第48話
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ポンポンとヒューズに頭を叩かれ、ロイは苦笑いする。
「寂しいか?」
「いや…、それよりも安心してる。
やっと彼等の時間が動いたんだ。
彼等の時間はあの日から、それよりも前に時間は止まったままだろう。
盛大に兄弟喧嘩して仲直りして、年相応になれたんだ」
「…そうだな」
「よし、帰ろうか」
「マスタング大将。
無理はなさらぬように」
「心配してくれるのかい?」
「何を当然なことを」
ロイは中尉の言葉に微かに笑ってセルシアと手を繋いで歩く。
「この数日間、忙しかったか?」
「…明日の報告書で分かるかと」
(コレは予想以上に多忙だったか。
それでもハボックでさえも愚痴らないとは。
中尉に躾けられたんだろうけど)
軍車に乗り込んでロイは窓から街の景色を眺めていた。
(当たり前だが、全然違うな。
東方司令部は今はどうなっているんだろうか。
ハクロ将軍だからな。
私との関係性を除けば、決して悪い人ではないんだろう。
良い人とも言えないけど。
家族思いではあるのは救いかな)
脇腹を擦りながらセルシアの肩に頭を預ける。
『ロイさん、痛みます?』
「…大丈夫だ」
『帰ったら少し何か食べて、痛み止めを飲みましょうか』
「…ん」
『その前に眠れるなら寝ても良いですよ』
(痛みが和らぐ気がする。
セルシアに触れられると不思議だ)
横腹を軍服の中のYシャツの上から撫でられてロイは目を閉じる。
「マスタング大将、着きましたよ」
『ロイさん、お家ですよ』
「…ん」
「ロイ、運ぶぞ。
おまえさん、また軽くなったか?
やれやれ…少しは体重が増えて安心したと思ったら。
いつになったら安心させてくれるんだろうな」
((もはや、お母さん))
ロイを抱えてヒューズは鍵を開けてもらって寝室に運ぶ。
ついでだからと軍服から着替えさせて来たヒューズに家族枠だなとハボック達は苦笑いする。
「…セルシア」
『おはようございます』
「軍車で寝てた?」
『はい、ヒューズ中佐が運んでくれましたよ。
また軽くなったと愚痴りながら』
「あ〜っ、もう…ッ」
『一応は私も中尉も声は掛けましたけど。
そうやって眠れるなら、いい傾向ですからね』
「…そうだな」
『ちなみにヒューズ中佐はハボック少佐からママと名付けられてました』
「ぶはっ!」
『あれだけ世話しといて、ママは不満みたいです』
「そりゃ、そうだろうな」
ロイは苦笑いしながらも楽しそうで後ろから抱き締めた。
『食事前にお風呂に入りますか?
お風呂は沸かしてますよ』
「ありがとう」
離れると着替えを手にロイがお風呂場に向かった。
戦場の頃と比較して、こういう日常が幸せで贅沢だなと思ってしまう。
『ロイさん、新しいタオルを置いておきますね』
「…ん」
『怪我は大丈夫ですか?』
「勝手に開けるなよ。
婚約者でもプライバシーがあるぞ」
『ごめんなさい。
身体、洗いましょうか?』
「そこまで大怪我ではないのだが」
『甘えてください』
「またこうして、抱き合えるとは思えなかった。
強制的に人柱にされて。
何を奪われるのか、軍人としても、君の隣に立てないのではないかと」
『貴方が何を失われても。
私はずっと傍に居るつもりです。
錬金術を使える私が人柱に選ばれなかったのは不思議ですね』
「それは…、破壊されそうだからではないか?
君、私のことに関しては暴走するし。
浮かせられては私を人柱には出来ないからな」
『乗り込まれないように邪魔されてましたからね』
(それで、人造人間達を吹き飛ばしながらキレながら司令部に現れたのか)
1人で人造人間を複数を相手していたのに倒れなかったセルシアは軍人達から引かれていた。
それ以上に相手をしていたロイは当然ながら倒れたが、若手の軍人達から憧れ半分で一時的に怖がられたのは仕方ないだろう。
『スッキリしました?』
「…疲れた」
『ふふっ、髪も拭いちゃいましょう』
身体の隅々まで洗われて、ボディークリームも塗られた。
「これは?」
『髪に艶が出るんですよ。
こんなにサラサラな髪なロイさんには必要ないかと思いますけどね』
休みの度に身体や髪を丁寧に洗われていて、セルシアが楽しそうなのでロイは自由にさせている。
最初は気恥ずかしさはあったが、ロイも嫌な訳では無い。
普段も毎日お風呂やシャワーを浴びているので決して汚れている訳では無いが、綺麗好きというよりは美貌なロイだからこそ、更に磨きたくなるらしい。
(顔や髪に触られるのがそれが好意だとしても嫌だったはずなのにな。
昔はマダムを除けば、ヒューズや中尉だけだった。
セルシアやウィンリィ、父様も。
ほかに人に比べたら私はまだ少ないかもしれないけれど)
警戒心が薄れたというよりも信頼する人が増えたのだろう。
『眠たくなっちゃいました?』
「いや…、安心してた」
『安心?』
「昔はいつも不安で、家でも安心なんて出来なくて。
疲れて気絶するように浅い眠りが出来るくらいだった。
それでも嫌な夢ばかりで。
たまに悪夢は見るけれど、今はそれが夢だと分かる。
昔は夢か現実か分からなくて。
ヒューズや中尉が言わずとも感じ取ってくれて現実に引き戻してくれた。
君が私に安心感を与えてくれてるんだよ」
『それは私もです。
貴方が私に安心感も温もりも、幸せを与えてくれたから』
ロイに抱き締められて負担がないようにセルシアは腰に抱きついた。
「寂しいか?」
「いや…、それよりも安心してる。
やっと彼等の時間が動いたんだ。
彼等の時間はあの日から、それよりも前に時間は止まったままだろう。
盛大に兄弟喧嘩して仲直りして、年相応になれたんだ」
「…そうだな」
「よし、帰ろうか」
「マスタング大将。
無理はなさらぬように」
「心配してくれるのかい?」
「何を当然なことを」
ロイは中尉の言葉に微かに笑ってセルシアと手を繋いで歩く。
「この数日間、忙しかったか?」
「…明日の報告書で分かるかと」
(コレは予想以上に多忙だったか。
それでもハボックでさえも愚痴らないとは。
中尉に躾けられたんだろうけど)
軍車に乗り込んでロイは窓から街の景色を眺めていた。
(当たり前だが、全然違うな。
東方司令部は今はどうなっているんだろうか。
ハクロ将軍だからな。
私との関係性を除けば、決して悪い人ではないんだろう。
良い人とも言えないけど。
家族思いではあるのは救いかな)
脇腹を擦りながらセルシアの肩に頭を預ける。
『ロイさん、痛みます?』
「…大丈夫だ」
『帰ったら少し何か食べて、痛み止めを飲みましょうか』
「…ん」
『その前に眠れるなら寝ても良いですよ』
(痛みが和らぐ気がする。
セルシアに触れられると不思議だ)
横腹を軍服の中のYシャツの上から撫でられてロイは目を閉じる。
「マスタング大将、着きましたよ」
『ロイさん、お家ですよ』
「…ん」
「ロイ、運ぶぞ。
おまえさん、また軽くなったか?
やれやれ…少しは体重が増えて安心したと思ったら。
いつになったら安心させてくれるんだろうな」
((もはや、お母さん))
ロイを抱えてヒューズは鍵を開けてもらって寝室に運ぶ。
ついでだからと軍服から着替えさせて来たヒューズに家族枠だなとハボック達は苦笑いする。
「…セルシア」
『おはようございます』
「軍車で寝てた?」
『はい、ヒューズ中佐が運んでくれましたよ。
また軽くなったと愚痴りながら』
「あ〜っ、もう…ッ」
『一応は私も中尉も声は掛けましたけど。
そうやって眠れるなら、いい傾向ですからね』
「…そうだな」
『ちなみにヒューズ中佐はハボック少佐からママと名付けられてました』
「ぶはっ!」
『あれだけ世話しといて、ママは不満みたいです』
「そりゃ、そうだろうな」
ロイは苦笑いしながらも楽しそうで後ろから抱き締めた。
『食事前にお風呂に入りますか?
お風呂は沸かしてますよ』
「ありがとう」
離れると着替えを手にロイがお風呂場に向かった。
戦場の頃と比較して、こういう日常が幸せで贅沢だなと思ってしまう。
『ロイさん、新しいタオルを置いておきますね』
「…ん」
『怪我は大丈夫ですか?』
「勝手に開けるなよ。
婚約者でもプライバシーがあるぞ」
『ごめんなさい。
身体、洗いましょうか?』
「そこまで大怪我ではないのだが」
『甘えてください』
「またこうして、抱き合えるとは思えなかった。
強制的に人柱にされて。
何を奪われるのか、軍人としても、君の隣に立てないのではないかと」
『貴方が何を失われても。
私はずっと傍に居るつもりです。
錬金術を使える私が人柱に選ばれなかったのは不思議ですね』
「それは…、破壊されそうだからではないか?
君、私のことに関しては暴走するし。
浮かせられては私を人柱には出来ないからな」
『乗り込まれないように邪魔されてましたからね』
(それで、人造人間達を吹き飛ばしながらキレながら司令部に現れたのか)
1人で人造人間を複数を相手していたのに倒れなかったセルシアは軍人達から引かれていた。
それ以上に相手をしていたロイは当然ながら倒れたが、若手の軍人達から憧れ半分で一時的に怖がられたのは仕方ないだろう。
『スッキリしました?』
「…疲れた」
『ふふっ、髪も拭いちゃいましょう』
身体の隅々まで洗われて、ボディークリームも塗られた。
「これは?」
『髪に艶が出るんですよ。
こんなにサラサラな髪なロイさんには必要ないかと思いますけどね』
休みの度に身体や髪を丁寧に洗われていて、セルシアが楽しそうなのでロイは自由にさせている。
最初は気恥ずかしさはあったが、ロイも嫌な訳では無い。
普段も毎日お風呂やシャワーを浴びているので決して汚れている訳では無いが、綺麗好きというよりは美貌なロイだからこそ、更に磨きたくなるらしい。
(顔や髪に触られるのがそれが好意だとしても嫌だったはずなのにな。
昔はマダムを除けば、ヒューズや中尉だけだった。
セルシアやウィンリィ、父様も。
ほかに人に比べたら私はまだ少ないかもしれないけれど)
警戒心が薄れたというよりも信頼する人が増えたのだろう。
『眠たくなっちゃいました?』
「いや…、安心してた」
『安心?』
「昔はいつも不安で、家でも安心なんて出来なくて。
疲れて気絶するように浅い眠りが出来るくらいだった。
それでも嫌な夢ばかりで。
たまに悪夢は見るけれど、今はそれが夢だと分かる。
昔は夢か現実か分からなくて。
ヒューズや中尉が言わずとも感じ取ってくれて現実に引き戻してくれた。
君が私に安心感を与えてくれてるんだよ」
『それは私もです。
貴方が私に安心感も温もりも、幸せを与えてくれたから』
ロイに抱き締められて負担がないようにセルシアは腰に抱きついた。