第45話
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ロイが眠ると心配はあるが、ヒューズは閣下に託して仮眠室から出た。
「…大総統。
軍議の時間が過ぎているのですが」
「あぁ、遅らせた」
「えっ?」
「私の持病の腰痛が悪化してな」
「持病なんてないですよね?」
「今発覚した」
「ぶはっ!
ありがとうございます」
「大丈夫そうかね」
「お陰様で」
「軍議が済んだら帰りなさい」
「…はい」
「今回は事情は聞かんよ。
酷い時は休みなさい。
軍議は私なら多少なり動かせる」
「ですが…っ」
「これも“甘え”だよ、ロイ」
瞬きして見つめながらも苦笑いし、小さく頷いた。
(案の定と言うべきか、嫌味のオンパレードだな。
私の方が階級が上だろうと直接的な嫌味は無関係らしい。
流石に書類は無理でも言うのは大総統に止められない限りは…)
無意識にため息をついてしまい、当然ながら怠けているのかと酷くなった。
ロイは机の下でコツンと閣下の軍靴に当てて合図する。
「そのくらいにしておきなさい。
君達も随分とロイに対して過保護になったようだな。
そんなに我が子を心配してくれてるとは思わなかった」
「「はっ?」」
「久々に私が鍛えてあげよう。
ロイは帰りなさい。
必ず送ってもらいなさい」
「承知しました」
半ば強引に将軍達は閣下に引きずられるように連れて行かれた。
わざとなんだろうが、止められないなとロイは苦笑いで見送る。
「…中尉」
「マスタング中将。
大丈夫ですか?」
「あぁ、先程よりは。
すまなかったな」
「いえ…大丈…っ」
ポスンと中尉の肩に頭を預けるロイに流石のハボックとブレダ達も顔を見合わせてしまう。
「…すまない」
「大丈夫ですか?
すぐに車を回しますから」
「ん…、頼む」
「ハボック少尉。
マスタング中将の家まで送るから。
車を回して来て」
「は、はいっ!」
((…リーゼル大佐が居なくて助かった))
怒りはしないが、妬いて面倒になるという認識なようだ。
「君達は人の家で何を寛いでるんだ」
「あっ、おはようございます。
起きてきましたね」
『ロイさん、おはようございます。
顔色が良くなりましたね』
「ん…、おはよう」
賑やかな声に気がついて寝室から出るとリビングで部下達がいた。
いつも通りにキスを交わすとハボックとブレダから茶化されるが、それを聞き流した。
「ヒューズまでいるのか」
「見舞いに来たらな。
大丈夫そうだな」
「…ん」
((親友を通り越して兄弟感が…))
ヒューズに手で額を触られてロイは目を閉じた。
ハボックとブレダはそう思いながらもロイに不満顔をされるので黙っていた。
セルシアと中尉のお手製の料理を食べながらも部下達の雑談を黙って聞いていた。
『大丈夫そうてすか?』
「あぁ、うまいよ」
『おかわりもありますけど。
高熱なら食べさせたのに。
ちょっと残念です』
「…っぶ!
ゴホッ…ゴホッ…」
「マスタング中将、大丈夫ですか?
器官に入りました?」
「だ、大丈夫だ。
君ねぇ…毎回言うよな」
『可愛かったですよ』
「そりゃ、どうも」
「されたんですか、マスタング中将」
「半ば強制的にな」
中尉に叱られているセルシアに苦笑いする。
「本当にヒューズ中佐って、アップルパイが好きですよね。
やっぱり、奥さんの得意料理だからですか?」
「あ〜…いや…。
グレイシアは俺が好きだからとよく作ってくれてんだよ」
「お母さんが作ってくれたとか?」
「いや、母親ではないな。
滅多には作ってくれねぇけど。
俺には思い出の味。
なぁ、ロイ」
「…私に振るな」
微かに頬を赤らめてロイは不満顔でヒューズを見つめる。
「コイツだよ」
「「はっ?」」
「ロイが作ってくれたんだ」
「…誕生日だから甘いもん食いたいと言ったのはおまえだろう」
「まさか手作りとは思わなかった」
「不味いのは食べたくない。
行った店のアップルパイは不味そうだった」
不満顔のロイにヒューズは笑いながらも肩を抱いて宥めていた。
「「えぇっ!?」」
「マスタング中将、ケーキも作れるんですか!」
『ロイさんはデザートも得意よ。
私が作るよりも絶品!』
「とても美味しいわよ。
マフィンやチーズケーキも作れるし」
「ま、マジっスか!」
「俺等は食べたことないのに」
「ロイは気分じゃないと面倒だからと滅多に作らないからな」
「その時に会えないと貰えないわよ」
「流石に大総統には…」
「マフィンなら」
「「………。」」
「な、何だよ」
「大総統に負けた気がする」
「なんか悔しいよな」
「そうだ!
大将も食べたことないですよね!?」
「…国家錬金術師の合格時に。
チョコレートケーキを中尉から渡してもらったが」
悔しがるハボック達にロイは何事だと戸惑っていた。
「マスタング中将を困らせないの」
「ふははっ!
みんな、おまえさんの手作りが食べたいんだよ」
「男の上官の手料理など」
「おまえさんのだから意味あるんだって」
そういうとこは自覚ないんだなとヒューズは苦笑いしながらも可愛いとこだよなと思いつつも言葉にしない。
「…大総統。
軍議の時間が過ぎているのですが」
「あぁ、遅らせた」
「えっ?」
「私の持病の腰痛が悪化してな」
「持病なんてないですよね?」
「今発覚した」
「ぶはっ!
ありがとうございます」
「大丈夫そうかね」
「お陰様で」
「軍議が済んだら帰りなさい」
「…はい」
「今回は事情は聞かんよ。
酷い時は休みなさい。
軍議は私なら多少なり動かせる」
「ですが…っ」
「これも“甘え”だよ、ロイ」
瞬きして見つめながらも苦笑いし、小さく頷いた。
(案の定と言うべきか、嫌味のオンパレードだな。
私の方が階級が上だろうと直接的な嫌味は無関係らしい。
流石に書類は無理でも言うのは大総統に止められない限りは…)
無意識にため息をついてしまい、当然ながら怠けているのかと酷くなった。
ロイは机の下でコツンと閣下の軍靴に当てて合図する。
「そのくらいにしておきなさい。
君達も随分とロイに対して過保護になったようだな。
そんなに我が子を心配してくれてるとは思わなかった」
「「はっ?」」
「久々に私が鍛えてあげよう。
ロイは帰りなさい。
必ず送ってもらいなさい」
「承知しました」
半ば強引に将軍達は閣下に引きずられるように連れて行かれた。
わざとなんだろうが、止められないなとロイは苦笑いで見送る。
「…中尉」
「マスタング中将。
大丈夫ですか?」
「あぁ、先程よりは。
すまなかったな」
「いえ…大丈…っ」
ポスンと中尉の肩に頭を預けるロイに流石のハボックとブレダ達も顔を見合わせてしまう。
「…すまない」
「大丈夫ですか?
すぐに車を回しますから」
「ん…、頼む」
「ハボック少尉。
マスタング中将の家まで送るから。
車を回して来て」
「は、はいっ!」
((…リーゼル大佐が居なくて助かった))
怒りはしないが、妬いて面倒になるという認識なようだ。
「君達は人の家で何を寛いでるんだ」
「あっ、おはようございます。
起きてきましたね」
『ロイさん、おはようございます。
顔色が良くなりましたね』
「ん…、おはよう」
賑やかな声に気がついて寝室から出るとリビングで部下達がいた。
いつも通りにキスを交わすとハボックとブレダから茶化されるが、それを聞き流した。
「ヒューズまでいるのか」
「見舞いに来たらな。
大丈夫そうだな」
「…ん」
((親友を通り越して兄弟感が…))
ヒューズに手で額を触られてロイは目を閉じた。
ハボックとブレダはそう思いながらもロイに不満顔をされるので黙っていた。
セルシアと中尉のお手製の料理を食べながらも部下達の雑談を黙って聞いていた。
『大丈夫そうてすか?』
「あぁ、うまいよ」
『おかわりもありますけど。
高熱なら食べさせたのに。
ちょっと残念です』
「…っぶ!
ゴホッ…ゴホッ…」
「マスタング中将、大丈夫ですか?
器官に入りました?」
「だ、大丈夫だ。
君ねぇ…毎回言うよな」
『可愛かったですよ』
「そりゃ、どうも」
「されたんですか、マスタング中将」
「半ば強制的にな」
中尉に叱られているセルシアに苦笑いする。
「本当にヒューズ中佐って、アップルパイが好きですよね。
やっぱり、奥さんの得意料理だからですか?」
「あ〜…いや…。
グレイシアは俺が好きだからとよく作ってくれてんだよ」
「お母さんが作ってくれたとか?」
「いや、母親ではないな。
滅多には作ってくれねぇけど。
俺には思い出の味。
なぁ、ロイ」
「…私に振るな」
微かに頬を赤らめてロイは不満顔でヒューズを見つめる。
「コイツだよ」
「「はっ?」」
「ロイが作ってくれたんだ」
「…誕生日だから甘いもん食いたいと言ったのはおまえだろう」
「まさか手作りとは思わなかった」
「不味いのは食べたくない。
行った店のアップルパイは不味そうだった」
不満顔のロイにヒューズは笑いながらも肩を抱いて宥めていた。
「「えぇっ!?」」
「マスタング中将、ケーキも作れるんですか!」
『ロイさんはデザートも得意よ。
私が作るよりも絶品!』
「とても美味しいわよ。
マフィンやチーズケーキも作れるし」
「ま、マジっスか!」
「俺等は食べたことないのに」
「ロイは気分じゃないと面倒だからと滅多に作らないからな」
「その時に会えないと貰えないわよ」
「流石に大総統には…」
「マフィンなら」
「「………。」」
「な、何だよ」
「大総統に負けた気がする」
「なんか悔しいよな」
「そうだ!
大将も食べたことないですよね!?」
「…国家錬金術師の合格時に。
チョコレートケーキを中尉から渡してもらったが」
悔しがるハボック達にロイは何事だと戸惑っていた。
「マスタング中将を困らせないの」
「ふははっ!
みんな、おまえさんの手作りが食べたいんだよ」
「男の上官の手料理など」
「おまえさんのだから意味あるんだって」
そういうとこは自覚ないんだなとヒューズは苦笑いしながらも可愛いとこだよなと思いつつも言葉にしない。