第46話
夢小説設定
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エドにじっと見つめられてロイは不思議そうに見つめた。
「まぁ、確かに綺麗な顔してるよな。
ハボック少佐とブレダ少佐が隣に並んでたら霞む」
「おい、大将」
「事実だけどよ。
酷くねぇか?」
「事実じゃん。
マスタング中将って。
年齢詐欺並みな童顔だよな」
「…貫禄もなくて悪かったな」
『エドワードくん?』
「うげっ!
違う、悪口じゃなくて」
『問答無用!』
エドがセルシアに吹き飛ばされていて、学ばないなとアルにも呆れられてた。
「若く見られるのは良いことだって。
俺なんておまえと同い年に見られないし。
若い頃からおっさん扱いだぞ」
「ぶはっ!」
ヒューズに肩を軽く叩かれてロイは吹き出して笑う。
「随分と賑やかだな。
楽しそうで何より。
あぁ、そのままで結構。
私もプライベートだからな」
「大総統!」
「アームストロング少佐。
ご招待したのですか?」
「いえ、場所は聞かれましたが」
「偶然通りかかってな」
「そんな訳ないでしょう。
護衛も付けずに“自由時間”ですか」
「…君もしているだろう」
「私と立場が違います。
貴方は大総統ですよ!?」
「そう怒るな。
気分転換だ。
君がいるならあの補佐官も叱らないからな」
ロイは呆れたように深いため息をついてしまう。
「仕事は?」
「君を怒らせて期限2週間後の書類も済ませてしまったからね」
((…何をしたんだ))
基本的にロイは穏和な性格でフリはしても怒ることはない。
それを知っているので余程のことをしたのだろうとエドさえも思う。
「君が楽しそうで何よりだよ。
私が来ては楽しめないと思ったが、この目で見たくなってね。
上層部の躾はまだ難しくて。
君には苦労を掛けているから」
「将軍達については諦めてます。
期待などしておりません」
「おやおや、手厳しいね。
君との思い出を作りに来たと言えばいいかい?」
「そこまで子供扱いされても困るだけなのですが」
「何歳になっても我が子は愛しいもんだよ」
「気づかなかったのに?」
「まだ怒っているだろう、君。
君は普段は怒らないからね。
怒ると執拗に…っと。
それ以上言うと私の身が危ないかな」
にこやかに笑う大総統とにっこりと笑っているのにロイの目は笑っておらず。
「…大総統」
「すまなかった。
冗談はそこまでにして。
思い出を作りたかったのは本当だよ」
「分かっています。
別に本気で怒ってませんよ。
来るなら来ると仰有ってください。
仕事を調整して迷惑を掛けないのなら、短時間くらいの滞在は許しますよ。
息が詰まるのも、気持ちは分かりますからね」
結局は許してしまうんだなとヒューズは苦笑いする。
大総統に手を伸ばされ、ロイは頬を撫でれた。
「傷が残らなくてよかったな」
「大袈裟ですよ。
傷も深くなかったですから」
「どこまで作戦だったんだか」
「戦力的に不利でしたからね。
私が最前線で戦えないのならば」
「本来は司令官は前に出ないものだが、君もオリヴィエ少将は例外だな」
「そうするしかなかったとも言えますが?」
「…そうだろうな」
「まぁ、お陰で自由に動けるのもありますが」
遠回しな嫌味を交えながら返しても大総統は笑うだけだが、分かっていてもヒューズ達は顔を引きつらせてしまう。
(いつか、この時を思い出して切なくなるのだろうか。
それとも…、笑える日が来るのかな。
無事に生きていれたら、それでいい。
願うならば…どうか1人も欠けずに)
ロイは海を眺めながら波音に目を閉じてそろそろ決意しなくてはいけないのだろうなとさえ思った。
「ロイ、自分の幸せを最優先にしても罰は当たらないよ。
あとは君次第だろうな」
「…父様」
「君は自分だけを責める癖がある。
さてと、そろそろ戻らなくては。
ここて構わんよ」
大総統が1人で帰って行く姿を見送りながらも苦笑いする。
「みんな揃って…、許せと。
言うのだから。
本当に…参ってしまう」
「忘れるなと言ってない。
自分を許してやれ、ロイ。
それも強さだ。
前を向いて歩く為にも」
「どうやって許せと!
私はおまえ達とは…っ」
「数は違うが、それだけだ。
奪ったのは同じなんだよ。
罪を償うのは“命”じゃない。
差し出そうとするなよ」
ロイはヒューズの服を掴んで座り込んで黙って俯いた。
「私には…、それしか…」
「おまえにしか出来ないことがある。
命を奪えば、同じことが起きる」
「恨んでも何も変わらないよ。
恨んだって苦しいだけだ」
「…鋼の」
「自分の運命さえ、幻滅して恨んだけどさ。
何も変わらないんだよ。
奪われた命は変わらない。
だったら、新たな命に何が出来るのか考えればいいじゃん。
マスタング中将の地位なら出来ることがあるはずだろ」
「若い君に諭されるとは」
「まぁ、若いから言えることもあるからな」
ヒューズに頭を撫でられてロイは苦笑いする。
『…ロイさん』
「大丈…っ」
飛びつかれて倒され、ロイは瞬きして見つめた。
『貴方が居なくなったら私達は道に迷ってしまいますよ。
それに、私は貴方が囚われたら侵入して大暴れしますから』
「君が言うと恐ろしいんだが」
『脅してあげますよ。
貴方が考えを改めるまで何度でも。
私が諦め悪いの知ってるでしょう?』
「あぁ、知ってるよ。
それでは私も生きなくてはな」
微かに笑ってロイは上半身を起こすとセルシアの唇にキスした。
「まぁ、確かに綺麗な顔してるよな。
ハボック少佐とブレダ少佐が隣に並んでたら霞む」
「おい、大将」
「事実だけどよ。
酷くねぇか?」
「事実じゃん。
マスタング中将って。
年齢詐欺並みな童顔だよな」
「…貫禄もなくて悪かったな」
『エドワードくん?』
「うげっ!
違う、悪口じゃなくて」
『問答無用!』
エドがセルシアに吹き飛ばされていて、学ばないなとアルにも呆れられてた。
「若く見られるのは良いことだって。
俺なんておまえと同い年に見られないし。
若い頃からおっさん扱いだぞ」
「ぶはっ!」
ヒューズに肩を軽く叩かれてロイは吹き出して笑う。
「随分と賑やかだな。
楽しそうで何より。
あぁ、そのままで結構。
私もプライベートだからな」
「大総統!」
「アームストロング少佐。
ご招待したのですか?」
「いえ、場所は聞かれましたが」
「偶然通りかかってな」
「そんな訳ないでしょう。
護衛も付けずに“自由時間”ですか」
「…君もしているだろう」
「私と立場が違います。
貴方は大総統ですよ!?」
「そう怒るな。
気分転換だ。
君がいるならあの補佐官も叱らないからな」
ロイは呆れたように深いため息をついてしまう。
「仕事は?」
「君を怒らせて期限2週間後の書類も済ませてしまったからね」
((…何をしたんだ))
基本的にロイは穏和な性格でフリはしても怒ることはない。
それを知っているので余程のことをしたのだろうとエドさえも思う。
「君が楽しそうで何よりだよ。
私が来ては楽しめないと思ったが、この目で見たくなってね。
上層部の躾はまだ難しくて。
君には苦労を掛けているから」
「将軍達については諦めてます。
期待などしておりません」
「おやおや、手厳しいね。
君との思い出を作りに来たと言えばいいかい?」
「そこまで子供扱いされても困るだけなのですが」
「何歳になっても我が子は愛しいもんだよ」
「気づかなかったのに?」
「まだ怒っているだろう、君。
君は普段は怒らないからね。
怒ると執拗に…っと。
それ以上言うと私の身が危ないかな」
にこやかに笑う大総統とにっこりと笑っているのにロイの目は笑っておらず。
「…大総統」
「すまなかった。
冗談はそこまでにして。
思い出を作りたかったのは本当だよ」
「分かっています。
別に本気で怒ってませんよ。
来るなら来ると仰有ってください。
仕事を調整して迷惑を掛けないのなら、短時間くらいの滞在は許しますよ。
息が詰まるのも、気持ちは分かりますからね」
結局は許してしまうんだなとヒューズは苦笑いする。
大総統に手を伸ばされ、ロイは頬を撫でれた。
「傷が残らなくてよかったな」
「大袈裟ですよ。
傷も深くなかったですから」
「どこまで作戦だったんだか」
「戦力的に不利でしたからね。
私が最前線で戦えないのならば」
「本来は司令官は前に出ないものだが、君もオリヴィエ少将は例外だな」
「そうするしかなかったとも言えますが?」
「…そうだろうな」
「まぁ、お陰で自由に動けるのもありますが」
遠回しな嫌味を交えながら返しても大総統は笑うだけだが、分かっていてもヒューズ達は顔を引きつらせてしまう。
(いつか、この時を思い出して切なくなるのだろうか。
それとも…、笑える日が来るのかな。
無事に生きていれたら、それでいい。
願うならば…どうか1人も欠けずに)
ロイは海を眺めながら波音に目を閉じてそろそろ決意しなくてはいけないのだろうなとさえ思った。
「ロイ、自分の幸せを最優先にしても罰は当たらないよ。
あとは君次第だろうな」
「…父様」
「君は自分だけを責める癖がある。
さてと、そろそろ戻らなくては。
ここて構わんよ」
大総統が1人で帰って行く姿を見送りながらも苦笑いする。
「みんな揃って…、許せと。
言うのだから。
本当に…参ってしまう」
「忘れるなと言ってない。
自分を許してやれ、ロイ。
それも強さだ。
前を向いて歩く為にも」
「どうやって許せと!
私はおまえ達とは…っ」
「数は違うが、それだけだ。
奪ったのは同じなんだよ。
罪を償うのは“命”じゃない。
差し出そうとするなよ」
ロイはヒューズの服を掴んで座り込んで黙って俯いた。
「私には…、それしか…」
「おまえにしか出来ないことがある。
命を奪えば、同じことが起きる」
「恨んでも何も変わらないよ。
恨んだって苦しいだけだ」
「…鋼の」
「自分の運命さえ、幻滅して恨んだけどさ。
何も変わらないんだよ。
奪われた命は変わらない。
だったら、新たな命に何が出来るのか考えればいいじゃん。
マスタング中将の地位なら出来ることがあるはずだろ」
「若い君に諭されるとは」
「まぁ、若いから言えることもあるからな」
ヒューズに頭を撫でられてロイは苦笑いする。
『…ロイさん』
「大丈…っ」
飛びつかれて倒され、ロイは瞬きして見つめた。
『貴方が居なくなったら私達は道に迷ってしまいますよ。
それに、私は貴方が囚われたら侵入して大暴れしますから』
「君が言うと恐ろしいんだが」
『脅してあげますよ。
貴方が考えを改めるまで何度でも。
私が諦め悪いの知ってるでしょう?』
「あぁ、知ってるよ。
それでは私も生きなくてはな」
微かに笑ってロイは上半身を起こすとセルシアの唇にキスした。