第53話
夢小説設定
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寒いなと思いながらもトイレから出て手を洗う。
(将軍達がそうなると佐官もそうなってくれたらいいんだが。
出世に対する妬みもあるし、無理だろうな。
そうなるとやはり、部下達の出世を手助けするのが近道か。
誰が見ても納得する功績を作るしかないな。
セルシアと中尉はともかく、ほかの者達は功績を残すのは安易ではないだろうな。
じっくりとやるしかないか)
佐官クラスに認めてもらうよりも部下達の昇進を目指す。
(私が大総統になる時に動ける者達が必要だからな。
その為には佐官達が必要だ。
将軍クラスは…、セルシアとヒューズに頑張ってもらおうか)
推薦しながらも昇進の近道と言われている試験は受けさせている。
ロイは推薦はしても試験は受けたことがないので信憑性はないが、ロイの場合は例外だとも言われている。
「…また推薦状かね」
「彼等の能力を知るには必要ですからね」
「昇進の土台ではなく?」
「それを含めた能力ですよ」
「マスタング大将が部下達を昇進させようとしていると噂あるぞ」
「否定はしません。
ちゃんと自分の力にしている」
「君が鍛えたのだろう?」
「士官学校卒でないセルシアには不利ですけど。
筆記試験は満点なんですよ」
「技術点だな。
銃の点数はギリギリか。
彼女の場合、功績で問題ないと思うが?」
「えっ?」
「昇進を断っていたからな。
本来ならば、将軍クラスだぞ」
「そう言えば…」
「昇進を断る者なんて君の彼女くらいだぞ。
中央から田舎の東方の君の元に行かせてくれと願ったのも」
(何度、断ったんだよ)
ロイは試験結果を見ながらもため息をついてしまう。
「君が望み、リーゼル大佐が望むならば」
「はい?」
にっこりと笑う大総統にロイは瞬きして見つめる。
「君がまとめた功績的に大佐以上の地位が妥当だと思うが?」
「それは…っ」
「女性の将軍は目立つからね。
君が心配しているのはそこかい?」
「それもですが。
昇進を認めるかと」
「試験は受けているんだろう?」
「自分の技術点では無関係だと理解してますよ。
大佐の地位で困ることもないですし、私以上に風向きが厳しいですから」
「君も部下には…」
「陰口程度ですよ。
私に直接言う馬鹿は居ませんし。
自分のことになると…」
「君達は似た者同士だな」
「…そうかもしれませんね」
試験結果は推薦状を書いた上官なら確認が出来るのでロイはいつも確認して対策を絞っている。
「セルシアの場合、納得しないと受け入れませんよ。
それは大総統も十分に理解しているでしょう?」
「…そうだな」
「ハボックの筆記試験はどうすればいいんだ。
赤点レベルだとは思わなかった」
「技術点は良いんだがな」
ロイは採点されてる結果を確認し、深いため息をつく。
試験を受けた全員分を確認し、ロイは答案用紙をまとめた。
(中尉は流石だな。
満点とはいかないが、計算問題も含めて問題ない。
銃は満点なのは流石だ。
それでも惜しいとこもある。
まだ対策は必要か)
個人のプライバシーに関わるので封筒に入れて持って行く。
「失礼するよ。
リーゼル大佐、ホークアイ中尉、ブレダ少尉、ハボック少尉。
試験の結果だ。
結果を確認し、各自で対策するようにしなさい」
「「はい」」
「特にハボック少尉。
この結果は何だ。
学校なら追試レベルだぞ」
「うげっ!」
「技術点は…、悪くなかったが。
セルシアは逆に技術点だ」
『…ふぁい』
「君は感覚は悪くないんだが。
あとはコツを掴むしかない。
中尉、頼んだよ」
「はっ!」
「中尉は銃以外も悪くないが。
惜しいとこが何点かあった」
「…はい」
「確認するように」
こんなに丁寧に確認しながら注意してくれる上官は居ないだろう。
ほかの上官は部下の昇進はされたくないのが本音なのだ。
「オリヴィエ中将。
お久しぶりでもないですね。
どうかしましたか?」
「…家の用事でな。
マスタング大将は試験を受けさせているのか」
「彼等の能力を知るためにも」
「そうか」
「北では難しいですよね」
「私が把握してれば問題ない。
実弟が受けてる気配がない」
「私も受けたことないですよ」
「君と一緒にするな。
何か知っているのだろう?」
色々と言いながらも実際には心配しているのだろう。
「頼む。
ルール違反なのは知っている。
イシュヴァールの件か?」
「アームストロング少佐の上官はヒューズですが、その上の者が厄介なんですよ。
ヒューズの地位では推薦状を書けないんです」
「確か、大佐以上だったな」
「…はい」
「アイツは上官に嫌われてるのか」
「逃げ帰った者を上にしたくないというのが本音でしょうね」
「そう、だろうな」
「ヒューズも動いてはくれてますが。
逸らされるようです。
ヒューズが昇進するしかないですね」
「部署が異なると推薦が出来ないんだったな」
「出来るのならば、ヒューズは私に頼みますよ」
「…そうだな」
顔を歪めてため息をつくオリヴィエ中将にロイはチラッと見る。
「対策がない訳じゃないですよ」
「なに?」
「あくまでも“推薦状”の話です。
この試験は平等に受けるようにと決まりがあります。
その上官に“警告”は出来ます」
「警告?」
「試験を受けさせるようにと。
それで動くのは上官次第ですよ。
脅してみるのも手では?
私よりも貴女が得意分野では?」
「失礼な奴だ。
だが、感謝する」
ロイに警告状の書類を貰ってオリヴィエはニヤリと笑って去って行く。
(オリヴィエ中将が相手なら、あの上官も動くだろうな。
かなり怯えるかもしれないが)
安易に想像がついてロイは苦笑いしてしまう。
(将軍達がそうなると佐官もそうなってくれたらいいんだが。
出世に対する妬みもあるし、無理だろうな。
そうなるとやはり、部下達の出世を手助けするのが近道か。
誰が見ても納得する功績を作るしかないな。
セルシアと中尉はともかく、ほかの者達は功績を残すのは安易ではないだろうな。
じっくりとやるしかないか)
佐官クラスに認めてもらうよりも部下達の昇進を目指す。
(私が大総統になる時に動ける者達が必要だからな。
その為には佐官達が必要だ。
将軍クラスは…、セルシアとヒューズに頑張ってもらおうか)
推薦しながらも昇進の近道と言われている試験は受けさせている。
ロイは推薦はしても試験は受けたことがないので信憑性はないが、ロイの場合は例外だとも言われている。
「…また推薦状かね」
「彼等の能力を知るには必要ですからね」
「昇進の土台ではなく?」
「それを含めた能力ですよ」
「マスタング大将が部下達を昇進させようとしていると噂あるぞ」
「否定はしません。
ちゃんと自分の力にしている」
「君が鍛えたのだろう?」
「士官学校卒でないセルシアには不利ですけど。
筆記試験は満点なんですよ」
「技術点だな。
銃の点数はギリギリか。
彼女の場合、功績で問題ないと思うが?」
「えっ?」
「昇進を断っていたからな。
本来ならば、将軍クラスだぞ」
「そう言えば…」
「昇進を断る者なんて君の彼女くらいだぞ。
中央から田舎の東方の君の元に行かせてくれと願ったのも」
(何度、断ったんだよ)
ロイは試験結果を見ながらもため息をついてしまう。
「君が望み、リーゼル大佐が望むならば」
「はい?」
にっこりと笑う大総統にロイは瞬きして見つめる。
「君がまとめた功績的に大佐以上の地位が妥当だと思うが?」
「それは…っ」
「女性の将軍は目立つからね。
君が心配しているのはそこかい?」
「それもですが。
昇進を認めるかと」
「試験は受けているんだろう?」
「自分の技術点では無関係だと理解してますよ。
大佐の地位で困ることもないですし、私以上に風向きが厳しいですから」
「君も部下には…」
「陰口程度ですよ。
私に直接言う馬鹿は居ませんし。
自分のことになると…」
「君達は似た者同士だな」
「…そうかもしれませんね」
試験結果は推薦状を書いた上官なら確認が出来るのでロイはいつも確認して対策を絞っている。
「セルシアの場合、納得しないと受け入れませんよ。
それは大総統も十分に理解しているでしょう?」
「…そうだな」
「ハボックの筆記試験はどうすればいいんだ。
赤点レベルだとは思わなかった」
「技術点は良いんだがな」
ロイは採点されてる結果を確認し、深いため息をつく。
試験を受けた全員分を確認し、ロイは答案用紙をまとめた。
(中尉は流石だな。
満点とはいかないが、計算問題も含めて問題ない。
銃は満点なのは流石だ。
それでも惜しいとこもある。
まだ対策は必要か)
個人のプライバシーに関わるので封筒に入れて持って行く。
「失礼するよ。
リーゼル大佐、ホークアイ中尉、ブレダ少尉、ハボック少尉。
試験の結果だ。
結果を確認し、各自で対策するようにしなさい」
「「はい」」
「特にハボック少尉。
この結果は何だ。
学校なら追試レベルだぞ」
「うげっ!」
「技術点は…、悪くなかったが。
セルシアは逆に技術点だ」
『…ふぁい』
「君は感覚は悪くないんだが。
あとはコツを掴むしかない。
中尉、頼んだよ」
「はっ!」
「中尉は銃以外も悪くないが。
惜しいとこが何点かあった」
「…はい」
「確認するように」
こんなに丁寧に確認しながら注意してくれる上官は居ないだろう。
ほかの上官は部下の昇進はされたくないのが本音なのだ。
「オリヴィエ中将。
お久しぶりでもないですね。
どうかしましたか?」
「…家の用事でな。
マスタング大将は試験を受けさせているのか」
「彼等の能力を知るためにも」
「そうか」
「北では難しいですよね」
「私が把握してれば問題ない。
実弟が受けてる気配がない」
「私も受けたことないですよ」
「君と一緒にするな。
何か知っているのだろう?」
色々と言いながらも実際には心配しているのだろう。
「頼む。
ルール違反なのは知っている。
イシュヴァールの件か?」
「アームストロング少佐の上官はヒューズですが、その上の者が厄介なんですよ。
ヒューズの地位では推薦状を書けないんです」
「確か、大佐以上だったな」
「…はい」
「アイツは上官に嫌われてるのか」
「逃げ帰った者を上にしたくないというのが本音でしょうね」
「そう、だろうな」
「ヒューズも動いてはくれてますが。
逸らされるようです。
ヒューズが昇進するしかないですね」
「部署が異なると推薦が出来ないんだったな」
「出来るのならば、ヒューズは私に頼みますよ」
「…そうだな」
顔を歪めてため息をつくオリヴィエ中将にロイはチラッと見る。
「対策がない訳じゃないですよ」
「なに?」
「あくまでも“推薦状”の話です。
この試験は平等に受けるようにと決まりがあります。
その上官に“警告”は出来ます」
「警告?」
「試験を受けさせるようにと。
それで動くのは上官次第ですよ。
脅してみるのも手では?
私よりも貴女が得意分野では?」
「失礼な奴だ。
だが、感謝する」
ロイに警告状の書類を貰ってオリヴィエはニヤリと笑って去って行く。
(オリヴィエ中将が相手なら、あの上官も動くだろうな。
かなり怯えるかもしれないが)
安易に想像がついてロイは苦笑いしてしまう。