第53話
夢小説設定
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ロイ程ではなくても将軍達が仕事が出来るようになり、ロイは少しは楽になって休みに呼び出されることも減った。
「マスタング大将。
どうしたんですか?」
「今日は冷えるから。
お裾分け」
「いい香りですね」
『これ、アップルジンジャーティーですか?』
「当たり。
2人で飲んでくれ。
少し甘めに作ったから」
「マスタング大将が作ったんですか」
中尉は無意識だろうが、嬉しそうに柔らかな笑みを浮かべてロイはふわりと微笑んだ。
((そんな雰囲気を出しているから恋人説が浮上するんだよな))
「どこで作ったんですか?」
「大総統の執務室の給水所だが?」
「…それはいいんですか?」
「自由にして良いって言うし。
普通に小さなキッチンになってるぞ。
私が復帰した時に工事して作らせたと言われた。
小さな鍋やら包丁とかあるし」
「夜勤の時に遅くなると差し入れ作って来てくれるのって」
「あぁ、そこで作ってる」
(甘やかされてると言うか、大総統もマスタング大将に胃袋を掴まれたパターンじゃねぇか?)
ロイは夜勤の差し入れにサンドイッチなどの軽食や温かい飲み物を淹れて来てくれる。
(店も閉まっているのに不思議に思っていたけど)
(マスタング大将の為に冷蔵庫も常備されてるな)
安易に想像がついてブレダとハボックは苦笑いする。
「…美味しい」
『温まりますね』
「2人にだけですか?」
「おまえ達は走って来ればいいさ」
「ひでぇ〜」
「女性は身体を冷やしたら大変だし」
「マスタング大将、贔屓だ〜」
「贔屓で何が悪い」
ハボックとロイは言い合っているが、遊びみたいなもので本気ではない。
最初はフュリーは驚いてたが、今は慣れて不安そうに見ることはない。
「マスタング大将。
嘘はいけませんよ」
『用意して来てるんでしょう?』
「やれやれ、仕方ないな。
淹れてやるから」
「マスタング大将、流石ですね」
「調子が良いな」
「林檎の香りですか?」
「ホットアップルサイダーだよ」
「聞いたことないです。
これも異国の飲み物ですか?」
「そうだな。
新鮮な林檎ジュースにスパイスを入れて温めるんだ。
多めに作ったし、中尉とセルシアも味見するか?」
「飲んでみたいです」
『是非!』
「今回はどちらも林檎の飲み物なんですね」
「林檎を頂いたからね」
「そのまま食べるよりもそれで何か作るの好きですよね」
「そうだなぁ〜。
色々と試したくなるんだよ」
((…趣味の域を越えてるよな))
本人は趣味のつもりだが、プロ並みの技術がある。
実際にプロに混ざっても怪しまれなかったのだから。
ロイも一緒に飲んで資料を見ながらも雑談していた。
「談話室かよ」
「ヒューズ中佐、いらっしゃい」
「林檎の香りか?」
「当たりです」
「マスタング大将が作って来てくれまして」
「寒くなると喫茶店を開くよな」
「喫茶店って」
「今度は何だったんだ?」
「アップルジンジャーティーとホットアップルサイダーです」
「もうないぞ」
「別に強請ってねぇよ。
おまえさんが飲んでるのはどっち?」
「今はホットアップルサイダー」
「ふぅ〜ん。
まぁ、いい味だな」
「…シラフで唇にキスするか?」
「分かって受け入れただろ」
「今更だろ」
呆れたようにロイは飲みかけのカップをヒューズに渡す。
「飲みたいなら、そう言えよ」
「ふははっ!」
((…飲みかけでいいんだ))
ロイの唇にキスして譲ってもらうヒューズに呆れながらも何も言わず。
ヒューズとロイの距離感が近いので士官学校では一時的に関係性があると噂が流れた。
「妬かないんですか?」
『兄弟みたいなものだし。
ヒューズ中佐のこと、お義兄さんとお呼びするべきですか?』
「…っぶ!
ゴホッ…ゴホッ…」
「いや、大丈夫だ。
ロイ…変なとこに入ったか?」
珈琲を淹れて飲んでいたロイが隣で吹き出しそうになって激しく咳込み、苦笑いしてヒューズが背をさする。
「コホン…っ、大丈夫だ。
君は本当に…」
『ふふっ…ご希望ならば』
「誰が希望するか!」
『お兄ちゃんの方がいい?』
「…違う」
脱力して深いため息をつくロイにヒューズは苦笑いする。
天然マイペースに振り回されてるなと思わなくはない。
「お兄さんはどちらかと言えば、性格的にマスタング大将の方が…」
「中尉?」
「もしかしなくても声に出てましたか!?」
「…思いっきり」
「わ、忘れてください」
「くくっ…昔の私は“お兄さん”だったかい?」
「マスタングさん!
違う!マスタング大将!」
((…あの中尉が凄く動揺してる))
「君にそう呼ばれるのは久しいな」
「し、失礼しました」
「いいや。
あの時は悪かった。
君を助けたかったのは同情でも嘘じゃないよ。
君が“オレ”の生きる希望だった。
いつだって君の幸せを願っているよ、リザ。
過去も現在も、未来も」
ロイに額にキスされ、中尉は真っ赤になって両手で顔を覆う。
「…バカじゃないですか」
「バカで結構」
「幸せを掴んでいい。
どんな形でもいいから」
「私の幸せは貴方の副官でいることです。
大総統付きの補佐官にしてください。
私の願いはそれだけです」
「参ったね、本当に」
ロイは困ったように笑って中尉の頭を撫でた。
『中尉をお姉さんと呼ぶべき?』
「やめてください」
「…まだ続けるのか」
呆れたようにロイがため息をつき、セルシアを隣に座らせた。
「そういえば、ヒューズ中佐もマスタング大将も花を贈るんですか?」
「何の話だ?」
「あぁ、バレンタインデーか」
「マスタング大将。
薔薇の花束が似合いそうですよね」
セルシアは視線にキョトンと不思議そうに首を傾げた。
「マスタング大将。
どうしたんですか?」
「今日は冷えるから。
お裾分け」
「いい香りですね」
『これ、アップルジンジャーティーですか?』
「当たり。
2人で飲んでくれ。
少し甘めに作ったから」
「マスタング大将が作ったんですか」
中尉は無意識だろうが、嬉しそうに柔らかな笑みを浮かべてロイはふわりと微笑んだ。
((そんな雰囲気を出しているから恋人説が浮上するんだよな))
「どこで作ったんですか?」
「大総統の執務室の給水所だが?」
「…それはいいんですか?」
「自由にして良いって言うし。
普通に小さなキッチンになってるぞ。
私が復帰した時に工事して作らせたと言われた。
小さな鍋やら包丁とかあるし」
「夜勤の時に遅くなると差し入れ作って来てくれるのって」
「あぁ、そこで作ってる」
(甘やかされてると言うか、大総統もマスタング大将に胃袋を掴まれたパターンじゃねぇか?)
ロイは夜勤の差し入れにサンドイッチなどの軽食や温かい飲み物を淹れて来てくれる。
(店も閉まっているのに不思議に思っていたけど)
(マスタング大将の為に冷蔵庫も常備されてるな)
安易に想像がついてブレダとハボックは苦笑いする。
「…美味しい」
『温まりますね』
「2人にだけですか?」
「おまえ達は走って来ればいいさ」
「ひでぇ〜」
「女性は身体を冷やしたら大変だし」
「マスタング大将、贔屓だ〜」
「贔屓で何が悪い」
ハボックとロイは言い合っているが、遊びみたいなもので本気ではない。
最初はフュリーは驚いてたが、今は慣れて不安そうに見ることはない。
「マスタング大将。
嘘はいけませんよ」
『用意して来てるんでしょう?』
「やれやれ、仕方ないな。
淹れてやるから」
「マスタング大将、流石ですね」
「調子が良いな」
「林檎の香りですか?」
「ホットアップルサイダーだよ」
「聞いたことないです。
これも異国の飲み物ですか?」
「そうだな。
新鮮な林檎ジュースにスパイスを入れて温めるんだ。
多めに作ったし、中尉とセルシアも味見するか?」
「飲んでみたいです」
『是非!』
「今回はどちらも林檎の飲み物なんですね」
「林檎を頂いたからね」
「そのまま食べるよりもそれで何か作るの好きですよね」
「そうだなぁ〜。
色々と試したくなるんだよ」
((…趣味の域を越えてるよな))
本人は趣味のつもりだが、プロ並みの技術がある。
実際にプロに混ざっても怪しまれなかったのだから。
ロイも一緒に飲んで資料を見ながらも雑談していた。
「談話室かよ」
「ヒューズ中佐、いらっしゃい」
「林檎の香りか?」
「当たりです」
「マスタング大将が作って来てくれまして」
「寒くなると喫茶店を開くよな」
「喫茶店って」
「今度は何だったんだ?」
「アップルジンジャーティーとホットアップルサイダーです」
「もうないぞ」
「別に強請ってねぇよ。
おまえさんが飲んでるのはどっち?」
「今はホットアップルサイダー」
「ふぅ〜ん。
まぁ、いい味だな」
「…シラフで唇にキスするか?」
「分かって受け入れただろ」
「今更だろ」
呆れたようにロイは飲みかけのカップをヒューズに渡す。
「飲みたいなら、そう言えよ」
「ふははっ!」
((…飲みかけでいいんだ))
ロイの唇にキスして譲ってもらうヒューズに呆れながらも何も言わず。
ヒューズとロイの距離感が近いので士官学校では一時的に関係性があると噂が流れた。
「妬かないんですか?」
『兄弟みたいなものだし。
ヒューズ中佐のこと、お義兄さんとお呼びするべきですか?』
「…っぶ!
ゴホッ…ゴホッ…」
「いや、大丈夫だ。
ロイ…変なとこに入ったか?」
珈琲を淹れて飲んでいたロイが隣で吹き出しそうになって激しく咳込み、苦笑いしてヒューズが背をさする。
「コホン…っ、大丈夫だ。
君は本当に…」
『ふふっ…ご希望ならば』
「誰が希望するか!」
『お兄ちゃんの方がいい?』
「…違う」
脱力して深いため息をつくロイにヒューズは苦笑いする。
天然マイペースに振り回されてるなと思わなくはない。
「お兄さんはどちらかと言えば、性格的にマスタング大将の方が…」
「中尉?」
「もしかしなくても声に出てましたか!?」
「…思いっきり」
「わ、忘れてください」
「くくっ…昔の私は“お兄さん”だったかい?」
「マスタングさん!
違う!マスタング大将!」
((…あの中尉が凄く動揺してる))
「君にそう呼ばれるのは久しいな」
「し、失礼しました」
「いいや。
あの時は悪かった。
君を助けたかったのは同情でも嘘じゃないよ。
君が“オレ”の生きる希望だった。
いつだって君の幸せを願っているよ、リザ。
過去も現在も、未来も」
ロイに額にキスされ、中尉は真っ赤になって両手で顔を覆う。
「…バカじゃないですか」
「バカで結構」
「幸せを掴んでいい。
どんな形でもいいから」
「私の幸せは貴方の副官でいることです。
大総統付きの補佐官にしてください。
私の願いはそれだけです」
「参ったね、本当に」
ロイは困ったように笑って中尉の頭を撫でた。
『中尉をお姉さんと呼ぶべき?』
「やめてください」
「…まだ続けるのか」
呆れたようにロイがため息をつき、セルシアを隣に座らせた。
「そういえば、ヒューズ中佐もマスタング大将も花を贈るんですか?」
「何の話だ?」
「あぁ、バレンタインデーか」
「マスタング大将。
薔薇の花束が似合いそうですよね」
セルシアは視線にキョトンと不思議そうに首を傾げた。