第52話
夢小説設定
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軽々と言える問題だとは思っておらず、あのロイが泣き崩れるくらいで戸惑いも大きい。
「君達も悪かったな。
格好悪い姿を見せて」
「そんなこと…っ」
「幻滅しただろう?」
「マスタング大将!
俺等がそれで幻滅すると思いますか」
「私でも怒りますよ。
我々は貴方について行くと決めたんです」
「命の危険があろうとも。
貴方と共に進む道を選びました」
「傷ついても八つ当たりしたって構いませんから。
自分を大切にしてください」
「…すまない。
参ったね、本当に」
執務室のソファに寝転んでロイは腕で顔を隠した。
『ロイさん。
私達は経験していないので、軽々しく言葉には出来ませんが。
でも、貴方が大切なんです。
ただそれだけです』
「…セルシア」
『最初から成功することなんてありませんよ。
対面して何度も話し合うしかないんです』
「もう私は同行させてもらえないかもしれない」
『大丈夫です。
諦めなければ、きっと』
セルシアに抱き締められてロイは黙っていた。
将軍達も経験者ではあるので今回に限り、ロイに絡むことはなかった。
「はっ…ぁ…」
『大丈夫ですからね』
家に帰った途端にロイが嘔吐して高熱を出し、疲れとストレスなのは診てもらわずとも分かった。
「…セルシア」
『気がつきましたか』
「み、ず…」
『ゆっくり飲んで』
「ん…っ、ぅ…」
高熱で起きれずにロイは口移しで飲ませてもらった。
(…太陽)
眩しい太陽の光にこんな時でも安堵し、ロイはため息をつく。
『ロイさんっ!』
「おはよう、セルシア」
『大丈夫…ですか?』
「あぁ、大丈夫だ。
まだ熱は完全には下がってないが。
心配掛けて悪かった」
『心配くらい掛けてください』
「はは…っ、そう…だな」
窓側に立っているロイは微かに笑い、セルシアが安堵する。
「まだ頭はスッキリしないが」
『もう少し休んでください』
「そうさせてもらうよ」
大総統の特権でロイは強制的に休日を与えられていた。
そうでもしないと無理してでも出勤するだろうと判断された。
「ロイ、起きたか」
「…ヒューズ」
「熱は少しは下がったな」
「…ん。
何でいる?」
「おい、今更だな。
謝るなよ」
「…自分の想像以上に頭が働いてないのは分かった」
「仕方ないだろ。
昨日の今日だし、熱もあるんだ」
「悪夢を見るかと思った」
「見なかったなら良かっただろ。
また幸せになってはいけないなんて思うなよ?」
「分かってるよ」
ヒューズの言葉に苦笑いしてロイは起き上がる。
「大丈夫なのか?」
「ずっと寝てるのも。
こういう時でも腹減るんだな」
「健康な証拠だろ」
「おい、自分で作るのかよ」
「不味いのは食いたくないね」
「…失礼だな」
そう言いながらもヒューズも美味しいものを作る自信はない。
微熱ではあるが、面倒なので簡単に煮込むだけの料理にした。
「食べるか?」
「いや、大丈夫だ」
「顔に似合わず、辛いの苦手だよな」
「おまえさんは意外とイケるよな」
「激辛でなければ」
「…熱ある奴が食うか?」
「風邪引いた訳じゃないし。
精神的な問題だろ」
「いや、良いんだけどよ。
時分で言うか?」
「事実だろ」
ヒューズは苦笑いしながらロイに水を差し出す。
「飲み薬。
軍医から受け取って来た」
「特に問題ないが」
「念の為に飲んでおけってさ」
「…わかったよ」
渋々ながらも飲んでいるロイにヒューズは子供かと苦笑いする。
「過保護だな」
「それ程、おまえさんが心配掛けてた証拠だろ」
「むぅ…」
「たまにはゆっくり休めよ」
「わかっているが」
「考えるなと言うのも難しいかもしれないけどさ。
ずっと考えてたら疲れるぞ」
「分かってるよ」
「…昨日安心したんだ」
「えっ?」
「無表情で殻に籠もるように帰って来るんじゃないかと」
「それは…っ」
「実際に俺の顔を見た途端に号泣して抱きつくんだもんな」
「ヒューズっ!」
「わははっ!」
「おまえ、嫌いだ」
不貞腐れたようにロイはテーブルに顔を埋め、ヒューズが笑って頭を撫でる。
「…ヒューズ」
「ん?」
「昨日、夢を見たか?」
「不思議と見てないな。
流石に見ると思ったよ」
「良いのか、わからんな」
「見ないなら良いんだって」
「安心したんだ。
あの映像、見なかったことに。
苦しめたのにさ」
「おまえだけのせいじゃない。
それが慰めにもならないのは分かってるよ」
「どうしたらいいのか分からない」
「それが今の本音だろ。
わからないのが当たり前だ。
そんなのは傲慢だ」
「…そうだな」
ヒューズの言葉は耳を塞ぎたくなる言葉も言われるが、それは有り難くもあった。
「シャワー浴びて来る。
何でついて来るんだよ」
「過呼吸、起こしたら大変だろ」
「…了解」
大丈夫とは言えないので渋々ながらもロイは受け入れた。
「おまえなぁ〜。
あ〜っ、もう。
いいから貸せよ」
「うわ…っ」
「どうして髪を乾かすのだけ、おまえは雑なんだよ。
片付けやら料理も丁寧なのにな」
「面倒なんだ」
「髪、伸びたな」
「そろそろ切らないとな」
「伸ばせば?」
「エドじゃないんだし。
将軍達にチャラついていると絡まれるのがオチだぞ」
「ははっ、確かに」
ヒューズに髪を乾かしてもらいながらロイは頭を空っぽにするのは難しいなとぼんやりしていた。
「…ロイ。
大丈夫か?
熱は上がってないな」
「思考を止めるのは難しいな」
「おまえさんは特にな」
くしゃっと頭を撫でられてロイは苦笑いする。
「君達も悪かったな。
格好悪い姿を見せて」
「そんなこと…っ」
「幻滅しただろう?」
「マスタング大将!
俺等がそれで幻滅すると思いますか」
「私でも怒りますよ。
我々は貴方について行くと決めたんです」
「命の危険があろうとも。
貴方と共に進む道を選びました」
「傷ついても八つ当たりしたって構いませんから。
自分を大切にしてください」
「…すまない。
参ったね、本当に」
執務室のソファに寝転んでロイは腕で顔を隠した。
『ロイさん。
私達は経験していないので、軽々しく言葉には出来ませんが。
でも、貴方が大切なんです。
ただそれだけです』
「…セルシア」
『最初から成功することなんてありませんよ。
対面して何度も話し合うしかないんです』
「もう私は同行させてもらえないかもしれない」
『大丈夫です。
諦めなければ、きっと』
セルシアに抱き締められてロイは黙っていた。
将軍達も経験者ではあるので今回に限り、ロイに絡むことはなかった。
「はっ…ぁ…」
『大丈夫ですからね』
家に帰った途端にロイが嘔吐して高熱を出し、疲れとストレスなのは診てもらわずとも分かった。
「…セルシア」
『気がつきましたか』
「み、ず…」
『ゆっくり飲んで』
「ん…っ、ぅ…」
高熱で起きれずにロイは口移しで飲ませてもらった。
(…太陽)
眩しい太陽の光にこんな時でも安堵し、ロイはため息をつく。
『ロイさんっ!』
「おはよう、セルシア」
『大丈夫…ですか?』
「あぁ、大丈夫だ。
まだ熱は完全には下がってないが。
心配掛けて悪かった」
『心配くらい掛けてください』
「はは…っ、そう…だな」
窓側に立っているロイは微かに笑い、セルシアが安堵する。
「まだ頭はスッキリしないが」
『もう少し休んでください』
「そうさせてもらうよ」
大総統の特権でロイは強制的に休日を与えられていた。
そうでもしないと無理してでも出勤するだろうと判断された。
「ロイ、起きたか」
「…ヒューズ」
「熱は少しは下がったな」
「…ん。
何でいる?」
「おい、今更だな。
謝るなよ」
「…自分の想像以上に頭が働いてないのは分かった」
「仕方ないだろ。
昨日の今日だし、熱もあるんだ」
「悪夢を見るかと思った」
「見なかったなら良かっただろ。
また幸せになってはいけないなんて思うなよ?」
「分かってるよ」
ヒューズの言葉に苦笑いしてロイは起き上がる。
「大丈夫なのか?」
「ずっと寝てるのも。
こういう時でも腹減るんだな」
「健康な証拠だろ」
「おい、自分で作るのかよ」
「不味いのは食いたくないね」
「…失礼だな」
そう言いながらもヒューズも美味しいものを作る自信はない。
微熱ではあるが、面倒なので簡単に煮込むだけの料理にした。
「食べるか?」
「いや、大丈夫だ」
「顔に似合わず、辛いの苦手だよな」
「おまえさんは意外とイケるよな」
「激辛でなければ」
「…熱ある奴が食うか?」
「風邪引いた訳じゃないし。
精神的な問題だろ」
「いや、良いんだけどよ。
時分で言うか?」
「事実だろ」
ヒューズは苦笑いしながらロイに水を差し出す。
「飲み薬。
軍医から受け取って来た」
「特に問題ないが」
「念の為に飲んでおけってさ」
「…わかったよ」
渋々ながらも飲んでいるロイにヒューズは子供かと苦笑いする。
「過保護だな」
「それ程、おまえさんが心配掛けてた証拠だろ」
「むぅ…」
「たまにはゆっくり休めよ」
「わかっているが」
「考えるなと言うのも難しいかもしれないけどさ。
ずっと考えてたら疲れるぞ」
「分かってるよ」
「…昨日安心したんだ」
「えっ?」
「無表情で殻に籠もるように帰って来るんじゃないかと」
「それは…っ」
「実際に俺の顔を見た途端に号泣して抱きつくんだもんな」
「ヒューズっ!」
「わははっ!」
「おまえ、嫌いだ」
不貞腐れたようにロイはテーブルに顔を埋め、ヒューズが笑って頭を撫でる。
「…ヒューズ」
「ん?」
「昨日、夢を見たか?」
「不思議と見てないな。
流石に見ると思ったよ」
「良いのか、わからんな」
「見ないなら良いんだって」
「安心したんだ。
あの映像、見なかったことに。
苦しめたのにさ」
「おまえだけのせいじゃない。
それが慰めにもならないのは分かってるよ」
「どうしたらいいのか分からない」
「それが今の本音だろ。
わからないのが当たり前だ。
そんなのは傲慢だ」
「…そうだな」
ヒューズの言葉は耳を塞ぎたくなる言葉も言われるが、それは有り難くもあった。
「シャワー浴びて来る。
何でついて来るんだよ」
「過呼吸、起こしたら大変だろ」
「…了解」
大丈夫とは言えないので渋々ながらもロイは受け入れた。
「おまえなぁ〜。
あ〜っ、もう。
いいから貸せよ」
「うわ…っ」
「どうして髪を乾かすのだけ、おまえは雑なんだよ。
片付けやら料理も丁寧なのにな」
「面倒なんだ」
「髪、伸びたな」
「そろそろ切らないとな」
「伸ばせば?」
「エドじゃないんだし。
将軍達にチャラついていると絡まれるのがオチだぞ」
「ははっ、確かに」
ヒューズに髪を乾かしてもらいながらロイは頭を空っぽにするのは難しいなとぼんやりしていた。
「…ロイ。
大丈夫か?
熱は上がってないな」
「思考を止めるのは難しいな」
「おまえさんは特にな」
くしゃっと頭を撫でられてロイは苦笑いする。