第55話
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久々に中央に戻ってきたならば、街も司令部も変わっていると感じているかもしれない。
ロイは東方司令部に異動後も年に1度は
国家錬金術師の査定の為に中央司令部に訪れていた。
国家錬金術師は義務としては年に一度の査定を受けることが義務付けられていて
年に一度研究成果を軍へ報告し、資格査定を受けなければならない。
成績が悪かったり、出すのをサボったりすれば、その資格は場合によっては剥奪されてしまう。
ロイやセルシアのように軍人として働いている者は本来は研究成果を報告する義務は本来は免除されて軍での働きがそのまま資格査定となる。
「君達は査定を提出しているが、将軍達からも必要ないと言われているぞ。
そう騒いでいたのは正確には今の将軍達ではないからな」
「今更ですね」
『研究自体は私達は苦ではないですし、査定準備中は仕事も中尉達が調整してくれてますし』
「東方時代には来るのが大変だったりはしましたが。
特に今は困ってませんよ」
「仕事面が増えたってだけで…」
「はい、特に困ってはなかったです。
本当に困っていたら国家錬金術師の特権を使ってでも私は大総統に面会しましたよ」
『将軍や佐官の嫌がらせだし。
大変そうに見せていただけですよ。
ふふっ、騙されている姿は滑稽でしたね』
「準備自体の時間を取るのは寝不足になったりはしてましたね。
書類が大量で事件も多かったので」
『もう慣れたので今更です』
「ふはっ!
なるほど、そういうことか」
大総統は可笑しそうに笑いながら査定の書類に印を押して返す。
ロイとセルシアに関しては嫌がらせにもなっていなかったようだ。
エドが疑問を抱かなかったのはロイが未成年後見人というのもあるが、国家錬金術師の知識が皆無だったから。
エドが知っている国家錬金術師がロイとセルシア、アームストロング少佐なので疑問に思わず、アームストロング少佐にロイが口止めしていた。
一番の理由は元の身体を取り戻す為に必死で余裕がなかったのもあるが、そういうものだとロイの策によって思い込まされていた。
「大総統。
執務室が狭くなってしまって。
もうひとつ、執務室を頂いても?」
中尉達に加えてマリア・ロス、新しく入隊する者達で全員が揃ってると机も椅子も足らずに窮屈だ。
「マスタング大将の隊は一気に人数が増えましたからね。
改装までいかなくても必要かと」
「一時的なものですし、改装は不要とは思います。
ずっと預かるつもりはないので」
「隊の者にはしないのか?
それなりの優秀な者を君には預けたつもりだが」
「マスタング大将。
自分も含めて中尉やリーゼル大佐のようなレベルは滅多にないぞ」
「君の友人のヒューズ中佐も優秀だからな。
ほかの者もその年齢のわりには問題は抱えていても優れている方だろう」
大総統と補佐官に指定されてロイは苦笑いする。
大総統に優しく頭を撫でられてロイは見つめる。
「君の環境は今まで決して良いとは言えなかったし、疑う気持ちも理解は出来る」
「…はい」
「君は軍人の中で最も高い地位だ。
その者の隊がいつまでも少人数では困るんだよ。
君はいずれ、軍のトップになって動かさなくてはならない。
君の意見を出来るだけ尊重したいが、これに関しては譲れんぞ」
「分かってます。
ですが、私は今の隊で十分です」
不満を露にするロイに大総統はため息をつく。
「私に不満を抱いている部下など、私には不要です。
権力目当てで近づいて来る部下をどう信頼が出来るのですか」
「君なら信頼させれるだろう」
「私に足手まといの部下は不要です。
国家錬金術師を除いても過信ではなく、私の戦闘能力は大総統が一番把握しているはずですが。
一般の軍人と私を同類にしないで頂きたい」
「…負けたよ」
「数ヶ月は預かります。
執務室の追加もお願いします」
「了解した。
早急に追加しよう」
「助かります」
大総統とロイは言い合いが起きても結局はロイの頭脳と達者な言葉で大総統が折れてしまう。
『私の隊で何人か預かりますか?』
「基礎が出来たらな。
君、ぶっ飛ばすだろう。
意外とスパルタだからな」
『そんなことないですよ。
ふふっ、ロイさんも厳しいですよ』
「そんなことはないさ。
アメとムチは必要なだけだ」
((…どっちも地獄だ))
補佐官達は黙って書類を見て聞いてないフリを徹底していた。
「国家錬金術師と同等に扱いのはやめるように。
君達の周りの者が特に優れていただけなのだから」
「きちんと対策します」
『倒れないようにしてますよ』
「いや、そうではなくて。
あまり厳しくし過ぎないように」
((諦めた!))
ロイとセルシアの隊の元に行きたがらないのは嫌がらせ以前の問題だなと大総統はため息をついた。
「スパルタな理由、ご存知ですか。
我々が“再教育”が必要なのは」
「再教育?」
「きちんと教育されてない。
スパルタにするしかない。
将軍達の次は佐官ですか」
『佐官より下の方がまだ使えますよ。
文句や陰口だけで余計な改ざんなどしませんからね』
「…セルシア」
『事実かと。
それを誰が訂正していると?』
「それを含めて、お願いします」
「…またか」
『数字はロイさんとヒューズ中佐も加えて私が直しました』
改ざんが発見される度にロイと共に大総統に嫌味の攻撃。
大総統も事実なので反論が出来ずに頭を抱えるしかない。
「今の将軍達なら問題ないですよ。
過去の数字と照らし合わせて調べてもらってます。
これ以上、規模が大きくなる前に。
早急に対策を」
「…そうだな」
「とりあえず、補佐官も借りて行きますので。
手を空いてる者はこちらに」
「了解した」
「また後日、報告します。
犯人も絞れてますので」
報告書と共にロイが補佐官を連れて去って行き、大総統は深いため息をつく。
(…将軍達が真面目に仕事するのも当然な結果だな)
逆らってはいけないという恐怖心もあるのだろう。
「マスタング大将」
「どうなりました?」
「えぇ、こちらも…」
「やはり…ですか」
「真っ黒ですね」
「そちらを任せても?」
「承知しました」
(あの将軍達がマスタング大将の言うことを聞いているなんてな)
「ハボック。
こっちの書類をヒューズに届けるように。
次の軍議に入れ込むように」
「はっ!
行って参ります!」
計算が苦手なハボックは雑用を任されていて何度も行き来している。
ロイは東方司令部に異動後も年に1度は
国家錬金術師の査定の為に中央司令部に訪れていた。
国家錬金術師は義務としては年に一度の査定を受けることが義務付けられていて
年に一度研究成果を軍へ報告し、資格査定を受けなければならない。
成績が悪かったり、出すのをサボったりすれば、その資格は場合によっては剥奪されてしまう。
ロイやセルシアのように軍人として働いている者は本来は研究成果を報告する義務は本来は免除されて軍での働きがそのまま資格査定となる。
「君達は査定を提出しているが、将軍達からも必要ないと言われているぞ。
そう騒いでいたのは正確には今の将軍達ではないからな」
「今更ですね」
『研究自体は私達は苦ではないですし、査定準備中は仕事も中尉達が調整してくれてますし』
「東方時代には来るのが大変だったりはしましたが。
特に今は困ってませんよ」
「仕事面が増えたってだけで…」
「はい、特に困ってはなかったです。
本当に困っていたら国家錬金術師の特権を使ってでも私は大総統に面会しましたよ」
『将軍や佐官の嫌がらせだし。
大変そうに見せていただけですよ。
ふふっ、騙されている姿は滑稽でしたね』
「準備自体の時間を取るのは寝不足になったりはしてましたね。
書類が大量で事件も多かったので」
『もう慣れたので今更です』
「ふはっ!
なるほど、そういうことか」
大総統は可笑しそうに笑いながら査定の書類に印を押して返す。
ロイとセルシアに関しては嫌がらせにもなっていなかったようだ。
エドが疑問を抱かなかったのはロイが未成年後見人というのもあるが、国家錬金術師の知識が皆無だったから。
エドが知っている国家錬金術師がロイとセルシア、アームストロング少佐なので疑問に思わず、アームストロング少佐にロイが口止めしていた。
一番の理由は元の身体を取り戻す為に必死で余裕がなかったのもあるが、そういうものだとロイの策によって思い込まされていた。
「大総統。
執務室が狭くなってしまって。
もうひとつ、執務室を頂いても?」
中尉達に加えてマリア・ロス、新しく入隊する者達で全員が揃ってると机も椅子も足らずに窮屈だ。
「マスタング大将の隊は一気に人数が増えましたからね。
改装までいかなくても必要かと」
「一時的なものですし、改装は不要とは思います。
ずっと預かるつもりはないので」
「隊の者にはしないのか?
それなりの優秀な者を君には預けたつもりだが」
「マスタング大将。
自分も含めて中尉やリーゼル大佐のようなレベルは滅多にないぞ」
「君の友人のヒューズ中佐も優秀だからな。
ほかの者もその年齢のわりには問題は抱えていても優れている方だろう」
大総統と補佐官に指定されてロイは苦笑いする。
大総統に優しく頭を撫でられてロイは見つめる。
「君の環境は今まで決して良いとは言えなかったし、疑う気持ちも理解は出来る」
「…はい」
「君は軍人の中で最も高い地位だ。
その者の隊がいつまでも少人数では困るんだよ。
君はいずれ、軍のトップになって動かさなくてはならない。
君の意見を出来るだけ尊重したいが、これに関しては譲れんぞ」
「分かってます。
ですが、私は今の隊で十分です」
不満を露にするロイに大総統はため息をつく。
「私に不満を抱いている部下など、私には不要です。
権力目当てで近づいて来る部下をどう信頼が出来るのですか」
「君なら信頼させれるだろう」
「私に足手まといの部下は不要です。
国家錬金術師を除いても過信ではなく、私の戦闘能力は大総統が一番把握しているはずですが。
一般の軍人と私を同類にしないで頂きたい」
「…負けたよ」
「数ヶ月は預かります。
執務室の追加もお願いします」
「了解した。
早急に追加しよう」
「助かります」
大総統とロイは言い合いが起きても結局はロイの頭脳と達者な言葉で大総統が折れてしまう。
『私の隊で何人か預かりますか?』
「基礎が出来たらな。
君、ぶっ飛ばすだろう。
意外とスパルタだからな」
『そんなことないですよ。
ふふっ、ロイさんも厳しいですよ』
「そんなことはないさ。
アメとムチは必要なだけだ」
((…どっちも地獄だ))
補佐官達は黙って書類を見て聞いてないフリを徹底していた。
「国家錬金術師と同等に扱いのはやめるように。
君達の周りの者が特に優れていただけなのだから」
「きちんと対策します」
『倒れないようにしてますよ』
「いや、そうではなくて。
あまり厳しくし過ぎないように」
((諦めた!))
ロイとセルシアの隊の元に行きたがらないのは嫌がらせ以前の問題だなと大総統はため息をついた。
「スパルタな理由、ご存知ですか。
我々が“再教育”が必要なのは」
「再教育?」
「きちんと教育されてない。
スパルタにするしかない。
将軍達の次は佐官ですか」
『佐官より下の方がまだ使えますよ。
文句や陰口だけで余計な改ざんなどしませんからね』
「…セルシア」
『事実かと。
それを誰が訂正していると?』
「それを含めて、お願いします」
「…またか」
『数字はロイさんとヒューズ中佐も加えて私が直しました』
改ざんが発見される度にロイと共に大総統に嫌味の攻撃。
大総統も事実なので反論が出来ずに頭を抱えるしかない。
「今の将軍達なら問題ないですよ。
過去の数字と照らし合わせて調べてもらってます。
これ以上、規模が大きくなる前に。
早急に対策を」
「…そうだな」
「とりあえず、補佐官も借りて行きますので。
手を空いてる者はこちらに」
「了解した」
「また後日、報告します。
犯人も絞れてますので」
報告書と共にロイが補佐官を連れて去って行き、大総統は深いため息をつく。
(…将軍達が真面目に仕事するのも当然な結果だな)
逆らってはいけないという恐怖心もあるのだろう。
「マスタング大将」
「どうなりました?」
「えぇ、こちらも…」
「やはり…ですか」
「真っ黒ですね」
「そちらを任せても?」
「承知しました」
(あの将軍達がマスタング大将の言うことを聞いているなんてな)
「ハボック。
こっちの書類をヒューズに届けるように。
次の軍議に入れ込むように」
「はっ!
行って参ります!」
計算が苦手なハボックは雑用を任されていて何度も行き来している。