第55話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
エドは興味なさそうだが、アルは楽しそうにドライブ気分を楽しんでいた。
「見たことないお店もありますね」
「新しい店も開店してるからな」
「工具の店もあるんですね。
ウィンリィが見たら喜びそう!」
「あぁ、そうだろうな」
「どうせ、もう送ってあるんだろ。
その最新のやつ」
「コレは送ってないな」
「えっ?」
「なんか意外だな」
「職人の工具ではあるが、まだ未成年のウィンリィには重いからな。
軽減させて特注で作ってもらった」
「「………。」」
絶対に高額だとエルリック兄弟は黙り込んだ。
「この店でいいか?
ほかが良いのならば」
「詳しくないから任せる」
「マスタング大将。
私はこちらで待ってます」
「一緒に食べないのか?」
「私は勤務中ですから」
「…分かった」
「気にせずに、ゆっくりお過ごしください」
相談事も兼ねた食事だと気づいて中尉は待機していた。
「2人とも、身長伸びたか?」
「成長期だからな!
あんたなんてすぐに追い越してやるんだからな」
「そうか。
楽しみにしてるよ。
ウィンリィも背が伸びて綺麗になって来たからな」
「綺麗って」
「会ったんですか?」
「たまに機械鎧の出張ついでに寄ってくれるんだよ」
「ばっちゃんの代理で行ってるって言ってたな」
「…体調良くないのか?」
「いいえ。
ばっちゃんは村から元々、滅多には出ませんから。
それに、ウィンリィに任せても大丈夫だと思っているのかと」
「…そうか」
「それでも年齢も年齢だし。
電車を乗り継いだりしないといけないからしんどいんじゃねぇの?」
「…そんなに遠いのか」
「うちが田舎過ぎるんだよ」
「田舎だと電車とかの本数も少ないですからね」
「なるほどな。
そういう面でも充実させないといけないな」
「そうそう、頑張れよ。
未来の大総統殿」
「君ねぇ…」
呆れながらもロイはふわりと笑ってエルリック兄弟の頭を撫でる。
「何で個室なんだよ」
「ジロジロと見られて食事も出来ないだろう?
私は慣れているけれど。
それに、相談事があるのだろう」
「…バレてた?」
「まぁな。
中尉も気づいてたと思うぞ。
内容までは知らないだろうけど」
「マジかぁ…」
「気にすることはないさ」
エルリック兄弟から報告書を確認しながら相談を受ける。
頼れる大人が居ない訳ではないが、それでも一番近いのがロイであって話しやすいのだろう。
的確に話してくれるのもあるが、未成年だからという理由でロイは誤魔化したりしない。
「君は巻き込まれると言うべきか。
無駄に首を突っ込むな」
「分かってるけどさ」
「まぁ、助けたい気持ちは分からなくはないが。
許可はしてやれんよ」
「やっぱり、そうですよね」
「私は許可はしてやれない。
大総統ならば、動かせるだろうな」
「それって」
「許可を取れるように動いてみよう。
まぁ、仕事面では厳しいから期待はするなよ」
「了解!」
「ありがとうございます」
そう言いながらもロイは説得して多少は無理しても動かしてくれるだろう。
目の前で美味しそうに食べる兄弟の姿にロイは微かに笑う。
(…そうだな。
こういう日常も“平和”か。
イシュヴァールだけに目を向けてはいけない。
まだ時間はあるのだから。
そう簡単に解決は出来ないが、徐々に勧めていこう。
互いが納得が出来る道があるはずだ。
たとえ、それが茨の道だろうとも。
私はもう独りではない)
マダムの実家を出た時には独りだったのに随分と増えたなと思う。
「何だよ?」
「いいや、美味しそうに食べるなと思ってね。
旅路でもそうだったが。
きちんと食べていたのか?」
「宿があれば、それなりに。
街中みたいに贅沢は出来ないからな」
「贅沢、ね。
そういう考えもあるだろうな。
日常と想うか、それは人によって変わるんだろうな」
「マスタング大将は?
贅沢だと思いますか?」
「ん〜…ご褒美、かな」
「ご褒美?」
「日頃、頑張ってる自分に。
普段食べれないものを食べるご褒美と考えればいいんじゃないか?」
「ご褒美…ね。
そういうのも悪くないな。
ご褒美でも贅沢でもいいけどさ。
ウィンリィや人の為に使って、自分で使ってるの?」
「私はもう揃ってるし。
基本的に私達は自炊だからね。
セルシアも贅沢を好まないし」
「パーティー用の服とか高そうだったけど」
「…大総統のポケットマネー。
特注品だし、高いだろうな。
断りきれないし。
もう諦めたよ」
「靴とかバックとかは?」
「それも含めて揃えられてるんだ」
「あ〜…それは、もう…凄いとしか言えないな」
「それは…諦めますよね」
「というか、大総統。
甘やかし過ぎだろ。
不満に思われねぇの?」
「軍内部も国民さえも慣れてしまっているくらいに。
頼むから人前でキスはやめて欲しいと言っているんだがね」
「そのわりには楽しそうだけど?」
「あぁ、充実してるよ」
(…笑顔の破壊力)
(コレか。
確かに分かる気がするな)
ふわりと微笑んだロイにエルリック兄弟は思わず、黙り込んでしまった。
「ご馳走様でした」
「ありがとうございました」
「どういたしまして。
君達はどこに?」
「とりあえず、調べ物があるから図書館に。
国家錬金術師じゃないし。
見れるのは限られるけどな」
「何かあれば、同行するから言いなさい」
「ありがとうございます」
「図書館まで送るか?」
「いえ、歩いて行きます。
街も見たいので」
「えぇ?
俺は図書館にすぐに行きたい」
「アイス!
兄さん、アイスが売ってる!」
「うぉっ!
分かったから引っ張んなって!
マスタング大将、またな」
大興奮のアルに引っ張られて行くエドにロイと中尉は顔を見合わせて吹き出して笑う。
「ああして見ると普通の兄弟ですね。
普段はしっかり者ですが、アルフォンスくんも」
「…そうだな。
少し幼い面があるのはずっと止まっていたんだ。
やっと動き出したんだよ」
エルリック兄弟の楽しそうな声に自然と笑みが浮かんだ。
「見たことないお店もありますね」
「新しい店も開店してるからな」
「工具の店もあるんですね。
ウィンリィが見たら喜びそう!」
「あぁ、そうだろうな」
「どうせ、もう送ってあるんだろ。
その最新のやつ」
「コレは送ってないな」
「えっ?」
「なんか意外だな」
「職人の工具ではあるが、まだ未成年のウィンリィには重いからな。
軽減させて特注で作ってもらった」
「「………。」」
絶対に高額だとエルリック兄弟は黙り込んだ。
「この店でいいか?
ほかが良いのならば」
「詳しくないから任せる」
「マスタング大将。
私はこちらで待ってます」
「一緒に食べないのか?」
「私は勤務中ですから」
「…分かった」
「気にせずに、ゆっくりお過ごしください」
相談事も兼ねた食事だと気づいて中尉は待機していた。
「2人とも、身長伸びたか?」
「成長期だからな!
あんたなんてすぐに追い越してやるんだからな」
「そうか。
楽しみにしてるよ。
ウィンリィも背が伸びて綺麗になって来たからな」
「綺麗って」
「会ったんですか?」
「たまに機械鎧の出張ついでに寄ってくれるんだよ」
「ばっちゃんの代理で行ってるって言ってたな」
「…体調良くないのか?」
「いいえ。
ばっちゃんは村から元々、滅多には出ませんから。
それに、ウィンリィに任せても大丈夫だと思っているのかと」
「…そうか」
「それでも年齢も年齢だし。
電車を乗り継いだりしないといけないからしんどいんじゃねぇの?」
「…そんなに遠いのか」
「うちが田舎過ぎるんだよ」
「田舎だと電車とかの本数も少ないですからね」
「なるほどな。
そういう面でも充実させないといけないな」
「そうそう、頑張れよ。
未来の大総統殿」
「君ねぇ…」
呆れながらもロイはふわりと笑ってエルリック兄弟の頭を撫でる。
「何で個室なんだよ」
「ジロジロと見られて食事も出来ないだろう?
私は慣れているけれど。
それに、相談事があるのだろう」
「…バレてた?」
「まぁな。
中尉も気づいてたと思うぞ。
内容までは知らないだろうけど」
「マジかぁ…」
「気にすることはないさ」
エルリック兄弟から報告書を確認しながら相談を受ける。
頼れる大人が居ない訳ではないが、それでも一番近いのがロイであって話しやすいのだろう。
的確に話してくれるのもあるが、未成年だからという理由でロイは誤魔化したりしない。
「君は巻き込まれると言うべきか。
無駄に首を突っ込むな」
「分かってるけどさ」
「まぁ、助けたい気持ちは分からなくはないが。
許可はしてやれんよ」
「やっぱり、そうですよね」
「私は許可はしてやれない。
大総統ならば、動かせるだろうな」
「それって」
「許可を取れるように動いてみよう。
まぁ、仕事面では厳しいから期待はするなよ」
「了解!」
「ありがとうございます」
そう言いながらもロイは説得して多少は無理しても動かしてくれるだろう。
目の前で美味しそうに食べる兄弟の姿にロイは微かに笑う。
(…そうだな。
こういう日常も“平和”か。
イシュヴァールだけに目を向けてはいけない。
まだ時間はあるのだから。
そう簡単に解決は出来ないが、徐々に勧めていこう。
互いが納得が出来る道があるはずだ。
たとえ、それが茨の道だろうとも。
私はもう独りではない)
マダムの実家を出た時には独りだったのに随分と増えたなと思う。
「何だよ?」
「いいや、美味しそうに食べるなと思ってね。
旅路でもそうだったが。
きちんと食べていたのか?」
「宿があれば、それなりに。
街中みたいに贅沢は出来ないからな」
「贅沢、ね。
そういう考えもあるだろうな。
日常と想うか、それは人によって変わるんだろうな」
「マスタング大将は?
贅沢だと思いますか?」
「ん〜…ご褒美、かな」
「ご褒美?」
「日頃、頑張ってる自分に。
普段食べれないものを食べるご褒美と考えればいいんじゃないか?」
「ご褒美…ね。
そういうのも悪くないな。
ご褒美でも贅沢でもいいけどさ。
ウィンリィや人の為に使って、自分で使ってるの?」
「私はもう揃ってるし。
基本的に私達は自炊だからね。
セルシアも贅沢を好まないし」
「パーティー用の服とか高そうだったけど」
「…大総統のポケットマネー。
特注品だし、高いだろうな。
断りきれないし。
もう諦めたよ」
「靴とかバックとかは?」
「それも含めて揃えられてるんだ」
「あ〜…それは、もう…凄いとしか言えないな」
「それは…諦めますよね」
「というか、大総統。
甘やかし過ぎだろ。
不満に思われねぇの?」
「軍内部も国民さえも慣れてしまっているくらいに。
頼むから人前でキスはやめて欲しいと言っているんだがね」
「そのわりには楽しそうだけど?」
「あぁ、充実してるよ」
(…笑顔の破壊力)
(コレか。
確かに分かる気がするな)
ふわりと微笑んだロイにエルリック兄弟は思わず、黙り込んでしまった。
「ご馳走様でした」
「ありがとうございました」
「どういたしまして。
君達はどこに?」
「とりあえず、調べ物があるから図書館に。
国家錬金術師じゃないし。
見れるのは限られるけどな」
「何かあれば、同行するから言いなさい」
「ありがとうございます」
「図書館まで送るか?」
「いえ、歩いて行きます。
街も見たいので」
「えぇ?
俺は図書館にすぐに行きたい」
「アイス!
兄さん、アイスが売ってる!」
「うぉっ!
分かったから引っ張んなって!
マスタング大将、またな」
大興奮のアルに引っ張られて行くエドにロイと中尉は顔を見合わせて吹き出して笑う。
「ああして見ると普通の兄弟ですね。
普段はしっかり者ですが、アルフォンスくんも」
「…そうだな。
少し幼い面があるのはずっと止まっていたんだ。
やっと動き出したんだよ」
エルリック兄弟の楽しそうな声に自然と笑みが浮かんだ。