第52話
夢小説設定
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どこまで本当なんだろうかとハボックとブレダは黙って見つめる。
「ロイ、君の部下が騙されてるが」
「マスタング大将。
悪戯も程々にしてあげてくださいね」
『ハボック少尉とブレダ少尉はまだまだみたいですねぇ〜』
「えっ?」
「ど、どういう…っ」
「くくっ…それらしく見えるように色を付けた水だよ。
脅しに使えるし、焔以外の錬金術の強度に使えるからな。
味方でもちゃんと観察しなさい。
勉強になったようだね」
「「…御意」」
やられたと深いため息をつくブレダとハボックにロイは微かに笑う。
「中尉は付き合いが長いようだし、まだ分かりますけど」
『私はロイさんのことをよく見てますから。
それに、錬金術師はそういう対策は少なからずしているわよ』
「そういうものですか?」
「アームストロング少佐のような破壊して錬金術というのは例外だが。
錬金術が強化するものは私達は何個か持っているな」
「言っていいんですか?」
『「真似は出来ないから」』
「そうですけど」
「ハモらないでくださいよ」
「偶然だ」
慣れていてもまだ呆れることはあるんだなと実感してしまう。
「ロイ。
寝ていてもいいぞ」
「…大丈夫です」
「眠そうな顔してるが?」
「変装、解いたの失敗だった。
アレの方が…読まれないのに」
「マスタング大将。
まだ着くまで時間あります」
「中尉まで寝かそうとするなよ」
「着いたら将軍達にまた絡まれるのでは?
体力温存していた方が宜しいかと」
「絡まれるのは決定か。
まぁ、そうだろうけどさ。
うわ…っ」
「いいから寝なさい。
まだ本調子でもないだろう」
(少人数で私の隊しか連れて来なかったのはコレを見せない為か)
大総統に抱き寄せられ、ロイはため息をついて目を閉じる。
ブランケットを掛けられて大総統の温もりとセルシアの撫でる手を感じ、意識を手放した。
「起きたか。
先程よりも顔色よくなったな」
「…ん」
「熱は出てないな」
「そうするから私の病弱説が上がるんですが。
大体、人手不足で仕事量が多すぎる。
将軍も左官も使える者が少ない」
「寝起きで愚痴るか?」
「貴方が上層部の奴等を躾けてなかったんでしょう」
「それは否定しないな」
((躾けてって言ったのはいいのか))
寄り掛かったままでロイは大総統をジロリと見つめた。
「分かった。
君の要望は?」
「早急に使える将軍が欲しい。
左官だって、どうにか回しているんですよ」
「愚痴は分かったから。
あとで聞く。
要望は何だ?」
にっこりと笑ってロイは起き上がり、大総統を見つめる。
((…恐ろしいな))
大総統がロイの要望に頭を抱えながらも渋々ながらも認めた。
大総統にロイは額にキスされ、瞬きして見つめる。
「そんな険しい顔をしていると綺麗な顔が台無しだぞ、我が子よ」
「んな…っ!」
「可愛らしいな」
「父様っ!」
「では、司令部に戻ろうか」
「…先に戻っていてください」
この赤い顔で戻れるかとロイはため息をついて頭を抱えた。
(我儘を言った後は遊ばれるんだよな。
いや、我儘というよりは正当な要望なんだけど)
専用のロッカールームでロイは軍服に着替えた。
大総統が仕事でも頼んでいるのか、将軍達の姿は見えずに絡まれることもなかった。
「ロイ、お疲れさん。
大丈夫だったか?」
「問題ない」
「長髪の青年か。
見たかったな」
「馬鹿か」
『美しい青年でしたよ』
「セルシア、君ねぇ…」
『ふふっ…私は今のロイさんの方が安心しますけど。
大総統がお呼びですよ』
「言われなくても戻るさ」
ロイはため息をつき、大総統の執務室に向かう。
「…戻りました」
「お帰り、ロイ。
早急に報告書を仕上げてくれ」
「承知しております」
自分の席に着くと資料に目を通しながら万年筆を手にする。
(妙な実験もしていたか。
間に合ったのか、グレーゾーンだな。
一発二発くらい殴っておけば良かったかもな)
嫌になる事件だなとため息をつきながらも頭を切り替える。
「何ですか?」
「もっと君が言うと思った」
「裏社会で動きがあるのは把握しておりますが」
「そうではなくて」
「愚痴れば変わります?
変わらないことは愚痴りません。
そんなのは、懸命に生きていた彼女達に失礼だ。
悔しさも憤りもないと言えば、嘘になります。
大総統にぶつけて解決します?
しないでしょう」
「それは正解ではあるが。
そうやって溜め込むのは君の悪い癖だな」
「はぁ?」
「私は君に八つ当たりもいいと言っているのだが」
ロイは瞬きして大総統を見つめて、再会した時の約束を思い出した。
どんなに八つ当たりしてもいいと言ったのは本音だったのかとロイは苦笑いを浮かべた。
「溜め込むことに否定はしませんが、まだ貴方には言ってやりません」
「信頼が足らんか?」
「それもYESであり、NOです。
まだ言う段階ではない。
ただ、それだけですよ」
「…そうか」
穏やかな表情になったロイに大総統は大丈夫そうだなと微かに笑い、ロイの頭を優しく撫でた。
「ロイ、君の部下が騙されてるが」
「マスタング大将。
悪戯も程々にしてあげてくださいね」
『ハボック少尉とブレダ少尉はまだまだみたいですねぇ〜』
「えっ?」
「ど、どういう…っ」
「くくっ…それらしく見えるように色を付けた水だよ。
脅しに使えるし、焔以外の錬金術の強度に使えるからな。
味方でもちゃんと観察しなさい。
勉強になったようだね」
「「…御意」」
やられたと深いため息をつくブレダとハボックにロイは微かに笑う。
「中尉は付き合いが長いようだし、まだ分かりますけど」
『私はロイさんのことをよく見てますから。
それに、錬金術師はそういう対策は少なからずしているわよ』
「そういうものですか?」
「アームストロング少佐のような破壊して錬金術というのは例外だが。
錬金術が強化するものは私達は何個か持っているな」
「言っていいんですか?」
『「真似は出来ないから」』
「そうですけど」
「ハモらないでくださいよ」
「偶然だ」
慣れていてもまだ呆れることはあるんだなと実感してしまう。
「ロイ。
寝ていてもいいぞ」
「…大丈夫です」
「眠そうな顔してるが?」
「変装、解いたの失敗だった。
アレの方が…読まれないのに」
「マスタング大将。
まだ着くまで時間あります」
「中尉まで寝かそうとするなよ」
「着いたら将軍達にまた絡まれるのでは?
体力温存していた方が宜しいかと」
「絡まれるのは決定か。
まぁ、そうだろうけどさ。
うわ…っ」
「いいから寝なさい。
まだ本調子でもないだろう」
(少人数で私の隊しか連れて来なかったのはコレを見せない為か)
大総統に抱き寄せられ、ロイはため息をついて目を閉じる。
ブランケットを掛けられて大総統の温もりとセルシアの撫でる手を感じ、意識を手放した。
「起きたか。
先程よりも顔色よくなったな」
「…ん」
「熱は出てないな」
「そうするから私の病弱説が上がるんですが。
大体、人手不足で仕事量が多すぎる。
将軍も左官も使える者が少ない」
「寝起きで愚痴るか?」
「貴方が上層部の奴等を躾けてなかったんでしょう」
「それは否定しないな」
((躾けてって言ったのはいいのか))
寄り掛かったままでロイは大総統をジロリと見つめた。
「分かった。
君の要望は?」
「早急に使える将軍が欲しい。
左官だって、どうにか回しているんですよ」
「愚痴は分かったから。
あとで聞く。
要望は何だ?」
にっこりと笑ってロイは起き上がり、大総統を見つめる。
((…恐ろしいな))
大総統がロイの要望に頭を抱えながらも渋々ながらも認めた。
大総統にロイは額にキスされ、瞬きして見つめる。
「そんな険しい顔をしていると綺麗な顔が台無しだぞ、我が子よ」
「んな…っ!」
「可愛らしいな」
「父様っ!」
「では、司令部に戻ろうか」
「…先に戻っていてください」
この赤い顔で戻れるかとロイはため息をついて頭を抱えた。
(我儘を言った後は遊ばれるんだよな。
いや、我儘というよりは正当な要望なんだけど)
専用のロッカールームでロイは軍服に着替えた。
大総統が仕事でも頼んでいるのか、将軍達の姿は見えずに絡まれることもなかった。
「ロイ、お疲れさん。
大丈夫だったか?」
「問題ない」
「長髪の青年か。
見たかったな」
「馬鹿か」
『美しい青年でしたよ』
「セルシア、君ねぇ…」
『ふふっ…私は今のロイさんの方が安心しますけど。
大総統がお呼びですよ』
「言われなくても戻るさ」
ロイはため息をつき、大総統の執務室に向かう。
「…戻りました」
「お帰り、ロイ。
早急に報告書を仕上げてくれ」
「承知しております」
自分の席に着くと資料に目を通しながら万年筆を手にする。
(妙な実験もしていたか。
間に合ったのか、グレーゾーンだな。
一発二発くらい殴っておけば良かったかもな)
嫌になる事件だなとため息をつきながらも頭を切り替える。
「何ですか?」
「もっと君が言うと思った」
「裏社会で動きがあるのは把握しておりますが」
「そうではなくて」
「愚痴れば変わります?
変わらないことは愚痴りません。
そんなのは、懸命に生きていた彼女達に失礼だ。
悔しさも憤りもないと言えば、嘘になります。
大総統にぶつけて解決します?
しないでしょう」
「それは正解ではあるが。
そうやって溜め込むのは君の悪い癖だな」
「はぁ?」
「私は君に八つ当たりもいいと言っているのだが」
ロイは瞬きして大総統を見つめて、再会した時の約束を思い出した。
どんなに八つ当たりしてもいいと言ったのは本音だったのかとロイは苦笑いを浮かべた。
「溜め込むことに否定はしませんが、まだ貴方には言ってやりません」
「信頼が足らんか?」
「それもYESであり、NOです。
まだ言う段階ではない。
ただ、それだけですよ」
「…そうか」
穏やかな表情になったロイに大総統は大丈夫そうだなと微かに笑い、ロイの頭を優しく撫でた。