第48話
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目を離した隙にやったなとヒューズは顔を引きつらせた。
「…ロイ」
「美味しいお酒があったからな」
「絡まれた将軍達と佐官を全員ダウンさせる奴がいるか!
アームストロング少佐、適当に仮眠室に突っ込んで来い」
「承知しました」
平然としているロイのテーブルには10本以上の空のワインやウィスキーのボトルがあった。
「随分と開けたな。
君が飲んだわりには少ないか」
「補佐官、そういう問題ですか?
貴方まで甘やかさないでくださいよ」
「ヒューズも飲むか?」
「…俺にロックはキツイ」
「割るか?
炭酸水でいいか?」
「自分でやるよ。
おまえさんが作ると強いんだよ」
「薄すぎると美味しくないだろ」
「おまえさんだけだろ」
不満そうなロイに空き瓶を片付けてもらいながらヒューズは座る。
「エルリック兄弟、成人してもマスタング大将とは飲むなよ」
「酷い目に遭うからな」
「あんたらは遭ったんだ?」
「…全員酔い潰された」
「中尉も?」
「いや、中尉は酷いからって禁酒令が出てんだよ」
「どんな酔い方したんですか、リザさん」
「そ、それは…っ」
『ロイさんを押し倒して。
唇にブッチューとしちゃったんだよねぇ〜』
「「えぇっ!?」」
「暑いと言って脱ごうともしたな。
寝室に突っ込んだけど」
「…ご迷惑をお掛けしました」
中尉は恥ずかしくて情けなくて身を縮こませる。
「でも、リザってさ。
お酒はそんなに弱くないわよね。
私とたまに飲んでるけど。
あぁ、マスタング大将が相手だと気が緩むのね」
「レベッカ!」
からかわれて中尉は珍しく、動揺して頬を赤らめる。
「嫉妬しないんですか?」
『中尉は酔っ払ってたし。
ロマンチックなキスシーンなら、妬いていたけど』
「君、面白がって写真を撮影したくらいだもんな。
何故か煽ってたし」
『なんか楽しくなりました』
((何でだよ!?))
「恋人がキスされて面白がる奴が居るか?」
『ロイさんは私がヒューズ中佐にキスされたら妬きます?』
「ありえないな」
『何で?』
「君もヒューズも私を裏切ることは絶対にしないだろう」
『…負けた』
「ロイ、愛してるぞ」
「苦しい。
離せって、ヒューズ。
マース…窒息する。
背丈の差を考えろ」
「おま…っ、不意打ちはずりぃだろうよ
!」
「殺す気か!」
思いっきり抱きついたヒューズはロイに蹴られて撃沈。
「ヒューズ中佐って。
マスタング大将が大好きですよね。
名を呼ばれるのもそうですけど」
「愛情は親友だろうと必要だろう」
「…昔からなんですか?」
「コレでもマシになった方だぞ。
なんていうか、変わらないんだよな」
「「コレでマシなんですか!?」」
「どんな状態なんだよ」
「盗みをしないストーカー?
私物を使われたことはあるが」
「まぁ、否定はしない。
借りただけだろ」
ヒューズにロイは肩を抱かれて苦笑いしていた。
ヒューズから離れてロイはバッと振り向いた。
「マスタングくんにはバレるね。
久しぶりだね」
「…グラマン中将」
「今回は抜け出してないよ。
正式な式典のご招待だからね」
「分かっています」
「君は降格したり、昇進したり、忙しいね。
マスタング大将だった。
これからは私が敬礼しなくては」
「やめてください」
「こんなに早く追い越されるとは。
オリヴィエ中将には追い越されないようにしなくてはね。
少しは君の役に立てたかな」
「…はい」
「それは良かった。
あの化け物を許すとは。
君は甘いのか、器が大きいのか、分からないね。
後悔しないといいけれど」
「たとえ傷ついたとしても。
私は後悔しません」
「それならいいけれど。
無理だけはしないんだよ。
まぁ、君に言うだけ無駄かもしれないけどね」
「多少は気をつけますよ」
「やれやれ。
君は生真面目だからね。
もっと肩の力を抜いた方が良いよ。
おめでとう、マスタングくん」
「ありがとうございます」
「もう固いんだから」
「貴方が軽すぎるんです」
「君の体重も…」
「誰も体重のことは話してません」
「まぁまぁ、怒らないで」
「呆れてるんですよ」
穏和な性格のロイを苛立たせるのだからグラマン中将はある意味、凄いのかもしれない。
どこまで本音なのか、分からないので対応に困るのが事実だが。
「大総統をお呼びしますが?」
「それはやめておくよ。
じゃねぇ、マスタングくん」
深いため息をつくロイに中尉は気まずそうに謝罪する。
(平和になったんだな。
まだやることは沢山あるけれど)
テラスに出て、ロイは星空を見ながらも煙草を吸っていた。
「マスタング大将。
1人にならないでくたさい」
「…中尉」
「大丈夫ですか?」
「考えをまとめていただけだよ。
いや、どうだろうな」
「少しくらい振り向いても、歩みを止めてもいいんですよ。
今まで前だけを見て歩いていたのですから」
肩に軍のロングコートを肩に掛けられて、ロイは微かに笑う。
「やらないといけないことも、やりたいことも沢山あるけれど。
これで良かったのかなと今も思うよ。
イシュヴァールだけじゃなくて」
「それなら、ひとつずつ。
考えればいいんです。
まだ時間はたっぷりありますよ。
1人で抱えないでください」
「…分かってるさ」
そう言いながらも肝心なことは話してくれず、しばらくは動かないだろうなと中尉は待っていた。
「…ロイ」
「美味しいお酒があったからな」
「絡まれた将軍達と佐官を全員ダウンさせる奴がいるか!
アームストロング少佐、適当に仮眠室に突っ込んで来い」
「承知しました」
平然としているロイのテーブルには10本以上の空のワインやウィスキーのボトルがあった。
「随分と開けたな。
君が飲んだわりには少ないか」
「補佐官、そういう問題ですか?
貴方まで甘やかさないでくださいよ」
「ヒューズも飲むか?」
「…俺にロックはキツイ」
「割るか?
炭酸水でいいか?」
「自分でやるよ。
おまえさんが作ると強いんだよ」
「薄すぎると美味しくないだろ」
「おまえさんだけだろ」
不満そうなロイに空き瓶を片付けてもらいながらヒューズは座る。
「エルリック兄弟、成人してもマスタング大将とは飲むなよ」
「酷い目に遭うからな」
「あんたらは遭ったんだ?」
「…全員酔い潰された」
「中尉も?」
「いや、中尉は酷いからって禁酒令が出てんだよ」
「どんな酔い方したんですか、リザさん」
「そ、それは…っ」
『ロイさんを押し倒して。
唇にブッチューとしちゃったんだよねぇ〜』
「「えぇっ!?」」
「暑いと言って脱ごうともしたな。
寝室に突っ込んだけど」
「…ご迷惑をお掛けしました」
中尉は恥ずかしくて情けなくて身を縮こませる。
「でも、リザってさ。
お酒はそんなに弱くないわよね。
私とたまに飲んでるけど。
あぁ、マスタング大将が相手だと気が緩むのね」
「レベッカ!」
からかわれて中尉は珍しく、動揺して頬を赤らめる。
「嫉妬しないんですか?」
『中尉は酔っ払ってたし。
ロマンチックなキスシーンなら、妬いていたけど』
「君、面白がって写真を撮影したくらいだもんな。
何故か煽ってたし」
『なんか楽しくなりました』
((何でだよ!?))
「恋人がキスされて面白がる奴が居るか?」
『ロイさんは私がヒューズ中佐にキスされたら妬きます?』
「ありえないな」
『何で?』
「君もヒューズも私を裏切ることは絶対にしないだろう」
『…負けた』
「ロイ、愛してるぞ」
「苦しい。
離せって、ヒューズ。
マース…窒息する。
背丈の差を考えろ」
「おま…っ、不意打ちはずりぃだろうよ
!」
「殺す気か!」
思いっきり抱きついたヒューズはロイに蹴られて撃沈。
「ヒューズ中佐って。
マスタング大将が大好きですよね。
名を呼ばれるのもそうですけど」
「愛情は親友だろうと必要だろう」
「…昔からなんですか?」
「コレでもマシになった方だぞ。
なんていうか、変わらないんだよな」
「「コレでマシなんですか!?」」
「どんな状態なんだよ」
「盗みをしないストーカー?
私物を使われたことはあるが」
「まぁ、否定はしない。
借りただけだろ」
ヒューズにロイは肩を抱かれて苦笑いしていた。
ヒューズから離れてロイはバッと振り向いた。
「マスタングくんにはバレるね。
久しぶりだね」
「…グラマン中将」
「今回は抜け出してないよ。
正式な式典のご招待だからね」
「分かっています」
「君は降格したり、昇進したり、忙しいね。
マスタング大将だった。
これからは私が敬礼しなくては」
「やめてください」
「こんなに早く追い越されるとは。
オリヴィエ中将には追い越されないようにしなくてはね。
少しは君の役に立てたかな」
「…はい」
「それは良かった。
あの化け物を許すとは。
君は甘いのか、器が大きいのか、分からないね。
後悔しないといいけれど」
「たとえ傷ついたとしても。
私は後悔しません」
「それならいいけれど。
無理だけはしないんだよ。
まぁ、君に言うだけ無駄かもしれないけどね」
「多少は気をつけますよ」
「やれやれ。
君は生真面目だからね。
もっと肩の力を抜いた方が良いよ。
おめでとう、マスタングくん」
「ありがとうございます」
「もう固いんだから」
「貴方が軽すぎるんです」
「君の体重も…」
「誰も体重のことは話してません」
「まぁまぁ、怒らないで」
「呆れてるんですよ」
穏和な性格のロイを苛立たせるのだからグラマン中将はある意味、凄いのかもしれない。
どこまで本音なのか、分からないので対応に困るのが事実だが。
「大総統をお呼びしますが?」
「それはやめておくよ。
じゃねぇ、マスタングくん」
深いため息をつくロイに中尉は気まずそうに謝罪する。
(平和になったんだな。
まだやることは沢山あるけれど)
テラスに出て、ロイは星空を見ながらも煙草を吸っていた。
「マスタング大将。
1人にならないでくたさい」
「…中尉」
「大丈夫ですか?」
「考えをまとめていただけだよ。
いや、どうだろうな」
「少しくらい振り向いても、歩みを止めてもいいんですよ。
今まで前だけを見て歩いていたのですから」
肩に軍のロングコートを肩に掛けられて、ロイは微かに笑う。
「やらないといけないことも、やりたいことも沢山あるけれど。
これで良かったのかなと今も思うよ。
イシュヴァールだけじゃなくて」
「それなら、ひとつずつ。
考えればいいんです。
まだ時間はたっぷりありますよ。
1人で抱えないでください」
「…分かってるさ」
そう言いながらも肝心なことは話してくれず、しばらくは動かないだろうなと中尉は待っていた。