるなら、そのくらいの発言しないとって。
君にセクハラ発言だって私は一度もしたことがないだろう」
「私が華やかで好みじゃないからなのかと」
「あのなぁ…。
過去に何を言われたか知らんが、化粧は薄くても君は一般的に美人と言われる分類だぞ。
たから、私は夜道に気をつけるように言っていたんだが」
「そういう意味だったんですか」
「むしろ、どんな意味に捉えてた?」
中尉の天然と鈍感にコレは苦労して来たなとその場にいる全員が理解する。
「び、美人…。
口説かれたことありませんが」
「鷹の眼に恐れ、私の補佐官を口説く強者がいたら見てみたいね」
「ですが…っ」
「変な奴等は追っ払ってた。
君の身体だけが目当てだった」
「えっ?」
「軍は未だに男社会だからな。
つまりは、そういうことだ」
「どういうことでしょうか?」
「…鈍感にも程がある。
いや、私が守り過ぎてたせいか?
君を性対象としか見てない。
スタイル良いからな」
「マスタング大将も?」
「そんな訳あるか。
まぁ、無理する必要はない。
君は着飾るのは苦手だろう?」
「そうですが」
「気にすることはない。
予想以上の天然ではあったが」
何故か褒められて笑われて、中尉は半分以上も理解してないだろう。
「衣服を調達したら決行だな」
「承知しました」
ショップから何点かロイが購入して来て会議室に戻って来た。
「ん〜…この色じゃないか。
やっぱり、シンプルな方がいいな」
「…マスタング大将。
そういうの、好きですよね」
「何が?」
「私よりも洋服とか知ってるので」
「義母の影響だな。
オシャレは嫌いじゃない。
派手なのは好きじゃないけどな」
中尉の身体に衣服を当てながら侵入捜索用を選ぶ。
「そんな顔をしないでくれ」
「…アレが最後だと言った」
「そう思っていたんだが。
事情が事情でな。
君に侵入捜索して貰いたいんだ」
「クラブ、ですか?」
「複数の未成年が被害に遭ってる」
「クラブに未成年…?」
「表向きは普通のクラブだが。
未成年が寄り集まっている。
ヤンチャな奴等が」
「非行少年、少女ですか」
「大総統が言葉を濁したのにハッキリ言うなよ」
「こんなことに言葉を濁したって意味がない。
大人や年上の奴等に騙されても自業自得では?」
「まぁ、そう言うな。
性犯罪の可能性もある」
ピクリと反応し、ロイは報告書に目を通した。
「甘い話なんて裏があるに決まっているだろう。
弱っている時に優しくされたら、そうなってしまうか」
「単独ですか?」
「いいや、男女でないとクラブには入れないようだ。
ホークアイ中尉と行って欲しい」
「中尉、ですか?」
「吹き飛ばす可能性があるのは例外にしても狭いクラブ内で戦闘になれば、君を守りながら戦える中尉がいいだろう」
「私は守られる前提ですか」
「最前線で君は戦うからな。
中尉なら掩護も完璧だろう?
君が直接鍛えたのだからな」
ロイは深いため息をつき、背凭れに寄り掛かる。
「それならば、マスタング大将でなくても?
マスタング大将の隊の者ならば」
「未成年が多いからな。
ロイならまだ未成年に見えるだろう」
「すみませんね、童顔で!」
「それが役立つのだから怒るな。
中尉もメイクや服装で未成年に見えなくもないだろう」
「クラブの服装、ねぇ…」
「行ったことあるか?」
「…ない」
「だろうな。
まぁ、立ち振る舞い方や口調を変えれば大丈夫だろう」
「中尉の服装も用意するか。
恋人設定ですか?」
「その方が傍に居ても何かと怪しまれないだろう」
ハッと将軍達も軍議に参加中のセルシアが静かなことに気づく。
『腕に抱きつく、抱える。
唇に軽いキス。
それ以外は認めません』
「え…?」
『何か問題でも?』
「キス、するつもりは…」
『怪しまれるのでは?』
「君、我慢しているだろう」
『当たり前でしょう!
今すぐに大総統を吹き飛ばして、そこにいる若い連中も吹き飛ばして差し上げましょうか!?』
((…案の定だった))
セルシアはロイの腰に抱きついて半泣き気味になっている。
『任務だって分かってるもん。
中尉ならそんなこと言わないし、独占しようとしないし!』
「そんなことないと思うけどな。
それを表に出さないだけだ。
恋愛感情ではないけど」
『えっ?』
「気の強さも独占欲も人並みにある。
そう見えないんだよなぁ〜」
『嘘だぁ…』
「隠すのがうまくなったよ。
君と任務に行くことがあると面白いことになるぞ」
『面白いこと…?』
「くくっ、観察力はまだだな。
一緒に行きたいのなら銃撃も観察力も学んでおけ。
今回は裏に回れ」
『了解です』
コツンと額に手を当てられてセルシアは微笑む。
「キスは何回だ?」
『…1回なら許す。
それ以上はダメ。
本当はしたら嫌です』
「出来る限りは回避しよう」
甘えるように腰に抱きつくセルシアに苦笑いし、ロイはポンポンと背を優しく叩いた。
コンコンッとロイがドアをノックすると開けられた。
「失礼します。
マスタング大将、御用でしょうか?」
((何で分かるんだ))
「コレを…」
「クラブの潜入捜査ですか?
随分と若い子達が…」
「君と私で恋人設定。
未成年が多いからな」
「リーゼル准将ではなく?」
ロイは大総統に言われた言葉をそのまま伝える。
「未成年…ですか」
「そこは気にするな。
衣服とヘアメイクも私が担当する。
すまないが、露出が多いぞ」
「貴方の好みですか?」
「違うっ!」
「以前にミニスカートと仰有っていたので」
「冗談に決まってるだろう。
えっ?
待て待て。
君、本気にしてたのか?」
「えっ…と」
『私も冗談だと分かってたわよ。
それでのってマスタング大佐の元にミニスカートで行ったけど』
「突撃して来たな」
『すぐに着替えさせられた』
「当たり前だろう。
男連中に変な気を起こさせたら。
中尉、どうした?」
「…すみませんでした」
「今の今まで本気にしてたのか?
ぶはっ!
グラマン将軍のアイディアだぞ。
女遊びしてるなら、そのくらいの発言しないとって。
君にセクハラ発言だって私は一度もしたことがないだろう」
「私が華やかで好みじゃないからなのかと」
「あのなぁ…。
過去に何を言われたか知らんが、化粧は薄くても君は一般的に美人と言われる分類だぞ。
たから、私は夜道に気をつけるように言っていたんだが」
「そういう意味だったんですか」
「むしろ、どんな意味に捉えてた?」
中尉の天然と鈍感にコレは苦労して来たなとその場にいる全員が理解する。
「び、美人…。
口説かれたことありませんが」
「鷹の眼に恐れ、私の補佐官を口説く強者がいたら見てみたいね」
「ですが…っ」
「変な奴等は追っ払ってた。
君の身体だけが目当てだった」
「えっ?」
「軍は未だに男社会だからな。
つまりは、そういうことだ」
「どういうことでしょうか?」
「…鈍感にも程がある。
いや、私が守り過ぎてたせいか?
君を性対象としか見てない。
スタイル良いからな」
「マスタング大将も?」
「そんな訳あるか。
まぁ、無理する必要はない。
君は着飾るのは苦手だろう?」
「そうですが」
「気にすることはない。
予想以上の天然ではあったが」
何故か褒められて笑われて、中尉は半分以上も理解してないだろう。
「衣服を調達したら決行だな」
「承知しました」
ショップから何点かロイが購入して来て会議室に戻って来た。
「ん〜…この色じゃないか。
やっぱり、シンプルな方がいいな」
「…マスタング大将。
そういうの、好きですよね」
「何が?」
「私よりも洋服とか知ってるので」
「義母の影響だな。
オシャレは嫌いじゃない。
派手なのは好きじゃないけどな」
中尉の身体に衣服を当てながら侵入捜索用を選ぶ。