第46話
夢小説設定
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話が済んだので帰ろうとしたが、引き止められてしまって電話を借りて司令部に連絡した。
「君に義母が居ないのならば、書類上も息子にしたかったんだが」
「…っぶ!
ゴホッ…ゴホッ…
それは、遠慮します」
本気か冗談か分からずにロイは顔が引きつってしまう。
「そんなに嫌がらなくてもいいだろう?」
「この年齢になって義理の息子って、おかしいでしょう」
「そうなったら将軍達は君に媚びるのかね」
「…それも面倒なのでおやめください」
ため息をつくロイに大総統は微笑んでグラスにワインを注いだ。
「あまりロイさんに飲ませ過ぎないでくださいね。
お先におやすみなさい」
「…おやすみなさい」
「無理に付き合うことないわ。
さっさと切り上げていいわよ」
「ありがとうございます。
私も楽しいですから」
「貴方も程々にしてね」
「承知しております」
心境の変化があったのか今までは“マスタングさん”だったが、名で呼ばれるようになった。
微笑んで肩に上着を掛けられてロイは瞬きする。
「きちんと着なさい。
夜は冷えるわ」
「ありがとうございます」
苦笑いしながらも素直に着るとワインを口にした。
「奥様が心配しますから、これを飲んだら寝ましょうか」
「それは残念だ。
君が飲みたがっていた酒が手に入ったのだが」
「…あと一本追加で」
「ふはっ!
そういうとこは素直だな」
「私が来る前に飲まれては嫌ですからね。
父様、将軍達ともココで飲んでるでしょう?」
「それも必要なことだ。
君の部屋には入れておらんよ」
「将軍達も私の部屋があるなんて思ってないと思いますが。
度数は強いですけど、甘めで飲みやすいですね」
「一気に飲むなよ。
酔いが回るぞ」
「大丈夫です。
そうしたら、父様が運んでもらいますから」
「やれやれ」
そう言いながらも大総統はロイのグラスに注いでいた。
ほどんどロイが飲んでいるが、表情にも出ずに平然としている。
「父様、おやすみなさい」
「おやすみ。
何かあればおいで。
ロイ、いい夢を」
部屋のベットまで寝かされて小さな子のようだとクスクスと笑う。
「…父様」
「ん?」
「眠るまで父の話をしてください。
未だに記憶は取り戻せないけど、無理に思い出さなくてもいいかと。
それでも知りたいから」
「あぁ、そうだな」
ベットに腰掛けてロイの手を握りながら大総統は昔話をしてくれた。
「君の性格はウィルよりも穏やかなアイリスに似ている。
だが、怒る時はウィル似だろうか。
あの日はよく晴れていた」
穏やかな口調に安心感もあってウトウトしてしまう。
最後まで聞けなくてもそれでもいいと思っている。
ロイの方が何杯も飲んでいたのにいつも通りで若さと体質だなと大総統は懐かしい気持ちになった。
「それでは、行って参ります」
「気をつけて。
ロイさん、またいつでもいらっしゃいね」
「ありがとうございます」
「持たせたな。
では、行って来るよ」
「お気をつけて。
行ってらっしゃい」
見送られて司令部まで大総統と一緒に迎えの車に乗り込んだ。
目撃された将軍達からは文句を言われたけれど。
「マスタング中将。
いくら可愛がられているからって。
大総統の送迎の車に乗せられるなんて!」
「目的地が同じならば、問題はないだろう?
それに、ロイは補佐官だ」
「ですが…っ」
「ロイは先に行ってなさい」
「承知しました」
敬礼して将軍達と大総統を残して司令部に入って行く。
『ロイさん、おはようございます』
「おはよう。
まだ帰ってなかったのか?」
「もう昨日は大変だったんスよ!」
「事件が続いて…」
「それは大変だったな。
呼び出してくれてよかったのに」
「大総統宅に居る人を呼び出せませんよ」
「まぁ、事件自体は小さいので」
「…そうか。
お疲れさん」
「報告書、書いても書いても終わりませんよ!」
「どれどれ。
随分とあるんだな。
深夜だけで12件か。
これは久々に多いな」
書き終わった報告書を確認しながらロイはサインをして中尉に渡す。
それでも東方で慣れているマスタング隊だから問題ないのだろう。
「とりあえず、仮眠しろ。
字も乱れて来てるぞ」
「うへぇ〜」
「特例で私の名で期限を伸ばしておいてやるから」
「マジっスか!」
「そんなこと出来るんですか?」
「それは言い方次第さ。
まぁ、延長も明日の朝が限界だろう」
「ありがとうございます。
それでも助かりますよ」
「夜勤の者は帰りなさい。
中尉、あとは頼んだぞ。
何かあれば連絡してくれ」
「了解しました」
ロイは執務室から出て延長の手続きをどうにか頼み込み、大総統の執務室に戻った。
「君が先に戻ったはずなのに何で後から来るんだ」
「向こうの執務室に寄ってて。
昨夜は事件が多かったみたいです。
まぁ、東方と比較すれば少ない方ですが。
中央のわりには…」
「それは珍しいな。
過激派という訳ではなさそうだな」
「ひとつずつの事件は小さくて酔っ払いが騒いだりなど。
重なっただけなのか、そうなるように仕向けたのか分かりませんが」
「バラバラな事件ではあるが。
深読みし過ぎても良くない」
「偶然だといいのですが」
ロイに書類を返して閣下は考えすぎないようにとポンポンと頭を叩く。
「君に義母が居ないのならば、書類上も息子にしたかったんだが」
「…っぶ!
ゴホッ…ゴホッ…
それは、遠慮します」
本気か冗談か分からずにロイは顔が引きつってしまう。
「そんなに嫌がらなくてもいいだろう?」
「この年齢になって義理の息子って、おかしいでしょう」
「そうなったら将軍達は君に媚びるのかね」
「…それも面倒なのでおやめください」
ため息をつくロイに大総統は微笑んでグラスにワインを注いだ。
「あまりロイさんに飲ませ過ぎないでくださいね。
お先におやすみなさい」
「…おやすみなさい」
「無理に付き合うことないわ。
さっさと切り上げていいわよ」
「ありがとうございます。
私も楽しいですから」
「貴方も程々にしてね」
「承知しております」
心境の変化があったのか今までは“マスタングさん”だったが、名で呼ばれるようになった。
微笑んで肩に上着を掛けられてロイは瞬きする。
「きちんと着なさい。
夜は冷えるわ」
「ありがとうございます」
苦笑いしながらも素直に着るとワインを口にした。
「奥様が心配しますから、これを飲んだら寝ましょうか」
「それは残念だ。
君が飲みたがっていた酒が手に入ったのだが」
「…あと一本追加で」
「ふはっ!
そういうとこは素直だな」
「私が来る前に飲まれては嫌ですからね。
父様、将軍達ともココで飲んでるでしょう?」
「それも必要なことだ。
君の部屋には入れておらんよ」
「将軍達も私の部屋があるなんて思ってないと思いますが。
度数は強いですけど、甘めで飲みやすいですね」
「一気に飲むなよ。
酔いが回るぞ」
「大丈夫です。
そうしたら、父様が運んでもらいますから」
「やれやれ」
そう言いながらも大総統はロイのグラスに注いでいた。
ほどんどロイが飲んでいるが、表情にも出ずに平然としている。
「父様、おやすみなさい」
「おやすみ。
何かあればおいで。
ロイ、いい夢を」
部屋のベットまで寝かされて小さな子のようだとクスクスと笑う。
「…父様」
「ん?」
「眠るまで父の話をしてください。
未だに記憶は取り戻せないけど、無理に思い出さなくてもいいかと。
それでも知りたいから」
「あぁ、そうだな」
ベットに腰掛けてロイの手を握りながら大総統は昔話をしてくれた。
「君の性格はウィルよりも穏やかなアイリスに似ている。
だが、怒る時はウィル似だろうか。
あの日はよく晴れていた」
穏やかな口調に安心感もあってウトウトしてしまう。
最後まで聞けなくてもそれでもいいと思っている。
ロイの方が何杯も飲んでいたのにいつも通りで若さと体質だなと大総統は懐かしい気持ちになった。
「それでは、行って参ります」
「気をつけて。
ロイさん、またいつでもいらっしゃいね」
「ありがとうございます」
「持たせたな。
では、行って来るよ」
「お気をつけて。
行ってらっしゃい」
見送られて司令部まで大総統と一緒に迎えの車に乗り込んだ。
目撃された将軍達からは文句を言われたけれど。
「マスタング中将。
いくら可愛がられているからって。
大総統の送迎の車に乗せられるなんて!」
「目的地が同じならば、問題はないだろう?
それに、ロイは補佐官だ」
「ですが…っ」
「ロイは先に行ってなさい」
「承知しました」
敬礼して将軍達と大総統を残して司令部に入って行く。
『ロイさん、おはようございます』
「おはよう。
まだ帰ってなかったのか?」
「もう昨日は大変だったんスよ!」
「事件が続いて…」
「それは大変だったな。
呼び出してくれてよかったのに」
「大総統宅に居る人を呼び出せませんよ」
「まぁ、事件自体は小さいので」
「…そうか。
お疲れさん」
「報告書、書いても書いても終わりませんよ!」
「どれどれ。
随分とあるんだな。
深夜だけで12件か。
これは久々に多いな」
書き終わった報告書を確認しながらロイはサインをして中尉に渡す。
それでも東方で慣れているマスタング隊だから問題ないのだろう。
「とりあえず、仮眠しろ。
字も乱れて来てるぞ」
「うへぇ〜」
「特例で私の名で期限を伸ばしておいてやるから」
「マジっスか!」
「そんなこと出来るんですか?」
「それは言い方次第さ。
まぁ、延長も明日の朝が限界だろう」
「ありがとうございます。
それでも助かりますよ」
「夜勤の者は帰りなさい。
中尉、あとは頼んだぞ。
何かあれば連絡してくれ」
「了解しました」
ロイは執務室から出て延長の手続きをどうにか頼み込み、大総統の執務室に戻った。
「君が先に戻ったはずなのに何で後から来るんだ」
「向こうの執務室に寄ってて。
昨夜は事件が多かったみたいです。
まぁ、東方と比較すれば少ない方ですが。
中央のわりには…」
「それは珍しいな。
過激派という訳ではなさそうだな」
「ひとつずつの事件は小さくて酔っ払いが騒いだりなど。
重なっただけなのか、そうなるように仕向けたのか分かりませんが」
「バラバラな事件ではあるが。
深読みし過ぎても良くない」
「偶然だといいのですが」
ロイに書類を返して閣下は考えすぎないようにとポンポンと頭を叩く。