第53話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それで気づかないのがセルシアだなと思う。
「去年は何を贈られたんです?
中尉も貰ったんでしょう?」
『…花ではあるのかな』
「えぇ、形的には」
「どういう意味ですか?」
「薔薇の花の形をしたチョコレートだったから」
「その前は飴でしたね」
「はあぁ?」
「マスタング大将。
まさか、ソレも作ったと言わないですよ
ね」
「作ったが?」
「もう趣味の範囲、超えてるって」
「今更だろ。
ロイの料理の腕と器用さは」
「プロ級っていうか。
パティシエじゃないですか」
驚愕して引いている部下達に何故だと不思議に思うロイに妙なとこでマイペースだとヒューズは苦笑いする。
「失礼します。
ヒューズ中佐、そろそろお戻りを」
「りょーかい」
「マスタング大将。
大総統がお探しですよ」
「それじゃ、私も戻るか。
またあとで」
ロイは執務室から出て、大総統の執務室に戻る。
「あれ。
大総統と会いませんでした?」
「いいや。
すれ違いになったか?」
「そのうち戻って来ますよ。
流石に雪では外に行かないかと」
「雪降ってるのか。
寒いと思ったら。
雪の中、事件が起きたら嫌だな」
ロイはため息をついて雪の降る外を窓から眺める。
「戻っていたのか。
すれ違いになったようだ」
「大総統、外に行ったのですか?
雪が肩に…」
「風邪引いてしまいますよ!」
慌てた補佐官がタオルを持って来て大総統は苦笑いして受け取る。
「どこに行っていたんですか?」
「雪景色で外に出てみて。
そうしたら、屋根から雪が落ちて」
「…何歳なんですか」
「中央で雪が降るのは珍しいですが、気をつけてくださいね」
呆れて補佐官に説教される大総統にロイは苦笑いする。
「さっみぃ〜。
こんな雪の中、視察なんて」
「さっさと終わらして帰ろうぜ」
鼻水を啜りながら寒さに震えながらブレダとハボックは司令部に向かう足は無意識に早足になってゆく。
「腹減ったし、寒いし。
温かいもの食いたいな」
「今日は流石にそうだよな」
いつもは食堂を利用しない上官達も外に出たくないようで見かけた。
「マスタング大将。
君は痩せているのだから。
もっと食べなさい」
「…体質です」
「肉も食べなさい」
「いや、食べてます」
将軍達に囲まれながら食事しているロイに戸惑ってしまう。
気遣うような将軍達に大丈夫なんだろうかと半信半疑なのはロイだけではないだろう。
「昔と違って食堂の食事もうまくなったからな」
「マスタング大将。
それしか食べないのか?」
「無理強いしてはいけんよ。
我々が叱られてしまう」
誘われて断れずに半ば強引に食堂で食事することになちあったらしい。
今頃はセルシアが不貞腐れて中尉達に宥められているのだろう。
軍議よりも疲れたなとロイはため息をつき、執務室に戻った。
「セルシア、居るか?」
『…居ます』
「そんな顔しないでおくれ。
私も予想外だったんだよ」
「リーゼル大佐。
マスタング大将のせいでは…」
『分かってるけど。
一緒に食べたかった。
楽しみにしてたのに』
「私も楽しみだったよ。
一生懸命に作ってくれてたのにすまなかった」
『将軍達、嫌い…』
「よしよし」
不満そうに拗ねながらもロイに抱きついていた。
「中尉も突然すまなかったね」
「いいえ。
私的には幸運でしたよ。
美味しかったですから」
「ありがとう」
『また誘われる?』
「…わからん。
私も困惑している」
「まぁ、嫌がらせとかされるよりは」
「そうかもしれんが。
嫌味とかなかったし、裏があるように思えてしまう」
「疑うのは良くないですが。
相手が相手ですからね」
「しばらくは様子を見るさ」
「仕事は少し楽になりましたし、悪くない傾向では?」
「そうなるといいんだが」
中尉は事情が事情なので苦笑いしながら宥めた。
『またこうなったら中尉を誘う。
中尉が休みの時はフュリー准尉ならいい?』
「そうならないことを願うが。
中尉かフュリーに任せるよ」
執務室を出てロイは大総統の執務室に向かう。
近いのもあって行き来が楽なのは移動させてもらって良かった。
(飲みにまで誘われるとは。
さて、どうやって断るべきか)
考えていると視界に見えた人物にロイは微かに笑みを浮かべる。
「今日は父様と飲む約束をしていますので」
「それなら仕方ない」
「また誘うよ」
「…お気持ちだけで」
「君達、誘っていたのか。
やめた方が良いぞ。
半端なく飲むし、酔い潰されるぞ」
「そうならないようにします」
「マスタング大将、またな」
「はい」
将軍達が去るとロイはため息をつき、大総統も苦笑いして慰めるように頭を撫でた。
「…助かりました」
「大変そうだな。
それにしても突然だな」
「何かあるのかと疑ってしまいます」
「それは仕方ないが。
嫌味よりも自分達の生きる道を選んだんだろう」
「えっ?」
「君が次期大総統なのは正式に決定したし、書面にも残した。
交流のある国のトップにも紹介したとなれば…」
「媚びられているんですかね。
それも面倒です。
放っておいて欲しい」
「無理だろうな。
遠慮せずに言えばいいだろう」
「言えたら苦労しませんよ。
私の部下をターゲットにされたら困ります」
「真面目だな。
そこが良いんだが」
大総統と共に執務室に戻り、ロイは途中だった書類を手にする。
「去年は何を贈られたんです?
中尉も貰ったんでしょう?」
『…花ではあるのかな』
「えぇ、形的には」
「どういう意味ですか?」
「薔薇の花の形をしたチョコレートだったから」
「その前は飴でしたね」
「はあぁ?」
「マスタング大将。
まさか、ソレも作ったと言わないですよ
ね」
「作ったが?」
「もう趣味の範囲、超えてるって」
「今更だろ。
ロイの料理の腕と器用さは」
「プロ級っていうか。
パティシエじゃないですか」
驚愕して引いている部下達に何故だと不思議に思うロイに妙なとこでマイペースだとヒューズは苦笑いする。
「失礼します。
ヒューズ中佐、そろそろお戻りを」
「りょーかい」
「マスタング大将。
大総統がお探しですよ」
「それじゃ、私も戻るか。
またあとで」
ロイは執務室から出て、大総統の執務室に戻る。
「あれ。
大総統と会いませんでした?」
「いいや。
すれ違いになったか?」
「そのうち戻って来ますよ。
流石に雪では外に行かないかと」
「雪降ってるのか。
寒いと思ったら。
雪の中、事件が起きたら嫌だな」
ロイはため息をついて雪の降る外を窓から眺める。
「戻っていたのか。
すれ違いになったようだ」
「大総統、外に行ったのですか?
雪が肩に…」
「風邪引いてしまいますよ!」
慌てた補佐官がタオルを持って来て大総統は苦笑いして受け取る。
「どこに行っていたんですか?」
「雪景色で外に出てみて。
そうしたら、屋根から雪が落ちて」
「…何歳なんですか」
「中央で雪が降るのは珍しいですが、気をつけてくださいね」
呆れて補佐官に説教される大総統にロイは苦笑いする。
「さっみぃ〜。
こんな雪の中、視察なんて」
「さっさと終わらして帰ろうぜ」
鼻水を啜りながら寒さに震えながらブレダとハボックは司令部に向かう足は無意識に早足になってゆく。
「腹減ったし、寒いし。
温かいもの食いたいな」
「今日は流石にそうだよな」
いつもは食堂を利用しない上官達も外に出たくないようで見かけた。
「マスタング大将。
君は痩せているのだから。
もっと食べなさい」
「…体質です」
「肉も食べなさい」
「いや、食べてます」
将軍達に囲まれながら食事しているロイに戸惑ってしまう。
気遣うような将軍達に大丈夫なんだろうかと半信半疑なのはロイだけではないだろう。
「昔と違って食堂の食事もうまくなったからな」
「マスタング大将。
それしか食べないのか?」
「無理強いしてはいけんよ。
我々が叱られてしまう」
誘われて断れずに半ば強引に食堂で食事することになちあったらしい。
今頃はセルシアが不貞腐れて中尉達に宥められているのだろう。
軍議よりも疲れたなとロイはため息をつき、執務室に戻った。
「セルシア、居るか?」
『…居ます』
「そんな顔しないでおくれ。
私も予想外だったんだよ」
「リーゼル大佐。
マスタング大将のせいでは…」
『分かってるけど。
一緒に食べたかった。
楽しみにしてたのに』
「私も楽しみだったよ。
一生懸命に作ってくれてたのにすまなかった」
『将軍達、嫌い…』
「よしよし」
不満そうに拗ねながらもロイに抱きついていた。
「中尉も突然すまなかったね」
「いいえ。
私的には幸運でしたよ。
美味しかったですから」
「ありがとう」
『また誘われる?』
「…わからん。
私も困惑している」
「まぁ、嫌がらせとかされるよりは」
「そうかもしれんが。
嫌味とかなかったし、裏があるように思えてしまう」
「疑うのは良くないですが。
相手が相手ですからね」
「しばらくは様子を見るさ」
「仕事は少し楽になりましたし、悪くない傾向では?」
「そうなるといいんだが」
中尉は事情が事情なので苦笑いしながら宥めた。
『またこうなったら中尉を誘う。
中尉が休みの時はフュリー准尉ならいい?』
「そうならないことを願うが。
中尉かフュリーに任せるよ」
執務室を出てロイは大総統の執務室に向かう。
近いのもあって行き来が楽なのは移動させてもらって良かった。
(飲みにまで誘われるとは。
さて、どうやって断るべきか)
考えていると視界に見えた人物にロイは微かに笑みを浮かべる。
「今日は父様と飲む約束をしていますので」
「それなら仕方ない」
「また誘うよ」
「…お気持ちだけで」
「君達、誘っていたのか。
やめた方が良いぞ。
半端なく飲むし、酔い潰されるぞ」
「そうならないようにします」
「マスタング大将、またな」
「はい」
将軍達が去るとロイはため息をつき、大総統も苦笑いして慰めるように頭を撫でた。
「…助かりました」
「大変そうだな。
それにしても突然だな」
「何かあるのかと疑ってしまいます」
「それは仕方ないが。
嫌味よりも自分達の生きる道を選んだんだろう」
「えっ?」
「君が次期大総統なのは正式に決定したし、書面にも残した。
交流のある国のトップにも紹介したとなれば…」
「媚びられているんですかね。
それも面倒です。
放っておいて欲しい」
「無理だろうな。
遠慮せずに言えばいいだろう」
「言えたら苦労しませんよ。
私の部下をターゲットにされたら困ります」
「真面目だな。
そこが良いんだが」
大総統と共に執務室に戻り、ロイは途中だった書類を手にする。