第53話
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勢いよく扉が開き、何事かとロイも驚いて見つめる。
「ロイ・マスタング!
どういうつもりだ!」
「マスタング大将っ!」
「大丈夫だ。
落ち着いてください」
「オリヴィエ中将に入れ知恵を与えたのは君だろう!
こんな書面、今まで来なかったんだ」
「私は聞かれたことを上官として教えました。
それの何が問題ありますか?」
「アイツはイシュヴァールから逃げ帰った奴だ!」
「アームストロング少佐の性格を配慮するべきでした。
あの性格はイシュヴァール戦に向いてなかった」
「大総統の命令が間違いだったと言うのか!」
「私はイシュヴァールの件についてはどんな事情があろうとも、間違いだと今も思っています」
「貴様…っ」
「だからと言って私の罪が消えるとは思いません」
「大総統が知ったら貴様もおしまいだ!」
「知ってますよ」
「何だと?」
「私の考えは大総統は知ってる。
そう伝えたからな。
それでも大総統は私を傍に置いてくれてるし、次期大総統として指名をしてくれた。
その意味を理解が出来ない馬鹿ではないでしょう?」
上官は荒々しく、ロイの軍服を離して出て行く。
「…やれやれ。
騒がしい者だな」
「マスタング大将」
「謝ることはない」
アームストロング少佐は無言で深々と頭を下げた。
「今の私に…、貴方に返せるものは何もありません。
この御恩は一生忘れません」
「私にではなく、オリヴィエ中将にだろう?」
「貴方に相談するようになった姉上にも驚きではありますが。
文面は多少変えられてましたが、貴方の文面でした」
「やれやれ。
きちんと変えるように言うべきだったかな」
「姉上はわざとそう使ったのだと思われます」
「…だろうな」
ロイはそれを分かった上で書類を渡したのだろう。
「推薦状のことは知ってますが。
こういうことも出来るんっスか」
「グラマン中将に教わった。
あまり使える対策ではないが」
「推薦状ならヒューズ中佐が書けばいいのでは?
アームストロング少佐の上官なのに」
「推薦状は大佐以上じゃないと書けないんだよ。
ヒューズだと階級が足りない。
部署が違うと推薦状は書けないが、それを諭すことは出来るんだ。
だから、今のうちに丁寧な文字を意識しておけよ」
「何故です?」
「上官になれば重要な書類を作成することが多い。
保管されることも多いんだよ」
「おまえ達が資料として見ている資料もロイが仕上げたのもあるぞ」
「マジっスか!」
「…ハボック少尉」
「直属の上官の直筆くらい覚えておきなさい」
「特にマスタング大将の字は綺麗だから分かるでしょう?」
「まぁ、ハボックらしいが」
ハボック以外は気がついていたようでロイは苦笑いする。
「資料にも直筆サインするし。
名前もあるんだが」
「佐官じゃないですし。
資料が必要な書類はそこまで作成してませんよ」
そういう意味じゃないとロイはため息をつき、ペシンッとハボックに新聞を丸めて叩いた。
軍議は将軍達だけではなく、規模が大きければ佐官クラスも集まる。
実際にロイは大佐時代に何度も嫌がらせをされながらも軍議に参加している。
(…今回は佐官クラスも参加するのか。
面倒になりそうだな)
ロイは補佐官でもあるので事前に大総統から教わる。
「具合悪いか?」
「体調は問題ないです。
分かっているでしょう?」
「今回の軍議は佐官クラスも参加だからな」
ため息をついて甘えるようにロイは大総統の腰に抱きつく。
「そんなに嫌か?」
「また嫌味を言われるだけですよ」
「そうかもしれんな」
「必要なことですが、嫌なものは嫌なんです。
それに、トラブル…起こしました。
後悔はしていませんが」
「トラブル…?」
叱られるかなと思いながらも渋々ながら事情を話す。
「随分と煽ったと言うべきか。
そういう者達からは許されないだろうな。
確かに私は君のイシュヴァールに関しての気持ちは分かるが、あまり話題にはしない方が良いだろうな」
「…はい。
アームストロング少佐にはエド達がお世話にもなりましたから」
「そういうことにしておくさ」
大総統にポンポンと頭を撫でられてロイは不満顔で見つめる。
「ほら、考え過ぎると熱出るぞ」
「…ん。
父様、体温が高いですね」
「そうかもな」
「眠たくなったんだろう?」
「んぅ…」
「良いから寝なさい」
ソファで書類作成をすることになり、大総統はロイを膝枕しながらブランケットを掛けた。
慣れている補佐官はソファのテーブルに書類を運んで来る。
「父子の時間ですか。
邪魔しましたかね」
「気にしなくていい。
だが、小声でな」
「承知しました」
「…ヒューズ?」
「おや、親友の声で起きたか」
「随分と甘やかされてんな。
少し熱あるんじゃねぇか?」
「ん〜…考え過ぎた」
ヒューズに額に触れられてロイは苦笑いする。
滅多に風邪でも熱は出ないが、考え過ぎると微熱が出ることがある。
「知恵熱って訳じゃねぇのにな。
おまえの場合、深く考え過ぎるんだろうな」
「分かってるよ。
私は寝てたか?」
「俺がココに来た時には」
「…何でヒューズがいるんだ?」
「今更かよ。
俺の部署は?」
「あぁ、会議室だもんな」
「膝枕で寝ていると思わなかった」
「ん〜…」
「まだ眠いか?
今日は早めに帰れよ」
「ふぁ…、寝不足なだけ。
深夜と朝方に呼び出されて。
事件あって早急に将軍の階級じゃないと出来ない手続き必要だった」
軍議もあったので3時間未満の睡眠で司令部に来るしかなかった。
「寝不足だと色気倍増になるよな。
俺は慣れてるからいいけどよ。
当てられますから大総統、執務室から出さない方がいいかと」
「…そうだろうな」
「意味がわからん」
「良いから君は寝てなさい」
「リーゼル大佐に会わせたら絶対に危険だな」
大騒ぎして周りに被害が出るのが安易に想像がつく。
「ロイ・マスタング!
どういうつもりだ!」
「マスタング大将っ!」
「大丈夫だ。
落ち着いてください」
「オリヴィエ中将に入れ知恵を与えたのは君だろう!
こんな書面、今まで来なかったんだ」
「私は聞かれたことを上官として教えました。
それの何が問題ありますか?」
「アイツはイシュヴァールから逃げ帰った奴だ!」
「アームストロング少佐の性格を配慮するべきでした。
あの性格はイシュヴァール戦に向いてなかった」
「大総統の命令が間違いだったと言うのか!」
「私はイシュヴァールの件についてはどんな事情があろうとも、間違いだと今も思っています」
「貴様…っ」
「だからと言って私の罪が消えるとは思いません」
「大総統が知ったら貴様もおしまいだ!」
「知ってますよ」
「何だと?」
「私の考えは大総統は知ってる。
そう伝えたからな。
それでも大総統は私を傍に置いてくれてるし、次期大総統として指名をしてくれた。
その意味を理解が出来ない馬鹿ではないでしょう?」
上官は荒々しく、ロイの軍服を離して出て行く。
「…やれやれ。
騒がしい者だな」
「マスタング大将」
「謝ることはない」
アームストロング少佐は無言で深々と頭を下げた。
「今の私に…、貴方に返せるものは何もありません。
この御恩は一生忘れません」
「私にではなく、オリヴィエ中将にだろう?」
「貴方に相談するようになった姉上にも驚きではありますが。
文面は多少変えられてましたが、貴方の文面でした」
「やれやれ。
きちんと変えるように言うべきだったかな」
「姉上はわざとそう使ったのだと思われます」
「…だろうな」
ロイはそれを分かった上で書類を渡したのだろう。
「推薦状のことは知ってますが。
こういうことも出来るんっスか」
「グラマン中将に教わった。
あまり使える対策ではないが」
「推薦状ならヒューズ中佐が書けばいいのでは?
アームストロング少佐の上官なのに」
「推薦状は大佐以上じゃないと書けないんだよ。
ヒューズだと階級が足りない。
部署が違うと推薦状は書けないが、それを諭すことは出来るんだ。
だから、今のうちに丁寧な文字を意識しておけよ」
「何故です?」
「上官になれば重要な書類を作成することが多い。
保管されることも多いんだよ」
「おまえ達が資料として見ている資料もロイが仕上げたのもあるぞ」
「マジっスか!」
「…ハボック少尉」
「直属の上官の直筆くらい覚えておきなさい」
「特にマスタング大将の字は綺麗だから分かるでしょう?」
「まぁ、ハボックらしいが」
ハボック以外は気がついていたようでロイは苦笑いする。
「資料にも直筆サインするし。
名前もあるんだが」
「佐官じゃないですし。
資料が必要な書類はそこまで作成してませんよ」
そういう意味じゃないとロイはため息をつき、ペシンッとハボックに新聞を丸めて叩いた。
軍議は将軍達だけではなく、規模が大きければ佐官クラスも集まる。
実際にロイは大佐時代に何度も嫌がらせをされながらも軍議に参加している。
(…今回は佐官クラスも参加するのか。
面倒になりそうだな)
ロイは補佐官でもあるので事前に大総統から教わる。
「具合悪いか?」
「体調は問題ないです。
分かっているでしょう?」
「今回の軍議は佐官クラスも参加だからな」
ため息をついて甘えるようにロイは大総統の腰に抱きつく。
「そんなに嫌か?」
「また嫌味を言われるだけですよ」
「そうかもしれんな」
「必要なことですが、嫌なものは嫌なんです。
それに、トラブル…起こしました。
後悔はしていませんが」
「トラブル…?」
叱られるかなと思いながらも渋々ながら事情を話す。
「随分と煽ったと言うべきか。
そういう者達からは許されないだろうな。
確かに私は君のイシュヴァールに関しての気持ちは分かるが、あまり話題にはしない方が良いだろうな」
「…はい。
アームストロング少佐にはエド達がお世話にもなりましたから」
「そういうことにしておくさ」
大総統にポンポンと頭を撫でられてロイは不満顔で見つめる。
「ほら、考え過ぎると熱出るぞ」
「…ん。
父様、体温が高いですね」
「そうかもな」
「眠たくなったんだろう?」
「んぅ…」
「良いから寝なさい」
ソファで書類作成をすることになり、大総統はロイを膝枕しながらブランケットを掛けた。
慣れている補佐官はソファのテーブルに書類を運んで来る。
「父子の時間ですか。
邪魔しましたかね」
「気にしなくていい。
だが、小声でな」
「承知しました」
「…ヒューズ?」
「おや、親友の声で起きたか」
「随分と甘やかされてんな。
少し熱あるんじゃねぇか?」
「ん〜…考え過ぎた」
ヒューズに額に触れられてロイは苦笑いする。
滅多に風邪でも熱は出ないが、考え過ぎると微熱が出ることがある。
「知恵熱って訳じゃねぇのにな。
おまえの場合、深く考え過ぎるんだろうな」
「分かってるよ。
私は寝てたか?」
「俺がココに来た時には」
「…何でヒューズがいるんだ?」
「今更かよ。
俺の部署は?」
「あぁ、会議室だもんな」
「膝枕で寝ていると思わなかった」
「ん〜…」
「まだ眠いか?
今日は早めに帰れよ」
「ふぁ…、寝不足なだけ。
深夜と朝方に呼び出されて。
事件あって早急に将軍の階級じゃないと出来ない手続き必要だった」
軍議もあったので3時間未満の睡眠で司令部に来るしかなかった。
「寝不足だと色気倍増になるよな。
俺は慣れてるからいいけどよ。
当てられますから大総統、執務室から出さない方がいいかと」
「…そうだろうな」
「意味がわからん」
「良いから君は寝てなさい」
「リーゼル大佐に会わせたら絶対に危険だな」
大騒ぎして周りに被害が出るのが安易に想像がつく。