第54話
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大総統の屋敷のリビングでラフな格好をしている軍人はロイだけだろう。
「高熱も出て体調不良にもなったんだから休みなさい」
「…仕事しなくていいから行く」
「屋敷は1人じゃないだろう」
「…嫌だ」
結局はロイに抱きつかれて根負けした大総統が連れて行った。
想定内だったので夫人もセリムも何も言わずに見送る。
「…暇です」
「薬品を弄るな!
仕事しないって来たんだろ」
「そうですけど」
「いいからベットで寝とけ!」
「さっき寝ましたよ。
熱もなかったし、そんな固いベットで寝れない」
「我儘な坊っちゃんが」
文句を言いながらも軍医はロイの話し相手になっていた。
「ロイ、迎えに来た。
ちゃんと大人しくしてたか?」
「あんたの息子は薬品を弄り、暇だと煩かったぞ」
「…医務室からトイレ以外は出てませんよ」
「よし、大人しくしてたようだな」
軍医の言葉を無視した大総統に軍医はため息をつく。
「大総統。
お疲れ様です」
「マスタング大将。
本当に居たんですね」
「昨日高熱出したからね。
医務室に置いて来てたんだよ。
感染症ではないし」
「屋敷に居ても医務室も暇でした」
「君、熱あった自覚あるか?」
「暇なものは暇でした。
書類作業もやらせてくれないし」
「出勤してないのだから当たり前だ。
本来は君は有休中だぞ」
「むぅ…」
出勤じゃないので勘違いされて仕事させられては困ると大総統はロイを私服にさせていた。
(この人、本当に30代か?)
(10代は無理だが。
25歳と言っても通用するぞ)
(私服だと年下に見えるな)
ロイは大総統の後ろから抱きつきながら不満顔。
「ロイ、帰り際にすまん。
この問題が合ってるか確認してもらえるか?」
「3、5、8、13、17。
それ以外は不正解」
((早っ!))
「おまえのテストか?」
「いや、代理で採点してる」
「基礎が間違ってるぞ」
「はっ?」
「だから、解き方が違う」
「そんな瞬時で分かるのかよ」
「覚えれば簡単だよ」
「おまえの頭脳と一緒にするなよ」
大総統に抱きつきながらロイは口頭で伝えていた。
「父様、お腹空いた」
「途中で寄ろうか」
「パスタ」
「脂っこいのは嫌じゃなかったのかい?」
「今は食べれる」
「やれやれ。
いつもの店にしようか」
「そこ、今日は定休日。
この店も美味しい」
「私に予約させるのか」
ため息をつきながらも大総統はロイを連れて行った。
「ヒューズ中佐。
マスタング大将と同い年ですよね」
「…ロイが童顔なだけだ」
「普通に20代に見えますよね」
「リーゼル大佐と同い年には見えなくても、2歳年上くらいに見えなくもないですよね」
「ロイの前では言うなよ」
「「言えませんよ」」
「そんな命知らず居ませんよ!」
誤解されてるなと思いながらも隊以外の下官とは関わりがないのだから仕方ないかもしれない。
大総統は慎重にカウンセリングの精神科医を探したが、結局は軍医が担当することになった。
漏洩もそうだが、イシュヴァール戦を知っていてロイが話しやすい相手となると軍医がいいだろうと決断になるのは当然の結果とも言える。
「マスタング大将。
話したくなければ、話さなくてもいいぞ」
「えっ?」
「それも含めてのカウンセリングだからな。
イシュヴァール戦の辛いことも聞くことになる。
大総統にも詳しい内容は伏せる」
「……っ…」
「あんたの場合は長期戦になるだろうからな。
カウンセリングしても記憶が戻るのか、戻らないのか。
それは未知数だ」
「…分かっています。
ほかの者もイシュヴァールについて聞かれてるのか?」
「内容は教えられないが。
イシュヴァール戦について聞くことになっている」
「中尉もヒューズ中佐も対象か」
「そうだな」
軍医からイシュヴァール戦について聞くことはなかった。
それ程までにロイの心の傷が深く、話そうとするまで聞かないつもりなのかもしれない。
「やだねぇ〜。
あんたは賢いから。
どうせ、こっちも策も分かってるんだろうな」
「…話さなくていいのか?」
「カウンセリングとは言われたが、話させるようにとは言われなかった。
無理に話させることはしないさ。
たとえ、命令されてもな」
少しロイの肩の力が抜けたことに気づきながらも指摘はしない。
ロイは苦笑いして軍医が淹れた苦いお茶を涼しい顔で飲む。
「申し訳ありませんっ!
遅くなりました!」
「構わんよ。
そう慌てなくても」
軍議の会議室のドアが勢いよく開き、ロイが走って入って来る。
「ほら、軍服が乱れてる。
まだ始めてないから安心しなさい」
「あ、ありがとうございます」
大総統が苦笑いしてロイの軍服の上着の襟を直し、走って来て少し跳ねている髪も撫でて直した。
「カウンセリングだったのだろう。
気にすることはない。
君だけ引っ掛かるとは」
「イシュヴァール戦なのだから仕方ないだろうな」
「マスタング大将は22歳の若さだったし、カウンセリングでは引っ掛かるだろうな」
どう答えていいか分からずにロイは黙ってしまう。
「そういうプライバシーの話はするものじゃないよ。
では、始めようか」
「マスタング大将だけではないですけど。
カウンセリング期間はいつまでするつもりですか?」
「無期限。
精神的な問題があるからな。
君のことじゃない」
「トラウマになってもおかしくはないですから」
年齢や経験値もあって将軍達は平然としている。
ロイの為だろうと疑問に思いながらも将軍達は口にはせずに、以前ならそこを突いていたはずだ。
「高熱も出て体調不良にもなったんだから休みなさい」
「…仕事しなくていいから行く」
「屋敷は1人じゃないだろう」
「…嫌だ」
結局はロイに抱きつかれて根負けした大総統が連れて行った。
想定内だったので夫人もセリムも何も言わずに見送る。
「…暇です」
「薬品を弄るな!
仕事しないって来たんだろ」
「そうですけど」
「いいからベットで寝とけ!」
「さっき寝ましたよ。
熱もなかったし、そんな固いベットで寝れない」
「我儘な坊っちゃんが」
文句を言いながらも軍医はロイの話し相手になっていた。
「ロイ、迎えに来た。
ちゃんと大人しくしてたか?」
「あんたの息子は薬品を弄り、暇だと煩かったぞ」
「…医務室からトイレ以外は出てませんよ」
「よし、大人しくしてたようだな」
軍医の言葉を無視した大総統に軍医はため息をつく。
「大総統。
お疲れ様です」
「マスタング大将。
本当に居たんですね」
「昨日高熱出したからね。
医務室に置いて来てたんだよ。
感染症ではないし」
「屋敷に居ても医務室も暇でした」
「君、熱あった自覚あるか?」
「暇なものは暇でした。
書類作業もやらせてくれないし」
「出勤してないのだから当たり前だ。
本来は君は有休中だぞ」
「むぅ…」
出勤じゃないので勘違いされて仕事させられては困ると大総統はロイを私服にさせていた。
(この人、本当に30代か?)
(10代は無理だが。
25歳と言っても通用するぞ)
(私服だと年下に見えるな)
ロイは大総統の後ろから抱きつきながら不満顔。
「ロイ、帰り際にすまん。
この問題が合ってるか確認してもらえるか?」
「3、5、8、13、17。
それ以外は不正解」
((早っ!))
「おまえのテストか?」
「いや、代理で採点してる」
「基礎が間違ってるぞ」
「はっ?」
「だから、解き方が違う」
「そんな瞬時で分かるのかよ」
「覚えれば簡単だよ」
「おまえの頭脳と一緒にするなよ」
大総統に抱きつきながらロイは口頭で伝えていた。
「父様、お腹空いた」
「途中で寄ろうか」
「パスタ」
「脂っこいのは嫌じゃなかったのかい?」
「今は食べれる」
「やれやれ。
いつもの店にしようか」
「そこ、今日は定休日。
この店も美味しい」
「私に予約させるのか」
ため息をつきながらも大総統はロイを連れて行った。
「ヒューズ中佐。
マスタング大将と同い年ですよね」
「…ロイが童顔なだけだ」
「普通に20代に見えますよね」
「リーゼル大佐と同い年には見えなくても、2歳年上くらいに見えなくもないですよね」
「ロイの前では言うなよ」
「「言えませんよ」」
「そんな命知らず居ませんよ!」
誤解されてるなと思いながらも隊以外の下官とは関わりがないのだから仕方ないかもしれない。
大総統は慎重にカウンセリングの精神科医を探したが、結局は軍医が担当することになった。
漏洩もそうだが、イシュヴァール戦を知っていてロイが話しやすい相手となると軍医がいいだろうと決断になるのは当然の結果とも言える。
「マスタング大将。
話したくなければ、話さなくてもいいぞ」
「えっ?」
「それも含めてのカウンセリングだからな。
イシュヴァール戦の辛いことも聞くことになる。
大総統にも詳しい内容は伏せる」
「……っ…」
「あんたの場合は長期戦になるだろうからな。
カウンセリングしても記憶が戻るのか、戻らないのか。
それは未知数だ」
「…分かっています。
ほかの者もイシュヴァールについて聞かれてるのか?」
「内容は教えられないが。
イシュヴァール戦について聞くことになっている」
「中尉もヒューズ中佐も対象か」
「そうだな」
軍医からイシュヴァール戦について聞くことはなかった。
それ程までにロイの心の傷が深く、話そうとするまで聞かないつもりなのかもしれない。
「やだねぇ〜。
あんたは賢いから。
どうせ、こっちも策も分かってるんだろうな」
「…話さなくていいのか?」
「カウンセリングとは言われたが、話させるようにとは言われなかった。
無理に話させることはしないさ。
たとえ、命令されてもな」
少しロイの肩の力が抜けたことに気づきながらも指摘はしない。
ロイは苦笑いして軍医が淹れた苦いお茶を涼しい顔で飲む。
「申し訳ありませんっ!
遅くなりました!」
「構わんよ。
そう慌てなくても」
軍議の会議室のドアが勢いよく開き、ロイが走って入って来る。
「ほら、軍服が乱れてる。
まだ始めてないから安心しなさい」
「あ、ありがとうございます」
大総統が苦笑いしてロイの軍服の上着の襟を直し、走って来て少し跳ねている髪も撫でて直した。
「カウンセリングだったのだろう。
気にすることはない。
君だけ引っ掛かるとは」
「イシュヴァール戦なのだから仕方ないだろうな」
「マスタング大将は22歳の若さだったし、カウンセリングでは引っ掛かるだろうな」
どう答えていいか分からずにロイは黙ってしまう。
「そういうプライバシーの話はするものじゃないよ。
では、始めようか」
「マスタング大将だけではないですけど。
カウンセリング期間はいつまでするつもりですか?」
「無期限。
精神的な問題があるからな。
君のことじゃない」
「トラウマになってもおかしくはないですから」
年齢や経験値もあって将軍達は平然としている。
ロイの為だろうと疑問に思いながらも将軍達は口にはせずに、以前ならそこを突いていたはずだ。