第53話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
いろんな意見が飛び交い、ロイは脳内でまとめながらも聞いていた。
「マスタング大将。
貴方の意見はどうなんですか」
「私ですか。
まぁ、今の作戦では失敗しますね」
「どこが…っ」
「力任せで破滅させても過激派はまた現れますよ。
それに、その作戦では最前線の者がやられてこちらの被害が大きい」
「どうせ、行くのは国家錬金術師の君達だろう」
「そうですねぇ。
私の隊の者以外に任せられる者が居れば、良かったんですけどね」
「能力がないと言っているのか!」
「事実では?
現場を何だと思っているのですか」
「ちょ…っ」
『ロイさんに触るなぁ!
汚い手で触るな、おっさん!』
「おわっ!
リーゼル大佐、ソイツ。
ロイより年下だぞ」
案の定、ロイを掴んだ途端に吹き飛ばされていた。
『老け顔…?』
「いや、逆だろう」
「ロイが年齢不詳の童顔なんだよ」
「年齢不詳で悪かったな」
セルシアの暴風はロイをすり抜け、佐官を吹き飛ばす。
「…っと」
「無事かね?」
「はい、父様」
風の錬金術を避けながら着地したロイに大総統は優しく髪を撫でて直す。
執拗以上にロイが絡まれて軍議にならず、休憩を挟む。
(セルシアの左右にヒューズとアームストロング少佐にして正解だったな。
あ〜っ、疲れる。
軍議がまったく進まない。
出来るならば、追い出したい)
そう思っているのはロイだけではないだろう。
「いい加減にしないか。
妬むのは自由だが、暇人じゃない。
君が話す度に軍議が止まる。
降格したいかね?」
「…大総統」
「わかっている。
今回は警告だ。
次は容赦せんよ。
ロイに感謝するんだな」
「……っ…」
ロイに止められて大総統はため息をつき、ロイが苦笑いする。
その後は黙っているのでお陰で軍議はスムーズだった。
「…強烈だったな」
「ある意味、チャレンジャーと呼ぶべきか?」
「いや、無謀なだけだろう。
大総統がキレない訳がないのに」
将軍達は雑談しながら佐官を揶揄り、佐官が顔を赤くしながら去ってゆく。
「大丈夫かね?」
「慣れてます。
あ〜っ、疲れた」
「ご苦労さん」
「佐官を含む軍議は滅多にないと願いたいですね」
「そうなるといいが」
大総統は苦笑いしながらポンポンとロイの肩を叩く。
「それにしても、よく宥められたな。
いつ吹き飛ばされるかと」
「おまえさんの士官学校時代の写真」
「…人の婚約者を買収するなよ」
「一番いい方法だろ」
「まぁ、そうだが」
補佐官であるマリア・ロスに今頃は写真を見せているかもしれない。
ため息をついてロイは会議室から大総統と共に出る。
「大総統、マスタング大将もお疲れ様です」
「あぁ、待たせたな」
「マスタング大将。
お疲れ様です。
大丈夫ですか?」
「…疲れた」
「そのまま、執務室に戻りますか?」
「ん〜…遭遇する前に戻るか。
色々と面倒だし」
「頭痛薬、飲みます?」
「まだ大丈夫だ」
微かに顔を歪めるロイにチラッと見ながらも中尉は言わない。
「練習していたのか」
『…ロイさん』
「惜しくはあるんだが。
まぁ、以前よりは的に当たるようになったな」
射撃場で的ギリギリではあるが、銃弾が埋まっていた。
ある程度、仕事を片付けてから休憩を兼ねて中尉と共に射撃場に来た。
「まだ君は狙いを定めるのに時間を掛けてもいいから。
この位置だ。
身体で覚えなさい」
『…はい』
まだ時間は掛かりそうだなとロイは苦手意識もあるんだろうなと苦笑いしてセルシアの頭を撫でて宥めた。
(練習するしかないよね。
ロイさんと中尉は別格だし)
補佐官になったマリア・ロスに練習を見てもらいながらも負けず嫌いなセルシアは努力する。
「すご…ッ」
『ロス少尉はロイさんの見るのは初めて?』
「すみません、声に出てましたか。
こういう面では初めてですね」
『別格だよね』
「元々の才能もありますが、努力を怠らなかったからですよ。
さあ、練習しましょう!」
『…鬼だ』
「練習しないと上達しませんよ」
『分かってるもん』
不貞腐れながらもロス少尉と共に練習をしていた。
「さてと、我々は戻るか」
「その前に銃を。
銃弾を詰めますから」
「ありがとう」
肝心なとこで弾切れにならないようにロイの銃には常に中尉によって詰められている。
自分の銃を手渡すのは信頼の証で補佐官でも本来は渡すことはしないが、ロイと中尉に関しては例外なのだろう。
「ロイ、お帰り」
「…ただいま戻りました」
大総統と話している将軍をチラッと見たが、特に会話することもなく、ロイは自分の席に着いた。
表情に出すこともなくて嫌味や嫌がらせを過去にされていても恨むこともないが、許している訳ではない。
(…興味がないんだろうな。
無関心が正しいのかもしれんな)
全部ではなくても事件を含めて大総統は把握していて、騒ぎにしたくないというロイの意見を尊重しているだけだ。
それを将軍達も気づいてない訳ではなくて流石にそこまで無能ではない。
互いに距離感を測って疑いつつも利益の為には協力する。
「マスタング大将。
貴方の意見はどうなんですか」
「私ですか。
まぁ、今の作戦では失敗しますね」
「どこが…っ」
「力任せで破滅させても過激派はまた現れますよ。
それに、その作戦では最前線の者がやられてこちらの被害が大きい」
「どうせ、行くのは国家錬金術師の君達だろう」
「そうですねぇ。
私の隊の者以外に任せられる者が居れば、良かったんですけどね」
「能力がないと言っているのか!」
「事実では?
現場を何だと思っているのですか」
「ちょ…っ」
『ロイさんに触るなぁ!
汚い手で触るな、おっさん!』
「おわっ!
リーゼル大佐、ソイツ。
ロイより年下だぞ」
案の定、ロイを掴んだ途端に吹き飛ばされていた。
『老け顔…?』
「いや、逆だろう」
「ロイが年齢不詳の童顔なんだよ」
「年齢不詳で悪かったな」
セルシアの暴風はロイをすり抜け、佐官を吹き飛ばす。
「…っと」
「無事かね?」
「はい、父様」
風の錬金術を避けながら着地したロイに大総統は優しく髪を撫でて直す。
執拗以上にロイが絡まれて軍議にならず、休憩を挟む。
(セルシアの左右にヒューズとアームストロング少佐にして正解だったな。
あ〜っ、疲れる。
軍議がまったく進まない。
出来るならば、追い出したい)
そう思っているのはロイだけではないだろう。
「いい加減にしないか。
妬むのは自由だが、暇人じゃない。
君が話す度に軍議が止まる。
降格したいかね?」
「…大総統」
「わかっている。
今回は警告だ。
次は容赦せんよ。
ロイに感謝するんだな」
「……っ…」
ロイに止められて大総統はため息をつき、ロイが苦笑いする。
その後は黙っているのでお陰で軍議はスムーズだった。
「…強烈だったな」
「ある意味、チャレンジャーと呼ぶべきか?」
「いや、無謀なだけだろう。
大総統がキレない訳がないのに」
将軍達は雑談しながら佐官を揶揄り、佐官が顔を赤くしながら去ってゆく。
「大丈夫かね?」
「慣れてます。
あ〜っ、疲れた」
「ご苦労さん」
「佐官を含む軍議は滅多にないと願いたいですね」
「そうなるといいが」
大総統は苦笑いしながらポンポンとロイの肩を叩く。
「それにしても、よく宥められたな。
いつ吹き飛ばされるかと」
「おまえさんの士官学校時代の写真」
「…人の婚約者を買収するなよ」
「一番いい方法だろ」
「まぁ、そうだが」
補佐官であるマリア・ロスに今頃は写真を見せているかもしれない。
ため息をついてロイは会議室から大総統と共に出る。
「大総統、マスタング大将もお疲れ様です」
「あぁ、待たせたな」
「マスタング大将。
お疲れ様です。
大丈夫ですか?」
「…疲れた」
「そのまま、執務室に戻りますか?」
「ん〜…遭遇する前に戻るか。
色々と面倒だし」
「頭痛薬、飲みます?」
「まだ大丈夫だ」
微かに顔を歪めるロイにチラッと見ながらも中尉は言わない。
「練習していたのか」
『…ロイさん』
「惜しくはあるんだが。
まぁ、以前よりは的に当たるようになったな」
射撃場で的ギリギリではあるが、銃弾が埋まっていた。
ある程度、仕事を片付けてから休憩を兼ねて中尉と共に射撃場に来た。
「まだ君は狙いを定めるのに時間を掛けてもいいから。
この位置だ。
身体で覚えなさい」
『…はい』
まだ時間は掛かりそうだなとロイは苦手意識もあるんだろうなと苦笑いしてセルシアの頭を撫でて宥めた。
(練習するしかないよね。
ロイさんと中尉は別格だし)
補佐官になったマリア・ロスに練習を見てもらいながらも負けず嫌いなセルシアは努力する。
「すご…ッ」
『ロス少尉はロイさんの見るのは初めて?』
「すみません、声に出てましたか。
こういう面では初めてですね」
『別格だよね』
「元々の才能もありますが、努力を怠らなかったからですよ。
さあ、練習しましょう!」
『…鬼だ』
「練習しないと上達しませんよ」
『分かってるもん』
不貞腐れながらもロス少尉と共に練習をしていた。
「さてと、我々は戻るか」
「その前に銃を。
銃弾を詰めますから」
「ありがとう」
肝心なとこで弾切れにならないようにロイの銃には常に中尉によって詰められている。
自分の銃を手渡すのは信頼の証で補佐官でも本来は渡すことはしないが、ロイと中尉に関しては例外なのだろう。
「ロイ、お帰り」
「…ただいま戻りました」
大総統と話している将軍をチラッと見たが、特に会話することもなく、ロイは自分の席に着いた。
表情に出すこともなくて嫌味や嫌がらせを過去にされていても恨むこともないが、許している訳ではない。
(…興味がないんだろうな。
無関心が正しいのかもしれんな)
全部ではなくても事件を含めて大総統は把握していて、騒ぎにしたくないというロイの意見を尊重しているだけだ。
それを将軍達も気づいてない訳ではなくて流石にそこまで無能ではない。
互いに距離感を測って疑いつつも利益の為には協力する。