第46話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
寒くなる前に別荘に移動すると唖然としてしまう。
「…温泉まで着いてんのかよ」
「まずは最初に入って来いよ」
「いや、流石にそれは…っ」
『行きますよ』
「ちょっ…混浴!?」
「変なことするなよ」
「誰がするか!
分かったから押すなって」
セルシアに半ば強引に背を押されて行くロイに苦笑いしてしまう。
「「………。」」
「何だ?」
「あんた、温泉に入っただけで。
何で色気倍増になるんだよ」
「はぁ?」
「もういいや。
入って来ようぜ」
「中尉は入らないのか?」
「私は大丈夫です」
「気にしないで入っておいで。
対策はしてあるから」
ロイに小声で伝えられて戸惑いながらも中尉は頷いた。
「あんた、いつもそんなことされてんのかよ」
「ん?」
「ロイは髪が綺麗なくせに乱暴に拭くからな。
大総統にも拭かれてたぞ」
「…マジかよ」
本人は気にしてないので人前で拭かれても問題ないようだ。
「一瞬、誰かと思った。
大将だったのかよ」
「解いてると女みてぇだな」
「うっせぇな」
不満顔で髪を結んだエドにヒューズは苦笑いする。
「エリシアちゃ〜ん!」
「ロイお兄ちゃん!」
「そんなぁ…っ」
ヒューズを素通りしてエリシアはロイの膝に座る。
その落ち込み様にハボック達は苦笑いしてしまう。
「エリシア、ダメでしょう。
ごめんなさいね」
「構わないさ。
まだ少し濡れてるな」
『次はエリシアちゃんかな』
((…家族だ))
まるで家族のような光景に見ている方が気恥ずかしい気持ちになる。
「遠慮せずに食べてください。
うちのシェフが作ってくださいましたから」
「…ありがとう。
頂くとするよ」
ロイ以外は顔を引きつらせながらも席に着いた。
「大将。
意外とテーブルマナー、しっかりしてるよな」
「そこの目の前にいる人に徹底的に教わったんだよ。
それが出来ないなら、旅に出さないって脅された」
「最低限のマナーだ。
君の行動が私の評価を左右する」
実際には違うんだろうなと今のエドは分かっている。
悔しいのでそれは分かっても指摘しないけれど。
「おまえ達まで何だ?」
「食事会の時も思いましたが、マスタング中将って。
本当に綺麗に食べますよね」
「はぁ?」
「それは分かる気がします」
『作法というか、羨ましいくらいに所作が綺麗なんですよね。
経験差なんだろうけど』
中尉にまで頷かれ、あまり自分で気にしてなくてもパーティーや会食でもよく女性達から褒められていた。
それもあって良家出身と勘違いされていた。
(実際には間違いではなかったが)
義母が作法について厳しかっただけなのだが。
羨ましい気持ちがない訳ではないが、気まずそうにアルは視線を落とす。
「アルフォンス」
「あっ、はい」
「前を向いてなさい。
視線、下げる必要はない」
「…はい」
「君はどんな料理が好きだ?
地元の料理か、今まで食べたことのない料理。
それとも、甘党な君はデザートがいいかな。
リストを作っておいで」
「リスト…?」
「君が食べに行きたいお店。
いくらでも将来、連れて行ってあげよう」
「大総統になったあとでも?」
「ふはっ!
それなら、警護を連れて行こうか。
中央じゃなくても地方でも構わない。
美味しそうに思った、食べてみたいと思った。
それだけで理由は十分だ」
「これからは兄さんに料理の感想を聞かないと」
「責任重大だな、鋼の」
「…うまいとか不味いとかしか言えねぇけど」
「そこは弟の為に学べ」
((無理だろ))
エドの感想はそれ以上は無理だろうなと苦笑いする。
「お店じゃなくてもいいんですよね。
それなら、僕は一番に書くのは決まっています」
「なんだ?」
「それは貴方の手料理です、マスタング中将」
幼馴染の手料理かなと思っていたロイは瞬きして一瞬目を見開く。
「ふはっ!
それは大変有り難いね。
君の好みを聞いて作らせてもらおう。
デザート付きでね」
「はい!」
「さっさと旅を終わらせるように、元通りになっておいで。
リハビリも必要だろうが。
何年でも待っていよう」
「…マスタング中将。
ありがとうございます」
「君がどんな顔をしているのか、鋼と似ているのか。
昔の写真以外で見るのが楽しみだ」
「昔の写真、見せたことありましたっけ」
「あぁ、以前にウィンリィとピナコ殿が見せてくれて。
可愛らしかった少年が、どう成長しているのかな」
おずおずとアルは近づいてロイのシャツを掴むとロイに抱擁された。
「今度こうした時はぬくもりを感じられるかな。
そろそろ旅に出るのだろう?」
「はい、必ず。
気がついていたのですか」
「ヒントは見つかったかい?
君達は分かりやすいからね。
いいかい、軍の施設を調べる時は気をつけなさい。
過去に何があったのか、わからないということは“隠すべきこと”がある。
それを荒らすのが幸せなのか、正義なのかわからないんだよ」
「何でだよ!
間違っていたら…っ」
「鋼の、隠されていたからこその幸せがある。
不幸の連鎖もある。
君達の正義を曲げるなとは言っておらん。
そろそろ頭で考えて動け」
「はぁ?」
「軍を敵に回すな。
こっそりと裏から動くのが賢いやり方では?
真実が露わになった時、不幸になる人達もいることを覚えておけ」
「軍を敵に回したら、あんたは“敵”になる?」
「私は軍人だが。
私の“正義”の為に動こう。
そちらが正しければ、支援に回ろう」
「支援どころか、あんたは最前線の援軍だろ」
「君達と敵にならないことを祈っているよ、エルリック兄弟」
「…俺もだよ。
そこまで教えて良いのかよ。
あんたは知っているのか?」
「内容は知らん。
危険だから今は探るなと大総統に圧を掛けられた。
つまりは“隠すべき秘密”がある」
「調べたのか?」
「今はまだ動いていない。
私はまだ動けない」
「場所は?」
ロイは腕を組み、無言で紙切れを手渡した。
「…温泉まで着いてんのかよ」
「まずは最初に入って来いよ」
「いや、流石にそれは…っ」
『行きますよ』
「ちょっ…混浴!?」
「変なことするなよ」
「誰がするか!
分かったから押すなって」
セルシアに半ば強引に背を押されて行くロイに苦笑いしてしまう。
「「………。」」
「何だ?」
「あんた、温泉に入っただけで。
何で色気倍増になるんだよ」
「はぁ?」
「もういいや。
入って来ようぜ」
「中尉は入らないのか?」
「私は大丈夫です」
「気にしないで入っておいで。
対策はしてあるから」
ロイに小声で伝えられて戸惑いながらも中尉は頷いた。
「あんた、いつもそんなことされてんのかよ」
「ん?」
「ロイは髪が綺麗なくせに乱暴に拭くからな。
大総統にも拭かれてたぞ」
「…マジかよ」
本人は気にしてないので人前で拭かれても問題ないようだ。
「一瞬、誰かと思った。
大将だったのかよ」
「解いてると女みてぇだな」
「うっせぇな」
不満顔で髪を結んだエドにヒューズは苦笑いする。
「エリシアちゃ〜ん!」
「ロイお兄ちゃん!」
「そんなぁ…っ」
ヒューズを素通りしてエリシアはロイの膝に座る。
その落ち込み様にハボック達は苦笑いしてしまう。
「エリシア、ダメでしょう。
ごめんなさいね」
「構わないさ。
まだ少し濡れてるな」
『次はエリシアちゃんかな』
((…家族だ))
まるで家族のような光景に見ている方が気恥ずかしい気持ちになる。
「遠慮せずに食べてください。
うちのシェフが作ってくださいましたから」
「…ありがとう。
頂くとするよ」
ロイ以外は顔を引きつらせながらも席に着いた。
「大将。
意外とテーブルマナー、しっかりしてるよな」
「そこの目の前にいる人に徹底的に教わったんだよ。
それが出来ないなら、旅に出さないって脅された」
「最低限のマナーだ。
君の行動が私の評価を左右する」
実際には違うんだろうなと今のエドは分かっている。
悔しいのでそれは分かっても指摘しないけれど。
「おまえ達まで何だ?」
「食事会の時も思いましたが、マスタング中将って。
本当に綺麗に食べますよね」
「はぁ?」
「それは分かる気がします」
『作法というか、羨ましいくらいに所作が綺麗なんですよね。
経験差なんだろうけど』
中尉にまで頷かれ、あまり自分で気にしてなくてもパーティーや会食でもよく女性達から褒められていた。
それもあって良家出身と勘違いされていた。
(実際には間違いではなかったが)
義母が作法について厳しかっただけなのだが。
羨ましい気持ちがない訳ではないが、気まずそうにアルは視線を落とす。
「アルフォンス」
「あっ、はい」
「前を向いてなさい。
視線、下げる必要はない」
「…はい」
「君はどんな料理が好きだ?
地元の料理か、今まで食べたことのない料理。
それとも、甘党な君はデザートがいいかな。
リストを作っておいで」
「リスト…?」
「君が食べに行きたいお店。
いくらでも将来、連れて行ってあげよう」
「大総統になったあとでも?」
「ふはっ!
それなら、警護を連れて行こうか。
中央じゃなくても地方でも構わない。
美味しそうに思った、食べてみたいと思った。
それだけで理由は十分だ」
「これからは兄さんに料理の感想を聞かないと」
「責任重大だな、鋼の」
「…うまいとか不味いとかしか言えねぇけど」
「そこは弟の為に学べ」
((無理だろ))
エドの感想はそれ以上は無理だろうなと苦笑いする。
「お店じゃなくてもいいんですよね。
それなら、僕は一番に書くのは決まっています」
「なんだ?」
「それは貴方の手料理です、マスタング中将」
幼馴染の手料理かなと思っていたロイは瞬きして一瞬目を見開く。
「ふはっ!
それは大変有り難いね。
君の好みを聞いて作らせてもらおう。
デザート付きでね」
「はい!」
「さっさと旅を終わらせるように、元通りになっておいで。
リハビリも必要だろうが。
何年でも待っていよう」
「…マスタング中将。
ありがとうございます」
「君がどんな顔をしているのか、鋼と似ているのか。
昔の写真以外で見るのが楽しみだ」
「昔の写真、見せたことありましたっけ」
「あぁ、以前にウィンリィとピナコ殿が見せてくれて。
可愛らしかった少年が、どう成長しているのかな」
おずおずとアルは近づいてロイのシャツを掴むとロイに抱擁された。
「今度こうした時はぬくもりを感じられるかな。
そろそろ旅に出るのだろう?」
「はい、必ず。
気がついていたのですか」
「ヒントは見つかったかい?
君達は分かりやすいからね。
いいかい、軍の施設を調べる時は気をつけなさい。
過去に何があったのか、わからないということは“隠すべきこと”がある。
それを荒らすのが幸せなのか、正義なのかわからないんだよ」
「何でだよ!
間違っていたら…っ」
「鋼の、隠されていたからこその幸せがある。
不幸の連鎖もある。
君達の正義を曲げるなとは言っておらん。
そろそろ頭で考えて動け」
「はぁ?」
「軍を敵に回すな。
こっそりと裏から動くのが賢いやり方では?
真実が露わになった時、不幸になる人達もいることを覚えておけ」
「軍を敵に回したら、あんたは“敵”になる?」
「私は軍人だが。
私の“正義”の為に動こう。
そちらが正しければ、支援に回ろう」
「支援どころか、あんたは最前線の援軍だろ」
「君達と敵にならないことを祈っているよ、エルリック兄弟」
「…俺もだよ。
そこまで教えて良いのかよ。
あんたは知っているのか?」
「内容は知らん。
危険だから今は探るなと大総統に圧を掛けられた。
つまりは“隠すべき秘密”がある」
「調べたのか?」
「今はまだ動いていない。
私はまだ動けない」
「場所は?」
ロイは腕を組み、無言で紙切れを手渡した。