第54話
夢小説設定
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軍議が終わった後は決まって、ロイは執務室に寄る。
「中尉、いいんですか?」
「軍議だったのよ。
カウンセリングもあったみたいだからね」
「…そうですか」
「大丈夫ですかね」
「問題ないわ」
ソファに座ってロイはぼんやりと外を眺めていた。
「ん…っ」
「起きましたか。
おはようございます」
「そろそろ戻らないと迎えが来ると思いますよ」
「そうだな」
「貴方が眠った後に隣に潜り込んで寝てましたよ」
大判ブランケットが膝に掛けられていて隣にはロイに寄り掛かって寝ているセルシアが居た。
「起こしますか?」
「いや…、大丈夫だ。
痛み止めが効いて眠たくなったんだろう」
ロイは書類を手にして確認しながらも膝枕して寝かせていた。
「失礼するよ。
ロイ、そろそろ戻っておいで」
「父様が来たんですか」
「用事を頼んだ。
じゃないと、リーゼル大佐と言い争って仕事の邪魔をするだろう。
戻って来るのも遅くなるし」
「そうですね。
セルシア、起きなさい。
眠いなら仮眠室に」
『…ロイさん』
「君、起きていただろう」
『膝枕されてるのに起きるなんて勿体ないじゃないですか』
相変わらずだなと苦笑いしながらも誰も指摘はしない。
もう見慣れた光景になっているので気にしない。
「行って来るよ。
では、またな」
『忘れ物』
「はいはい」
((…大総統がいる前でキスのおねだりですか。
それを受け入れるんですね、マスタング大将も))
ロイに唇にキスされて、セルシアは満足そうに笑って見送る。
「さあ、行こうか。
確認して欲しい書類もあるからね」
「丸投げしようとしないでください」
大総統は楽しそうに笑ってロイの額にキスをする。
「…もう。
大総統しか出来ない書類はしませんよ」
「分かっているさ」
「そう言って混ぜて、印まで寄越そうとしたじゃないですか!」
(何をしているんですか、大総統)
((それはいいのか?))
大総統に額にキスされてロイは肩を抱かれて執務室から出て行く。
その行動には疑問はあるが、ロイが受け入れているから口には出さない。
「痛みは大丈夫ですか?」
『もう大丈夫。
ロイさんには言ってないんだけどね。
やっぱり、バレちゃったか。
この痛み止めは効くんだけど。
眠くなるんだよね』
「仮眠室に行きます?」
『大丈夫よ。
少し寝たらよくなった』
「酷いようなら医務室に」
『ありがとう』
ロイ同様に片頭痛があるので痛み止めは常備している。
仕事終わりに頼まれて表情には出せずに渋々ながらロイは書類を手に大総統の屋敷に向かう。
「ロイさん、ごめんなさいね。
すぐに帰って来ると思うから」
「大丈夫です」
また今日はどこに寄り道しているんだと苦笑いしながらもロイは自室で本を読みながら待っている。
控えめなノックからロイは本を閉じてドアを開けた。
「お帰りなさい、父様」
「ただいま、ロイ」
「どうかしましたか?」
嬉しいような少し照れたような大総統の微かな変化にロイは気づいた。
「いや…、本当に息子になったようだと思ってな」
「はい?」
「君が一緒に暮らしているようだと錯覚してしまう。
本当に書類上も息子になって欲しいんだけれど」
「勘弁してください」
「私はいつでも大歓迎だよ。
ところで、どうした?」
「至急確認が必要な重要書類が。
大総統の印も」
「了解した。
私の仕事部屋に行こうか。
君もおいで」
「宜しいのですか?」
「構わんよ」
(そういえば、何度も泊まりには来ているけれど。
頼まれて呼びに行ったことはあっても、入ったことはなかった。
人造人間の秘密も隠されていたのかもしれないな)
天井まである大きな本棚が左右にあり、沢山の本があった。
仕事用の机とソファに観葉植物と軍刀があるくらいだった。
「すぐに確認するから座って待って…、読みたいのならば好きに読んでいいぞ。
君、本当に本が好きだな。
特に読まれて困る本はないし」
「廃盤になっている本もありますが、貴重な本なのに鍵を掛けないんですか」
「大総統の屋敷に入り込める者なんて君くらいの技術がないと無理だろう」
瞳を輝かせていたロイは本を手にしながら瞬きし、微かに頬を赤らめた。
「君、意外と褒められるのが苦手なようだな。
人のことは褒めるくせに」
「…不意打ちだったので」
「愛らしいな」
「何を…ッ」
大総統に唇にキスをされたロイは目を見開いた。
「やはり、君は愛らしいな」
「何をするんですか。
30歳過ぎてる息子の唇にキスなんて非常識ですよ。
未成年だとしても5歳以上の子の唇に触れるだけのキスはしないはずです」
「私は人間として欠陥だからな」
「こういう時に限って。
セリム・ブラッドレイにでもどうぞ」
「そんなことをしたら怒られるだけでは済まないな」
「…でしょうね」
淡々とした口調で静かな怒りを露にするだろうなと想像がつく。
「コレは人前ではしないでくださいね、父様。
大切な時期に変な誤解をされては迷惑でしかない」
「人前ではいいのかね?」
「…キス以上がご希望ですか?」
ふわりと笑ってロイは大総統の首に抱きついて見つめる。
「ハニートラップ、得意だったな。
そういう話題に乗らんでくれよ」
「貴方以外にはしませんよ」
「君は綺麗な顔をしている。
君がどう思ってなくても自分が思っている以上に好意を抱かれることがある」
「まぁ、否定はしませんよ」
大総統から離れてロイは楽しそうにクスクスと笑う。
「中尉、いいんですか?」
「軍議だったのよ。
カウンセリングもあったみたいだからね」
「…そうですか」
「大丈夫ですかね」
「問題ないわ」
ソファに座ってロイはぼんやりと外を眺めていた。
「ん…っ」
「起きましたか。
おはようございます」
「そろそろ戻らないと迎えが来ると思いますよ」
「そうだな」
「貴方が眠った後に隣に潜り込んで寝てましたよ」
大判ブランケットが膝に掛けられていて隣にはロイに寄り掛かって寝ているセルシアが居た。
「起こしますか?」
「いや…、大丈夫だ。
痛み止めが効いて眠たくなったんだろう」
ロイは書類を手にして確認しながらも膝枕して寝かせていた。
「失礼するよ。
ロイ、そろそろ戻っておいで」
「父様が来たんですか」
「用事を頼んだ。
じゃないと、リーゼル大佐と言い争って仕事の邪魔をするだろう。
戻って来るのも遅くなるし」
「そうですね。
セルシア、起きなさい。
眠いなら仮眠室に」
『…ロイさん』
「君、起きていただろう」
『膝枕されてるのに起きるなんて勿体ないじゃないですか』
相変わらずだなと苦笑いしながらも誰も指摘はしない。
もう見慣れた光景になっているので気にしない。
「行って来るよ。
では、またな」
『忘れ物』
「はいはい」
((…大総統がいる前でキスのおねだりですか。
それを受け入れるんですね、マスタング大将も))
ロイに唇にキスされて、セルシアは満足そうに笑って見送る。
「さあ、行こうか。
確認して欲しい書類もあるからね」
「丸投げしようとしないでください」
大総統は楽しそうに笑ってロイの額にキスをする。
「…もう。
大総統しか出来ない書類はしませんよ」
「分かっているさ」
「そう言って混ぜて、印まで寄越そうとしたじゃないですか!」
(何をしているんですか、大総統)
((それはいいのか?))
大総統に額にキスされてロイは肩を抱かれて執務室から出て行く。
その行動には疑問はあるが、ロイが受け入れているから口には出さない。
「痛みは大丈夫ですか?」
『もう大丈夫。
ロイさんには言ってないんだけどね。
やっぱり、バレちゃったか。
この痛み止めは効くんだけど。
眠くなるんだよね』
「仮眠室に行きます?」
『大丈夫よ。
少し寝たらよくなった』
「酷いようなら医務室に」
『ありがとう』
ロイ同様に片頭痛があるので痛み止めは常備している。
仕事終わりに頼まれて表情には出せずに渋々ながらロイは書類を手に大総統の屋敷に向かう。
「ロイさん、ごめんなさいね。
すぐに帰って来ると思うから」
「大丈夫です」
また今日はどこに寄り道しているんだと苦笑いしながらもロイは自室で本を読みながら待っている。
控えめなノックからロイは本を閉じてドアを開けた。
「お帰りなさい、父様」
「ただいま、ロイ」
「どうかしましたか?」
嬉しいような少し照れたような大総統の微かな変化にロイは気づいた。
「いや…、本当に息子になったようだと思ってな」
「はい?」
「君が一緒に暮らしているようだと錯覚してしまう。
本当に書類上も息子になって欲しいんだけれど」
「勘弁してください」
「私はいつでも大歓迎だよ。
ところで、どうした?」
「至急確認が必要な重要書類が。
大総統の印も」
「了解した。
私の仕事部屋に行こうか。
君もおいで」
「宜しいのですか?」
「構わんよ」
(そういえば、何度も泊まりには来ているけれど。
頼まれて呼びに行ったことはあっても、入ったことはなかった。
人造人間の秘密も隠されていたのかもしれないな)
天井まである大きな本棚が左右にあり、沢山の本があった。
仕事用の机とソファに観葉植物と軍刀があるくらいだった。
「すぐに確認するから座って待って…、読みたいのならば好きに読んでいいぞ。
君、本当に本が好きだな。
特に読まれて困る本はないし」
「廃盤になっている本もありますが、貴重な本なのに鍵を掛けないんですか」
「大総統の屋敷に入り込める者なんて君くらいの技術がないと無理だろう」
瞳を輝かせていたロイは本を手にしながら瞬きし、微かに頬を赤らめた。
「君、意外と褒められるのが苦手なようだな。
人のことは褒めるくせに」
「…不意打ちだったので」
「愛らしいな」
「何を…ッ」
大総統に唇にキスをされたロイは目を見開いた。
「やはり、君は愛らしいな」
「何をするんですか。
30歳過ぎてる息子の唇にキスなんて非常識ですよ。
未成年だとしても5歳以上の子の唇に触れるだけのキスはしないはずです」
「私は人間として欠陥だからな」
「こういう時に限って。
セリム・ブラッドレイにでもどうぞ」
「そんなことをしたら怒られるだけでは済まないな」
「…でしょうね」
淡々とした口調で静かな怒りを露にするだろうなと想像がつく。
「コレは人前ではしないでくださいね、父様。
大切な時期に変な誤解をされては迷惑でしかない」
「人前ではいいのかね?」
「…キス以上がご希望ですか?」
ふわりと笑ってロイは大総統の首に抱きついて見つめる。
「ハニートラップ、得意だったな。
そういう話題に乗らんでくれよ」
「貴方以外にはしませんよ」
「君は綺麗な顔をしている。
君がどう思ってなくても自分が思っている以上に好意を抱かれることがある」
「まぁ、否定はしませんよ」
大総統から離れてロイは楽しそうにクスクスと笑う。