第43話
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春先でも太陽が沈んでいるとまだ気温は低くて肌寒い。
「それでは、次の質問に…」
「…っくしゅ!
失礼しました」
「まだ肌寒い時があるのだから。
ストールくらいはして来なさい」
「大丈夫ですから」
「貸しておく。
風邪を引いては大変だからな」
「ありがとうございます」
まるで親子のようだとエピソードとして書かれたのは言うまでもない。
「グレイシアの手料理はうまいだろう?」
「…美味しいよ」
「ヒューズ中佐の自慢がなければ、もっとうまいよな」
約束通りにロイは連れられ、途中で拾われたエドも巻き込まれた。
「リーゼル大佐は?
一緒だと思ってた」
「夜勤なんだよ。
最近はスケジュールが合わなくてね。
わざとされている気もするけど」
「拗ねるなって」
「…拗ねてない」
「マスタングさん、おかわりは?」
「ありがとう。
では、頂くよ」
不満そうにしながらもロイはグレイシアからおかわりを貰う。
太りづらく、痩せやすいロイはセルシア以外にも気遣われていて、たまに中尉も作ってくれたりする。
閣下がロイを連れて食事に行くのも交流も兼ねているが、コレが一番の理由かもしれない。
「あちっ!」
「焦って食べるなよ、エド」
「牛乳入っていても平気なのか」
「…グラタンとシチューは平気」
「あぁ、覚えておこう」
「はっ?」
「知らないのか、エド。
ロイは料理上手だぞ。
客人なのにグレイシアとキッチンで作ってたからな」
「最近は作ってなかったから楽しかった。
忙しくて簡単なものしか作れないし」
「意外だな」
「今度食べさせてやれば?」
「まぁ、時間に余裕があればな」
「いいんだ?
断るかと思った」
「中尉達も食べてるからな」
「得意料理は?」
「カレーやシチューとか。
時間があれば、スペアリブとかローストビーフも作るかな。
セルシアと中尉も気に入ってくれてたし」
肉料理にエドの瞳が輝き、ロイとヒューズは楽しそうに笑う。
「マスタング中将。
それなのに、痩せるのか?」
「…体質なんだよ。
エリシア、溢してる」
「おわっ!
大丈夫だからな」
「泣かなくて大丈夫だ。
洋服は濡れてないが。
火傷、してないか?」
「エリシアちゃ〜ん。
お口を開いて」
「大丈夫そうかしら」
「赤くなってないし、痛がってないから大丈夫そうか」
びっくりしたエリシアは半泣きになっていてヒューズ夫妻とロイは宥め、エドは見つめていた。
「どうした?」
「当たり前のようにいるから。
ヒューズ中佐と友人なんだなと」
「はぁ?」
「マスタング中将とヒューズ中佐、性格も違うし」
キョトンとしているロイにヒューズは楽しそうに笑って肩を抱いた。
すぐにロイに引き剥がされ、ヒューズは苦笑いする。
夕食後にエリシアにソファに倒されながらロイは迎えが来るまで遊び相手をしている。
「もう、エリシア!」
「大丈夫だ」
「お転婆さんなんだから」
「元気でいいじゃないか。
子供はこれくらいじゃないと」
グレイシアは苦笑いするが、ロイは楽しそうに笑う。
エリシアがあまり甘え過ぎるとヒューズが妬いて奪いに来るが。
「マスタング中将。
髪が乱れてますが」
「ごめんなさいね、エリシアが」
「櫛を持って来るよ」
エリシアに髪を弄られて遊ばれていたロイが想像が出来て中尉は苦笑いする。
ヒューズが持って来た櫛でロイの髪を整える。
「…抵抗しないのか?」
「セルシアや中尉にされることもあるから」
「甘やかし過ぎじゃないか?」
「泊まると閣下もしてくれるけど」
「泊まるって?」
「閣下の屋敷にたまに泊まってんだよ、コイツ」
「激甘もだけど、危険じゃねぇの?」
「最初は警戒してたけど。
いつでも錬成出来るようにはしてる」
予想以上に溺愛だなとエドは苦笑いしてしまう。
「随分と楽しそうだな、鋼の」
「夜中のドライブみたいでワクワクする」
「ふは…っ」
「こんな風に星空を見上げることなんてないから。
ずっと資料や本を読んで。
ヒントらしかものを見つけては、ハズレばっかりで。
田舎で何もなくなっちまったけど。
星空だけは綺麗だった。
ばっちゃんとウィンリィとアルと一緒に毛布にくるまって、ポットに温かい紅茶を淹れてもらって祈ってた」
「…祈り?」
「陣痛が始まると俺等は家には入れないから。
手伝いも何も出来なくて祈ることしか出来ないのが悔しかったな」
「…そうか」
静かな寝息が聞こえ、鏡越しにロイは中尉と小さく笑う。
「兄さん!
もう、起きてってば!」
「疲れているのよ」
「宿の部屋に運ぼう」
「すみません」
「気にすることないさ」
翌朝に起きたエドはアルに叱られたのだった。
「おはよう、諸君。
昨夜は事件続きだったようだな」
「マスタング中将」
「やっと報告書が終わりましたよ」
「お疲れさん」
「セルシア、おはよう。
仮眠室に行っておいで」
『ふぁい…』
机に沈んでいるセルシアを起こしてロイは中尉に頼んだ。
「マジで腹減った〜」
「給料日前なのに」
「ほら、差し入れだ」
「マジっスか!」
「こっちのはセルシアが戻って来たら渡してくれ」
「了解です!」
「バケットサンドイッチやらクロワッサンとか入っているから。
早朝のパン屋さんのだから品数は少ないが、好きなものを食べてくれ」
「ありがとうございます!」
「マジで生き返る!」
「…溢すなよ」
中尉が戻って来たらロイは大総統の執務室に送ってもらう。
「それでは、次の質問に…」
「…っくしゅ!
失礼しました」
「まだ肌寒い時があるのだから。
ストールくらいはして来なさい」
「大丈夫ですから」
「貸しておく。
風邪を引いては大変だからな」
「ありがとうございます」
まるで親子のようだとエピソードとして書かれたのは言うまでもない。
「グレイシアの手料理はうまいだろう?」
「…美味しいよ」
「ヒューズ中佐の自慢がなければ、もっとうまいよな」
約束通りにロイは連れられ、途中で拾われたエドも巻き込まれた。
「リーゼル大佐は?
一緒だと思ってた」
「夜勤なんだよ。
最近はスケジュールが合わなくてね。
わざとされている気もするけど」
「拗ねるなって」
「…拗ねてない」
「マスタングさん、おかわりは?」
「ありがとう。
では、頂くよ」
不満そうにしながらもロイはグレイシアからおかわりを貰う。
太りづらく、痩せやすいロイはセルシア以外にも気遣われていて、たまに中尉も作ってくれたりする。
閣下がロイを連れて食事に行くのも交流も兼ねているが、コレが一番の理由かもしれない。
「あちっ!」
「焦って食べるなよ、エド」
「牛乳入っていても平気なのか」
「…グラタンとシチューは平気」
「あぁ、覚えておこう」
「はっ?」
「知らないのか、エド。
ロイは料理上手だぞ。
客人なのにグレイシアとキッチンで作ってたからな」
「最近は作ってなかったから楽しかった。
忙しくて簡単なものしか作れないし」
「意外だな」
「今度食べさせてやれば?」
「まぁ、時間に余裕があればな」
「いいんだ?
断るかと思った」
「中尉達も食べてるからな」
「得意料理は?」
「カレーやシチューとか。
時間があれば、スペアリブとかローストビーフも作るかな。
セルシアと中尉も気に入ってくれてたし」
肉料理にエドの瞳が輝き、ロイとヒューズは楽しそうに笑う。
「マスタング中将。
それなのに、痩せるのか?」
「…体質なんだよ。
エリシア、溢してる」
「おわっ!
大丈夫だからな」
「泣かなくて大丈夫だ。
洋服は濡れてないが。
火傷、してないか?」
「エリシアちゃ〜ん。
お口を開いて」
「大丈夫そうかしら」
「赤くなってないし、痛がってないから大丈夫そうか」
びっくりしたエリシアは半泣きになっていてヒューズ夫妻とロイは宥め、エドは見つめていた。
「どうした?」
「当たり前のようにいるから。
ヒューズ中佐と友人なんだなと」
「はぁ?」
「マスタング中将とヒューズ中佐、性格も違うし」
キョトンとしているロイにヒューズは楽しそうに笑って肩を抱いた。
すぐにロイに引き剥がされ、ヒューズは苦笑いする。
夕食後にエリシアにソファに倒されながらロイは迎えが来るまで遊び相手をしている。
「もう、エリシア!」
「大丈夫だ」
「お転婆さんなんだから」
「元気でいいじゃないか。
子供はこれくらいじゃないと」
グレイシアは苦笑いするが、ロイは楽しそうに笑う。
エリシアがあまり甘え過ぎるとヒューズが妬いて奪いに来るが。
「マスタング中将。
髪が乱れてますが」
「ごめんなさいね、エリシアが」
「櫛を持って来るよ」
エリシアに髪を弄られて遊ばれていたロイが想像が出来て中尉は苦笑いする。
ヒューズが持って来た櫛でロイの髪を整える。
「…抵抗しないのか?」
「セルシアや中尉にされることもあるから」
「甘やかし過ぎじゃないか?」
「泊まると閣下もしてくれるけど」
「泊まるって?」
「閣下の屋敷にたまに泊まってんだよ、コイツ」
「激甘もだけど、危険じゃねぇの?」
「最初は警戒してたけど。
いつでも錬成出来るようにはしてる」
予想以上に溺愛だなとエドは苦笑いしてしまう。
「随分と楽しそうだな、鋼の」
「夜中のドライブみたいでワクワクする」
「ふは…っ」
「こんな風に星空を見上げることなんてないから。
ずっと資料や本を読んで。
ヒントらしかものを見つけては、ハズレばっかりで。
田舎で何もなくなっちまったけど。
星空だけは綺麗だった。
ばっちゃんとウィンリィとアルと一緒に毛布にくるまって、ポットに温かい紅茶を淹れてもらって祈ってた」
「…祈り?」
「陣痛が始まると俺等は家には入れないから。
手伝いも何も出来なくて祈ることしか出来ないのが悔しかったな」
「…そうか」
静かな寝息が聞こえ、鏡越しにロイは中尉と小さく笑う。
「兄さん!
もう、起きてってば!」
「疲れているのよ」
「宿の部屋に運ぼう」
「すみません」
「気にすることないさ」
翌朝に起きたエドはアルに叱られたのだった。
「おはよう、諸君。
昨夜は事件続きだったようだな」
「マスタング中将」
「やっと報告書が終わりましたよ」
「お疲れさん」
「セルシア、おはよう。
仮眠室に行っておいで」
『ふぁい…』
机に沈んでいるセルシアを起こしてロイは中尉に頼んだ。
「マジで腹減った〜」
「給料日前なのに」
「ほら、差し入れだ」
「マジっスか!」
「こっちのはセルシアが戻って来たら渡してくれ」
「了解です!」
「バケットサンドイッチやらクロワッサンとか入っているから。
早朝のパン屋さんのだから品数は少ないが、好きなものを食べてくれ」
「ありがとうございます!」
「マジで生き返る!」
「…溢すなよ」
中尉が戻って来たらロイは大総統の執務室に送ってもらう。