第45話
夢小説設定
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また文句を言っているんだろうなとぼんやりと座りながら思っていた。
(眠いのに寝れない。
夢見が悪い時はいつもだ。
それでも、セルシアが傍に居てくれたから少しは楽になったけれど)
欠伸が出そうになってしまい、朝から軍議がなくて良かったなと安堵する。
「大総統。
ご迷惑をお掛けしました」
「構わんよ。
守ると約束したからな」
「ありがとうございます」
「具合良くないのか?」
「えっ?」
キョトンとロイは首を傾げ、閣下を見つめる。
「勘違いならば、良いのだが。
君は具合悪くても言わないからな」
「…少し寝不足なだけです。
夢見が悪くて。
たいしたことはありません」
「仮眠室に行くか?」
「いえ、こういう時は眠れませんから大丈夫です」
「そうか。
無理はしないように」
「…はい」
普段から眠りは浅いが、夢見が悪いと何となくぼんやりしてしまう。
(東方の時はどうしてたんだろうか。
酒飲んで寝てたか?
強引に中尉やヒューズに睡眠薬を飲まされていたっけ。
ヒューズなんて中央から田舎の東方まで来たのだから。
電話一本の私の声色で分かってしまうのだから本当に適わないな)
書類1枚も進まずにため息をつきそうになり、頭を抱えて動かず。
「…マスタング中将。
聞こえますか?」
「ん…、聞こえている」
「こっちを見てください。
仮眠室でいいから行きましょう」
「中尉…?」
「痛み止め、飲みますか?
頭痛も酷いのでしょう」
「…大丈夫だ。
いつものことだ」
「こちらも見ずに、動けそうにもないのに?
最近はなかったでしょう」
「最近は何だか不調だなぁ〜」
「笑っている場合ですか。
いろんなものが重なっただけです。
軍議が終わり次第、早退でいいですから帰りましょう」
半ば強引に立たせられて中尉に引っ張られる形で仮眠室に突っ込まれた。
「眠らなくていいですから。
私よりもリーゼル大佐がよろしいですか?
1人じゃない方がいいでしょうから」
「…中尉」
「はい、何でしょうか」
「少しだけ…手を握ってくれ」
「分かりました」
ひんやりとしている手に中尉はロイの額に触れる。
「少し微熱っぽいですね。
具合は悪くないですか?」
「…わからん。
判断が難しいな」
「そう判断が出来ないのなら、呼んでください」
「…ヒューズ」
「大丈夫そうじゃないな。
リザちゃん、あとは任せていいぜ」
「分かりました。
何かあれば呼んでください」
「ありがとよ。
軍議は何時からだ?」
「15時から。
第2会議室にて。
資料はこちらに」
「りょーかい」
渡された書類をヒューズが受け取り、中尉は手を離して仮眠室から出て行く。
見事に悪化したなと苦笑いしながらもヒューズは黙って椅子に腰掛け、目を瞑っているロイの頭を優しく撫でる。
「…ヒューズ」
「何も言わなくて良い。
まだ時間はある。
目を閉じておけよ。
それだけでも少しは休めるから」
いつもの撫でる手よりも優しいのは気遣っているのだろう。
「こんな風に体調を崩してばかりで、幻滅してるか?
軍人のくせに笑えるな」
「軍人だろうと人だ。
今までが体調崩さなかったのがおかしかったんだよ。
部下の奴等とおまえさんでは仕事量もプレッシャーも違うだろう?
そうならない為に言ったんだが、少し遅かったな」
「…ん」
「眠れそうなら寝な。
大丈夫、魘されたら起こしてやる」
ウトウトしているロイに気づいてヒューズは布団を掛けた。
軍の薄い布団でもないよりはマシだろうと思いながらも。
「眠ったか?」
「大総統!」
「ヒューズ中佐、静かに」
「あ…っ」
ベットにいるロイは眠っているようで安堵する。
「起きなかったようだな。
こういうことはあるのか?」
「それは…っ」
「ロイだけではないだろうな」
「…ロイが息子だと知っていたら」
「戦力になろうとも逃がしてた。
それが無理ならば、理由をつけて自分の傍に居させたさ。
本人は拒否するだろうが」
「貴方は本当にロイを守ってやるつもりがあるんですか?
大総統ではない貴方に聞いてます」
「随分と警戒されてしまったな」
「貴方に甘やかされて戸惑いながらも嬉しく思います。
それでも同時に不安はある。
懐に入れた奴には優しいから」
「いつか私は裏切るかもしれない。
それでも、それまでは変わらずに傍に居てやりたいと思うよ」
「裏切ると分かっている人の傍に親友を置いておきたくはありません」
「そうだろうな」
「でも、それは貴方の為じゃない。
ロイの為なら耐えましょう。
処分しますか?」
「私は何も聞いておらんよ、ヒューズ中佐。
君も何も聞いておらん」
「…はい」
冷や汗と逃げ出したい気持ちと闘いながらもヒューズは閣下を見つめる。
「…大総統」
「あぁ、起こしてしまったか」
微かに笑う閣下にヒューズはやっと息を吐いた。
「あまり虐めてはダメですよ」
「聞こえておったか」
「これ以上は踏み込むのはダメです。
裏切らないと言うなら教えます」
「それは…、困るな」
閣下は苦笑いしながらも腰掛け、ロイの頬を優しく撫でた。
(眠いのに寝れない。
夢見が悪い時はいつもだ。
それでも、セルシアが傍に居てくれたから少しは楽になったけれど)
欠伸が出そうになってしまい、朝から軍議がなくて良かったなと安堵する。
「大総統。
ご迷惑をお掛けしました」
「構わんよ。
守ると約束したからな」
「ありがとうございます」
「具合良くないのか?」
「えっ?」
キョトンとロイは首を傾げ、閣下を見つめる。
「勘違いならば、良いのだが。
君は具合悪くても言わないからな」
「…少し寝不足なだけです。
夢見が悪くて。
たいしたことはありません」
「仮眠室に行くか?」
「いえ、こういう時は眠れませんから大丈夫です」
「そうか。
無理はしないように」
「…はい」
普段から眠りは浅いが、夢見が悪いと何となくぼんやりしてしまう。
(東方の時はどうしてたんだろうか。
酒飲んで寝てたか?
強引に中尉やヒューズに睡眠薬を飲まされていたっけ。
ヒューズなんて中央から田舎の東方まで来たのだから。
電話一本の私の声色で分かってしまうのだから本当に適わないな)
書類1枚も進まずにため息をつきそうになり、頭を抱えて動かず。
「…マスタング中将。
聞こえますか?」
「ん…、聞こえている」
「こっちを見てください。
仮眠室でいいから行きましょう」
「中尉…?」
「痛み止め、飲みますか?
頭痛も酷いのでしょう」
「…大丈夫だ。
いつものことだ」
「こちらも見ずに、動けそうにもないのに?
最近はなかったでしょう」
「最近は何だか不調だなぁ〜」
「笑っている場合ですか。
いろんなものが重なっただけです。
軍議が終わり次第、早退でいいですから帰りましょう」
半ば強引に立たせられて中尉に引っ張られる形で仮眠室に突っ込まれた。
「眠らなくていいですから。
私よりもリーゼル大佐がよろしいですか?
1人じゃない方がいいでしょうから」
「…中尉」
「はい、何でしょうか」
「少しだけ…手を握ってくれ」
「分かりました」
ひんやりとしている手に中尉はロイの額に触れる。
「少し微熱っぽいですね。
具合は悪くないですか?」
「…わからん。
判断が難しいな」
「そう判断が出来ないのなら、呼んでください」
「…ヒューズ」
「大丈夫そうじゃないな。
リザちゃん、あとは任せていいぜ」
「分かりました。
何かあれば呼んでください」
「ありがとよ。
軍議は何時からだ?」
「15時から。
第2会議室にて。
資料はこちらに」
「りょーかい」
渡された書類をヒューズが受け取り、中尉は手を離して仮眠室から出て行く。
見事に悪化したなと苦笑いしながらもヒューズは黙って椅子に腰掛け、目を瞑っているロイの頭を優しく撫でる。
「…ヒューズ」
「何も言わなくて良い。
まだ時間はある。
目を閉じておけよ。
それだけでも少しは休めるから」
いつもの撫でる手よりも優しいのは気遣っているのだろう。
「こんな風に体調を崩してばかりで、幻滅してるか?
軍人のくせに笑えるな」
「軍人だろうと人だ。
今までが体調崩さなかったのがおかしかったんだよ。
部下の奴等とおまえさんでは仕事量もプレッシャーも違うだろう?
そうならない為に言ったんだが、少し遅かったな」
「…ん」
「眠れそうなら寝な。
大丈夫、魘されたら起こしてやる」
ウトウトしているロイに気づいてヒューズは布団を掛けた。
軍の薄い布団でもないよりはマシだろうと思いながらも。
「眠ったか?」
「大総統!」
「ヒューズ中佐、静かに」
「あ…っ」
ベットにいるロイは眠っているようで安堵する。
「起きなかったようだな。
こういうことはあるのか?」
「それは…っ」
「ロイだけではないだろうな」
「…ロイが息子だと知っていたら」
「戦力になろうとも逃がしてた。
それが無理ならば、理由をつけて自分の傍に居させたさ。
本人は拒否するだろうが」
「貴方は本当にロイを守ってやるつもりがあるんですか?
大総統ではない貴方に聞いてます」
「随分と警戒されてしまったな」
「貴方に甘やかされて戸惑いながらも嬉しく思います。
それでも同時に不安はある。
懐に入れた奴には優しいから」
「いつか私は裏切るかもしれない。
それでも、それまでは変わらずに傍に居てやりたいと思うよ」
「裏切ると分かっている人の傍に親友を置いておきたくはありません」
「そうだろうな」
「でも、それは貴方の為じゃない。
ロイの為なら耐えましょう。
処分しますか?」
「私は何も聞いておらんよ、ヒューズ中佐。
君も何も聞いておらん」
「…はい」
冷や汗と逃げ出したい気持ちと闘いながらもヒューズは閣下を見つめる。
「…大総統」
「あぁ、起こしてしまったか」
微かに笑う閣下にヒューズはやっと息を吐いた。
「あまり虐めてはダメですよ」
「聞こえておったか」
「これ以上は踏み込むのはダメです。
裏切らないと言うなら教えます」
「それは…、困るな」
閣下は苦笑いしながらも腰掛け、ロイの頬を優しく撫でた。