第53話
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錬金術を封じられ、ロイもセルシアも顔を歪める。
空気を操る錬金術で濃度の高い空間では爆破の可能性があるので危なくて使えない。
(そうなると…、銃も不利ってことではあるが。
短時間なら問題ない)
ロイが銃で道を作り、中尉が倒れた犯人達を撃つ。
ブレダとハボックは銃の戦闘に不利なセルシアとフュリーを庇いながらも銃で応戦。
(やば…っ)
「マスタング大将!」
「…っと。
問題ない!」
ロイは銃を弾かれ、犯人を蹴り飛ばして中尉が気にしながらも撃つ。
「マスタング大将!
コレを!」
「おわ…っ、助かるよ」
フュリーが自分の銃をロイに投げ、受け取ったロイは微かに笑う。
(戦闘能力はまだ低いが。
ちゃんと使っているじゃないか)
フュリーの銃に複数の傷があって、それは努力の証。
「思ったよりも制圧に時間が掛かったな」
「爆破するんじゃないかとヒヤヒヤしましたよ」
「そんなことさせないさ。
フュリー、助かった」
「いえ…」
「そっちは?」
「雑音は多少ありますが。
問題がないかと」
「それでは、帰ろうか」
「マスタング大将。
フュリーには甘いですよね」
「おまえは可愛げないからな」
「ひでぇ〜。
給料日前なんっスよ。
奢ってくださいよ」
「君は少しは遠慮しろ、ハボック」
いつもの光景にフュリーは後ろから眺めながら微かに笑う。
「フュリー、よくやったな。
君も行くぞ」
「はいっ!」
「フュリー。
君は何が食べたい?」
「僕、ですか?」
「頑張ってくれてたからご褒美だ」
ロイを始めとした視線にヒュリーは戸惑いながらも呟く。
「ビーフ・ウェリントン」
「おや、意外な選択だな。
悪くないよ。
私も久々に食べようかな」
『どんな料理でしたっけ?』
「パイ生地の料理だな。
牛フィレ肉のかたまりをパイ皮で包んで焼くんだ」
「何でも知ってますね」
「有名な料理ではあるし、私が小さかった頃にマダムがイベントの時に特別だと何度か作ってくれたんだ」
「へえぇ〜」
ロイはご褒美だと部下達を連れて店で御馳走してくれることがある。
大抵は金欠になったハボックがロイに泣きつくのが原因だが。
「うまいか?」
「はいっ!」
『ローストラムは初めて食べました。
臭みもなくて柔らかくて美味しいんですね』
「あぁ、こっちでは有名な伝統料理なんだよ。
君の故郷だとあまり食べなかったかもしれないが」
『そうですね。
ラム肉よりも鶏肉が多かったかも』
「仕事が残ってなかったら赤ワインを飲むんだけどな」
「それは我慢してください」
「わかってるよ」
『ふふっ、今度の休みにまた来ましょう』
「そうだな」
不満そうに呟くロイにセルシアが微笑んで宥める。
楽しい食事会では終わらず、ロイによって1人ずつ注意される。
(この人はどうやって見てるんだ)
(後ろを何で見えるんだ!)
的確なのが尚更に恐怖でもあったりするのだが。
「フュリー准尉」
「は、はいっ!」
「銃の練習も必要だが。
投げ方も的確だったし、君にはそういう武器の方が合うのかもな。
最低限の銃の技術は必要だとしても、投げる方がいいのか。
そっちの面も磨いた方がいいな」
「は、はい…」
「フュリー。
小柄は磨く程に君の武器になるぞ」
「えっ?」
「侵入捜査だけではなく、視界を遮って狙える。
懐に入る技術もな。
まずは銃の腕を磨きなさい。
そうしたら、授けようか」
「マスタング大将も?」
「君程の小柄ではないけれど。
必要だったから」
ロイのレベルには到達が出来なくても、せめて自分の身を守れるようにと決意する。
「遅れて申し訳ありません。
只今、戻りました」
「ご苦労さん。
どうだった?」
「黒でしたよ。
容疑者の名前は…」
ピタリと止まったロイに大総統も将軍達もどうしたんだと見つめる。
ロイは苦笑いして会議室のドアを開けて顔を出した。
「中尉、容疑者の名前は?」
「ジャックです。
ジャック・シャーロット」
「…です」
「だから、資料に目を通してくださいと言ったじゃないですか!」
「見るの忘れた」
険しい顔の中尉に資料を渡されてロイは苦笑いして謝る。
ため息をついて中尉は敬礼して会議室から出て行く。
「士官学校卒か」
「この年代ならマスタング大将と同年代ですね。
同期ではないのか?」
「た、多分…?」
「多分?」
「ロイは特別クラスだったからな」
「あぁ、そうでしたね。
話したことも?」
「…ヒューズ以外と話したことないですから」
ロイは大総統の隣に座って気まずそうに目を反らす。
「失礼します。
マース・ヒューズ中佐です」
「この写真の者を見覚えあるか?」
「はい、士官学校の同期ですが。
ロイが知っているのでは?」
「記憶がないと」
「えっ?
覚えてねぇのか!?
次席の俺の次の成績の奴だぞ!」
「へえぇ〜」
「…おまえなぁ。
記憶力いいくせに。
イシュヴァールでも隣の隊のヤツだっただろ!」
「知らん」
「マジで覚えてねぇのか?」
「まったく記憶にない」
「士官学校で殴られてただろ」
「いろんな奴に殴られたし、殴り返してたが?」
「いや…、うん。
それは俺が悪かった。
おまえ、本当に人の成績や功績には興味ないのな」
「私に関係ないだろう?」
「そうだけどよ」
ため息をついて脱力するヒューズにロイは不思議そうに首を傾げ、将軍達も顔を引きつらせていた。
空気を操る錬金術で濃度の高い空間では爆破の可能性があるので危なくて使えない。
(そうなると…、銃も不利ってことではあるが。
短時間なら問題ない)
ロイが銃で道を作り、中尉が倒れた犯人達を撃つ。
ブレダとハボックは銃の戦闘に不利なセルシアとフュリーを庇いながらも銃で応戦。
(やば…っ)
「マスタング大将!」
「…っと。
問題ない!」
ロイは銃を弾かれ、犯人を蹴り飛ばして中尉が気にしながらも撃つ。
「マスタング大将!
コレを!」
「おわ…っ、助かるよ」
フュリーが自分の銃をロイに投げ、受け取ったロイは微かに笑う。
(戦闘能力はまだ低いが。
ちゃんと使っているじゃないか)
フュリーの銃に複数の傷があって、それは努力の証。
「思ったよりも制圧に時間が掛かったな」
「爆破するんじゃないかとヒヤヒヤしましたよ」
「そんなことさせないさ。
フュリー、助かった」
「いえ…」
「そっちは?」
「雑音は多少ありますが。
問題がないかと」
「それでは、帰ろうか」
「マスタング大将。
フュリーには甘いですよね」
「おまえは可愛げないからな」
「ひでぇ〜。
給料日前なんっスよ。
奢ってくださいよ」
「君は少しは遠慮しろ、ハボック」
いつもの光景にフュリーは後ろから眺めながら微かに笑う。
「フュリー、よくやったな。
君も行くぞ」
「はいっ!」
「フュリー。
君は何が食べたい?」
「僕、ですか?」
「頑張ってくれてたからご褒美だ」
ロイを始めとした視線にヒュリーは戸惑いながらも呟く。
「ビーフ・ウェリントン」
「おや、意外な選択だな。
悪くないよ。
私も久々に食べようかな」
『どんな料理でしたっけ?』
「パイ生地の料理だな。
牛フィレ肉のかたまりをパイ皮で包んで焼くんだ」
「何でも知ってますね」
「有名な料理ではあるし、私が小さかった頃にマダムがイベントの時に特別だと何度か作ってくれたんだ」
「へえぇ〜」
ロイはご褒美だと部下達を連れて店で御馳走してくれることがある。
大抵は金欠になったハボックがロイに泣きつくのが原因だが。
「うまいか?」
「はいっ!」
『ローストラムは初めて食べました。
臭みもなくて柔らかくて美味しいんですね』
「あぁ、こっちでは有名な伝統料理なんだよ。
君の故郷だとあまり食べなかったかもしれないが」
『そうですね。
ラム肉よりも鶏肉が多かったかも』
「仕事が残ってなかったら赤ワインを飲むんだけどな」
「それは我慢してください」
「わかってるよ」
『ふふっ、今度の休みにまた来ましょう』
「そうだな」
不満そうに呟くロイにセルシアが微笑んで宥める。
楽しい食事会では終わらず、ロイによって1人ずつ注意される。
(この人はどうやって見てるんだ)
(後ろを何で見えるんだ!)
的確なのが尚更に恐怖でもあったりするのだが。
「フュリー准尉」
「は、はいっ!」
「銃の練習も必要だが。
投げ方も的確だったし、君にはそういう武器の方が合うのかもな。
最低限の銃の技術は必要だとしても、投げる方がいいのか。
そっちの面も磨いた方がいいな」
「は、はい…」
「フュリー。
小柄は磨く程に君の武器になるぞ」
「えっ?」
「侵入捜査だけではなく、視界を遮って狙える。
懐に入る技術もな。
まずは銃の腕を磨きなさい。
そうしたら、授けようか」
「マスタング大将も?」
「君程の小柄ではないけれど。
必要だったから」
ロイのレベルには到達が出来なくても、せめて自分の身を守れるようにと決意する。
「遅れて申し訳ありません。
只今、戻りました」
「ご苦労さん。
どうだった?」
「黒でしたよ。
容疑者の名前は…」
ピタリと止まったロイに大総統も将軍達もどうしたんだと見つめる。
ロイは苦笑いして会議室のドアを開けて顔を出した。
「中尉、容疑者の名前は?」
「ジャックです。
ジャック・シャーロット」
「…です」
「だから、資料に目を通してくださいと言ったじゃないですか!」
「見るの忘れた」
険しい顔の中尉に資料を渡されてロイは苦笑いして謝る。
ため息をついて中尉は敬礼して会議室から出て行く。
「士官学校卒か」
「この年代ならマスタング大将と同年代ですね。
同期ではないのか?」
「た、多分…?」
「多分?」
「ロイは特別クラスだったからな」
「あぁ、そうでしたね。
話したことも?」
「…ヒューズ以外と話したことないですから」
ロイは大総統の隣に座って気まずそうに目を反らす。
「失礼します。
マース・ヒューズ中佐です」
「この写真の者を見覚えあるか?」
「はい、士官学校の同期ですが。
ロイが知っているのでは?」
「記憶がないと」
「えっ?
覚えてねぇのか!?
次席の俺の次の成績の奴だぞ!」
「へえぇ〜」
「…おまえなぁ。
記憶力いいくせに。
イシュヴァールでも隣の隊のヤツだっただろ!」
「知らん」
「マジで覚えてねぇのか?」
「まったく記憶にない」
「士官学校で殴られてただろ」
「いろんな奴に殴られたし、殴り返してたが?」
「いや…、うん。
それは俺が悪かった。
おまえ、本当に人の成績や功績には興味ないのな」
「私に関係ないだろう?」
「そうだけどよ」
ため息をついて脱力するヒューズにロイは不思議そうに首を傾げ、将軍達も顔を引きつらせていた。