第54話
夢小説設定
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将軍達がロイに嫌味などしなくなったのも媚びていると思っているが、それも間違いではないだろうが、最もな理由は“認めない理由がない”ということだとヒューズは思っていた。
(才能に妬んでいたが。
視野が狭くなっていたのもあるんだろうけれど。
予想を遥かに超えた才能と頭脳、カリスマ性、戦闘能力。
どれも勝てないと認めてしまえばコイツに墜ちるのは簡単なんだよ。
誰もが魅了されちまって、どれだけ自分の魅力におまえさんは気づいているのかね)
ヒューズは苦笑いしながらも見つめていてその視線にロイは気づいて振り向いた。
「まだ余裕ありそうだな」
「…ヒューズ」
「手を抜いていたのか?」
「なに!?」
「というか、武器倉庫にクナイはそんなにないはずだが。
俺の常備から取っただろ!」
「あぁ、借りた」
「これは窃盗じゃねぇか」
「緊急事態だ、許せ」
「笑顔で言うなよ」
「どうせ、部署的におまえは雑務が多いんだし。
クナイを使うことないだろ」
「まぁ、そうだが」
ヒューズは苦笑いしながらロイにクナイを返されて受け取る。
「…随分と仕込んでるな」
「錬金術を封じられてれば」
「細いから仕込んでも目立たなかったのか」
「それもありますが。
だから、タートルネックの黒のセーターなんですよ」
「なるほど。
見事に私は騙されたって訳だ。
手を抜いたのか?」
「貴女が私を本気にさせれなかった。
それだけですよ」
「尚更、悪いわ!
7歳も年下に負けるとは」
「お姉様とお呼びしましょうか?」
「実弟よりは才能も度胸もあるが、こんな爽やかな男は弟に欲しくない」
「ふはっ!」
ロイは思わず、吹き出して言葉では色々と言いながらもオリヴィエ中将も姉なんだなと実感する。
「マスタング大将とオリヴィエ中将って、もっと年齢が離れてるかと」
「ハボック少尉。
それは私が老けてると?」
「違いますよ!」
「童顔で悪かったな」
「あっ、いや…」
どちらを認めても逃げ場がなくてハボックは冷や汗を流す。
「怪我なくてよかったが。
練習場の整備はするように」
「まぁ、そうですよね」
「…下の者にやらせばいいだろ」
「自分の後始末は自分でしなくてはなりませんよ、お姉様?」
「この…っ」
「腰を掴まないでくださいよ」
「細いんだよ、おまえは!
私を姉と言うなら鍛えろっ!」
「私はスピード重視なので」
「次も挑んでやるからな」
「勘弁してくださいよ」
ロイはオリヴィエに腰を掴まれてクスクスと笑う。
「おまえも手伝えよ、実弟よ」
「了解です。
マスタング大将。
姉が失礼しました」
「気にしてない。
今更だろう」
「この…っ」
容赦なく言い返すようになったロイにオリヴィエ中将は楽しそうに笑う。
マスタング隊を始めとして、ヒューズやアームストロング少佐も駆り出されて半壊された練習場の整備。
壊した柵などはロイとセルシアが錬金術で直していたけれど。
「マスタング大将はどうした?」
「別件で大総統に呼ばれました」
「大総統の特別補佐官ですし。
今は傍に居て共に仕事を教わっているところですから仕方ないのでは?」
「まぁ、ほとんど終わってますし。
アームストロング少佐がいるお陰で」
セルシアが力仕事はアームストロング少佐に丸投げし、風の錬金術で土は元通りになったので楽は出来た。
「実弟さん。
一回り以上も年下に使われてますが、いいんですか?」
「年下だろうが、上官だし。
何よりも的確だからな」
「だからこそ、マスタング大将は行ったんでしょうね」
セルシアに叱られているアームストロング少佐を見て苦笑いしてしまう。
「お疲れさん」
「終わった矢先に来るなよ」
「先に1人でシャワー浴びて着替えたのか」
「大総統の執務室に汚れたまま、入室が出来ると?」
「…それはそうだな」
「見張りは?」
「父様にしてもらったよ」
「それは、見張りでいいのか?」
「マスタング大将ですから」
(…突っ込むのを放置したんだな)
安易に想像がついて苦笑いしてしまいそうになる。
「君達も手伝ってくれて助かったよ」
「「はっ!」」
「疲れただろう。
厨房に食事が用意されてる。
好きなものを食べなさい」
「えっ?」
「ですが…っ」
「おまえら、無料だぞ。
食べないと損だからな」
「ほら、行くぞ」
「マスタング大将。
ありがとうございます!」
佐官よりも下の階級の者達が数名、手伝いを申し出てくれた。
ロイに敬礼し、ブレダとハボックに連れて行かれる。
「オリヴィエ中将も如何ですか?」
「あぁ、頂くよ」
『隣同士で歩くのはダメです!』
「はいはい」
セルシアはロイの腕に抱きつき、オリヴィエ中将に不満そうに見つめる。
『…ロイさん。
香水を変えました?』
「あぁ、新作の香水」
『また頂いたんですか』
「正確には父様から譲り受けた。
自分がつけるには若すぎる香りだと」
『まぁ、少し甘さのある爽やかな香りですからね』
「…セルシア。
首元の匂いを嗅ぐな」
『ココが一番良いんですよ。
匂いが強いので』
「君は動物か。
そういうことは教えてないんだが」
『性癖ですかね』
ゴンッとロイが壁に激突し、痛みに涙目で無言のままで屈んで抑えていてそうなるだろうなとヒューズとオリヴィエ中将は苦笑いする。
頬を赤らめた中尉にセルシアは叱られていた。
(才能に妬んでいたが。
視野が狭くなっていたのもあるんだろうけれど。
予想を遥かに超えた才能と頭脳、カリスマ性、戦闘能力。
どれも勝てないと認めてしまえばコイツに墜ちるのは簡単なんだよ。
誰もが魅了されちまって、どれだけ自分の魅力におまえさんは気づいているのかね)
ヒューズは苦笑いしながらも見つめていてその視線にロイは気づいて振り向いた。
「まだ余裕ありそうだな」
「…ヒューズ」
「手を抜いていたのか?」
「なに!?」
「というか、武器倉庫にクナイはそんなにないはずだが。
俺の常備から取っただろ!」
「あぁ、借りた」
「これは窃盗じゃねぇか」
「緊急事態だ、許せ」
「笑顔で言うなよ」
「どうせ、部署的におまえは雑務が多いんだし。
クナイを使うことないだろ」
「まぁ、そうだが」
ヒューズは苦笑いしながらロイにクナイを返されて受け取る。
「…随分と仕込んでるな」
「錬金術を封じられてれば」
「細いから仕込んでも目立たなかったのか」
「それもありますが。
だから、タートルネックの黒のセーターなんですよ」
「なるほど。
見事に私は騙されたって訳だ。
手を抜いたのか?」
「貴女が私を本気にさせれなかった。
それだけですよ」
「尚更、悪いわ!
7歳も年下に負けるとは」
「お姉様とお呼びしましょうか?」
「実弟よりは才能も度胸もあるが、こんな爽やかな男は弟に欲しくない」
「ふはっ!」
ロイは思わず、吹き出して言葉では色々と言いながらもオリヴィエ中将も姉なんだなと実感する。
「マスタング大将とオリヴィエ中将って、もっと年齢が離れてるかと」
「ハボック少尉。
それは私が老けてると?」
「違いますよ!」
「童顔で悪かったな」
「あっ、いや…」
どちらを認めても逃げ場がなくてハボックは冷や汗を流す。
「怪我なくてよかったが。
練習場の整備はするように」
「まぁ、そうですよね」
「…下の者にやらせばいいだろ」
「自分の後始末は自分でしなくてはなりませんよ、お姉様?」
「この…っ」
「腰を掴まないでくださいよ」
「細いんだよ、おまえは!
私を姉と言うなら鍛えろっ!」
「私はスピード重視なので」
「次も挑んでやるからな」
「勘弁してくださいよ」
ロイはオリヴィエに腰を掴まれてクスクスと笑う。
「おまえも手伝えよ、実弟よ」
「了解です。
マスタング大将。
姉が失礼しました」
「気にしてない。
今更だろう」
「この…っ」
容赦なく言い返すようになったロイにオリヴィエ中将は楽しそうに笑う。
マスタング隊を始めとして、ヒューズやアームストロング少佐も駆り出されて半壊された練習場の整備。
壊した柵などはロイとセルシアが錬金術で直していたけれど。
「マスタング大将はどうした?」
「別件で大総統に呼ばれました」
「大総統の特別補佐官ですし。
今は傍に居て共に仕事を教わっているところですから仕方ないのでは?」
「まぁ、ほとんど終わってますし。
アームストロング少佐がいるお陰で」
セルシアが力仕事はアームストロング少佐に丸投げし、風の錬金術で土は元通りになったので楽は出来た。
「実弟さん。
一回り以上も年下に使われてますが、いいんですか?」
「年下だろうが、上官だし。
何よりも的確だからな」
「だからこそ、マスタング大将は行ったんでしょうね」
セルシアに叱られているアームストロング少佐を見て苦笑いしてしまう。
「お疲れさん」
「終わった矢先に来るなよ」
「先に1人でシャワー浴びて着替えたのか」
「大総統の執務室に汚れたまま、入室が出来ると?」
「…それはそうだな」
「見張りは?」
「父様にしてもらったよ」
「それは、見張りでいいのか?」
「マスタング大将ですから」
(…突っ込むのを放置したんだな)
安易に想像がついて苦笑いしてしまいそうになる。
「君達も手伝ってくれて助かったよ」
「「はっ!」」
「疲れただろう。
厨房に食事が用意されてる。
好きなものを食べなさい」
「えっ?」
「ですが…っ」
「おまえら、無料だぞ。
食べないと損だからな」
「ほら、行くぞ」
「マスタング大将。
ありがとうございます!」
佐官よりも下の階級の者達が数名、手伝いを申し出てくれた。
ロイに敬礼し、ブレダとハボックに連れて行かれる。
「オリヴィエ中将も如何ですか?」
「あぁ、頂くよ」
『隣同士で歩くのはダメです!』
「はいはい」
セルシアはロイの腕に抱きつき、オリヴィエ中将に不満そうに見つめる。
『…ロイさん。
香水を変えました?』
「あぁ、新作の香水」
『また頂いたんですか』
「正確には父様から譲り受けた。
自分がつけるには若すぎる香りだと」
『まぁ、少し甘さのある爽やかな香りですからね』
「…セルシア。
首元の匂いを嗅ぐな」
『ココが一番良いんですよ。
匂いが強いので』
「君は動物か。
そういうことは教えてないんだが」
『性癖ですかね』
ゴンッとロイが壁に激突し、痛みに涙目で無言のままで屈んで抑えていてそうなるだろうなとヒューズとオリヴィエ中将は苦笑いする。
頬を赤らめた中尉にセルシアは叱られていた。