第52話
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今は落ち着いて怒りも消え去っていて、奪い取った自由を満喫していた。
「マスタング大将。
行方知れずの君が北方司令部に何故、単独で来ている?」
「お久しぶりです。
オリヴィエ中将」
「そんなことは聞いてない!
誰が破壊しろと言った!?」
「襲われたので反撃したまで」
「それは…、そうだが。
本物だと思うか!
それで、本題は?」
「ん…?」
「本当に思いつきで貴様は来たのか!?」
「困らせてやろうかと」
「誰をだ!」
「父様。
私にばかり仕事を押し付けて」
「…貴様は遅すぎる反抗期の小僧か」
呆れたようなオリヴィエの視線にロイはクスクスと笑う。
「ゲストルームを用意して頂けると思いませんでした」
「…大将の地位の奴が何を言ってる。
本当に思いつきなのか?」
「心配してくださるのですか」
「マスタング大将」
「流石に貴女には敵わない。
自由を奪い取ったのだから、見て回ろうかと。
そうでなければ、危険だと止められますから」
「…戦争の被害の土地か」
「それだけではありませんが。
復興はゆっくりですが、されているようですね」
オリヴィエはため息をつき、グラスを差し出す。
「接待してやらんとな」
「随分と度数が高いですが」
「おまえなら大丈夫だろう。
あいつらはすぐに潰れてしまう」
「貴方が強いんですよ」
オリヴィエと2人きりで酒を飲んだら妬かれるかなと思いながらも乾杯しながらも飲む。
「…あいつは化け物か」
「生き生きしてましたね」
ズキズキと痛む頭を擦りながら二日酔いにならず、平然として帰って行くロイに苦笑いしながらも見送る。
「司令部に連絡は?」
「不要だ。
そうしろと言われても、してやらん。
そんな義務もない」
意外と気に入っているなと思いながらも補佐官は口にはしない。
(流石に北方は寒かったな。
コートを買って行かなかったらヤバかったな)
北方から帰って着替えるとコートなどは荷物になるので自宅に送る。
(さてと、そろそろ帰らなくては心配されてしまうかな)
途中で立ち寄った海を眺めながら海風に髪が揺れる。
「…ロイ。
やっと見つけたよ。
君が北方まで行ったとは思わなかったが。
最後までオリヴィエ中将もその部下も口を割らなかった。
随分と信頼されているようだね」
「………。」
「まだ怒っているのか?
補佐官にも将軍達にでさえも流石に極端にやり過ぎだと叱られたよ」
「もう怒ってはいません。
補佐官は分かりますが、将軍達は意外ですね」
「君が居なくなれば、結果的に自分達に押し付けていた仕事が回って来るからね」
「まぁ、そうでしょうね」
「変装までして転々としていたら私でも探し出すのが大変だったよ」
補佐官も護衛も付けずに来た大総統にロイは見つめる。
「ロイ・マスタングのままでは私は目立ち過ぎますし。
そちらに噂が行くでしょう」
「…すまなかった」
「大総統が私の能力を試していたのは分かりますから」
大総統に頭を撫でられてロイは苦笑いしつつ、甘えるように抱きつく。
大総統は微かに安堵し、ポンポンとロイの背を叩く。
「君には驚かされる。
音信不通にするとは思わなかった」
「私の部下がいますから。
セルシアは勿論、ヒューズやアームストロング少佐も居れば問題ないだろうと」
「そうだろうな。
よくやってくれているよ」
(帰ったら叱られて、感謝しなくてはならないな。
本当に平和になったならセルシアと旅行するのも悪くない)
穏やかな大総統の声を聞きながらロイは優しく撫でる手に微かに笑う。
「そろそろ戻って来てはくれないかね?」
「司令部に戻る予定でしたが」
「それもだが。
私は君の顔を見たい」
(あぁ、変装したままだったか)
変装を解いてウィッグも外して、ロイは微かに笑う。
「ただいま、父様」
「お帰り、ロイ」
勢いよく抱きつくロイに一瞬驚きながらも大総統は抱き止めた。
「父様、お腹空いた」
「寄って行こうか」
「各地の料理も色々と食べて来ましたよ。
美味しかったものも、個性的な料理もありました」
「充実していて何よりだ。
沢山の話を聞かせておくれ」
「はい、父様」
大総統と共に近場のレストランで食事をしながら久々に会話を楽しんだ。
任務が続いてこういう風に話せなかったのも事実だ。
「オリヴィエ中将に遅めの反抗期と言われましたよ」
「ふはっ、反抗期か。
それでは今回は家出かな」
「…父様」
「冗談だ」
「正直な話、自分の能力の足りない部分も実感しましたよ。
こういう時はいつも部下に助けてもらっていたんだなと」
「そうか」
「守られて甘やかされていた。
それは互いにでもありますが」
「学べたのならそれでいい」
「やはり、そういうことでしたか」
「それだけではないよ。
学べたのならミッションクリアだ。
私は今まで通りに甘やかすだけだからね。
それとも、続行するかい?」
「…嫌だ。
父様とこうやって話したい」
「おや、今日は素直だね。
意外と寂しかったかい?」
「仲間と離されて、父様とも。
寂しくない訳…ない」
言っていて恥ずかしくなったのか、ロイは顔をテーブルに埋めた。
耳まで赤く染まるロイに大総統は微笑んで優しく頭を撫でた。
(…気まずい)
司令部が近づくにつれて足が重くなっているロイに大総統は苦笑いし、大丈夫だと肩を抱いた。
「大総統!
どこに行っ…」
「「マスタング大将!」」
「た、ただいま。
すまなかったな」
『ロイさんっ!』
「うわ…っ」
勢いよく抱きつかれてロイは倒れそうになりながらも抱き止めた。
「ただいま、セルシア。
心配掛けてすまなかった」
『無事で良かったです』
「…悪かった」
セルシアの肩に顔を埋め、ロイは抱き締めた。
「マスタング大将。
行方知れずの君が北方司令部に何故、単独で来ている?」
「お久しぶりです。
オリヴィエ中将」
「そんなことは聞いてない!
誰が破壊しろと言った!?」
「襲われたので反撃したまで」
「それは…、そうだが。
本物だと思うか!
それで、本題は?」
「ん…?」
「本当に思いつきで貴様は来たのか!?」
「困らせてやろうかと」
「誰をだ!」
「父様。
私にばかり仕事を押し付けて」
「…貴様は遅すぎる反抗期の小僧か」
呆れたようなオリヴィエの視線にロイはクスクスと笑う。
「ゲストルームを用意して頂けると思いませんでした」
「…大将の地位の奴が何を言ってる。
本当に思いつきなのか?」
「心配してくださるのですか」
「マスタング大将」
「流石に貴女には敵わない。
自由を奪い取ったのだから、見て回ろうかと。
そうでなければ、危険だと止められますから」
「…戦争の被害の土地か」
「それだけではありませんが。
復興はゆっくりですが、されているようですね」
オリヴィエはため息をつき、グラスを差し出す。
「接待してやらんとな」
「随分と度数が高いですが」
「おまえなら大丈夫だろう。
あいつらはすぐに潰れてしまう」
「貴方が強いんですよ」
オリヴィエと2人きりで酒を飲んだら妬かれるかなと思いながらも乾杯しながらも飲む。
「…あいつは化け物か」
「生き生きしてましたね」
ズキズキと痛む頭を擦りながら二日酔いにならず、平然として帰って行くロイに苦笑いしながらも見送る。
「司令部に連絡は?」
「不要だ。
そうしろと言われても、してやらん。
そんな義務もない」
意外と気に入っているなと思いながらも補佐官は口にはしない。
(流石に北方は寒かったな。
コートを買って行かなかったらヤバかったな)
北方から帰って着替えるとコートなどは荷物になるので自宅に送る。
(さてと、そろそろ帰らなくては心配されてしまうかな)
途中で立ち寄った海を眺めながら海風に髪が揺れる。
「…ロイ。
やっと見つけたよ。
君が北方まで行ったとは思わなかったが。
最後までオリヴィエ中将もその部下も口を割らなかった。
随分と信頼されているようだね」
「………。」
「まだ怒っているのか?
補佐官にも将軍達にでさえも流石に極端にやり過ぎだと叱られたよ」
「もう怒ってはいません。
補佐官は分かりますが、将軍達は意外ですね」
「君が居なくなれば、結果的に自分達に押し付けていた仕事が回って来るからね」
「まぁ、そうでしょうね」
「変装までして転々としていたら私でも探し出すのが大変だったよ」
補佐官も護衛も付けずに来た大総統にロイは見つめる。
「ロイ・マスタングのままでは私は目立ち過ぎますし。
そちらに噂が行くでしょう」
「…すまなかった」
「大総統が私の能力を試していたのは分かりますから」
大総統に頭を撫でられてロイは苦笑いしつつ、甘えるように抱きつく。
大総統は微かに安堵し、ポンポンとロイの背を叩く。
「君には驚かされる。
音信不通にするとは思わなかった」
「私の部下がいますから。
セルシアは勿論、ヒューズやアームストロング少佐も居れば問題ないだろうと」
「そうだろうな。
よくやってくれているよ」
(帰ったら叱られて、感謝しなくてはならないな。
本当に平和になったならセルシアと旅行するのも悪くない)
穏やかな大総統の声を聞きながらロイは優しく撫でる手に微かに笑う。
「そろそろ戻って来てはくれないかね?」
「司令部に戻る予定でしたが」
「それもだが。
私は君の顔を見たい」
(あぁ、変装したままだったか)
変装を解いてウィッグも外して、ロイは微かに笑う。
「ただいま、父様」
「お帰り、ロイ」
勢いよく抱きつくロイに一瞬驚きながらも大総統は抱き止めた。
「父様、お腹空いた」
「寄って行こうか」
「各地の料理も色々と食べて来ましたよ。
美味しかったものも、個性的な料理もありました」
「充実していて何よりだ。
沢山の話を聞かせておくれ」
「はい、父様」
大総統と共に近場のレストランで食事をしながら久々に会話を楽しんだ。
任務が続いてこういう風に話せなかったのも事実だ。
「オリヴィエ中将に遅めの反抗期と言われましたよ」
「ふはっ、反抗期か。
それでは今回は家出かな」
「…父様」
「冗談だ」
「正直な話、自分の能力の足りない部分も実感しましたよ。
こういう時はいつも部下に助けてもらっていたんだなと」
「そうか」
「守られて甘やかされていた。
それは互いにでもありますが」
「学べたのならそれでいい」
「やはり、そういうことでしたか」
「それだけではないよ。
学べたのならミッションクリアだ。
私は今まで通りに甘やかすだけだからね。
それとも、続行するかい?」
「…嫌だ。
父様とこうやって話したい」
「おや、今日は素直だね。
意外と寂しかったかい?」
「仲間と離されて、父様とも。
寂しくない訳…ない」
言っていて恥ずかしくなったのか、ロイは顔をテーブルに埋めた。
耳まで赤く染まるロイに大総統は微笑んで優しく頭を撫でた。
(…気まずい)
司令部が近づくにつれて足が重くなっているロイに大総統は苦笑いし、大丈夫だと肩を抱いた。
「大総統!
どこに行っ…」
「「マスタング大将!」」
「た、ただいま。
すまなかったな」
『ロイさんっ!』
「うわ…っ」
勢いよく抱きつかれてロイは倒れそうになりながらも抱き止めた。
「ただいま、セルシア。
心配掛けてすまなかった」
『無事で良かったです』
「…悪かった」
セルシアの肩に顔を埋め、ロイは抱き締めた。