第43話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
半ば強引に連れて来られて憂鬱な気持ちになり、ザワつきに扉を見つめてため息が出る。
「鋼の、来ていたのか。
パーティーが苦手なのに珍しい」
「…マスタング中将。
そこの隣の奴に拉致されたんだよ」
ロイは瞬きして閣下を見つめ、安易に想像がついて苦笑いする。
「それでも逃げないのは珍しいな」
「あんたは俺を何だと思ってるんだ」
「…珍獣?」
「ぶはっ!
確かになぁ〜」
「ヒューズ、肩を抱くな」
「随分と高そうなものを着ているなと思ってさ」
「そういうのに疎い俺でも分かる。
それは破ってはいけないと」
「破る前提で話すのは君くらいだぞ」
「まぁ、エドは衣服を破り過ぎるからな」
エドは旅の最中もトラブル体質ゆえに何度も破れてしまっていた。
「そろそろパーティーの挨拶をしなくてはな。
ロイ、行こうか」
「承知しました。
ヒューズ、頼んだぞ」
「分かってるよ」
上官達にエドが絡まれないようにヒューズを側に居させているだろう。
「大総統の補佐官は?」
「安全面上の理由で上段には将軍クラスしか上がれないからな」
閣下の挨拶の際もロイは特別補佐官として傍に居る。
「お疲れさん。
また随分と絡まれてたな」
「そっちもな」
「エドがおっさん達をぶん殴ろうとするからハラハラしたぞ」
「あっちから喧嘩を仕掛けたんだろ」
その度にヒューズやアームストロング、ロイを除くマスタング隊が止めに入っていたようだ。
ヒューズから渡されたグラスに口を付けてロイは息を吐いた。
「ヒューズ中佐から渡されるグラスには口を付けたんだな」
「ん…?」
「さっき、乾杯した時も。
おっさん達に渡されたグラスにはフリだけだったろ」
「ふはっ!
よく見てるじゃねぇか」
「私もまだ倒れたくはないからな」
「おっさん達は何人か倒したけど?」
「コイツ、無駄に酒強いからな」
「無駄ではないだろ」
「酒強くてもあんまり飲むなよ。
明日から軍部祭りあんだからよ」
「分かっているよ」
ロイが酔い潰した将軍達はエドに絡んだ奴等だとヒューズも中尉達は気づきながらも指摘しない。
エド本人は勿論、ハボックは気づいてないが、誰もわざわざ教えることはしなかった。
「ロイ・マスタング!」
「おや、起きましたか?」
「白々しい!
酒に何を混ぜた!?」
「何も混ぜてませんよ」
((…でしょうね))
「馬鹿にしているのか!」
「コイツ、無駄に酒強いんで度数なんて見ませんよ」
ヒューズの言葉に苛立ちながらも将軍は睨みつける。
将軍の視線にエドがいることに気づき、アームストロングは背に隠す。
「何をしている。
離しなさい」
「コイツが…っ」
「離さないとあんたがヤバイと思うけどな」
エドの呟きと同時に吹き飛ばされ、銃弾が壁に当たる。
「次は当てます」
「ホークアイ中尉」
「…承知しました」
ロイの言葉だけで中尉は銃を渋々ながらも下ろす。
「貴様、馬鹿にしているのか!」
「お忘れですか。
今の貴方は私より年齢が上というだけです」
舌打ちをした将軍はロイを突き飛ばし、会場から出て行く。
「…っと」
「ありがとうございます」
「マスタング中将!」
「追わなくて良い」
「ですが…っ」
「ホークアイ中尉」
「失礼しました」
「君も錬金術をこっそりと使おうとするな」
セルシアはロイに確保されて不満顔だったが、瞳を輝かせた。
『ロイさん。
いつもと前髪の分け目が違いますね』
「あぁ、その方が良いと言われて」
『写真!
写真を撮りましょう』
「はぁ?」
『もっと早く何で気づかなかったんだろう。
勿体ないことをした。
着替えているとこから撮影したかったです!』
「…それはやめてやれよ」
エドまで顔が引きつり、ロイに関しては暴走してしまう。
ロイは無言でグラスの酒を口にしていたのだった。
「指摘しねぇの?」
「…これに関してはもう諦めた」
「ご褒美に自ら田舎に左遷しに行ったくらいだからな」
「あぁ、そうだったな」
「これがなければなぁ〜」
ロイに関する暴走については将軍達も少しは同情があるらしい。
「…ロイ」
「何ですか?」
「酒だけじゃなくて、料理も食べなさい」
「指摘するのはソレかよ!」
「まぁ、ロイに関しては」
ロイに絡んでいた将軍達は後日、ロイが知らないとこで閣下に呼び出されていた。
「君の好みの味にしてあるから。
また痩せたんじゃないか?」
「痩せてませんよ」
「定期検診。
グレーゾーンでは?」
ロイは閣下から目を反らして黙り込んでいた。
「痩せすぎの基準まで危なかったと報告が来たが?」
「…多忙の時期だっただけです」
「あと何キロだった?」
「覚えてません」
「記憶力の良い君が覚えてない訳がないだろう。
軍医に直接聞いてもいいが?」
「…0.5キロです」
「「はっ?」」
閣下にまで深いため息をつかれ、コツンとロイは額を軽く小突かれた。
「鋼の、来ていたのか。
パーティーが苦手なのに珍しい」
「…マスタング中将。
そこの隣の奴に拉致されたんだよ」
ロイは瞬きして閣下を見つめ、安易に想像がついて苦笑いする。
「それでも逃げないのは珍しいな」
「あんたは俺を何だと思ってるんだ」
「…珍獣?」
「ぶはっ!
確かになぁ〜」
「ヒューズ、肩を抱くな」
「随分と高そうなものを着ているなと思ってさ」
「そういうのに疎い俺でも分かる。
それは破ってはいけないと」
「破る前提で話すのは君くらいだぞ」
「まぁ、エドは衣服を破り過ぎるからな」
エドは旅の最中もトラブル体質ゆえに何度も破れてしまっていた。
「そろそろパーティーの挨拶をしなくてはな。
ロイ、行こうか」
「承知しました。
ヒューズ、頼んだぞ」
「分かってるよ」
上官達にエドが絡まれないようにヒューズを側に居させているだろう。
「大総統の補佐官は?」
「安全面上の理由で上段には将軍クラスしか上がれないからな」
閣下の挨拶の際もロイは特別補佐官として傍に居る。
「お疲れさん。
また随分と絡まれてたな」
「そっちもな」
「エドがおっさん達をぶん殴ろうとするからハラハラしたぞ」
「あっちから喧嘩を仕掛けたんだろ」
その度にヒューズやアームストロング、ロイを除くマスタング隊が止めに入っていたようだ。
ヒューズから渡されたグラスに口を付けてロイは息を吐いた。
「ヒューズ中佐から渡されるグラスには口を付けたんだな」
「ん…?」
「さっき、乾杯した時も。
おっさん達に渡されたグラスにはフリだけだったろ」
「ふはっ!
よく見てるじゃねぇか」
「私もまだ倒れたくはないからな」
「おっさん達は何人か倒したけど?」
「コイツ、無駄に酒強いからな」
「無駄ではないだろ」
「酒強くてもあんまり飲むなよ。
明日から軍部祭りあんだからよ」
「分かっているよ」
ロイが酔い潰した将軍達はエドに絡んだ奴等だとヒューズも中尉達は気づきながらも指摘しない。
エド本人は勿論、ハボックは気づいてないが、誰もわざわざ教えることはしなかった。
「ロイ・マスタング!」
「おや、起きましたか?」
「白々しい!
酒に何を混ぜた!?」
「何も混ぜてませんよ」
((…でしょうね))
「馬鹿にしているのか!」
「コイツ、無駄に酒強いんで度数なんて見ませんよ」
ヒューズの言葉に苛立ちながらも将軍は睨みつける。
将軍の視線にエドがいることに気づき、アームストロングは背に隠す。
「何をしている。
離しなさい」
「コイツが…っ」
「離さないとあんたがヤバイと思うけどな」
エドの呟きと同時に吹き飛ばされ、銃弾が壁に当たる。
「次は当てます」
「ホークアイ中尉」
「…承知しました」
ロイの言葉だけで中尉は銃を渋々ながらも下ろす。
「貴様、馬鹿にしているのか!」
「お忘れですか。
今の貴方は私より年齢が上というだけです」
舌打ちをした将軍はロイを突き飛ばし、会場から出て行く。
「…っと」
「ありがとうございます」
「マスタング中将!」
「追わなくて良い」
「ですが…っ」
「ホークアイ中尉」
「失礼しました」
「君も錬金術をこっそりと使おうとするな」
セルシアはロイに確保されて不満顔だったが、瞳を輝かせた。
『ロイさん。
いつもと前髪の分け目が違いますね』
「あぁ、その方が良いと言われて」
『写真!
写真を撮りましょう』
「はぁ?」
『もっと早く何で気づかなかったんだろう。
勿体ないことをした。
着替えているとこから撮影したかったです!』
「…それはやめてやれよ」
エドまで顔が引きつり、ロイに関しては暴走してしまう。
ロイは無言でグラスの酒を口にしていたのだった。
「指摘しねぇの?」
「…これに関してはもう諦めた」
「ご褒美に自ら田舎に左遷しに行ったくらいだからな」
「あぁ、そうだったな」
「これがなければなぁ〜」
ロイに関する暴走については将軍達も少しは同情があるらしい。
「…ロイ」
「何ですか?」
「酒だけじゃなくて、料理も食べなさい」
「指摘するのはソレかよ!」
「まぁ、ロイに関しては」
ロイに絡んでいた将軍達は後日、ロイが知らないとこで閣下に呼び出されていた。
「君の好みの味にしてあるから。
また痩せたんじゃないか?」
「痩せてませんよ」
「定期検診。
グレーゾーンでは?」
ロイは閣下から目を反らして黙り込んでいた。
「痩せすぎの基準まで危なかったと報告が来たが?」
「…多忙の時期だっただけです」
「あと何キロだった?」
「覚えてません」
「記憶力の良い君が覚えてない訳がないだろう。
軍医に直接聞いてもいいが?」
「…0.5キロです」
「「はっ?」」
閣下にまで深いため息をつかれ、コツンとロイは額を軽く小突かれた。