第48話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
そうは言いながらもまったく外に出ていない訳では無い。
(色々と予定が狂ってしまったな。
こんなにのんびりとしていたら、軍に戻ったら大変そうだな)
こういう些細な生活が大切で守りたい未来なんだと実感した。
「こんなとこに居たのかよ」
「アルの傍に居なくていいのか?」
「ずっと傍に居たら疲れるって。
拒否られた」
「ぶはっ!
まぁ、君の心配も分かるが。
見守ることも大事だぞ」
「それが俺に出来ると思う?」
「出来ていないから言っているんだろう」
不満を露わに叫ぶエドにロイは苦笑いするのだった。
「こんなに広いならば、娯楽も作れそうだが。
それをしてしまえば良いところが失われてしまうな」
「たった千人の村だ。
そんな金もねぇよ。
金が無い中でみんな、それぞれに生活してるんだ。
今更、変える必要ねぇよ」
「…そうだな」
こんな風にエドが話を聞くようになったのは焦りがなくなったのもあるのだろう。
自分との実力差を認めることが出来たのも大きいが、それも成長の証だ。
「「うわあぁぁっ!?」」
村の男集団の悲鳴と共に野生の動物達が現れて、パニックに陥る。
「お義父さん!」
「ウィンリィは家の中に!」
「は、はいっ!」
「マスタング大将!」
「そこで見学しておけ。
こんなものは私1人で大丈夫だ」
「すげ…っ」
思わず、エドは呟いて数週間前に入院していた人と同一人物とは思えない。
錬金術は使わずにロイは体術とクナイだけで追い払っていた。
「追い払うだけでいいのかよ」
「無駄な殺生は私の美学に反するとでも言えば宜しいかな」
「ふはっ!
いいや、あんたらしいよ」
「お義父さん!
お怪我は?」
「問題ないよ、ウィンリィ。
まぁ、侵入されないような対策は必要かもしれんな」
「俺は錬金術は使えないし。
アルもまだ錬金術は。
あんたは専門外だろ?」
「エドワード・エルリック。
君は馬鹿なのか」
「は、何だよ!」
「誰が錬金術の話をしている?」
「違うのか?」
「師匠の元で何でも錬金術に頼るなと教わらなかったのか?
設計図があれば、一般の者でも作れるはずだが?」
「設計図?」
「ウィンリィ、紙とペンを貸してもらえるか?」
「はいっ!
今すぐに!」
パタパタと走って来るウィンリィにロイは苦笑いする。
「まずは村の入口に柵を作るか。
それで防げるとは思わん。
野生の動物の捕獲の罠を仕掛ける。
その動物を逃がすのも始末するのか、村人達の判断次第だ。
罠は仕掛け過ぎると危険だから数を決めておくといいだろう」
「危険?」
「動物の数も無限ではない。
ある動物には脅威だからこそ、保てていることもある」
ロイはエドに手書きの設計図の2枚を渡して立ち上がる。
「どうして錬金術や銃を使わなかったんだ?」
「…ここは戦争で被害にあった村だ。
そういうものが嫌な者も多いだろう」
エドの頭をくしゃっと撫でてロイは苦笑いする。
「あんたが直接、手を下した訳じゃないだろう?」
「…トラウマとは厄介なものさ」
ポンポンとロイに肩を叩かれてエドはその背を見つめた。
設計図通りに村の男達に混ざってエルリック兄弟は作っていた。
「あんたも手伝えよ!」
「嫌だね。
私は有休中だし、肉体労働は下の者に任せるよ」
「誰が下の者だよ!?」
「部下になるのだから、間違いではないでしょう?」
「くそ…っ」
不満そうなエドを宥めながらもアルは楽しそうだった。
それを見つめて微かに笑い、ロイが家の中に入って行く。
「包帯を交換しようか。
あまり無茶はするんじゃないよ」
「…ありがとうございます」
ウィンリィが新しい包帯を持って来てピナコが手当てをする。
「マスタング大将!
おい、怪我してたのかよ!」
「無断でカーテンを開けるなと何度言ったら分かるのよ!」
「悪い…、患者は居ないかと。
じゃなくて!」
「大丈夫ですか?
だから、肉体労働を…」
「たいしたことはない。
ピナコ殿、ありがとうございます」
ロイは脱いでいたワイシャツを着ると立ち上がる。
「待てよ、まだ話は終わってない!」
「……っ…」
「兄さんっ!」
「「エド!」」
エドが腕を思いっきり引っ張るとロイは微かに顔を歪め、3人が咎める。
「あ…っ、悪い」
「大丈夫か?
エドがすまないね」
「…問題ないです」
「療養は嘘ではない。
強引に退院、したんだよ」
「何でそんな無茶を…っ」
「少し休んでおいで。
夕方まで寝れるはずだ。
ウィンリィ、あとは頼んだよ」
「…はい」
「行きましょう、お義父さん」
アルはオロオロとしながらも結局はロイを支えるようについて行く。
「すまないね、驚かせて」
「…いえ。
兄がすみませんでした。
痛みますか?」
「たいしたことはない」
不満そうなアルの表情にロイは苦笑いし、ベットに横になりながらも頬を優しく撫でる。
「ウィンリィはいつから?」
「…出発前日にお義父さんから聞いたのよ」
「君達に結果的に隠していたのはすまなかった」
「僕のこともあるからでしょう?
心配掛けてごめんなさい」
「怪我していることを言えば、君達は延期するだろう」
「……っ…」
否定は出来ずにアルは黙り込んでしまい、ロイが苦笑いしてくしゃっと頭を撫でた。
「大人の気遣いだよ。
エド、何でも聞けばいいってものじゃない」
「けど…っ」
「騙されたようで悔しいか?
あんたは未成年の子供だ。
マスタング大将に頼られたかったら、結果で示すんだね」
悔しそうなエドにピナコはやれやれとため息をつき、珈琲を淹れてあげるのだった。
「…マスタング大将。
さっきはごめん」
「もう大丈夫だよ」
「本当にごめんなさい」
たっぷりと叱られたんだなとエドの様子に3人は苦笑いする。
(色々と予定が狂ってしまったな。
こんなにのんびりとしていたら、軍に戻ったら大変そうだな)
こういう些細な生活が大切で守りたい未来なんだと実感した。
「こんなとこに居たのかよ」
「アルの傍に居なくていいのか?」
「ずっと傍に居たら疲れるって。
拒否られた」
「ぶはっ!
まぁ、君の心配も分かるが。
見守ることも大事だぞ」
「それが俺に出来ると思う?」
「出来ていないから言っているんだろう」
不満を露わに叫ぶエドにロイは苦笑いするのだった。
「こんなに広いならば、娯楽も作れそうだが。
それをしてしまえば良いところが失われてしまうな」
「たった千人の村だ。
そんな金もねぇよ。
金が無い中でみんな、それぞれに生活してるんだ。
今更、変える必要ねぇよ」
「…そうだな」
こんな風にエドが話を聞くようになったのは焦りがなくなったのもあるのだろう。
自分との実力差を認めることが出来たのも大きいが、それも成長の証だ。
「「うわあぁぁっ!?」」
村の男集団の悲鳴と共に野生の動物達が現れて、パニックに陥る。
「お義父さん!」
「ウィンリィは家の中に!」
「は、はいっ!」
「マスタング大将!」
「そこで見学しておけ。
こんなものは私1人で大丈夫だ」
「すげ…っ」
思わず、エドは呟いて数週間前に入院していた人と同一人物とは思えない。
錬金術は使わずにロイは体術とクナイだけで追い払っていた。
「追い払うだけでいいのかよ」
「無駄な殺生は私の美学に反するとでも言えば宜しいかな」
「ふはっ!
いいや、あんたらしいよ」
「お義父さん!
お怪我は?」
「問題ないよ、ウィンリィ。
まぁ、侵入されないような対策は必要かもしれんな」
「俺は錬金術は使えないし。
アルもまだ錬金術は。
あんたは専門外だろ?」
「エドワード・エルリック。
君は馬鹿なのか」
「は、何だよ!」
「誰が錬金術の話をしている?」
「違うのか?」
「師匠の元で何でも錬金術に頼るなと教わらなかったのか?
設計図があれば、一般の者でも作れるはずだが?」
「設計図?」
「ウィンリィ、紙とペンを貸してもらえるか?」
「はいっ!
今すぐに!」
パタパタと走って来るウィンリィにロイは苦笑いする。
「まずは村の入口に柵を作るか。
それで防げるとは思わん。
野生の動物の捕獲の罠を仕掛ける。
その動物を逃がすのも始末するのか、村人達の判断次第だ。
罠は仕掛け過ぎると危険だから数を決めておくといいだろう」
「危険?」
「動物の数も無限ではない。
ある動物には脅威だからこそ、保てていることもある」
ロイはエドに手書きの設計図の2枚を渡して立ち上がる。
「どうして錬金術や銃を使わなかったんだ?」
「…ここは戦争で被害にあった村だ。
そういうものが嫌な者も多いだろう」
エドの頭をくしゃっと撫でてロイは苦笑いする。
「あんたが直接、手を下した訳じゃないだろう?」
「…トラウマとは厄介なものさ」
ポンポンとロイに肩を叩かれてエドはその背を見つめた。
設計図通りに村の男達に混ざってエルリック兄弟は作っていた。
「あんたも手伝えよ!」
「嫌だね。
私は有休中だし、肉体労働は下の者に任せるよ」
「誰が下の者だよ!?」
「部下になるのだから、間違いではないでしょう?」
「くそ…っ」
不満そうなエドを宥めながらもアルは楽しそうだった。
それを見つめて微かに笑い、ロイが家の中に入って行く。
「包帯を交換しようか。
あまり無茶はするんじゃないよ」
「…ありがとうございます」
ウィンリィが新しい包帯を持って来てピナコが手当てをする。
「マスタング大将!
おい、怪我してたのかよ!」
「無断でカーテンを開けるなと何度言ったら分かるのよ!」
「悪い…、患者は居ないかと。
じゃなくて!」
「大丈夫ですか?
だから、肉体労働を…」
「たいしたことはない。
ピナコ殿、ありがとうございます」
ロイは脱いでいたワイシャツを着ると立ち上がる。
「待てよ、まだ話は終わってない!」
「……っ…」
「兄さんっ!」
「「エド!」」
エドが腕を思いっきり引っ張るとロイは微かに顔を歪め、3人が咎める。
「あ…っ、悪い」
「大丈夫か?
エドがすまないね」
「…問題ないです」
「療養は嘘ではない。
強引に退院、したんだよ」
「何でそんな無茶を…っ」
「少し休んでおいで。
夕方まで寝れるはずだ。
ウィンリィ、あとは頼んだよ」
「…はい」
「行きましょう、お義父さん」
アルはオロオロとしながらも結局はロイを支えるようについて行く。
「すまないね、驚かせて」
「…いえ。
兄がすみませんでした。
痛みますか?」
「たいしたことはない」
不満そうなアルの表情にロイは苦笑いし、ベットに横になりながらも頬を優しく撫でる。
「ウィンリィはいつから?」
「…出発前日にお義父さんから聞いたのよ」
「君達に結果的に隠していたのはすまなかった」
「僕のこともあるからでしょう?
心配掛けてごめんなさい」
「怪我していることを言えば、君達は延期するだろう」
「……っ…」
否定は出来ずにアルは黙り込んでしまい、ロイが苦笑いしてくしゃっと頭を撫でた。
「大人の気遣いだよ。
エド、何でも聞けばいいってものじゃない」
「けど…っ」
「騙されたようで悔しいか?
あんたは未成年の子供だ。
マスタング大将に頼られたかったら、結果で示すんだね」
悔しそうなエドにピナコはやれやれとため息をつき、珈琲を淹れてあげるのだった。
「…マスタング大将。
さっきはごめん」
「もう大丈夫だよ」
「本当にごめんなさい」
たっぷりと叱られたんだなとエドの様子に3人は苦笑いする。