第51話
夢小説設定
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ハボックとブレダが同行してパーティー会場から出て行く。
「あまり、からかってやるなよ」
「ははっ…思わず」
「やれやれ」
呆れながらも大総統は微かに笑うだけで止めた。
しつこく言うとロイに叱られるのは分かっているので。
「…私は君に少しは信頼してもらえるようになったかね?」
「大総統としても、ロイの父代わりとしても信頼していますよ。
貴方を信頼と言うよりはロイを信じていますから。
ロイが信じると決めたのなら、それ以上は言いません」
「…信頼しているのだな」
「アイツを支えると決めた日から。
俺だけは絶対的な味方でいようと思ってました。
今は俺だけではありませんが」
「そうか。
どうか、これからも傍で支えてやってくれ」
「言われなくてもそうしますよ。
またロイから離れて行ったら今度は許しませんから」
「心得た」
大総統とヒューズのやりとりに中尉達はハラハラしながら見守っていた。
「いつもと変わらない髪型にしてしまったのか」
「いけませんか?」
「構わないが。
もう少しセットしても」
「そういうの、好きじゃない」
「似合うと思うがね」
「群がって来るから嫌です」
「あぁ、君の場合はそうなるか。
髪が伸びて来たな」
大総統はふわりと微笑んでロイの髪を耳に掛ける。
「何ですか?」
「いや…、せっかくのピアスを見せたらいいのでは?」
「耳に掛けていても動いているうちに解けてしまうので」
((普通の将軍はそこまで動きませんけどね))
「癖毛のない髪だからな。
羨ましい限りだ」
「そういうものですか」
「君はそういう面では苦労してないだろうからね」
「ロイが苦労してるのは童顔くらいですよ。
あでッ!
蹴るなよ!」
「ヒューズ中佐、自業自得かと」
ロイにお尻を蹴られてヒューズは叫ぶが、中尉達には自業自得だと頷かれてしまう。
大総統は将軍達に呼ばれて渋々ながらも連れられて行く。
「…マスタング大将を無視して行きましたね」
「嫌味よりは良いだろう」
「向こうの方が下官ですよね」
「年齢は向こうが一回り以上も年上だからな」
嫌味がないのなら無視くらいは良いだろうとロイは気にしていない。
「ロイ、酒だけ飲むなよ」
「分かってるよ」
ヒューズに渡されたチーズを食べてロイは苦笑いする。
『ロイさん、こっちもチーズに合って美味しいですよ』
「…ん」
普通に口を開いて食べるロイにヒューズ達は慣れているが、周りの軍人達からは好奇の視線。
ロイもセルシアもまったく気にしておらず。
大総統主催の軍のパーティーが終わり、そのまま帰る気分じゃなくてロイはバーに寄った。
「飲んで来たのだろ。
1杯だけだからな」
「…分かってるよ」
会場で数本のワインを空けたのにロイはマダムに渡されたウィスキーをロックで飲んでいる。
「あんたらも飲むかい?」
「勘弁してくれよ、マダム」
「二日酔いになっちゃいますよ」
「ロイ坊、それを飲んだら素直に帰るんだよ」
「ん〜…」
「寝るなよ?」
グラス片手にカウンターテーブルに顔を埋めている。
「何かあったのかい?」
「…マダム」
「どうした?」
マダムはロイの頭を優しく撫で、声色も穏やかだ。
「お腹空いた」
「おまえねぇ〜。
心配して損したよ!」
「あだっ!」
「まったく。
おまえさん、また酒だけ飲んでたんだろ!」
「少しは食べてた」
「残り物で作るんだから不味くても文句を言うんじゃないよ!」
ロイの頭を叩き、文句を言いながらも作ってくれるから義母にこうして甘えるのだろう。
「最近困ってることは?」
「あんた以外に困ってないさ」
「ふはっ!
それは平和だねぇ〜」
「お陰様でね」
ロイはクスクスと笑いながらマダムを見つめていた。
「あのエロジジィがあんたに宜しく言ってたよ」
「エロジジィ…?
あぁ、グラマン中将か。
最近も店に来たか?」
「最近と言ってもどっかの誰かさんが入院していた頃にね」
「マダム、焦げる。
焦げたのは食べたくない」
「そんな馬鹿はしないさ。
香ばしい方があんたは好きだろ」
「まぁ、それなりに」
言い合うような会話だが、決して喧嘩ではない。
互いに好みも把握していてこの親子のコミュニケーションなのだろう。
「…うまい」
「それは良かった。
食ったらさっさと帰るんだよ。
色々と考えたいことも動きたいのもあるんだろうけどね。
今は動くのは賢いとは言えないよ。
あんたも分かってるだろ。
夜更かしなんてしないで寝な」
「またそうやって」
「半人前のうちは子供だよ」
「あでっ!」
「無茶するんじゃないよ、ロイ坊。
好きな女や大切な人達を泣かすのは半人前だからね」
「…分かってるよ」
マダムに額を弾かれてロイは苦笑いするしかない。
「焦ることはないさ。
じっくり、やっていけばいい。
50年は掛かると思ってたからね」
「酷くない?
その年齢なら定年だよ。
何年軍人やってないといけないんだ」
「笑ったね。
あんたはその笑顔だ」
「はぁ?」
「ロイ坊。
ちゃ〜んと笑って泣きな。
ずっと味方だからね」
「あ〜っ、もう…」
「余裕がない男に魅力はないよ」
「分かってるよ」
「余裕のある一人前の男になりな」
「…分かってるよ」
敵わないなと苦笑いしながらもロイは素直に頭を撫でられていた。
「あまり、からかってやるなよ」
「ははっ…思わず」
「やれやれ」
呆れながらも大総統は微かに笑うだけで止めた。
しつこく言うとロイに叱られるのは分かっているので。
「…私は君に少しは信頼してもらえるようになったかね?」
「大総統としても、ロイの父代わりとしても信頼していますよ。
貴方を信頼と言うよりはロイを信じていますから。
ロイが信じると決めたのなら、それ以上は言いません」
「…信頼しているのだな」
「アイツを支えると決めた日から。
俺だけは絶対的な味方でいようと思ってました。
今は俺だけではありませんが」
「そうか。
どうか、これからも傍で支えてやってくれ」
「言われなくてもそうしますよ。
またロイから離れて行ったら今度は許しませんから」
「心得た」
大総統とヒューズのやりとりに中尉達はハラハラしながら見守っていた。
「いつもと変わらない髪型にしてしまったのか」
「いけませんか?」
「構わないが。
もう少しセットしても」
「そういうの、好きじゃない」
「似合うと思うがね」
「群がって来るから嫌です」
「あぁ、君の場合はそうなるか。
髪が伸びて来たな」
大総統はふわりと微笑んでロイの髪を耳に掛ける。
「何ですか?」
「いや…、せっかくのピアスを見せたらいいのでは?」
「耳に掛けていても動いているうちに解けてしまうので」
((普通の将軍はそこまで動きませんけどね))
「癖毛のない髪だからな。
羨ましい限りだ」
「そういうものですか」
「君はそういう面では苦労してないだろうからね」
「ロイが苦労してるのは童顔くらいですよ。
あでッ!
蹴るなよ!」
「ヒューズ中佐、自業自得かと」
ロイにお尻を蹴られてヒューズは叫ぶが、中尉達には自業自得だと頷かれてしまう。
大総統は将軍達に呼ばれて渋々ながらも連れられて行く。
「…マスタング大将を無視して行きましたね」
「嫌味よりは良いだろう」
「向こうの方が下官ですよね」
「年齢は向こうが一回り以上も年上だからな」
嫌味がないのなら無視くらいは良いだろうとロイは気にしていない。
「ロイ、酒だけ飲むなよ」
「分かってるよ」
ヒューズに渡されたチーズを食べてロイは苦笑いする。
『ロイさん、こっちもチーズに合って美味しいですよ』
「…ん」
普通に口を開いて食べるロイにヒューズ達は慣れているが、周りの軍人達からは好奇の視線。
ロイもセルシアもまったく気にしておらず。
大総統主催の軍のパーティーが終わり、そのまま帰る気分じゃなくてロイはバーに寄った。
「飲んで来たのだろ。
1杯だけだからな」
「…分かってるよ」
会場で数本のワインを空けたのにロイはマダムに渡されたウィスキーをロックで飲んでいる。
「あんたらも飲むかい?」
「勘弁してくれよ、マダム」
「二日酔いになっちゃいますよ」
「ロイ坊、それを飲んだら素直に帰るんだよ」
「ん〜…」
「寝るなよ?」
グラス片手にカウンターテーブルに顔を埋めている。
「何かあったのかい?」
「…マダム」
「どうした?」
マダムはロイの頭を優しく撫で、声色も穏やかだ。
「お腹空いた」
「おまえねぇ〜。
心配して損したよ!」
「あだっ!」
「まったく。
おまえさん、また酒だけ飲んでたんだろ!」
「少しは食べてた」
「残り物で作るんだから不味くても文句を言うんじゃないよ!」
ロイの頭を叩き、文句を言いながらも作ってくれるから義母にこうして甘えるのだろう。
「最近困ってることは?」
「あんた以外に困ってないさ」
「ふはっ!
それは平和だねぇ〜」
「お陰様でね」
ロイはクスクスと笑いながらマダムを見つめていた。
「あのエロジジィがあんたに宜しく言ってたよ」
「エロジジィ…?
あぁ、グラマン中将か。
最近も店に来たか?」
「最近と言ってもどっかの誰かさんが入院していた頃にね」
「マダム、焦げる。
焦げたのは食べたくない」
「そんな馬鹿はしないさ。
香ばしい方があんたは好きだろ」
「まぁ、それなりに」
言い合うような会話だが、決して喧嘩ではない。
互いに好みも把握していてこの親子のコミュニケーションなのだろう。
「…うまい」
「それは良かった。
食ったらさっさと帰るんだよ。
色々と考えたいことも動きたいのもあるんだろうけどね。
今は動くのは賢いとは言えないよ。
あんたも分かってるだろ。
夜更かしなんてしないで寝な」
「またそうやって」
「半人前のうちは子供だよ」
「あでっ!」
「無茶するんじゃないよ、ロイ坊。
好きな女や大切な人達を泣かすのは半人前だからね」
「…分かってるよ」
マダムに額を弾かれてロイは苦笑いするしかない。
「焦ることはないさ。
じっくり、やっていけばいい。
50年は掛かると思ってたからね」
「酷くない?
その年齢なら定年だよ。
何年軍人やってないといけないんだ」
「笑ったね。
あんたはその笑顔だ」
「はぁ?」
「ロイ坊。
ちゃ〜んと笑って泣きな。
ずっと味方だからね」
「あ〜っ、もう…」
「余裕がない男に魅力はないよ」
「分かってるよ」
「余裕のある一人前の男になりな」
「…分かってるよ」
敵わないなと苦笑いしながらもロイは素直に頭を撫でられていた。