第51話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
汗をかいたので水分補給してからロイはシャワーを浴びる。
「今日は長かったな」
「砂埃で汚れてたから。
悪い、待たせたな」
「気にするな」
「おまえも入って来いよ」
「あぁ、おまえさんが着替え終わったらな」
「…ん」
「ヒューズ中佐、君も浴びておいで」
「大総統!
それではお言葉に甘えて」
「ロイ、髪が濡れてるから。
もう少し拭いてから着ないとYシャツが濡れるだろう」
「どうせ、乾きますよ」
「風邪引くだろう」
大総統に世話されてるロイに苦笑いしながらヒューズはシャワー室に向かう。
「ロイ、仕事に戻れよ」
「分かってるよ。
またな」
「気をつけろよ」
「分かってる」
心配させた故なので仕方ないが、過保護だとロイはため息をつく。
セルシアと中尉に対してロイも過保護なので人のことは言えない。
大総統と執務室に戻って自分の席に戻る前に飲み物を淹れる。
「大総統。
紅茶で良かったですか?」
「あぁ、構わないよ。
今日は珈琲じゃないのかね」
「この時期の茶葉が手に入ったので良かったら」
「それは楽しみだ」
どちらかと言えば、珈琲を好んでいるが、ロイが淹れてくれるなら別物だ。
「香りがいいな」
「渋みもそこまで強くなくて美味しいですから」
「ありがとう」
「…報告書が多いですね」
「春だから特に多くなる。
異動もあるからな」
「やることが多すぎる」
「君には慣れてもらわないとな」
「貴方が一気に昇格させたから慣れる前にこっちに回って来てるんですよ」
「まぁまぁ、教えてやるから」
「う〜っ…視察もあるし。
間に合いそうにない」
「そう言いながらほかのとこに行ってるのはどこの誰ですか?」
「…気になるじゃないですか」
ロイが執務室に行っているのは部下達の様子だけではなく、困りごとはないか確認しているのだろう。
仲間内の執務室だからこそ、相談が言えることもある。
ほかの上官では信頼以前に絶対にしてないことだろう。
「小腹空かないか?」
「頂いたお菓子がありますが。
出しますか?」
「あぁ、それで構わない。
君達も食べなさい」
「ありがとうございます。
珍しい形のお菓子ですね」
「ロイは初めて見るか?」
「この形はそうですね」
「異国の土産だそうだよ」
「毒見はしたから問題ない」
「食べてごらん」
「…はい。
不思議な味ですね」
「癖になる味だろう?
こういう外交力も必要だからな。
まぁ、徐々にな」
複雑そうな表情を浮かべたロイに大総統は苦笑いして優しく頭を撫でる。
覚えることも沢山あって動けないのも正しいかもしれない。
本来は徐々に覚えて昇進だが、ロイの場合は覚える前に階級が上がってしまった分、大変なのだろう。
「大総統。
コレなんですが…」
「あぁ、まだ教えてなかったか」
ロイの方が階級が上なのもあるが、将軍達の場合は間違った方法を意地悪で教えるのは想定内なので大総統が直々に教えている。
「君は飲み込みが早いから教えるのは楽だな。
唯一、コレはグラマン中将の意見に賛成だ」
「グラマン中将…、ですか?」
「マスタングくんは飲み込みが早いから丸投げしても問題なかったと」
「…丸投げが過ぎましたが。
いろんな意味でグラマン中将には鍛えてもらいましたよ」
「懐かしいか?」
「そう、ですね。
いろんな思い出があります。
戻りたいかと言われたらそれは拒絶しますが。
東方に異動させられたからこそ、学べたことも多くありました。
中央にいたままでは学べなかった。
そういう意味ではグラマン中将に感謝してますよ」
嬉しそうなロイの表情に大総統は少しグラマンが羨ましくも思った。
「私の知らない君がグラマン中将が知っているのは少し悔しいね」
「それ以上に父様が知っている方が多いですよ」
「泣き顔とかかね」
「…っぶ!
ゲホッ…ゲホッ…」
飲み物を吹き出しそうになってロイは咳き込み、苦笑いした補佐官に背を撫でられていた。
「もう…大丈夫、です。
失礼しました。
父様っ!」
「秘密だったかね」
「分かって言ってるでしょ?
貴方が悪いんですよ」
「はいはい。
それで、コレだったかね」
「…はい」
「こうやって教えるのは懐かしいな」
「そりゃ、大総統が直々に教えることなんて本来はありませんから」
「すみません」
「気にしなくていい。
これは君の責任ではない。
将軍等の器の小ささの問題だ」
「返事に困る言い方しないでくださいよ」
「君もそう思っているだろう?」
「…ノーコメントで」
ロイは苦笑いしながら資料を手に教えてもらう。
楽しそうに笑って見つめる大総統にロイは首を傾げる。
「何ですか?」
「いや…、懐かしい感覚を思い出してもらってるなと。
教わることも教えることもなかったからな」
「それは当然かと」
「グラマン中将以外に教わっていたのか?」
「最初の頃は上官に基礎的なことだけは。
国家錬金術師で中佐になり、それ以降は…自由にさせられていたというか」
「放置されていたと?」
「私にだけ放任主義でした」
「それ以前のものも確認が必要か。
おいで、ロイ。
叱らないから」
「……っ…」
これは絶対に長くなるとロイは顔を引きつらせていた。
補佐官達の同情の視線が背中に突き刺さり、苦笑いするしかない。
「…よく問題が起きなかったな」
「嫌味は言われても嫌われてるゆえに放任でしたから」
「もっと早く頼りなさい」
「こんなに酷いと自分でも思っていませんでした。
嫌がらせでそういう書類ばかりで」
必要のない雑用の書類ばかりでその地位の仕事の書類は任されてなかった。
大総統府に異動になってから本格的にするようになったので自覚がなくても仕方ないだろう。
「今日は長かったな」
「砂埃で汚れてたから。
悪い、待たせたな」
「気にするな」
「おまえも入って来いよ」
「あぁ、おまえさんが着替え終わったらな」
「…ん」
「ヒューズ中佐、君も浴びておいで」
「大総統!
それではお言葉に甘えて」
「ロイ、髪が濡れてるから。
もう少し拭いてから着ないとYシャツが濡れるだろう」
「どうせ、乾きますよ」
「風邪引くだろう」
大総統に世話されてるロイに苦笑いしながらヒューズはシャワー室に向かう。
「ロイ、仕事に戻れよ」
「分かってるよ。
またな」
「気をつけろよ」
「分かってる」
心配させた故なので仕方ないが、過保護だとロイはため息をつく。
セルシアと中尉に対してロイも過保護なので人のことは言えない。
大総統と執務室に戻って自分の席に戻る前に飲み物を淹れる。
「大総統。
紅茶で良かったですか?」
「あぁ、構わないよ。
今日は珈琲じゃないのかね」
「この時期の茶葉が手に入ったので良かったら」
「それは楽しみだ」
どちらかと言えば、珈琲を好んでいるが、ロイが淹れてくれるなら別物だ。
「香りがいいな」
「渋みもそこまで強くなくて美味しいですから」
「ありがとう」
「…報告書が多いですね」
「春だから特に多くなる。
異動もあるからな」
「やることが多すぎる」
「君には慣れてもらわないとな」
「貴方が一気に昇格させたから慣れる前にこっちに回って来てるんですよ」
「まぁまぁ、教えてやるから」
「う〜っ…視察もあるし。
間に合いそうにない」
「そう言いながらほかのとこに行ってるのはどこの誰ですか?」
「…気になるじゃないですか」
ロイが執務室に行っているのは部下達の様子だけではなく、困りごとはないか確認しているのだろう。
仲間内の執務室だからこそ、相談が言えることもある。
ほかの上官では信頼以前に絶対にしてないことだろう。
「小腹空かないか?」
「頂いたお菓子がありますが。
出しますか?」
「あぁ、それで構わない。
君達も食べなさい」
「ありがとうございます。
珍しい形のお菓子ですね」
「ロイは初めて見るか?」
「この形はそうですね」
「異国の土産だそうだよ」
「毒見はしたから問題ない」
「食べてごらん」
「…はい。
不思議な味ですね」
「癖になる味だろう?
こういう外交力も必要だからな。
まぁ、徐々にな」
複雑そうな表情を浮かべたロイに大総統は苦笑いして優しく頭を撫でる。
覚えることも沢山あって動けないのも正しいかもしれない。
本来は徐々に覚えて昇進だが、ロイの場合は覚える前に階級が上がってしまった分、大変なのだろう。
「大総統。
コレなんですが…」
「あぁ、まだ教えてなかったか」
ロイの方が階級が上なのもあるが、将軍達の場合は間違った方法を意地悪で教えるのは想定内なので大総統が直々に教えている。
「君は飲み込みが早いから教えるのは楽だな。
唯一、コレはグラマン中将の意見に賛成だ」
「グラマン中将…、ですか?」
「マスタングくんは飲み込みが早いから丸投げしても問題なかったと」
「…丸投げが過ぎましたが。
いろんな意味でグラマン中将には鍛えてもらいましたよ」
「懐かしいか?」
「そう、ですね。
いろんな思い出があります。
戻りたいかと言われたらそれは拒絶しますが。
東方に異動させられたからこそ、学べたことも多くありました。
中央にいたままでは学べなかった。
そういう意味ではグラマン中将に感謝してますよ」
嬉しそうなロイの表情に大総統は少しグラマンが羨ましくも思った。
「私の知らない君がグラマン中将が知っているのは少し悔しいね」
「それ以上に父様が知っている方が多いですよ」
「泣き顔とかかね」
「…っぶ!
ゲホッ…ゲホッ…」
飲み物を吹き出しそうになってロイは咳き込み、苦笑いした補佐官に背を撫でられていた。
「もう…大丈夫、です。
失礼しました。
父様っ!」
「秘密だったかね」
「分かって言ってるでしょ?
貴方が悪いんですよ」
「はいはい。
それで、コレだったかね」
「…はい」
「こうやって教えるのは懐かしいな」
「そりゃ、大総統が直々に教えることなんて本来はありませんから」
「すみません」
「気にしなくていい。
これは君の責任ではない。
将軍等の器の小ささの問題だ」
「返事に困る言い方しないでくださいよ」
「君もそう思っているだろう?」
「…ノーコメントで」
ロイは苦笑いしながら資料を手に教えてもらう。
楽しそうに笑って見つめる大総統にロイは首を傾げる。
「何ですか?」
「いや…、懐かしい感覚を思い出してもらってるなと。
教わることも教えることもなかったからな」
「それは当然かと」
「グラマン中将以外に教わっていたのか?」
「最初の頃は上官に基礎的なことだけは。
国家錬金術師で中佐になり、それ以降は…自由にさせられていたというか」
「放置されていたと?」
「私にだけ放任主義でした」
「それ以前のものも確認が必要か。
おいで、ロイ。
叱らないから」
「……っ…」
これは絶対に長くなるとロイは顔を引きつらせていた。
補佐官達の同情の視線が背中に突き刺さり、苦笑いするしかない。
「…よく問題が起きなかったな」
「嫌味は言われても嫌われてるゆえに放任でしたから」
「もっと早く頼りなさい」
「こんなに酷いと自分でも思っていませんでした。
嫌がらせでそういう書類ばかりで」
必要のない雑用の書類ばかりでその地位の仕事の書類は任されてなかった。
大総統府に異動になってから本格的にするようになったので自覚がなくても仕方ないだろう。