第43話
夢小説設定
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不満顔でソファで不貞腐れているエドにロイは苦笑いした。
「そんな顔をするな。
目的があるとは言え、勉強する姿勢は感心するよ」
「バカにしてんのかよ」
「そうではないさ。
どっかの誰かさんにも見習って欲しいかと思ってね」
(あぁ、なるほど。
そういうことか)
ハボックが目を反らしていてエドは苦笑いする。
「書物は持ち出せないが、初回版の
古い理論の資料もあるはずだ。
理論については正しいのか様々な意見や研究もあるが。
知っていて損はないだろうな」
「そんな古い理論が?」
「どんなものがヒントになるのか分からないだろう?」
「それは、そうだけど」
「古いからと言って馬鹿には出来ないと思うが。
それを行動に移すのも君の自由だ。
一筆を私の名で書いてやろう。
必要ならば、電話を寄越せばいい」
エドから渡された必要書類にロイはサインと共に一筆を記入してくれた。
「もう行くのか?」
「アルを宿に待たせてるし」
「頂いたお菓子があるのだが。
それは残念だな」
「…少しくらいなら」
「高そうなお菓子ですね」
「確実に高いだろうな」
「そんな貴重なものを宜しいのですか?」
「みんなで食べた方がいいだろう?」
「マスタング中将って。
絶対に独り占めしませんよね」
「そういうの、悪くないと思うけど」
「誰に貰ったんだ?」
「大総統だが」
吹き出しそうになりながら、それは美味しいだろうなと納得する。
「将軍のおっさん達も閣下に貰ってたりします?」
「聞いたことはないな」
((…そうだろうな))
溺愛ゆえの閣下の行動なんだろうなと理解する。
「のんびりしていて大丈夫なんですか?」
「ある程度の書類は済ませて来たし。
午後から閣下の執務室に移動することにしてる。
閣下のインタビューがあるし、そこに同席するけれど」
「それも仕事?」
「私も補佐官だからな」
エドの中では仕事中のロイよりも閣下に異様に溺愛されているイメージが強いのだろう。
「…そんな風に大総統に大切にされて大丈夫なのかよ」
「嫌われても好かれても風当たりが強いならば、受け入れた方がいいだろう。
何を言ってもこちらが認めるまで、諦めてくれないのだから」
「マスタング中将は得なのは分かるけどさ」
「大総統が私を可愛がってくれている理由は私にも分からんよ。
考えたとこで答えは出ないし。
それでいいと思っている」
「はぁ?」
「いずれ、裏切られて傷つけられても後悔はしないだろうな」
「何でだよ」
「与えてくれたものが大きい。
あの人でなければ、私に見せれない景色がある。
信頼しなければよかったとは思うかもしれないが。
それでも、きっと…裏切られても笑える日が来るだろうな」
「まるであんたは裏切られてる分かってるように言うんだな」
「私とあの人では目指している世界観も“正義”も違うからな」
流石に“裏切られると知っている”とは言えない。
微かに笑みを浮かべるロイにエドは顔を歪める。
「裏切られると思いながらも信頼が出来るのかよ」
「そういう可能性の話だよ」
「…わかんねぇ。
分かりたくもない。
それが大人なら、俺は子供のままでいい」
「全員がそうではないよ。
見えるものがすべてじゃない。
そう見せなくてはならない時もある」
「まぁ、それが正しいとも間違いとも言えないんだよ。
エドにはエドの正義が生き方がある。
ロイのような考えや生き方をしろとは言ってないんだ。
そういうのもあるってことだ」
くしゃっとヒューズに頭を撫でられてエドは納得は出来ないが、渋々ながらも頷いた。
「失礼するよ」
「閣下、どうかしましたか?
変更がありました?」
「時間に余裕があってな。
怪我の状態は?」
「大丈夫です」
「…熱はないな。
インタビュー中でも具合が悪くなったり
、痛みが増したら言いなさい」
「ありがとうございます」
閣下がロイの額に触れ、慣れた様子でロイは目を閉じる。
「君の体温は高くはないからな」
「大丈夫です」
「…まるで子供扱いだな」
「私の年齢からしたら、ロイはまだ子供みたいなものだ」
呆れたようなエドの視線にも気にせずに閣下は笑う。
「こちらにお座りください。
紅茶でよろしいですか?」
「食べてくれたんだね。
最初の頃は返却されたが」
「もう諦めましたよ」
慣れた様子でロイは紅茶を淹れて閣下の元に運ぶ。
「君は私が後ろに立っても警戒しないんだね」
「今はそういう裏切りはしないでしょう?」
「…そうだな。
また屋敷に泊まりにおいで。
妻も君を待っているから」
『大総統。
独占はダメですからね』
「そうですよ。
ロイはうちにも泊まるんですから」
「…おまえまで乗るなよ」
「グレイシアの手料理も気に入っているだろう?」
「それは気に入っているが」
閣下が独占しようとするとこうして遊ぶように邪魔をしたくなるようだ。
「…最近は行ってなかったな」
「グレイシアも怪我の心配してた。
近いうちに来いよ!」
「分かったよ」
約束させてヒューズは迎えに来たアームストロングに連れて行かれた。
その様子にエドやハボック達は苦笑いしてしまう。
(私がいる前でそういう質問はしないで欲しいんだが。
まぁ、わざとなんだろうな)
ロイは表情には出さないが、ため息をつきそうになる。
「セリムもロイも私には愛しい息子ですよ。
年齢も性格も異なりますが、仲の良い兄弟のようで可愛らしいですね」
ロイの咳払いに閣下は苦笑いしながらも止められた。
「そんな顔をするな。
目的があるとは言え、勉強する姿勢は感心するよ」
「バカにしてんのかよ」
「そうではないさ。
どっかの誰かさんにも見習って欲しいかと思ってね」
(あぁ、なるほど。
そういうことか)
ハボックが目を反らしていてエドは苦笑いする。
「書物は持ち出せないが、初回版の
古い理論の資料もあるはずだ。
理論については正しいのか様々な意見や研究もあるが。
知っていて損はないだろうな」
「そんな古い理論が?」
「どんなものがヒントになるのか分からないだろう?」
「それは、そうだけど」
「古いからと言って馬鹿には出来ないと思うが。
それを行動に移すのも君の自由だ。
一筆を私の名で書いてやろう。
必要ならば、電話を寄越せばいい」
エドから渡された必要書類にロイはサインと共に一筆を記入してくれた。
「もう行くのか?」
「アルを宿に待たせてるし」
「頂いたお菓子があるのだが。
それは残念だな」
「…少しくらいなら」
「高そうなお菓子ですね」
「確実に高いだろうな」
「そんな貴重なものを宜しいのですか?」
「みんなで食べた方がいいだろう?」
「マスタング中将って。
絶対に独り占めしませんよね」
「そういうの、悪くないと思うけど」
「誰に貰ったんだ?」
「大総統だが」
吹き出しそうになりながら、それは美味しいだろうなと納得する。
「将軍のおっさん達も閣下に貰ってたりします?」
「聞いたことはないな」
((…そうだろうな))
溺愛ゆえの閣下の行動なんだろうなと理解する。
「のんびりしていて大丈夫なんですか?」
「ある程度の書類は済ませて来たし。
午後から閣下の執務室に移動することにしてる。
閣下のインタビューがあるし、そこに同席するけれど」
「それも仕事?」
「私も補佐官だからな」
エドの中では仕事中のロイよりも閣下に異様に溺愛されているイメージが強いのだろう。
「…そんな風に大総統に大切にされて大丈夫なのかよ」
「嫌われても好かれても風当たりが強いならば、受け入れた方がいいだろう。
何を言ってもこちらが認めるまで、諦めてくれないのだから」
「マスタング中将は得なのは分かるけどさ」
「大総統が私を可愛がってくれている理由は私にも分からんよ。
考えたとこで答えは出ないし。
それでいいと思っている」
「はぁ?」
「いずれ、裏切られて傷つけられても後悔はしないだろうな」
「何でだよ」
「与えてくれたものが大きい。
あの人でなければ、私に見せれない景色がある。
信頼しなければよかったとは思うかもしれないが。
それでも、きっと…裏切られても笑える日が来るだろうな」
「まるであんたは裏切られてる分かってるように言うんだな」
「私とあの人では目指している世界観も“正義”も違うからな」
流石に“裏切られると知っている”とは言えない。
微かに笑みを浮かべるロイにエドは顔を歪める。
「裏切られると思いながらも信頼が出来るのかよ」
「そういう可能性の話だよ」
「…わかんねぇ。
分かりたくもない。
それが大人なら、俺は子供のままでいい」
「全員がそうではないよ。
見えるものがすべてじゃない。
そう見せなくてはならない時もある」
「まぁ、それが正しいとも間違いとも言えないんだよ。
エドにはエドの正義が生き方がある。
ロイのような考えや生き方をしろとは言ってないんだ。
そういうのもあるってことだ」
くしゃっとヒューズに頭を撫でられてエドは納得は出来ないが、渋々ながらも頷いた。
「失礼するよ」
「閣下、どうかしましたか?
変更がありました?」
「時間に余裕があってな。
怪我の状態は?」
「大丈夫です」
「…熱はないな。
インタビュー中でも具合が悪くなったり
、痛みが増したら言いなさい」
「ありがとうございます」
閣下がロイの額に触れ、慣れた様子でロイは目を閉じる。
「君の体温は高くはないからな」
「大丈夫です」
「…まるで子供扱いだな」
「私の年齢からしたら、ロイはまだ子供みたいなものだ」
呆れたようなエドの視線にも気にせずに閣下は笑う。
「こちらにお座りください。
紅茶でよろしいですか?」
「食べてくれたんだね。
最初の頃は返却されたが」
「もう諦めましたよ」
慣れた様子でロイは紅茶を淹れて閣下の元に運ぶ。
「君は私が後ろに立っても警戒しないんだね」
「今はそういう裏切りはしないでしょう?」
「…そうだな。
また屋敷に泊まりにおいで。
妻も君を待っているから」
『大総統。
独占はダメですからね』
「そうですよ。
ロイはうちにも泊まるんですから」
「…おまえまで乗るなよ」
「グレイシアの手料理も気に入っているだろう?」
「それは気に入っているが」
閣下が独占しようとするとこうして遊ぶように邪魔をしたくなるようだ。
「…最近は行ってなかったな」
「グレイシアも怪我の心配してた。
近いうちに来いよ!」
「分かったよ」
約束させてヒューズは迎えに来たアームストロングに連れて行かれた。
その様子にエドやハボック達は苦笑いしてしまう。
(私がいる前でそういう質問はしないで欲しいんだが。
まぁ、わざとなんだろうな)
ロイは表情には出さないが、ため息をつきそうになる。
「セリムもロイも私には愛しい息子ですよ。
年齢も性格も異なりますが、仲の良い兄弟のようで可愛らしいですね」
ロイの咳払いに閣下は苦笑いしながらも止められた。