第52話
夢小説設定
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大総統の執務室に戻るとロイの机は綺麗で書類も積まれていなかった。
戸惑いながらもやることがないので飲み物を淹れながら壁に寄り掛かる。
「ロイ、具合悪いのか?」
「いえ…、考え事してました。
何を飲みますか?」
「君と同じで構わんよ」
「珈琲ですが」
「あぁ、構わないよ」
「分かりました」
ロイは珈琲を淹れて甘党の大総統用に砂糖も持って行く。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
「…大総統」
「種類のことか?」
「あっ、はい」
「将軍達も思うことがあったんだろうな。
それが長く続けば、良いのだが」
「大総統が脅してましたよ」
「やはり、それでしたか」
「きちんと出来るようになっているのでご安心を」
(大総統だけではなく、補佐官も脅したんですか)
呆れながらも仕事が楽になるのだからいいかと納得することにした。
ロイはマグカップを手に自分の机に戻り、報告書を読む。
「…ロイ」
「あっ、はい」
「また君は深く考え込んでたな」
「失礼しました」
「イシュヴァールのことか?」
「それは…っ」
「考えるなとは言わない。
考えないようにするのは難しいだろうからね。
君は思考を止めないから。
だが、あまりそればかり考え過ぎてはいけないよ」
大総統に頭を撫でられて戸惑いながらも小さく頷く。
「たまには肩の力を抜くことも必要だよ。
特に君のような子にはね」
「…はい」
「いい子だ」
「あの、大総統。
子供扱いが過ぎませんか?」
「厳しくした分、甘やかしてやろうかと思ってな」
「極端過ぎますよ」
「君が顔を出さないから心配してた。
視察に行こうか」
「大総統、仕事は…っ」
「これも仕事だよ」
「ちょっ…大総統!
マスタング大将を巻き込んで逃走しないでください!」
補佐官の叫びを聞きながらロイは苦笑いしながら大総統と視察に向かう。
「曹長はまだ使えそうにないか?」
「訓練次第ですね」
「そうだろうな」
「わざと、任務に?」
「曹長達に関してはどちらでも良かったんだよ。
君を手伝えるとは思わなかったし。
側に居れば、学べることもあるかと思ってね」
(どこまで本当なんだか)
呆れたようにロイはため息をつき、大総統の一歩後ろを歩く。
「大総統。
補佐官が探しているのでは?」
「今日はもう1人の補佐官が一緒だから大丈夫だ」
「マスタング大将!」
「最近見ていなかったので」
「お怪我でもしているのかと」
「いや、大総統の任務で。
長期の捜査だったんだ。
思っていたよりも早く片付いてね」
「それは良かったですね」
「リーゼル大佐、寂しそうにしてましたよ。
犯人の方々が八つ当たりされていたくらいに」
「ふは…っ、報告は聞いてる」
安易に想像がついてロイは思わず、苦笑してしまう。
案の定、商店街で野菜や果物を紙袋に詰め込められて渡されてしまう。
「毎回ながら貰うわけには…」
「良いんだよ。
あんたには守ってもらってるんだ」
「それで体力つけてくれよ」
「細身だから君は勘違いされるな」
「「えっ?」」
「意外とスタミナあるからな」
「事件で外に駆り出されてますから」
「外食ばかりの将軍達とは違うか」
「それだけが原因ではないかと。
贅肉か筋肉か、その差かと。
うちのブレダもダイエットして欲しいんですよ」
「ぶはっ!
君、真顔で言うねぇ〜」
「事実でしょう?
私は太りにくい体質ではありますが、筋肉はそこまで落としてませんよ」
「まぁ、筋肉質な軍人と比較すると痩せているだけだからな」
「太るとスピード落ちるから嫌だ」
「せめて、平均の体重にはなって欲しいものだな」
「諦めも大事ですよ」
ため息をつく大総統にロイは苦笑いをするしかない。
「大総統。
ちょっと持っててください」
「うむ。
怪我しないようにな」
「大丈夫ですよ」
ピクリと反応したロイは大総統に荷物を渡し、走って来る男に飛び蹴りする。
「ぐはっ!
あんた、何者…っ」
「自己紹介は必要かね?」
「いえ…結構、です」
倒された男はにっこりと笑い、銀時計を手にするロイに顔を引きつらせた。
「マスタング大将!」
「取り逃すな」
「すみませんでした」
「君、初犯じゃないね」
「えっ?」
「犯罪履歴あるだろ」
「過去のデータには…」
「偽名だろう。
君の顔、見覚えあるよ。
過去の犯罪履歴でね。
連れて行け。
ちゃんと調べるように」
「「はっ!」」
犯人は連れて行かれ、ロイは大総統から荷物を返してもらう。
「君、相変わらずだね」
「何がです?」
「笑顔で脅すのもだけれど。
記憶力、抜群だね」
「それが私の特技のひとつですから」
「お陰で助かってるけれど。
君を連れ歩くとパーティーは困らないんだよ」
「辞書代わりにしないでください」
「息子が父とパーティーに参加するのはおかしいかい?」
「はいはい。
そろそろ帰りますよ」
((…大総統が聞き流されてる))
いつものことなので国民達もあまり気にしていない。
「ロイ」
「もう寄り道は十分でしょう」
「仕方ない。
帰ろうか、我が子よ」
ロイは大総統に額にキスされ、瞬きして額を押さえて屈んだ。
「わははっ!
君、意外とこういう不意打ちは苦手だな」
「父様…嫌いです」
ロイの耳が赤くなっていて国民達はレアな姿を見れたと可愛いなと思いながらも口にはしない。
戸惑いながらもやることがないので飲み物を淹れながら壁に寄り掛かる。
「ロイ、具合悪いのか?」
「いえ…、考え事してました。
何を飲みますか?」
「君と同じで構わんよ」
「珈琲ですが」
「あぁ、構わないよ」
「分かりました」
ロイは珈琲を淹れて甘党の大総統用に砂糖も持って行く。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
「…大総統」
「種類のことか?」
「あっ、はい」
「将軍達も思うことがあったんだろうな。
それが長く続けば、良いのだが」
「大総統が脅してましたよ」
「やはり、それでしたか」
「きちんと出来るようになっているのでご安心を」
(大総統だけではなく、補佐官も脅したんですか)
呆れながらも仕事が楽になるのだからいいかと納得することにした。
ロイはマグカップを手に自分の机に戻り、報告書を読む。
「…ロイ」
「あっ、はい」
「また君は深く考え込んでたな」
「失礼しました」
「イシュヴァールのことか?」
「それは…っ」
「考えるなとは言わない。
考えないようにするのは難しいだろうからね。
君は思考を止めないから。
だが、あまりそればかり考え過ぎてはいけないよ」
大総統に頭を撫でられて戸惑いながらも小さく頷く。
「たまには肩の力を抜くことも必要だよ。
特に君のような子にはね」
「…はい」
「いい子だ」
「あの、大総統。
子供扱いが過ぎませんか?」
「厳しくした分、甘やかしてやろうかと思ってな」
「極端過ぎますよ」
「君が顔を出さないから心配してた。
視察に行こうか」
「大総統、仕事は…っ」
「これも仕事だよ」
「ちょっ…大総統!
マスタング大将を巻き込んで逃走しないでください!」
補佐官の叫びを聞きながらロイは苦笑いしながら大総統と視察に向かう。
「曹長はまだ使えそうにないか?」
「訓練次第ですね」
「そうだろうな」
「わざと、任務に?」
「曹長達に関してはどちらでも良かったんだよ。
君を手伝えるとは思わなかったし。
側に居れば、学べることもあるかと思ってね」
(どこまで本当なんだか)
呆れたようにロイはため息をつき、大総統の一歩後ろを歩く。
「大総統。
補佐官が探しているのでは?」
「今日はもう1人の補佐官が一緒だから大丈夫だ」
「マスタング大将!」
「最近見ていなかったので」
「お怪我でもしているのかと」
「いや、大総統の任務で。
長期の捜査だったんだ。
思っていたよりも早く片付いてね」
「それは良かったですね」
「リーゼル大佐、寂しそうにしてましたよ。
犯人の方々が八つ当たりされていたくらいに」
「ふは…っ、報告は聞いてる」
安易に想像がついてロイは思わず、苦笑してしまう。
案の定、商店街で野菜や果物を紙袋に詰め込められて渡されてしまう。
「毎回ながら貰うわけには…」
「良いんだよ。
あんたには守ってもらってるんだ」
「それで体力つけてくれよ」
「細身だから君は勘違いされるな」
「「えっ?」」
「意外とスタミナあるからな」
「事件で外に駆り出されてますから」
「外食ばかりの将軍達とは違うか」
「それだけが原因ではないかと。
贅肉か筋肉か、その差かと。
うちのブレダもダイエットして欲しいんですよ」
「ぶはっ!
君、真顔で言うねぇ〜」
「事実でしょう?
私は太りにくい体質ではありますが、筋肉はそこまで落としてませんよ」
「まぁ、筋肉質な軍人と比較すると痩せているだけだからな」
「太るとスピード落ちるから嫌だ」
「せめて、平均の体重にはなって欲しいものだな」
「諦めも大事ですよ」
ため息をつく大総統にロイは苦笑いをするしかない。
「大総統。
ちょっと持っててください」
「うむ。
怪我しないようにな」
「大丈夫ですよ」
ピクリと反応したロイは大総統に荷物を渡し、走って来る男に飛び蹴りする。
「ぐはっ!
あんた、何者…っ」
「自己紹介は必要かね?」
「いえ…結構、です」
倒された男はにっこりと笑い、銀時計を手にするロイに顔を引きつらせた。
「マスタング大将!」
「取り逃すな」
「すみませんでした」
「君、初犯じゃないね」
「えっ?」
「犯罪履歴あるだろ」
「過去のデータには…」
「偽名だろう。
君の顔、見覚えあるよ。
過去の犯罪履歴でね。
連れて行け。
ちゃんと調べるように」
「「はっ!」」
犯人は連れて行かれ、ロイは大総統から荷物を返してもらう。
「君、相変わらずだね」
「何がです?」
「笑顔で脅すのもだけれど。
記憶力、抜群だね」
「それが私の特技のひとつですから」
「お陰で助かってるけれど。
君を連れ歩くとパーティーは困らないんだよ」
「辞書代わりにしないでください」
「息子が父とパーティーに参加するのはおかしいかい?」
「はいはい。
そろそろ帰りますよ」
((…大総統が聞き流されてる))
いつものことなので国民達もあまり気にしていない。
「ロイ」
「もう寄り道は十分でしょう」
「仕方ない。
帰ろうか、我が子よ」
ロイは大総統に額にキスされ、瞬きして額を押さえて屈んだ。
「わははっ!
君、意外とこういう不意打ちは苦手だな」
「父様…嫌いです」
ロイの耳が赤くなっていて国民達はレアな姿を見れたと可愛いなと思いながらも口にはしない。