第51話
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大総統と向き合ってソファに座りながら悪戦苦闘しているロイに何事かと見つめてしまう。
「失礼します。
頼まれていた書類を届けに…」
「あぁ、補佐官に渡してくれ。
今は手を離せないから。
出来たか?」
「待ってください」
「もう少しスピード上げないと大変になるぞ」
「既に大変ですよ!」
大総統に急かされながらロイは資料を片手に書類を書き上げていた。
「あれは…?」
「マスタング大将はずっと放任でしたから」
「大総統に自ら鍛えられてんのか」
「多少はグラマン中将が教えていたみたいですが」
「ロイは自分の地位に合わない書類ばかりさせられていたからな。
まぁ、東方は事件も多いから報告書も多かったし。
いろんなものが重なっていたんだろ」
「随分と楽しそうじゃないか、ヒューズ中佐」
「アイツが苦労するのは最初だけ。
明日にはコツを掴んでるよ」
「えっ?」
「優秀な奴だからな。
それが何年分だろうと大丈夫だよ」
ヒューズの言葉にあんなに苦労しているのにそんなバカなと補佐官はチラッと見ながら思う。
(…本当だったな)
自分なりにコツを掴んで問題ないようで大総統に合格を貰っていた。
ロイの元上官達は大総統に呼び出されたのは言うまでもない。
「マスタング大将は?」
「大総統と視察に行ってますよ」
「街に?」
「いえ、今日は研究所です。
医療の現場にも見学に行くと」
「連れ回されてますね」
「これはしばらくは動けませんね」
大変そうだなとハボックとブレダも苦笑いしてしまう。
「…ただいま」
「言っていた矢先に」
「何の話だ?」
「たいした話ではありませんよ」
「そうか?」
「どうでしたか?」
「まぁ、色々とこちらも動かないといけないなと。
考えさせられることが多いな」
「そうですか」
中尉はロイのコートを預かり、ハンガーに掛ける。
「セルシアは?」
「資料室に」
「…そうか」
「呼んで来ますか?」
「いや、待っているよ」
「宜しいのですか?」
「休憩は頂いた」
「珈琲で良いですか?」
「ありがとう」
ロイは執務室のソファに座りながら本を読む。
『マスタング大将。
お帰りなさい』
「ただいま」
『大変でしたか?』
「予想以上に」
『お疲れ様でした』
「ありがとう。
少し休憩を頂いたんだ」
ロイの頭を切り替える為に大総統は休憩を与えたのだろう。
『これは…?』
「お土産」
『綺麗ですね』
「似合うかと思って」
「リーゼル大佐だけっスか?」
「当たり前だろう。
遊びに行ったんじゃないぞ」
そう言いながらもセルシアには些細なお土産を買って来ている。
『いい香りですね』
「だろう?
君が好きな香りかと」
『香水やコスメが有名らしいですからね』
「コスメは君はこだわりがあるかと思ってね」
『ロイさんがくれるならば何でも大丈夫ですよ』
((…言うと思った))
ロイは苦笑いしてセルシアの頭を優しく撫でた。
大総統はロイを甘やかすだけではなくて厳しい面もあるが、それを見ないのは注意される要素がないから。
大将の地位がある者を人前で叱らない配慮はあるのは当然だ。
(嫌味がない訳では無いが。
嫌味のオンパレードよりはマシか)
小さなため息をつきそうになってロイは軍議の資料を見るフリ。
大総統と将軍達の意見を聞きながら、ロイは滅多に口を挟まさない。
大総統から意見を聞かれた時に言うくらいでそれ以外は黙っている。
「マスタング大将は意見はないのかね?」
「ずっと黙ってばかりで。
大総統が配慮して君に声を掛けていると分からないかね」
「口を挟むなと以前に仰有ってましたし、そう思うなら少しは口を挟む時間をくださいますか。
ちなみに先程の話ですが、年代が違いますよ。
そんなことも覚えてないのが驚きですね」
にっこりと笑いながら淡々と答えてやり返すこともある。
怒りにプルプルと震わせる将軍達にロイの隣で大総統は穏やかに微笑んでる。
「もっと反論するかと思ったんですけどね」
「君、何気に楽しんでないか?」
「まさか。
黙らせるのは大変でしたよ」
(反論が出来ない程に正論で張り付いた笑顔で淡々と言い返してたな。
まぁ、ずっと我慢してたし。
自業自得だろう)
ロイだけは怒らせないようにしようと大総統は決意する。
「こんな中途半端な時期に…」
「まぁ、色々とあったからな」
「おまえさんのは特注か?」
「…大総統にまた作らされた。
大総統のポケットマネーで」
「お疲れさん」
賑やかな会場の声にロイはヒューズの隣で微かに笑う。
「マスタング大将!」
「そんな端に居ないでくださいよ。
お疲れ様です」
「お疲れさん。
まぁ、明日も仕事だけどな」
「それは言わないでくださいよ」
「おまえら、あまり飲み過ぎるなよ。
ロイのペースに合わせてると潰されるからな」
「経験上ですか?」
「正解♪」
「満面の笑みで言うことかよ」
ロイは苦笑いしながらも仲間に囲まれながらお酒を飲んでいた。
「君の周りは賑やかだな、ロイ。
その色にして良かったようだな」
「…父様。
何気にお揃いにしないでください」
「たまにはいいだろう?」
「怪しいと思ったら、それが目当てですか」
深いため息をついてロイは頭を抱え、呆れたように見つめる。
「お揃い?」
「大総統とロイの正装の色とカフスボタンは同じだろ。
微妙にデザインは違うが」
「まったく同じは嫌だと頑固拒否されてしまってね」
「どこに大総統とお揃いにする馬鹿がいるんですか」
((馬鹿って言ったよ))
ロイは呆れたようにため息をつき、不満顔で見つめる。
「来月もよろしく頼むよ」
「…こちらこそ」
大総統と乾杯してロイは微かに笑ってグラスのお酒を飲む。
「失礼します。
頼まれていた書類を届けに…」
「あぁ、補佐官に渡してくれ。
今は手を離せないから。
出来たか?」
「待ってください」
「もう少しスピード上げないと大変になるぞ」
「既に大変ですよ!」
大総統に急かされながらロイは資料を片手に書類を書き上げていた。
「あれは…?」
「マスタング大将はずっと放任でしたから」
「大総統に自ら鍛えられてんのか」
「多少はグラマン中将が教えていたみたいですが」
「ロイは自分の地位に合わない書類ばかりさせられていたからな。
まぁ、東方は事件も多いから報告書も多かったし。
いろんなものが重なっていたんだろ」
「随分と楽しそうじゃないか、ヒューズ中佐」
「アイツが苦労するのは最初だけ。
明日にはコツを掴んでるよ」
「えっ?」
「優秀な奴だからな。
それが何年分だろうと大丈夫だよ」
ヒューズの言葉にあんなに苦労しているのにそんなバカなと補佐官はチラッと見ながら思う。
(…本当だったな)
自分なりにコツを掴んで問題ないようで大総統に合格を貰っていた。
ロイの元上官達は大総統に呼び出されたのは言うまでもない。
「マスタング大将は?」
「大総統と視察に行ってますよ」
「街に?」
「いえ、今日は研究所です。
医療の現場にも見学に行くと」
「連れ回されてますね」
「これはしばらくは動けませんね」
大変そうだなとハボックとブレダも苦笑いしてしまう。
「…ただいま」
「言っていた矢先に」
「何の話だ?」
「たいした話ではありませんよ」
「そうか?」
「どうでしたか?」
「まぁ、色々とこちらも動かないといけないなと。
考えさせられることが多いな」
「そうですか」
中尉はロイのコートを預かり、ハンガーに掛ける。
「セルシアは?」
「資料室に」
「…そうか」
「呼んで来ますか?」
「いや、待っているよ」
「宜しいのですか?」
「休憩は頂いた」
「珈琲で良いですか?」
「ありがとう」
ロイは執務室のソファに座りながら本を読む。
『マスタング大将。
お帰りなさい』
「ただいま」
『大変でしたか?』
「予想以上に」
『お疲れ様でした』
「ありがとう。
少し休憩を頂いたんだ」
ロイの頭を切り替える為に大総統は休憩を与えたのだろう。
『これは…?』
「お土産」
『綺麗ですね』
「似合うかと思って」
「リーゼル大佐だけっスか?」
「当たり前だろう。
遊びに行ったんじゃないぞ」
そう言いながらもセルシアには些細なお土産を買って来ている。
『いい香りですね』
「だろう?
君が好きな香りかと」
『香水やコスメが有名らしいですからね』
「コスメは君はこだわりがあるかと思ってね」
『ロイさんがくれるならば何でも大丈夫ですよ』
((…言うと思った))
ロイは苦笑いしてセルシアの頭を優しく撫でた。
大総統はロイを甘やかすだけではなくて厳しい面もあるが、それを見ないのは注意される要素がないから。
大将の地位がある者を人前で叱らない配慮はあるのは当然だ。
(嫌味がない訳では無いが。
嫌味のオンパレードよりはマシか)
小さなため息をつきそうになってロイは軍議の資料を見るフリ。
大総統と将軍達の意見を聞きながら、ロイは滅多に口を挟まさない。
大総統から意見を聞かれた時に言うくらいでそれ以外は黙っている。
「マスタング大将は意見はないのかね?」
「ずっと黙ってばかりで。
大総統が配慮して君に声を掛けていると分からないかね」
「口を挟むなと以前に仰有ってましたし、そう思うなら少しは口を挟む時間をくださいますか。
ちなみに先程の話ですが、年代が違いますよ。
そんなことも覚えてないのが驚きですね」
にっこりと笑いながら淡々と答えてやり返すこともある。
怒りにプルプルと震わせる将軍達にロイの隣で大総統は穏やかに微笑んでる。
「もっと反論するかと思ったんですけどね」
「君、何気に楽しんでないか?」
「まさか。
黙らせるのは大変でしたよ」
(反論が出来ない程に正論で張り付いた笑顔で淡々と言い返してたな。
まぁ、ずっと我慢してたし。
自業自得だろう)
ロイだけは怒らせないようにしようと大総統は決意する。
「こんな中途半端な時期に…」
「まぁ、色々とあったからな」
「おまえさんのは特注か?」
「…大総統にまた作らされた。
大総統のポケットマネーで」
「お疲れさん」
賑やかな会場の声にロイはヒューズの隣で微かに笑う。
「マスタング大将!」
「そんな端に居ないでくださいよ。
お疲れ様です」
「お疲れさん。
まぁ、明日も仕事だけどな」
「それは言わないでくださいよ」
「おまえら、あまり飲み過ぎるなよ。
ロイのペースに合わせてると潰されるからな」
「経験上ですか?」
「正解♪」
「満面の笑みで言うことかよ」
ロイは苦笑いしながらも仲間に囲まれながらお酒を飲んでいた。
「君の周りは賑やかだな、ロイ。
その色にして良かったようだな」
「…父様。
何気にお揃いにしないでください」
「たまにはいいだろう?」
「怪しいと思ったら、それが目当てですか」
深いため息をついてロイは頭を抱え、呆れたように見つめる。
「お揃い?」
「大総統とロイの正装の色とカフスボタンは同じだろ。
微妙にデザインは違うが」
「まったく同じは嫌だと頑固拒否されてしまってね」
「どこに大総統とお揃いにする馬鹿がいるんですか」
((馬鹿って言ったよ))
ロイは呆れたようにため息をつき、不満顔で見つめる。
「来月もよろしく頼むよ」
「…こちらこそ」
大総統と乾杯してロイは微かに笑ってグラスのお酒を飲む。