第58話
夢小説設定
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大総統の執務室にある薔薇の花束をチラッと見ながらも既に噂になっているのか、将軍達は何も言わず。
ぐったりしているロイを見ながらも将軍達は苦笑いして去って行った。
「コレが噂の薔薇の花束か」
「ヒューズ。
おまえはそういう奴だよな」
「愛されてる証拠だろう」
「…燃やす。
今すぐに燃やし尽くす」
「冗談だって。
発火布を手にするなよ!」
大総統に叱られるとヒューズはロイを宥めて止める。
「数年前には予想もしてなかったが。
本当におまえさんは予想外のことをしてくれる」
「大総統じゃなくて?」
「普通なら許さないだろう」
「さぁ?
私には普通が分からんからな。
まぁ、案外心地良いさ。
苦労させられることも多いがな!」
大総統を睨んで急かせる補佐官はロイくらいだろう。
「マダム。
こんにちは」
「やあ、ロイ坊」
「1日遅れになったけれど」
「構わないさ。
毎年ご苦労なことだ」
「マダム、楽しみにしてるくせに」
「Happy Valentine’s」
「ありがとう」
紫色の薔薇の花束を貰ってマダムは微笑んで受け取った。
「それにしても、あんたはマメだね。
向こうにも行って来たんだろう?」
「いや、これから。
最初はマダムだと」
「まったく。
それならさっさと行き」
「1杯飲んだらね」
「持たせていいのかい?」
「約束の時間よりも早く行き過ぎては失礼だろう?」
「ウィスキーでいいかい?」
「…ん」
花瓶に飾るマダムにロイは微かに笑みを浮かべた。
紫の薔薇の意味は“誇り”、“気品”、”尊敬”だ。
「マダム。
父様から真っ赤な薔薇の花束を頂いたんだが」
「…っぶ!
誰が誰にだって?」
「俺が父様に」
「ふはっ!
愛されてるね」
「笑いごとじゃない。
司令部の入口で渡されたんだぞ」
「くくっ、それは大変だったね。
それはどうしたんだい?」
「大総統府の執務室のメインテーブルに飾った」
「やり返してどうするんだい」
「別にそんなつもりはない。
私が用意した本数より多かった」
「それなら、さっさと結婚すればいいだけだ。
婚約者がまだ若くてもね。
結婚する気がないなら放すんだよ」
「そんなこと…っ」
「まぁ、互いに納得してんならいいけどね。
結婚や子供がすべてじゃない」
マダムに頭を撫でられてロイは苦笑いするしかない。
「オペラを作ったぁ?
アイツ、どこを目指してんだよ」
「流石としか…言えませんね」
「マスタング大将しか出来ませんよ」
思わず、ヒューズも声が裏返ってしまったのだった。
迎えの車に乗り込んで大総統の屋敷に向かう。
「遅くなりました」
「わざわざ、ありがとう。
寒かったでしょう?」
「先にお風呂に入って。
着替えておいで」
「…はい」
大総統と夫人に出迎えられ、苦笑いしながらもロイは自室に行く。
「父様と母様に細やかですが。
本当は父様にあげるのはやめようとも思ったけど」
「何をしたんです?」
「司令部の入口で真っ赤な薔薇の花束を渡されました」
「それは…、ねぇ?」
「息子に?」
「セリムまで引かないでくれ。
意味があるんだよ」
「だとしても。
人前でやります?」
「大変でしたね。
さあ、食べましょうか」
「悪かった。
私も仲間に入れてくれ」
大総統を仲間外れに出来るのは夫人とセリムだけだなとロイは笑う。
「希少なワインもある。
君の為に用意した」
「ん…、許す」
「お酒に毎回釣られてません?」
「別にもう怒ってはないし」
「怒ればいいのに」
「ロイは怒ると離れるからな」
「それが一番、貴方には効果的でしょうね」
安易に想像がついて夫人はクスクスと笑い、セリムも小さく笑う。
「次はないですよ、父様」
「了解した」
ロイは大総統を見て、にっこりと笑いながら脅す。
「セクハラ、パワハラにも該当しますからね」
「それは勘弁してくれ」
「…希少なロゼ」
「次までに用意しておこう」
「貴方、どんだけ飲むつもりですか」
「記憶がハッキリしてるのは、20くらいかな」
「20杯?」
「いや、20本」
「あんたは化け物か!」
「会食やパーティーで将軍やら佐官を酔い潰してるからな」
「俺は楽しく飲んでるだけだよ」
((…わざとだな))
安易にセリムでも想像がついて呆れたように視線を向ける。
「ご馳走様でした」
「どういたしまして」
「泊まって行かないのか?」
「今日は帰ります。
多分、待っているだろうから」
「多分…?」
「寝てる確率が高い」
「だったら泊まれば?」
「泊まるとは言ってないし」
「そう言って泊まってなかった?」
「まぁ、多々あるな」
「だから食事中に珍しくお酒飲んでたんですか」
「それもあるけどね」
「食事しに来ただけじゃん」
「ふはっ、そうだな」
セリムの言葉を気にせずにロイは笑いながら聞き流していた。
過保護にされているので自宅まで大総統の護衛隊に送られて行く。
「おやすみ、ロイ」
「気をつけて帰ってね」
「はい、おやすみなさい。
ありがとうございます」
大総統に額にキスされ、苦笑いしながらロイは帰って行く。
ぐったりしているロイを見ながらも将軍達は苦笑いして去って行った。
「コレが噂の薔薇の花束か」
「ヒューズ。
おまえはそういう奴だよな」
「愛されてる証拠だろう」
「…燃やす。
今すぐに燃やし尽くす」
「冗談だって。
発火布を手にするなよ!」
大総統に叱られるとヒューズはロイを宥めて止める。
「数年前には予想もしてなかったが。
本当におまえさんは予想外のことをしてくれる」
「大総統じゃなくて?」
「普通なら許さないだろう」
「さぁ?
私には普通が分からんからな。
まぁ、案外心地良いさ。
苦労させられることも多いがな!」
大総統を睨んで急かせる補佐官はロイくらいだろう。
「マダム。
こんにちは」
「やあ、ロイ坊」
「1日遅れになったけれど」
「構わないさ。
毎年ご苦労なことだ」
「マダム、楽しみにしてるくせに」
「Happy Valentine’s」
「ありがとう」
紫色の薔薇の花束を貰ってマダムは微笑んで受け取った。
「それにしても、あんたはマメだね。
向こうにも行って来たんだろう?」
「いや、これから。
最初はマダムだと」
「まったく。
それならさっさと行き」
「1杯飲んだらね」
「持たせていいのかい?」
「約束の時間よりも早く行き過ぎては失礼だろう?」
「ウィスキーでいいかい?」
「…ん」
花瓶に飾るマダムにロイは微かに笑みを浮かべた。
紫の薔薇の意味は“誇り”、“気品”、”尊敬”だ。
「マダム。
父様から真っ赤な薔薇の花束を頂いたんだが」
「…っぶ!
誰が誰にだって?」
「俺が父様に」
「ふはっ!
愛されてるね」
「笑いごとじゃない。
司令部の入口で渡されたんだぞ」
「くくっ、それは大変だったね。
それはどうしたんだい?」
「大総統府の執務室のメインテーブルに飾った」
「やり返してどうするんだい」
「別にそんなつもりはない。
私が用意した本数より多かった」
「それなら、さっさと結婚すればいいだけだ。
婚約者がまだ若くてもね。
結婚する気がないなら放すんだよ」
「そんなこと…っ」
「まぁ、互いに納得してんならいいけどね。
結婚や子供がすべてじゃない」
マダムに頭を撫でられてロイは苦笑いするしかない。
「オペラを作ったぁ?
アイツ、どこを目指してんだよ」
「流石としか…言えませんね」
「マスタング大将しか出来ませんよ」
思わず、ヒューズも声が裏返ってしまったのだった。
迎えの車に乗り込んで大総統の屋敷に向かう。
「遅くなりました」
「わざわざ、ありがとう。
寒かったでしょう?」
「先にお風呂に入って。
着替えておいで」
「…はい」
大総統と夫人に出迎えられ、苦笑いしながらもロイは自室に行く。
「父様と母様に細やかですが。
本当は父様にあげるのはやめようとも思ったけど」
「何をしたんです?」
「司令部の入口で真っ赤な薔薇の花束を渡されました」
「それは…、ねぇ?」
「息子に?」
「セリムまで引かないでくれ。
意味があるんだよ」
「だとしても。
人前でやります?」
「大変でしたね。
さあ、食べましょうか」
「悪かった。
私も仲間に入れてくれ」
大総統を仲間外れに出来るのは夫人とセリムだけだなとロイは笑う。
「希少なワインもある。
君の為に用意した」
「ん…、許す」
「お酒に毎回釣られてません?」
「別にもう怒ってはないし」
「怒ればいいのに」
「ロイは怒ると離れるからな」
「それが一番、貴方には効果的でしょうね」
安易に想像がついて夫人はクスクスと笑い、セリムも小さく笑う。
「次はないですよ、父様」
「了解した」
ロイは大総統を見て、にっこりと笑いながら脅す。
「セクハラ、パワハラにも該当しますからね」
「それは勘弁してくれ」
「…希少なロゼ」
「次までに用意しておこう」
「貴方、どんだけ飲むつもりですか」
「記憶がハッキリしてるのは、20くらいかな」
「20杯?」
「いや、20本」
「あんたは化け物か!」
「会食やパーティーで将軍やら佐官を酔い潰してるからな」
「俺は楽しく飲んでるだけだよ」
((…わざとだな))
安易にセリムでも想像がついて呆れたように視線を向ける。
「ご馳走様でした」
「どういたしまして」
「泊まって行かないのか?」
「今日は帰ります。
多分、待っているだろうから」
「多分…?」
「寝てる確率が高い」
「だったら泊まれば?」
「泊まるとは言ってないし」
「そう言って泊まってなかった?」
「まぁ、多々あるな」
「だから食事中に珍しくお酒飲んでたんですか」
「それもあるけどね」
「食事しに来ただけじゃん」
「ふはっ、そうだな」
セリムの言葉を気にせずにロイは笑いながら聞き流していた。
過保護にされているので自宅まで大総統の護衛隊に送られて行く。
「おやすみ、ロイ」
「気をつけて帰ってね」
「はい、おやすみなさい。
ありがとうございます」
大総統に額にキスされ、苦笑いしながらロイは帰って行く。