第48話
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村人達は喜び、あんなに嫌っていたロイに対して気軽に話していた。
「…あんたの地位を聞いたらどう思うんだろうな」
「何回も呼んではいるけどね」
「軍人嫌いなのがよく分かるよ」
エドの呟きにロイもウィンリィも苦笑いしてしまう。
「ウィンリィは中央に戻らないんだろう?」
「うん、ばっちゃんと話したいこともあるから」
「…そっか」
「ゆっくり話し合うんだよ」
「ありがとうございます」
「エド、お義父さんを困らせないでよね!」
「わ、わかってるよ!」
「2人とも、元気でね」
「「ウィンリィも!」」
エルリック兄弟はウィンリィと抱き合っていた。
「お義父さん。
あまり無理はしないでね」
「あぁ、分かった」
「エドが迷惑掛けたらぶん殴ってやってください」
「おいっ!」
「はは…っ、公認許可だな。
またいつでも帰っておいで。
成人してもいつだって歓迎するよ」
「はい!
リザさんとセルシアさんにもよろしくお伝え下さい。
あっ、あと、ヒューズ中佐にも」
「伝えるよ」
「お義父さん!
大好きですっ!
絶対に怪我しないでくださいね」
ウィンリィに抱きつかれてロイは優しく頭を撫でる。
不満そうなエドにアルと村人達は苦笑いして宥めていた。
「ウィンリィ。
愛してるよ、我が娘よ。
強くあれ…ウィンリィ・ロックベル。
君の進む道に幸運を」
ロイに額にキスされてウィンリィは安心したように微笑んだ。
「では、行って来るよ」
「お気をつけて!」
「またいつでもおいで。
こんな何もない田舎で良いのならば」
「ぜひ、また来ます」
「エドとアルもいつでも帰って来るんだよ。
たまには連絡を寄越しな」
「「行ってきます!」」
ザワつきにどうしたんだろうかと視線を上げる。
「マスタング大将!
お迎えに参りました」
「「大将!?」」
(…本当に気づいてなかったのか)
軍車から中尉が降りて来てロイに敬礼をする。
「お休みになれましたか?」
「あぁ、大丈夫だよ」
「無理はなさらないでください」
「分かっているよ。
怪我を完治してからと大総統にも言われているからね」
「お着替えです」
「ありがとう」
「中で着替えておいで」
「助かります」
中尉から渡された紙袋を受け取り、家の中でロイは軍服に着替えた。
「すまない、待たせたな」
((本当に大将だったのか!))
「大丈夫です。
さあ、行きましょう。
エドワードくんとアルフォンスくんも一緒に乗って」
「「は〜い!」」
ロイ達が帰るとウィンリィは問い詰められ、ピナコに男集団が一喝されて去って行ったのは言うまでもない。
駅で待機している軍人の数々にザワついていたのは仕方ない。
中央から田舎に行くのと、田舎から中央に帰るのでは危険性が異なる。
「ハボックとブレダまで来ていたのか?」
「何かあった時に安心でしょうから」
「そうならないと、願いたいが…」
「あちらの駅でお待ちですよ」
「…そうか」
駅の列車に乗り込んでロイは中尉の隣に座る。
「マスタング大将。
寝ても構いませんよ。
着く前に起こしますから。
明日まで有休ですし、挨拶は明日にして家に真っ直ぐ帰ってください」
「あぁ、そうさせてもらう」
ロイは腕を組んだままで目を閉じているが、手には発火布が装着されてる。
長い列車の旅にロイもエルリック兄弟も眠ってしまい、護衛のハボックまで寝そうになった時にはブレダが問答無用で叩き起こした。
「おまえまで寝てどうするんだ」
「…ハボック少尉」
「す、すみません」
ブレダからは呆れられ、中尉からは冷たい視線を浴びせられた。
「ん〜っ!
流石に疲れたな」
「マスタング大将は1等車を使えば、良かったんだよ」
「そういうのは興味ない。
何かあった時に、すぐに動けないからな」
「大将の階級の奴が動こうとするなよ」
ロイは苦笑いして聞こえないフリすると列車から降りた。
『ロイさん!
お帰りなさい!』
「ただいま、セルシア」
抱きつかれてロイは懐かしいなと微笑んで抱き締めた。
「よぉ、ロイ。
お帰りさん。
少しは休めたか?」
「ヒューズ、ただいま。
それなりに充実してたさ」
「それは良かったな」
「ちょっ…撫でるな!」
「ふははっ!」
楽しそうに笑うヒューズにロイは不満顔だった。
「大総統!
何をしているんですか!」
「息子の迎えに来て何が悪いんだ」
「せめて、護衛を着けてくださいと言っているんです!」
「今日くらいは小言は…」
「そう思うなら、護衛を着けて来てください」
「分かった、私が悪かった」
((…最強))
降参だと大総統は苦笑いして肩を竦めていた。
「お帰り、ロイ。
待っていたよ」
「ただいま、父様」
頬を優しく撫でられて抱擁され、ロイはクスクスと笑う。
『大総統でも今日は譲りませんよ。
今日は私は半休ですし、このままお家デートするんです!』
「…セルシア。
いつからデートになったんだ」
『今決まりました』
「やれやれ、仕方ない。
私は明日にしよう」
「貴方が仕事を溜めていなければ。
お屋敷に行かせて頂きますが?
私が補佐官と連絡してないとでも思ってましたか」
「困った優秀な補佐官達だ。
屋敷に来てくれるならば」
「夫人にもご挨拶させて頂きます。
セリム・ブラッドレイについて。
すべて私には話して頂きますよ」
「…分かっておる」
大総統は困った顔で逃げるように帰って行く。
軍車の中でもセルシアは腕に抱きついていて、いつも通りだなと微笑む。
『…ロイさんの居ないベットはとても冷たくて寂しかったです』
「今度は一緒に行こう」
『はい、約束ですよ』
嬉しそうに笑ってるセルシアにおねだりされて唇にキスする。
中尉の咳払いにロイが苦笑いして肩を竦めたのだった。
「では、帰ろうか」
『はい!』
「エド、アル。
気をつけて。
何かあれば、司令部を訪ねておいで」
「俺、もう国家錬金術師じゃないんだけど。
外部の奴等は入れねぇよ」
「あぁ、そうだったな」
ロイはポケットを探ってエドとアルに手渡した。
「これは…?」
「私の名刺だ。
それを受付に出せば、荷物検査後に司令部に入れるだろう。
私の一筆があれば、問題ないはずだ」
「分かった」
「ありがとうございます」
『ロイさん!
私も欲しいです!』
((…言うと思った))
瞳を輝かせるセルシアにエドとアルも中尉達も想定内だった。
「セルシア大佐。
マスタング大佐時代にも貰ってませんでした?」
『ロイさんが中佐の時に貰ったから、コンプリートした!』
「カードゲームじゃないんだから」
「…まだ持っていたのか」
ロイは半ば呆れながらも苦笑いしてセルシアの頭を撫でた。
「マスタング大将が名刺を渡すことは珍しいんですか?」
「利用されるのも面倒だし、仕事以外では渡さないな。
その場合は私に直接繋がる番号ではないからね」
「…この番号は?」
「私に直接繋がる番号だよ。
まぁ、今は大総統府だから面白がって大総統が出たりもするから口調に気をつけなさい」
「あの大総統は大丈夫なのかよ」
「今は信じるしかない。
私の首と鎖で繋いでおくさ」
「また人質にでもなるつもりかよ」
「利用するものは何でも利用するさ。
それが私の命でもな」
「そんなの…っ」
「エドワード・エルリック。
それが嫌ならば、私の未来の為に動きたまえ」
「言われなくてもわかってるよ!」
叫びながらエドは走って行き、ロイは瞬きして小さく笑う。
「からかい過ぎたか?
まさか、信じるとは」
「兄さんはバカ正直ですから。
分かりやすいんですよ」
「送って行こうかと思ったんだが。
アルはどうする?
乗って行ってもいいが」
「いえ、大丈夫です。
運動になるし、歩いて行きます」
「そうか。
気をつけるんだぞ」
「マスタング大将こそ」
「ははっ、気をつけるよ」
「お大事に」
「了解。
本当に気をつける」
「分かってくれれば、いいです。
それでは、失礼します」
「アル。
体重が以前のように戻ったらおいで。
約束を叶えよう」
「はい!
必ず行きます!」
嬉しそうに笑ってアルも駅から出て行き、ロイはその後ろ姿を見つめる。
「…あんたの地位を聞いたらどう思うんだろうな」
「何回も呼んではいるけどね」
「軍人嫌いなのがよく分かるよ」
エドの呟きにロイもウィンリィも苦笑いしてしまう。
「ウィンリィは中央に戻らないんだろう?」
「うん、ばっちゃんと話したいこともあるから」
「…そっか」
「ゆっくり話し合うんだよ」
「ありがとうございます」
「エド、お義父さんを困らせないでよね!」
「わ、わかってるよ!」
「2人とも、元気でね」
「「ウィンリィも!」」
エルリック兄弟はウィンリィと抱き合っていた。
「お義父さん。
あまり無理はしないでね」
「あぁ、分かった」
「エドが迷惑掛けたらぶん殴ってやってください」
「おいっ!」
「はは…っ、公認許可だな。
またいつでも帰っておいで。
成人してもいつだって歓迎するよ」
「はい!
リザさんとセルシアさんにもよろしくお伝え下さい。
あっ、あと、ヒューズ中佐にも」
「伝えるよ」
「お義父さん!
大好きですっ!
絶対に怪我しないでくださいね」
ウィンリィに抱きつかれてロイは優しく頭を撫でる。
不満そうなエドにアルと村人達は苦笑いして宥めていた。
「ウィンリィ。
愛してるよ、我が娘よ。
強くあれ…ウィンリィ・ロックベル。
君の進む道に幸運を」
ロイに額にキスされてウィンリィは安心したように微笑んだ。
「では、行って来るよ」
「お気をつけて!」
「またいつでもおいで。
こんな何もない田舎で良いのならば」
「ぜひ、また来ます」
「エドとアルもいつでも帰って来るんだよ。
たまには連絡を寄越しな」
「「行ってきます!」」
ザワつきにどうしたんだろうかと視線を上げる。
「マスタング大将!
お迎えに参りました」
「「大将!?」」
(…本当に気づいてなかったのか)
軍車から中尉が降りて来てロイに敬礼をする。
「お休みになれましたか?」
「あぁ、大丈夫だよ」
「無理はなさらないでください」
「分かっているよ。
怪我を完治してからと大総統にも言われているからね」
「お着替えです」
「ありがとう」
「中で着替えておいで」
「助かります」
中尉から渡された紙袋を受け取り、家の中でロイは軍服に着替えた。
「すまない、待たせたな」
((本当に大将だったのか!))
「大丈夫です。
さあ、行きましょう。
エドワードくんとアルフォンスくんも一緒に乗って」
「「は〜い!」」
ロイ達が帰るとウィンリィは問い詰められ、ピナコに男集団が一喝されて去って行ったのは言うまでもない。
駅で待機している軍人の数々にザワついていたのは仕方ない。
中央から田舎に行くのと、田舎から中央に帰るのでは危険性が異なる。
「ハボックとブレダまで来ていたのか?」
「何かあった時に安心でしょうから」
「そうならないと、願いたいが…」
「あちらの駅でお待ちですよ」
「…そうか」
駅の列車に乗り込んでロイは中尉の隣に座る。
「マスタング大将。
寝ても構いませんよ。
着く前に起こしますから。
明日まで有休ですし、挨拶は明日にして家に真っ直ぐ帰ってください」
「あぁ、そうさせてもらう」
ロイは腕を組んだままで目を閉じているが、手には発火布が装着されてる。
長い列車の旅にロイもエルリック兄弟も眠ってしまい、護衛のハボックまで寝そうになった時にはブレダが問答無用で叩き起こした。
「おまえまで寝てどうするんだ」
「…ハボック少尉」
「す、すみません」
ブレダからは呆れられ、中尉からは冷たい視線を浴びせられた。
「ん〜っ!
流石に疲れたな」
「マスタング大将は1等車を使えば、良かったんだよ」
「そういうのは興味ない。
何かあった時に、すぐに動けないからな」
「大将の階級の奴が動こうとするなよ」
ロイは苦笑いして聞こえないフリすると列車から降りた。
『ロイさん!
お帰りなさい!』
「ただいま、セルシア」
抱きつかれてロイは懐かしいなと微笑んで抱き締めた。
「よぉ、ロイ。
お帰りさん。
少しは休めたか?」
「ヒューズ、ただいま。
それなりに充実してたさ」
「それは良かったな」
「ちょっ…撫でるな!」
「ふははっ!」
楽しそうに笑うヒューズにロイは不満顔だった。
「大総統!
何をしているんですか!」
「息子の迎えに来て何が悪いんだ」
「せめて、護衛を着けてくださいと言っているんです!」
「今日くらいは小言は…」
「そう思うなら、護衛を着けて来てください」
「分かった、私が悪かった」
((…最強))
降参だと大総統は苦笑いして肩を竦めていた。
「お帰り、ロイ。
待っていたよ」
「ただいま、父様」
頬を優しく撫でられて抱擁され、ロイはクスクスと笑う。
『大総統でも今日は譲りませんよ。
今日は私は半休ですし、このままお家デートするんです!』
「…セルシア。
いつからデートになったんだ」
『今決まりました』
「やれやれ、仕方ない。
私は明日にしよう」
「貴方が仕事を溜めていなければ。
お屋敷に行かせて頂きますが?
私が補佐官と連絡してないとでも思ってましたか」
「困った優秀な補佐官達だ。
屋敷に来てくれるならば」
「夫人にもご挨拶させて頂きます。
セリム・ブラッドレイについて。
すべて私には話して頂きますよ」
「…分かっておる」
大総統は困った顔で逃げるように帰って行く。
軍車の中でもセルシアは腕に抱きついていて、いつも通りだなと微笑む。
『…ロイさんの居ないベットはとても冷たくて寂しかったです』
「今度は一緒に行こう」
『はい、約束ですよ』
嬉しそうに笑ってるセルシアにおねだりされて唇にキスする。
中尉の咳払いにロイが苦笑いして肩を竦めたのだった。
「では、帰ろうか」
『はい!』
「エド、アル。
気をつけて。
何かあれば、司令部を訪ねておいで」
「俺、もう国家錬金術師じゃないんだけど。
外部の奴等は入れねぇよ」
「あぁ、そうだったな」
ロイはポケットを探ってエドとアルに手渡した。
「これは…?」
「私の名刺だ。
それを受付に出せば、荷物検査後に司令部に入れるだろう。
私の一筆があれば、問題ないはずだ」
「分かった」
「ありがとうございます」
『ロイさん!
私も欲しいです!』
((…言うと思った))
瞳を輝かせるセルシアにエドとアルも中尉達も想定内だった。
「セルシア大佐。
マスタング大佐時代にも貰ってませんでした?」
『ロイさんが中佐の時に貰ったから、コンプリートした!』
「カードゲームじゃないんだから」
「…まだ持っていたのか」
ロイは半ば呆れながらも苦笑いしてセルシアの頭を撫でた。
「マスタング大将が名刺を渡すことは珍しいんですか?」
「利用されるのも面倒だし、仕事以外では渡さないな。
その場合は私に直接繋がる番号ではないからね」
「…この番号は?」
「私に直接繋がる番号だよ。
まぁ、今は大総統府だから面白がって大総統が出たりもするから口調に気をつけなさい」
「あの大総統は大丈夫なのかよ」
「今は信じるしかない。
私の首と鎖で繋いでおくさ」
「また人質にでもなるつもりかよ」
「利用するものは何でも利用するさ。
それが私の命でもな」
「そんなの…っ」
「エドワード・エルリック。
それが嫌ならば、私の未来の為に動きたまえ」
「言われなくてもわかってるよ!」
叫びながらエドは走って行き、ロイは瞬きして小さく笑う。
「からかい過ぎたか?
まさか、信じるとは」
「兄さんはバカ正直ですから。
分かりやすいんですよ」
「送って行こうかと思ったんだが。
アルはどうする?
乗って行ってもいいが」
「いえ、大丈夫です。
運動になるし、歩いて行きます」
「そうか。
気をつけるんだぞ」
「マスタング大将こそ」
「ははっ、気をつけるよ」
「お大事に」
「了解。
本当に気をつける」
「分かってくれれば、いいです。
それでは、失礼します」
「アル。
体重が以前のように戻ったらおいで。
約束を叶えよう」
「はい!
必ず行きます!」
嬉しそうに笑ってアルも駅から出て行き、ロイはその後ろ姿を見つめる。