第43話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
エドは呆れながらも安堵していて苦笑いする。
「あんた、化け物かよ。
負傷してるくせに。
あんな高度な錬金術を。
専門外でどんな仕組みか分からなくても高度な錬金術ってのは分かるさ。
焔に氷と水って。
二つ名、改名したら?」
「私のメインは焔だからな。
どれも酸素や空気を調整してるから似たようなものなんだよ」
「そんな繊細な錬金術は俺には無理だね」
「君が見て行くとは思わなかった」
「…後味が悪いだろ。
負傷させといて、奢ってもらって食べるだけ食べて居なくなるなんてさ」
「大将、子供扱いするなとは言わないのか?」
「今回に関しては言わない。
錬金術の計算ミスを始め、子供っぽかった。
犯人じゃない奴を負傷させて。
あんなに出血させるまでの怪我させるのは俺の目指してる錬金術じゃない。
今回に限っては子供のお遊びの錬金術と言われても仕方ない」
悔しそうなエドにロイはため息をつき、ヒューズがくしゃっと頭を撫でた。
「いいじゃねぇか。
おまえさんはまだ子供なんだ。
軍所属でも軍人じゃない。
コイツは細身でも軍人なんだ。
数日後にはコロッとしてるさ」
「ヒューズ中佐、それは友人に対して言う言葉か?」
「鋼の、気にするな。
貸しにしておこうか?」
「やめておく。
そんな貸し、返せねぇよ」
「おや、負けず嫌いの君が珍しい」
「…痛い程に悔しかった。
分かっていたつもりだったけど。
あんた、本当に強いんだもん。
もう笑っちゃうくらいに」
エドは楽しそうに笑っていて、ロイは瞬きして見つめる。
「すっげぇ、悔しい!
でも、悔しいからってあんたに暴言は吐くのは今回はやめる。
今回の俺の戦いはダメダメだった。
そうなんだろう?」
「…ハッキリ言うべきか?」
「覚悟している」
「まずは視野が狭い。
相手をもっと研究しろ。
それから、遠距離と短距離の戦い方を分けろ。
今回は私だったが、いずれは自分に跳ね返って来る。
体術は全体手には素早いが、足蹴りが遅い。
それから…」
「待って。
頼むから待てよ。
まだ続くのか?」
「アドバイスが欲しいのでは?」
「そ、そうだけど。
流石に言われて悲しくなって来る」
「これが最後だ」
「よし、ドーンと来い!」
「錬金術の発動と武器の出し方は悪くなかった。
あとは工夫次第で強くなれる」
褒められると思わなかったエドは目を見開いて瞬きする。
「味方にも敵にも、手の内をすべて見せるものではないよ」
「…あんたはまだありそうだな」
ロイは微かに笑い、エドが呆れたようにため息をつく。
不満そうに悔しそうにエドは屈んで頭を抱える。
「何で今回に限ってさ。
優しいと言うか…、調子狂う」
「君が成長したいと願ったから。
いつもどこか焦っていたが。
今回は違ったからね」
「…そうかもな。
ずっと焦っていた。
明日になれば、元通りになってるかもしれないけどな」
「鋼の、成長したいのなら疑問や思考を止めるな。
危機な時でも諦めるな。
相手を理解しろ、自分の弱さも相手も認めろ」
「…ん」
考え込んでいるエドの頭をくしゃっと撫でて、ロイは去って行く。
「…珍しいな」
「今ならば、話を聞くと思ってな」
「大将のことですからね。
また明日になったら元通りになってるんじゃないっスか」
「それでも構わないさ。
何回でも教え込んでやる。
ハボック、おまえのようにな」
「うぐっ!」
「ブーメランされてんの」
「うっせぇな!」
ハボック達の賑やかな声にロイは微かに笑みを浮かべていた。
授与式では将軍達が悔しそうに睨むように見ていて、満足そうに微かにロイは笑った。
軍事祭りは無事に終わって、また日常が戻って来た。
「マスタング中将とリーゼル大佐って戦ってないけどさ。
どっちが強いんだ?」
「その時の天候の状況も関わるから、どちらとも言えんな」
『マスタング中将だと思いますけど』
「そうか?」
「氷と水は例外にして強風で消し去ればいいんじゃねぇの?」
「単純だな、鋼の」
「大将らしいけどな」
「何だよ!」
「私の錬金術は自然のものを錬金しているが、酸素なども関わっている。
例えば火事の時に風が吹いたら、どうなる?」
「そりゃ、酸素で消化に時間が…っ、そういうことか」
「御名答」
『ね?
戦わなくても分かるでしょ?
錬金術のセンスが違うのよ。
私は戦うよりも研究が向いてるし』
「…それは何となく分かる。
やだね〜、天才は」
「天才と思ってくれるのか」
「焔以外の錬金術をしといて天才以外の何なんだよ。
俺の苦労を全部吹き飛ばしてさ!」
「経験値の差だよ。
私も努力してない訳ではない」
「分かってるけどさ!」
「それで?
君のことだから、すぐに旅に出ると思ったんだが。
雑談しに来た訳ではないのだろう?」
エドが探していると中尉に呼ばれて、ロイは閣下に許可を貰ってこちらの執務室に来ていた。
「…読みたい資料があるんだけど」
「君は銀時計があるし、身分は証明されているはずだが」
「保護者のサイン…必要…だって。
笑うなよ!
だから、言いたくなかったんだよ!」
肩を震わせているロイにエドは頬を赤らめながら叫ぶ。
知名度はあるが、いつも中央にいる訳ではないので鋼の錬金術師の銀時計を提示しても“兄の銀時計を借りて読もうとしている未成年”に勘違いされてしまう。
実際にはアルが弟なのだが、見た目的に仕方ないかもしれない。
「あんた、化け物かよ。
負傷してるくせに。
あんな高度な錬金術を。
専門外でどんな仕組みか分からなくても高度な錬金術ってのは分かるさ。
焔に氷と水って。
二つ名、改名したら?」
「私のメインは焔だからな。
どれも酸素や空気を調整してるから似たようなものなんだよ」
「そんな繊細な錬金術は俺には無理だね」
「君が見て行くとは思わなかった」
「…後味が悪いだろ。
負傷させといて、奢ってもらって食べるだけ食べて居なくなるなんてさ」
「大将、子供扱いするなとは言わないのか?」
「今回に関しては言わない。
錬金術の計算ミスを始め、子供っぽかった。
犯人じゃない奴を負傷させて。
あんなに出血させるまでの怪我させるのは俺の目指してる錬金術じゃない。
今回に限っては子供のお遊びの錬金術と言われても仕方ない」
悔しそうなエドにロイはため息をつき、ヒューズがくしゃっと頭を撫でた。
「いいじゃねぇか。
おまえさんはまだ子供なんだ。
軍所属でも軍人じゃない。
コイツは細身でも軍人なんだ。
数日後にはコロッとしてるさ」
「ヒューズ中佐、それは友人に対して言う言葉か?」
「鋼の、気にするな。
貸しにしておこうか?」
「やめておく。
そんな貸し、返せねぇよ」
「おや、負けず嫌いの君が珍しい」
「…痛い程に悔しかった。
分かっていたつもりだったけど。
あんた、本当に強いんだもん。
もう笑っちゃうくらいに」
エドは楽しそうに笑っていて、ロイは瞬きして見つめる。
「すっげぇ、悔しい!
でも、悔しいからってあんたに暴言は吐くのは今回はやめる。
今回の俺の戦いはダメダメだった。
そうなんだろう?」
「…ハッキリ言うべきか?」
「覚悟している」
「まずは視野が狭い。
相手をもっと研究しろ。
それから、遠距離と短距離の戦い方を分けろ。
今回は私だったが、いずれは自分に跳ね返って来る。
体術は全体手には素早いが、足蹴りが遅い。
それから…」
「待って。
頼むから待てよ。
まだ続くのか?」
「アドバイスが欲しいのでは?」
「そ、そうだけど。
流石に言われて悲しくなって来る」
「これが最後だ」
「よし、ドーンと来い!」
「錬金術の発動と武器の出し方は悪くなかった。
あとは工夫次第で強くなれる」
褒められると思わなかったエドは目を見開いて瞬きする。
「味方にも敵にも、手の内をすべて見せるものではないよ」
「…あんたはまだありそうだな」
ロイは微かに笑い、エドが呆れたようにため息をつく。
不満そうに悔しそうにエドは屈んで頭を抱える。
「何で今回に限ってさ。
優しいと言うか…、調子狂う」
「君が成長したいと願ったから。
いつもどこか焦っていたが。
今回は違ったからね」
「…そうかもな。
ずっと焦っていた。
明日になれば、元通りになってるかもしれないけどな」
「鋼の、成長したいのなら疑問や思考を止めるな。
危機な時でも諦めるな。
相手を理解しろ、自分の弱さも相手も認めろ」
「…ん」
考え込んでいるエドの頭をくしゃっと撫でて、ロイは去って行く。
「…珍しいな」
「今ならば、話を聞くと思ってな」
「大将のことですからね。
また明日になったら元通りになってるんじゃないっスか」
「それでも構わないさ。
何回でも教え込んでやる。
ハボック、おまえのようにな」
「うぐっ!」
「ブーメランされてんの」
「うっせぇな!」
ハボック達の賑やかな声にロイは微かに笑みを浮かべていた。
授与式では将軍達が悔しそうに睨むように見ていて、満足そうに微かにロイは笑った。
軍事祭りは無事に終わって、また日常が戻って来た。
「マスタング中将とリーゼル大佐って戦ってないけどさ。
どっちが強いんだ?」
「その時の天候の状況も関わるから、どちらとも言えんな」
『マスタング中将だと思いますけど』
「そうか?」
「氷と水は例外にして強風で消し去ればいいんじゃねぇの?」
「単純だな、鋼の」
「大将らしいけどな」
「何だよ!」
「私の錬金術は自然のものを錬金しているが、酸素なども関わっている。
例えば火事の時に風が吹いたら、どうなる?」
「そりゃ、酸素で消化に時間が…っ、そういうことか」
「御名答」
『ね?
戦わなくても分かるでしょ?
錬金術のセンスが違うのよ。
私は戦うよりも研究が向いてるし』
「…それは何となく分かる。
やだね〜、天才は」
「天才と思ってくれるのか」
「焔以外の錬金術をしといて天才以外の何なんだよ。
俺の苦労を全部吹き飛ばしてさ!」
「経験値の差だよ。
私も努力してない訳ではない」
「分かってるけどさ!」
「それで?
君のことだから、すぐに旅に出ると思ったんだが。
雑談しに来た訳ではないのだろう?」
エドが探していると中尉に呼ばれて、ロイは閣下に許可を貰ってこちらの執務室に来ていた。
「…読みたい資料があるんだけど」
「君は銀時計があるし、身分は証明されているはずだが」
「保護者のサイン…必要…だって。
笑うなよ!
だから、言いたくなかったんだよ!」
肩を震わせているロイにエドは頬を赤らめながら叫ぶ。
知名度はあるが、いつも中央にいる訳ではないので鋼の錬金術師の銀時計を提示しても“兄の銀時計を借りて読もうとしている未成年”に勘違いされてしまう。
実際にはアルが弟なのだが、見た目的に仕方ないかもしれない。