第51話
夢小説設定
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雑談を聞き流しながらロイはグラス片手に脳内で錬成陣を組み立てる。
(花の錬成と蔓の錬成の違い、か。
花はそこまで問題じゃない。
成長の違いもあるが、似ているようで異なる。
木々の成長には何が必要だ?
植物が生命維持に必要なものは水、光、空気、それから…)
脳内で何度も錬成を組み立て直しながら考える。
「…ミネラル」
『ロイさん?』
「ミネラルなら錬成陣に入れられそうだな」
『また考えていたんですか。
ロイさんが錬成すればいいのでは?』
「私には必要ない。
強制的にではあるが、防御力も上がったからな。
私は君のご両親の研究を引き継いだに過ぎない」
『そうですけど』
「単純に君の風以外の錬金術を見たいんだよ」
『こういう研究、私よりも楽しそうですよね』
「そうか?
いや…、そうかもな」
壁に寄り掛かって微かに笑うロイの隣でセルシアは苦笑いする。
ロイにチラッと見られてセルシアは首を傾げる。
「その色、よく似合ってる」
『え…?』
「口紅。
新しいだろ?」
『ありがとうございます。
よく気づきましたね。
色もそんなに変えてないのに』
ロイは一瞬黙って目を反らしてグラスの酒を飲む。
「…すまん。
今の発言は…、気色悪かったな」
『はい?』
「ストーカーみたいだなと」
『嫌なことなんてないですよ。
ちゃんと見てくれている証拠でしょ?
私が貴方の香りも嗅ぎ分ける自信があると言ったら引きます?』
「それは極端過ぎるだろ。
嗅ごうとするな!」
『残念。
ロイさんの香り、好きなんですよ』
「香水か?」
『それもですけど。
香水を付けてなくても、いい香りですよ』
「ふはっ!」
思わず吹き出してしまってロイはセルシアの額にキスする。
『ちょ…っ』
「唇が良かった?」
『それは唇が良いですけど。
今は結構です』
「それは残念だ」
『…面白がってません?』
「君が照れる顔はそそられるね」
『もう…っ』
頬を赤らめるセルシアにペシペシと腕を叩かれてロイは楽しそうに微かに笑う。
『あまり飲み過ぎないでくださいね』
「酔い潰れたりしないが」
『…私がキスされて酔います』
「ふはっ、そうだったな」
『笑わないでください』
「すまない、思わずね」
甘えるようにセルシアはロイの腰に抱きついて不満顔で見つめる。
苦笑いしてロイがセルシアの手を握り、指を絡ませる。
ベシッとロイは軽く頭を叩かれて不満顔で見つめる。
「何だよ、ヒューズ」
「また居なくなったと思ったら、壁側で何をイチャついてるんだよ。
俺だって家族同伴だったらグレイシアとイチャイチャしたいんだぞ!」
「何の叫びだよ」
「大総統主催のパーティーでイチャつかないでくださいよ、マスタング大将」
「羨ましいか?」
「当たり前じゃないっスか!
貴方目当ての女に何度騙されたと思ってるんですか!」
「…それは単純におまえの見る目がないだけだろ」
「ハボック少尉ですから」
「中尉まで」
微かに笑う中尉にハボックは苦笑いするしかない。
「家族同伴じゃないっスか?
俺等は独身なんで無関係ですけど」
「一応は軍のパーティーだし。
年越しとかも色々あって、異動やら昇進、降格とか。
大分遅れたお疲れさんパーティーってことだな」
「降格も昇進も貴方のことじゃないですか」
「ふはっ!
まぁ、結果的に。
人事部からは降格の意味が分からないと文句を言われたよ。
種類上は手続きが必要だからね」
「その後にすぐに昇進ですからね」
「コロコロと変わるの、マスタング大将くらいですよ」
「…だろうな。
お陰で覚えることが大量だが」
「マスタング大将ならすぐに覚えられるからいいですけど。
俺なら地獄ですよ」
「俺等でも無理ですよ。
まぁ、リーゼル大佐もそこまで困らないでしょ?」
『ロイさんよりは記憶力は劣るわよ。
貴方達には負けないけれど』
「意外とヒューズ中佐も記憶力、ありますよね」
「…意外って失礼だな。
まぁ、コイツの雑用してたし」
「雑用?
班は違いますよね」
「ヒューズの独断だよ。
士官学校でもな」
「そう言いながらも頼むじゃねぇかよ!」
「正確だからな。
それに、裏切らないだろ?」
「おま…っ、不意打ちはずりぃ。
分かってやってるだろ」
脱離したヒューズがロイに抱きつき、慣れた様子でロイは気にしない。
「ヒューズ、重い…」
「おまえさんが軽いんだよ」
「身軽と言え」
「腹を肘で突こうとするなよ」
「それなら、離れろ」
「へいへい」
ヒューズに髪をくしゃっと撫でられてロイは顔を歪める。
「ヒューズ。
セットが乱れたんだが…」
「良いじゃねぇか」
「よくない」
「ヒューズ中佐、乱し過ぎです」
『何をしているんですか!』
中尉とセルシアにも叱られてヒューズ
は笑いながら謝罪する。
「ロイ、ここにいたのか。
髪はどうした?」
「いえ…、ちょっと」
「遊ばれたのか。
前髪は下ろしたままでいいから。
少し直しておいで」
「…行って来ます」
ロイは不満顔でヒューズを見て、宥めるように大総統は微笑んでロイの髪を整えるように撫でた。
(花の錬成と蔓の錬成の違い、か。
花はそこまで問題じゃない。
成長の違いもあるが、似ているようで異なる。
木々の成長には何が必要だ?
植物が生命維持に必要なものは水、光、空気、それから…)
脳内で何度も錬成を組み立て直しながら考える。
「…ミネラル」
『ロイさん?』
「ミネラルなら錬成陣に入れられそうだな」
『また考えていたんですか。
ロイさんが錬成すればいいのでは?』
「私には必要ない。
強制的にではあるが、防御力も上がったからな。
私は君のご両親の研究を引き継いだに過ぎない」
『そうですけど』
「単純に君の風以外の錬金術を見たいんだよ」
『こういう研究、私よりも楽しそうですよね』
「そうか?
いや…、そうかもな」
壁に寄り掛かって微かに笑うロイの隣でセルシアは苦笑いする。
ロイにチラッと見られてセルシアは首を傾げる。
「その色、よく似合ってる」
『え…?』
「口紅。
新しいだろ?」
『ありがとうございます。
よく気づきましたね。
色もそんなに変えてないのに』
ロイは一瞬黙って目を反らしてグラスの酒を飲む。
「…すまん。
今の発言は…、気色悪かったな」
『はい?』
「ストーカーみたいだなと」
『嫌なことなんてないですよ。
ちゃんと見てくれている証拠でしょ?
私が貴方の香りも嗅ぎ分ける自信があると言ったら引きます?』
「それは極端過ぎるだろ。
嗅ごうとするな!」
『残念。
ロイさんの香り、好きなんですよ』
「香水か?」
『それもですけど。
香水を付けてなくても、いい香りですよ』
「ふはっ!」
思わず吹き出してしまってロイはセルシアの額にキスする。
『ちょ…っ』
「唇が良かった?」
『それは唇が良いですけど。
今は結構です』
「それは残念だ」
『…面白がってません?』
「君が照れる顔はそそられるね」
『もう…っ』
頬を赤らめるセルシアにペシペシと腕を叩かれてロイは楽しそうに微かに笑う。
『あまり飲み過ぎないでくださいね』
「酔い潰れたりしないが」
『…私がキスされて酔います』
「ふはっ、そうだったな」
『笑わないでください』
「すまない、思わずね」
甘えるようにセルシアはロイの腰に抱きついて不満顔で見つめる。
苦笑いしてロイがセルシアの手を握り、指を絡ませる。
ベシッとロイは軽く頭を叩かれて不満顔で見つめる。
「何だよ、ヒューズ」
「また居なくなったと思ったら、壁側で何をイチャついてるんだよ。
俺だって家族同伴だったらグレイシアとイチャイチャしたいんだぞ!」
「何の叫びだよ」
「大総統主催のパーティーでイチャつかないでくださいよ、マスタング大将」
「羨ましいか?」
「当たり前じゃないっスか!
貴方目当ての女に何度騙されたと思ってるんですか!」
「…それは単純におまえの見る目がないだけだろ」
「ハボック少尉ですから」
「中尉まで」
微かに笑う中尉にハボックは苦笑いするしかない。
「家族同伴じゃないっスか?
俺等は独身なんで無関係ですけど」
「一応は軍のパーティーだし。
年越しとかも色々あって、異動やら昇進、降格とか。
大分遅れたお疲れさんパーティーってことだな」
「降格も昇進も貴方のことじゃないですか」
「ふはっ!
まぁ、結果的に。
人事部からは降格の意味が分からないと文句を言われたよ。
種類上は手続きが必要だからね」
「その後にすぐに昇進ですからね」
「コロコロと変わるの、マスタング大将くらいですよ」
「…だろうな。
お陰で覚えることが大量だが」
「マスタング大将ならすぐに覚えられるからいいですけど。
俺なら地獄ですよ」
「俺等でも無理ですよ。
まぁ、リーゼル大佐もそこまで困らないでしょ?」
『ロイさんよりは記憶力は劣るわよ。
貴方達には負けないけれど』
「意外とヒューズ中佐も記憶力、ありますよね」
「…意外って失礼だな。
まぁ、コイツの雑用してたし」
「雑用?
班は違いますよね」
「ヒューズの独断だよ。
士官学校でもな」
「そう言いながらも頼むじゃねぇかよ!」
「正確だからな。
それに、裏切らないだろ?」
「おま…っ、不意打ちはずりぃ。
分かってやってるだろ」
脱離したヒューズがロイに抱きつき、慣れた様子でロイは気にしない。
「ヒューズ、重い…」
「おまえさんが軽いんだよ」
「身軽と言え」
「腹を肘で突こうとするなよ」
「それなら、離れろ」
「へいへい」
ヒューズに髪をくしゃっと撫でられてロイは顔を歪める。
「ヒューズ。
セットが乱れたんだが…」
「良いじゃねぇか」
「よくない」
「ヒューズ中佐、乱し過ぎです」
『何をしているんですか!』
中尉とセルシアにも叱られてヒューズ
は笑いながら謝罪する。
「ロイ、ここにいたのか。
髪はどうした?」
「いえ…、ちょっと」
「遊ばれたのか。
前髪は下ろしたままでいいから。
少し直しておいで」
「…行って来ます」
ロイは不満顔でヒューズを見て、宥めるように大総統は微笑んでロイの髪を整えるように撫でた。