第58話
夢小説設定
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こうして自分の娘を抱っこすることも躊躇しなくなったのもセルシアのお陰だなとヒューズは安堵する。
躊躇しているロイに半ば強引にでも抱っこされていたのだ。
そうしなければ、ロイが自分を責めて心が蝕まれてゆきそうな気がしていたのだった。
「エリシアちゃん。
パパのとこに戻っておいで」
「ロイお兄ちゃんの方が良い匂い」
「臭くないだろう!?」
「誰も臭いとは言ってないぞ、ヒューズ」
「エリシア。
ほら、マスタングさんはお仕事中だから。ね?」
「はぁ〜い!」
「またな」
エリシアの頭を撫でて、ロイはヒューズを放置して司令部に戻る。
「お帰り。
楽しかったかい?」
「ただいま戻りました。
はい、楽しかったです。
ありがとうございました」
満足そうに微かに笑うロイに大総統は微笑んで頬を撫でた。
「お祭りなので仕方ないんですが、スリも多かったですね。
暗くなると違う犯罪も横行しそうなので見回りの人数は昼間よりも増やした方がいいかと」
「そうだな」
性犯罪が増えそうなので女性の軍人は見回りから排除している。
中尉にはそれこそ、差別だと言われてもロイは譲らなかった。
最終的に中尉が宥められて呆れながらも折れたのだった。
大総統にお願いして休みを貰ったのでお陰で時間を掛けて用意が出来る。
待っているだろうからとセルシアは中尉達に先に帰らされた。
『…ただいま』
「お帰り、セルシア。
もう出来てるから。
着替えておいで」
『は〜い!』
時間を掛けて作ってくれたのだろうと分かる料理の数々で、どれもセルシアが好きなロイの手料理だ。
『美味しい。
どれも美味しすぎる』
「気に入ってくれてよかったよ」
『コレを気に入らない訳がないです』
幸せそうに食べるセルシアにロイは嬉しそうに微笑んだ。
「デザートも食べれるかい?」
『勿論です!
今日は気にしないで食べますっ!』
「何の決意表明だ。
飲み物は紅茶で良かったかな」
『はい!
市販のものじゃないですよね?
コレ、作ったんですか?』
「私の手作りだよ」
『すご…っ』
唖然としながらも瞳を輝かせて見つめていた。
『パティシエでさえも究極の目標と言われてるオペラを作っちゃうなんて。
勿体なくて食べれない』
「それなら、やめるか?」
『食べます!』
四角い形状のガトーショコラの一種であるケーキのオペラ。
高さは2センチメートル程度で複数の層の数は作り手によって異なるが、7層のものが一般的だとされる。
各層を形成するのはコーヒー風味のシロップを含ませた粉末アーモンドと小麦粉で焼いたビスキュイ・ジョコンド生地、コーヒー風味のバタークリーム、チョコレートと生クリームからなるガナッシュで、表面は硬いチョコレートで覆われている。
菓子職人にとって、オペラは究極の目標のひとつだと言われる。
一流菓子職人が“非常に手間がかかる上、層が美しいかどうかが一目瞭然なのでとても神経を使うケーキ”と述べているくらいだ。
(ほかの料理もあるのに。
何時間掛けてくれたんだろう)
当然ながら綺麗な見た目の層に、味も美味しくて幸せな気持ちになる。
『…美味しい。
今まで食べたケーキの中で、一番美味しいです』
「それは良かった。
救われるよ」
『言葉に出来ない。
こう、もっと伝えたいのに』
「ちゃんと伝わっているよ」
『とても幸せです。
本当にありがとうございます』
「その顔が見れただけで満足だよ」
唇にキスされ、セルシアは嬉しそうに微笑んだ。
“Happy Valentine’s
Day my love.
My heart is always with you.
You are the only one for me.”
(※ハッピーバレンタイン
私の愛する人。
私の心はいつもあなたと共にあります。
あなたは私にとって、かけがえのない人です)
ロイのメッセージカードにセルシアは何度も読んで幸せそうだ。
一般的にはレストランでバレンタインの夜はディナーをするのだが、セルシアのお願いでロイの手料理になった。
予想を遥かに超えた豪華なディナー料理に予想以上のデザートだったが。
「まだ読んでいるのか」
『嬉しいんだもん。
私の宝物が増えました』
お風呂から上がったロイは苦笑いし、ベットに寝転んでるセルシアの唇にキスをした。
寝室のサイドテーブルにはテディベアがあり、そこには薔薇の宝石のネックレスが着いている。
『メッセージカードもプレゼントも全部が素敵です!』
(自分でハードルを上げてる気がするのだが。
こんなに喜んでくれるなら、来年も頑張らないとな)
嬉しそうに微笑むセルシアにロイは抱き締めた。
『んっ…は…ッ』
「いいだろう?」
『わざと、聞かないで…っ』
ロイの髪から香るいい匂いを感じながらもぎゅっと髪を掴む。
『痕、付けちゃ…だめ…』
ロイの唇が首元に当たり、ダメと言われても痕が付けられてしまう。
「せっかくのバレンタインデーなのに夜勤かよ」
「どうせ、予定もないだろ」
「…虚しくなるから言うな」
「今頃は楽しんでるかな」
「余計に虚しくなるわ!」
ハボックの愚痴は毎回のことなのでブレダ達は気にしない。
「中尉、なに食べてるんですか?」
「トリュフチョコレートよ」
「まさかとは思いますが…」
「マスタング大将からのプレゼント」
((…でしょうね))
とても綺麗でプロ級だが、メッセージカードが見慣れた字だった。
ロイの手作りだと微かに中尉は柔らかな表情になる。
「中尉、僕等からも…」
「マスタング大将には劣りますけど」
「市販のもので申し訳ありません」
「そんなことないわ。
嬉しいわ。
ありがとう」
お菓子の詰め合わせを貰って中尉は微かに笑う。
躊躇しているロイに半ば強引にでも抱っこされていたのだ。
そうしなければ、ロイが自分を責めて心が蝕まれてゆきそうな気がしていたのだった。
「エリシアちゃん。
パパのとこに戻っておいで」
「ロイお兄ちゃんの方が良い匂い」
「臭くないだろう!?」
「誰も臭いとは言ってないぞ、ヒューズ」
「エリシア。
ほら、マスタングさんはお仕事中だから。ね?」
「はぁ〜い!」
「またな」
エリシアの頭を撫でて、ロイはヒューズを放置して司令部に戻る。
「お帰り。
楽しかったかい?」
「ただいま戻りました。
はい、楽しかったです。
ありがとうございました」
満足そうに微かに笑うロイに大総統は微笑んで頬を撫でた。
「お祭りなので仕方ないんですが、スリも多かったですね。
暗くなると違う犯罪も横行しそうなので見回りの人数は昼間よりも増やした方がいいかと」
「そうだな」
性犯罪が増えそうなので女性の軍人は見回りから排除している。
中尉にはそれこそ、差別だと言われてもロイは譲らなかった。
最終的に中尉が宥められて呆れながらも折れたのだった。
大総統にお願いして休みを貰ったのでお陰で時間を掛けて用意が出来る。
待っているだろうからとセルシアは中尉達に先に帰らされた。
『…ただいま』
「お帰り、セルシア。
もう出来てるから。
着替えておいで」
『は〜い!』
時間を掛けて作ってくれたのだろうと分かる料理の数々で、どれもセルシアが好きなロイの手料理だ。
『美味しい。
どれも美味しすぎる』
「気に入ってくれてよかったよ」
『コレを気に入らない訳がないです』
幸せそうに食べるセルシアにロイは嬉しそうに微笑んだ。
「デザートも食べれるかい?」
『勿論です!
今日は気にしないで食べますっ!』
「何の決意表明だ。
飲み物は紅茶で良かったかな」
『はい!
市販のものじゃないですよね?
コレ、作ったんですか?』
「私の手作りだよ」
『すご…っ』
唖然としながらも瞳を輝かせて見つめていた。
『パティシエでさえも究極の目標と言われてるオペラを作っちゃうなんて。
勿体なくて食べれない』
「それなら、やめるか?」
『食べます!』
四角い形状のガトーショコラの一種であるケーキのオペラ。
高さは2センチメートル程度で複数の層の数は作り手によって異なるが、7層のものが一般的だとされる。
各層を形成するのはコーヒー風味のシロップを含ませた粉末アーモンドと小麦粉で焼いたビスキュイ・ジョコンド生地、コーヒー風味のバタークリーム、チョコレートと生クリームからなるガナッシュで、表面は硬いチョコレートで覆われている。
菓子職人にとって、オペラは究極の目標のひとつだと言われる。
一流菓子職人が“非常に手間がかかる上、層が美しいかどうかが一目瞭然なのでとても神経を使うケーキ”と述べているくらいだ。
(ほかの料理もあるのに。
何時間掛けてくれたんだろう)
当然ながら綺麗な見た目の層に、味も美味しくて幸せな気持ちになる。
『…美味しい。
今まで食べたケーキの中で、一番美味しいです』
「それは良かった。
救われるよ」
『言葉に出来ない。
こう、もっと伝えたいのに』
「ちゃんと伝わっているよ」
『とても幸せです。
本当にありがとうございます』
「その顔が見れただけで満足だよ」
唇にキスされ、セルシアは嬉しそうに微笑んだ。
“Happy Valentine’s
Day my love.
My heart is always with you.
You are the only one for me.”
(※ハッピーバレンタイン
私の愛する人。
私の心はいつもあなたと共にあります。
あなたは私にとって、かけがえのない人です)
ロイのメッセージカードにセルシアは何度も読んで幸せそうだ。
一般的にはレストランでバレンタインの夜はディナーをするのだが、セルシアのお願いでロイの手料理になった。
予想を遥かに超えた豪華なディナー料理に予想以上のデザートだったが。
「まだ読んでいるのか」
『嬉しいんだもん。
私の宝物が増えました』
お風呂から上がったロイは苦笑いし、ベットに寝転んでるセルシアの唇にキスをした。
寝室のサイドテーブルにはテディベアがあり、そこには薔薇の宝石のネックレスが着いている。
『メッセージカードもプレゼントも全部が素敵です!』
(自分でハードルを上げてる気がするのだが。
こんなに喜んでくれるなら、来年も頑張らないとな)
嬉しそうに微笑むセルシアにロイは抱き締めた。
『んっ…は…ッ』
「いいだろう?」
『わざと、聞かないで…っ』
ロイの髪から香るいい匂いを感じながらもぎゅっと髪を掴む。
『痕、付けちゃ…だめ…』
ロイの唇が首元に当たり、ダメと言われても痕が付けられてしまう。
「せっかくのバレンタインデーなのに夜勤かよ」
「どうせ、予定もないだろ」
「…虚しくなるから言うな」
「今頃は楽しんでるかな」
「余計に虚しくなるわ!」
ハボックの愚痴は毎回のことなのでブレダ達は気にしない。
「中尉、なに食べてるんですか?」
「トリュフチョコレートよ」
「まさかとは思いますが…」
「マスタング大将からのプレゼント」
((…でしょうね))
とても綺麗でプロ級だが、メッセージカードが見慣れた字だった。
ロイの手作りだと微かに中尉は柔らかな表情になる。
「中尉、僕等からも…」
「マスタング大将には劣りますけど」
「市販のもので申し訳ありません」
「そんなことないわ。
嬉しいわ。
ありがとう」
お菓子の詰め合わせを貰って中尉は微かに笑う。