第42話
夢小説設定
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気が向くままに街に行き、家に戻るとイチャついて充実した休みだった。
「マスタング中将、おはようございます」
「おはよう。
何を騒いでるんだ?」
朝に必ず、ロイは中尉達がいる執務室に顔を出す。
「マスタング中将って。
性欲は強いっスか?」
「はぁ?」
「貴方は何を言っているんですか、ハボック少尉!」
「うげっ、中尉も居たんっスか」
「そういう問題じゃありません。
そんなプライバシーなことを!」
「中尉、落ち着きなさい」
「…失礼しました」
『ロイさんは性欲強いですよね。
ハボック少尉、どんなことしてるか知りたい?
その対価に貴方は何をしてくれるのかしら』
「あっ、いや…」
「そのくらいにしてやれ」
『ハボック少尉には刺激が強かったかしら?』
クスクスと笑うセルシアにロイは苦笑いする。
「誰かさんの悪影響ですよ」
「いや、元々かもしれないぞ」
ヒソヒソと話す部下達に中尉が咳払いし、黙らせた。
「おはようございます、閣下」
「ロイ、おはよう。
休みによく眠れたようだね」
「お陰様で。
ありがとうございました」
「もっと休んでもよかったんだが」
「大丈夫ですよ。
怠けてしまいますから」
閣下がロイに甘いのは慣れているので誰も気に留めない。
(こんなにすぐに屋敷に呼ばれるとは思わなかったな)
セルシアが夜勤なので約束は約束なので閣下と屋敷に定時上がりで連れて行かれた。
不満そうにしながらもセルシア説明すると渋々ながら認めていた。
「閣下、これは…?」
「君に負担を掛けることになるとは思うが。
まずは見て欲しい。
断るのも受け入れてくれるのも君の意思を尊重する。
断られても君を左遷や冷酷することは決してない」
戸惑いながらもロイは封を開け、書類を確認する。
“特別代理人”選任の申立について。
「閣下、これは…っ」
「…ロイ。
否定する前に私の話を聞いて欲しい」
真面目な表情の閣下に思わず、黙り込んでしまう。
「妻は本当にお嬢様なんだ。
私が仮に居なくなっても困ることはないはずだ。
世間知らずな面がある。
騙されないか心配なんだ。
どうか、守って欲しい」
「…裏切るのに守れと?」
「自分勝手だとは十分に分かってる。
君以外に頼れる人は私には居ない」
「私が裏切らないと?」
「卑怯なことを君はしないよ。
それが私の妻だろうと。
悩みながらも手を下すことはしない」
閣下に言い切られてロイは瞬きし、苦笑いしてしまう。
裏切られることがもう決まっているようで悲しくも切なくなってロイは目を伏せる。
「こんな面倒なことに巻き込むのだから、ただでしてくれとは言わない」
「え…?」
「私が居なくなっても君の部屋はそのままにしておくように妻には頼んだ」
「奥様は知っているのですか?」
「もし居なくなった時の話ならしているよ。
狙われる可能性もあるのだから。
君の意思をきちんと確認すること、無理強いはしないと約束させられたよ」
「奥様は親戚でもない私に任せられて不愉快では?」
「妻も君のことは多少なり、理解しているつもりだよ」
「…閣下と立ち場が異なっても私も軍人です。
安全とは言えない立場です」
「それを理解した上で頼んでいる」
ロイは呆れたような深いため息をつき、天井を見上げた。
「…今すぐに答えは出せません」
「分かっているよ」
「時間を頂けますか。
閣下にとって、良い答えとは限りませんが」
「今すぐに答えを貰おうとは思っていないよ。
私から時間の制限もしない」
「助かります」
「ロイ。
どうしてこちらを見ない?」
態度が悪いと思われても目を反らしていて、そう問われるのは当然だろう。
「……っ…」
「君は泣き虫だな。
この屋敷に来る度に泣いてないか?」
「だから、来たくないですよ。
こんな話を…されるなんて、思ってなかったですし!
感情がゴチャゴチャですよ!」
「それはすまないな」
「まるで、貴方が裏切ることが…決まっているみたいに。
消えてしまう、みたいに…っ」
閣下の服を掴んで馬鹿なんですか!と力の出ない手で服の上から叩く。
「…すまなかった。
そんな風に思われるとは」
「貴方とせいですよ!
こんな風に…、優しく…するから。
今までのように。
遠くから、見て見ぬ振り…してくれてたら!」
「後悔してるか?」
「…っズ。
してないから、困るんです!
父が生きてたら…こんな風に、過ごせていたのかも。
そう思ってしまう自分も嫌だ。
弱くなりそうで。
嫌いに、なれたら…
どんなに…よかったか。
こんなに泣くことなんて、なかったのに!」
「…それは父として好いてくれていると思っていいのか?」
涙を指で拭われ、慰めるように頭を撫でられていたロイは瞬きする。
一瞬目を見開いて分かりやすく頬を赤らめるロイに閣下は苦笑いした。
「普通、聞きます?」
「…すまない。
いや、思わずな」
隠すようにロイは閣下の胸に顔を埋めて自分でも何してんだとため息をつく。
「…屋敷でもその格好でも軍刀を持ち歩いているので?」
「あぁ、一応な」
「私が触れても動かずに叱らないのですか?」
「君は悪さはしないからね」
クスクスと笑ってロイは軍刀から手を離した。
「マスタング中将、おはようございます」
「おはよう。
何を騒いでるんだ?」
朝に必ず、ロイは中尉達がいる執務室に顔を出す。
「マスタング中将って。
性欲は強いっスか?」
「はぁ?」
「貴方は何を言っているんですか、ハボック少尉!」
「うげっ、中尉も居たんっスか」
「そういう問題じゃありません。
そんなプライバシーなことを!」
「中尉、落ち着きなさい」
「…失礼しました」
『ロイさんは性欲強いですよね。
ハボック少尉、どんなことしてるか知りたい?
その対価に貴方は何をしてくれるのかしら』
「あっ、いや…」
「そのくらいにしてやれ」
『ハボック少尉には刺激が強かったかしら?』
クスクスと笑うセルシアにロイは苦笑いする。
「誰かさんの悪影響ですよ」
「いや、元々かもしれないぞ」
ヒソヒソと話す部下達に中尉が咳払いし、黙らせた。
「おはようございます、閣下」
「ロイ、おはよう。
休みによく眠れたようだね」
「お陰様で。
ありがとうございました」
「もっと休んでもよかったんだが」
「大丈夫ですよ。
怠けてしまいますから」
閣下がロイに甘いのは慣れているので誰も気に留めない。
(こんなにすぐに屋敷に呼ばれるとは思わなかったな)
セルシアが夜勤なので約束は約束なので閣下と屋敷に定時上がりで連れて行かれた。
不満そうにしながらもセルシア説明すると渋々ながら認めていた。
「閣下、これは…?」
「君に負担を掛けることになるとは思うが。
まずは見て欲しい。
断るのも受け入れてくれるのも君の意思を尊重する。
断られても君を左遷や冷酷することは決してない」
戸惑いながらもロイは封を開け、書類を確認する。
“特別代理人”選任の申立について。
「閣下、これは…っ」
「…ロイ。
否定する前に私の話を聞いて欲しい」
真面目な表情の閣下に思わず、黙り込んでしまう。
「妻は本当にお嬢様なんだ。
私が仮に居なくなっても困ることはないはずだ。
世間知らずな面がある。
騙されないか心配なんだ。
どうか、守って欲しい」
「…裏切るのに守れと?」
「自分勝手だとは十分に分かってる。
君以外に頼れる人は私には居ない」
「私が裏切らないと?」
「卑怯なことを君はしないよ。
それが私の妻だろうと。
悩みながらも手を下すことはしない」
閣下に言い切られてロイは瞬きし、苦笑いしてしまう。
裏切られることがもう決まっているようで悲しくも切なくなってロイは目を伏せる。
「こんな面倒なことに巻き込むのだから、ただでしてくれとは言わない」
「え…?」
「私が居なくなっても君の部屋はそのままにしておくように妻には頼んだ」
「奥様は知っているのですか?」
「もし居なくなった時の話ならしているよ。
狙われる可能性もあるのだから。
君の意思をきちんと確認すること、無理強いはしないと約束させられたよ」
「奥様は親戚でもない私に任せられて不愉快では?」
「妻も君のことは多少なり、理解しているつもりだよ」
「…閣下と立ち場が異なっても私も軍人です。
安全とは言えない立場です」
「それを理解した上で頼んでいる」
ロイは呆れたような深いため息をつき、天井を見上げた。
「…今すぐに答えは出せません」
「分かっているよ」
「時間を頂けますか。
閣下にとって、良い答えとは限りませんが」
「今すぐに答えを貰おうとは思っていないよ。
私から時間の制限もしない」
「助かります」
「ロイ。
どうしてこちらを見ない?」
態度が悪いと思われても目を反らしていて、そう問われるのは当然だろう。
「……っ…」
「君は泣き虫だな。
この屋敷に来る度に泣いてないか?」
「だから、来たくないですよ。
こんな話を…されるなんて、思ってなかったですし!
感情がゴチャゴチャですよ!」
「それはすまないな」
「まるで、貴方が裏切ることが…決まっているみたいに。
消えてしまう、みたいに…っ」
閣下の服を掴んで馬鹿なんですか!と力の出ない手で服の上から叩く。
「…すまなかった。
そんな風に思われるとは」
「貴方とせいですよ!
こんな風に…、優しく…するから。
今までのように。
遠くから、見て見ぬ振り…してくれてたら!」
「後悔してるか?」
「…っズ。
してないから、困るんです!
父が生きてたら…こんな風に、過ごせていたのかも。
そう思ってしまう自分も嫌だ。
弱くなりそうで。
嫌いに、なれたら…
どんなに…よかったか。
こんなに泣くことなんて、なかったのに!」
「…それは父として好いてくれていると思っていいのか?」
涙を指で拭われ、慰めるように頭を撫でられていたロイは瞬きする。
一瞬目を見開いて分かりやすく頬を赤らめるロイに閣下は苦笑いした。
「普通、聞きます?」
「…すまない。
いや、思わずな」
隠すようにロイは閣下の胸に顔を埋めて自分でも何してんだとため息をつく。
「…屋敷でもその格好でも軍刀を持ち歩いているので?」
「あぁ、一応な」
「私が触れても動かずに叱らないのですか?」
「君は悪さはしないからね」
クスクスと笑ってロイは軍刀から手を離した。