第52話
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中尉達も安堵しながら駆け寄り、ヒューズに肩を抱かれた。
「心配掛けやがって!」
「悪かったって」
「少しは連絡しろよ!」
「連絡すると居場所が特定されるかなと」
「転々してた奴が何を言ってんだ!」
「ヒューズ、痛いって」
「痛くしてんだよ!
まったく、自分だけスッキリした顔しやがってよ」
「楽しかったよ。
心配掛けてすまなかった」
「本当だよ。
まったく、おまえさんは」
ヒューズに抱きつかれてロイは苦笑いしながらポンポンと背を叩いた。
「「マスタング大将」」
「…ただいま戻りました」
「そうか」
「よく戻って来てくれた」
「はい?」
「我々だけでは、大総統の面倒は大変だった」
(何をしたんですか、父様)
将軍達と補佐官が疲れた様子なのは気の所為ではない。
「…っと。
セルシア、着替えに行けないのだが?」
『海は楽しかったですか?』
「この時期だから入ってないぞ」
セルシアに腰に抱きつかれてロイは苦笑いする。
『分かってますよ。
微かに香ります』
「そうか?」
『微かに、ですけど。
髪洗いますか?』
「そんなに匂うか?」
自分では分からないのでロイは首を傾げて見つめる。
「いや、そんなに香りは残ってはないが。
潮の香りが微かに感じる程度だな。
そんな引いた顔をするな」
「変態気質…あでっ!」
「シャワーを浴びて着替えておいで。
何なら、一緒に入ろうか?」
「…絶対に嫌です」
大総統に髪に触れられて匂いを嗅がれてロイは普通に無の表情になり、将軍達も含む周りはそうなるだろうなと思いながらも黙っていた。
目で合図してセルシアを中尉に引き剥がしてもらうとロイはヒューズとシャワー室に2人で向かう。
「おまえさん。
細身で体力ないように勘違いされるけど、パワフルだよな。
南やら北にまで行くとは。
北方司令部は例外にしてもバレて騒ぎにならなかったのか?」
「北方司令部以外は変装してた」
「なるほど。
だから、大総統でも見つけられなかったのか」
「今日出発したんじゃないのか?」
「いや、3日前には」
「…そんな前に?」
「おまえさんが心配だったんだろ。
あまり、パパに心配掛けるなよ」
「…うん」
ヒューズはからかいながらもロイの頭をくしゃっと撫でた。
「パパ呼びはいいのかよ」
「私が呼ぶことはないが。
父様は自分でパパと言う事ある。
ふふっ、私に呼ばせようとする」
「父様も似たようなもんだが」
「私の容姿的に父上よりは似合うだろう?」
「否定はしないよ」
ロイの表情で楽しかったんだろうなと実感する。
多忙で出掛けるとしても決まった近場で列車に乗って遠出は旅行のようなものだったのだろう。
シャワーを浴びて軍服を着て、ロイは5日間だけなのに不思議と懐かしくも安堵する気持ちになった。
「中尉。
留守の間、すまなかった」
「問題ありません。
もう大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だ。
みんなもすまなかったな」
「本当っスよ!
貴方が居ないとこんなに大変なんだと事件も書類も学びましたよ」
「俺等が居ないところで気づかないところでフォローしてくれてるんだなと実感しました。
分かっていたつもりでも、それ以上だったんだなと」
「私だけではまだマスタング大将のようには出来ませんから」
『いろんなのが重なって。
書類も増えて、特例としてこちらの部署にヒューズ中佐とアームストロング少佐も来て頂いてましたよ』
「…そうか。
中尉、5日間の報告を」
「承知しました」
報告書を見ながらロイは中尉の報告を聞いていた。
「セルシアも中尉も経験が少ないのは勿論だが、きちんと考えて動くようにしなさい。
私の真似ではなく、自分の考えで動くように。
君達だからこそ、出来ることがある」
「はっ!
精進致します」
『分かりました』
「ハボック少佐とブレダ少佐も。
まだ君達は小隊だが。
いずれは、その規模も地位と共に大きくなるだろう。
現状だけではなく、数時間後、数日後のことも考えて行動しなさい」
「「はっ!」」
「よくやった。
君達に任せて正解だな」
「丸投げとも言いますけどね」
「君達だから大丈夫だと確信していたんだ。
いざとなれば、ヒューズもアームストロング少佐もフォローに回ってくれるだろうとね」
ロイの想定内だったことにハボック達は苦笑いする。
「それに、君は気づいていたんじゃないか?」
『何回か荷物と手紙も送られて来ましたから』
「えぇっ!?」
「言ってなかったのか。
特に口止めはしてなかったが」
『何となく。
司令部ではなくて、自宅の私宛ってことは言われたくないんだろうなと。
荒れんでいた気持ちは和らぎましたか?』
「…気づいていたか」
『勿論です。
大総統の試験には合格しましたか?』
「ふはっ!
君には適わないね」
『大総統は貴方1人の能力を試していたのでしょうね。
極端ではありますが。
気持ちはどちらも分かりますよ』
ロイは微かに笑ってセルシアの頭を撫で、後ろから抱き締めた。
「平和になったら…、いろんなとこを君と見て回りたいと思ったよ」
『楽しみにしています。
美味しい料理も』
「あぁ、そうだな」
『大総統の就任前に連れて行ってくださいね』
「ふは…っ、了解した」
セルシアの予想外の言葉にロイは吹き出して笑いながらも頷いた。
「心配掛けやがって!」
「悪かったって」
「少しは連絡しろよ!」
「連絡すると居場所が特定されるかなと」
「転々してた奴が何を言ってんだ!」
「ヒューズ、痛いって」
「痛くしてんだよ!
まったく、自分だけスッキリした顔しやがってよ」
「楽しかったよ。
心配掛けてすまなかった」
「本当だよ。
まったく、おまえさんは」
ヒューズに抱きつかれてロイは苦笑いしながらポンポンと背を叩いた。
「「マスタング大将」」
「…ただいま戻りました」
「そうか」
「よく戻って来てくれた」
「はい?」
「我々だけでは、大総統の面倒は大変だった」
(何をしたんですか、父様)
将軍達と補佐官が疲れた様子なのは気の所為ではない。
「…っと。
セルシア、着替えに行けないのだが?」
『海は楽しかったですか?』
「この時期だから入ってないぞ」
セルシアに腰に抱きつかれてロイは苦笑いする。
『分かってますよ。
微かに香ります』
「そうか?」
『微かに、ですけど。
髪洗いますか?』
「そんなに匂うか?」
自分では分からないのでロイは首を傾げて見つめる。
「いや、そんなに香りは残ってはないが。
潮の香りが微かに感じる程度だな。
そんな引いた顔をするな」
「変態気質…あでっ!」
「シャワーを浴びて着替えておいで。
何なら、一緒に入ろうか?」
「…絶対に嫌です」
大総統に髪に触れられて匂いを嗅がれてロイは普通に無の表情になり、将軍達も含む周りはそうなるだろうなと思いながらも黙っていた。
目で合図してセルシアを中尉に引き剥がしてもらうとロイはヒューズとシャワー室に2人で向かう。
「おまえさん。
細身で体力ないように勘違いされるけど、パワフルだよな。
南やら北にまで行くとは。
北方司令部は例外にしてもバレて騒ぎにならなかったのか?」
「北方司令部以外は変装してた」
「なるほど。
だから、大総統でも見つけられなかったのか」
「今日出発したんじゃないのか?」
「いや、3日前には」
「…そんな前に?」
「おまえさんが心配だったんだろ。
あまり、パパに心配掛けるなよ」
「…うん」
ヒューズはからかいながらもロイの頭をくしゃっと撫でた。
「パパ呼びはいいのかよ」
「私が呼ぶことはないが。
父様は自分でパパと言う事ある。
ふふっ、私に呼ばせようとする」
「父様も似たようなもんだが」
「私の容姿的に父上よりは似合うだろう?」
「否定はしないよ」
ロイの表情で楽しかったんだろうなと実感する。
多忙で出掛けるとしても決まった近場で列車に乗って遠出は旅行のようなものだったのだろう。
シャワーを浴びて軍服を着て、ロイは5日間だけなのに不思議と懐かしくも安堵する気持ちになった。
「中尉。
留守の間、すまなかった」
「問題ありません。
もう大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だ。
みんなもすまなかったな」
「本当っスよ!
貴方が居ないとこんなに大変なんだと事件も書類も学びましたよ」
「俺等が居ないところで気づかないところでフォローしてくれてるんだなと実感しました。
分かっていたつもりでも、それ以上だったんだなと」
「私だけではまだマスタング大将のようには出来ませんから」
『いろんなのが重なって。
書類も増えて、特例としてこちらの部署にヒューズ中佐とアームストロング少佐も来て頂いてましたよ』
「…そうか。
中尉、5日間の報告を」
「承知しました」
報告書を見ながらロイは中尉の報告を聞いていた。
「セルシアも中尉も経験が少ないのは勿論だが、きちんと考えて動くようにしなさい。
私の真似ではなく、自分の考えで動くように。
君達だからこそ、出来ることがある」
「はっ!
精進致します」
『分かりました』
「ハボック少佐とブレダ少佐も。
まだ君達は小隊だが。
いずれは、その規模も地位と共に大きくなるだろう。
現状だけではなく、数時間後、数日後のことも考えて行動しなさい」
「「はっ!」」
「よくやった。
君達に任せて正解だな」
「丸投げとも言いますけどね」
「君達だから大丈夫だと確信していたんだ。
いざとなれば、ヒューズもアームストロング少佐もフォローに回ってくれるだろうとね」
ロイの想定内だったことにハボック達は苦笑いする。
「それに、君は気づいていたんじゃないか?」
『何回か荷物と手紙も送られて来ましたから』
「えぇっ!?」
「言ってなかったのか。
特に口止めはしてなかったが」
『何となく。
司令部ではなくて、自宅の私宛ってことは言われたくないんだろうなと。
荒れんでいた気持ちは和らぎましたか?』
「…気づいていたか」
『勿論です。
大総統の試験には合格しましたか?』
「ふはっ!
君には適わないね」
『大総統は貴方1人の能力を試していたのでしょうね。
極端ではありますが。
気持ちはどちらも分かりますよ』
ロイは微かに笑ってセルシアの頭を撫で、後ろから抱き締めた。
「平和になったら…、いろんなとこを君と見て回りたいと思ったよ」
『楽しみにしています。
美味しい料理も』
「あぁ、そうだな」
『大総統の就任前に連れて行ってくださいね』
「ふは…っ、了解した」
セルシアの予想外の言葉にロイは吹き出して笑いながらも頷いた。