第42話
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エドを連れて執務室に行き、ロイは自分の席に座る。
「それで?」
「あのなぁ…、大総統の前で言えるかよ!」
「おや、罪でも犯したか?」
「そんな訳…っ」
エドの脳裏には建物など破壊した数日前の出来事が浮かんだ。
「…鋼の」
「な、何だよ」
「そういうとこは子供らしいと言うべきか?
素直過ぎるのも問題だぞ。
犯人を捕まえるとは言え、建物を破壊するのはやり過ぎだ」
「それは…っ」
「君は“国家錬金術師”だ」
「分かってるよ!」
「やれやれ。
何度破壊するんだか」
「…悪いとは思ってるよ」
不貞腐れたようなエドの表情にロイは微かに笑みを浮かべる。
「まぁ、無駄とは言えないが。
君はどうしてこうトラブルに巻き込まれるのかな」
「…それは俺も知りてぇよ」
「受理はしてあげよう。
もう少し細かく書きなさい」
「いでっ!
面倒なんだって」
「それも“仕事”だ」
「ふぁ〜い」
エドを書類で軽く叩き、サインと印を押して手渡す。
「珈琲くらいは淹れてやるが?」
「誰があんたと飲むかよ。
アルも待っているし」
「おや、それは残念だ。
セルシアが焼いてくれたお菓子があるんだが」
クルリとエドは黙って戻るとソファに座った。
「くくっ、分かりやすいな」
「悪いかよ」
「いいや?
君らしいな。
閣下も珈琲でよろしいですか?」
「あぁ、それで構わんよ」
「…珈琲以外もあんの?」
「紅茶とハーブティーもある」
「喫茶店かよ」
「ホットミルクもあるぞ」
「珈·琲·で!」
ロイは楽しそうに笑いながら向かい、エドがため息をつく。
「熱いから気をつけろよ」
「わかってるよ」
「閣下、砂糖はあまり入れすぎないように。
奥様に叱られますよ」
「…うむ」
「どっちが上なんだか」
「しっかりした息子だろう?」
「閣下!」
流石のロイもエドの前で頭を撫でられるのは気恥ずかしいようだ。
「それで?」
「ん…?」
「俺を引き止めたってことは依頼があるんだろ」
「いいや?」
「はあぁ!?」
ロイは瞬きし、エドの反応にクスクスと笑う。
「そう騒ぐな。
君が各地をウロチョロしてるから」
「ウロチョロって!」
「ウィンリィが私宛に送って来た。
急ぎの手紙ではないが、返事してやりなさい」
「…マジかよ。
何なんだよ、アイツは」
「鋼の、女の子にアイツ呼びは感心しないな」
「あんたに関係…、なくはないけど」
関係ないと言おうとしてエドは親子関係のロイとウィンリィに不満顔だ。
「ウィンリィ、あんたに相談してんの?」
「…そうだな。
職業のことを詳しくは知らないが、少なくてもウィンリィや君達より外のことを知っている。
悔しかったら視野を広く保ちなさい」
「はぁ?」
「目の前のことだけではない。
君はどうやら目の前のことしか見えないからね」
「結局、説教かよ」
「そう思いたいのならそれで構わん」
エドが不満そうな顔をしていてロイは微かに笑う。
エドが執務室から出ると閣下は微かに笑いながら近づく。
「アレを説教と思うとは、やはりまだ子供だな」
「…閣下」
「それが分かれば、もっと成長が出来ているのでは?
アドバイスと思わないとは」
「それでいいんですよ」
「君は器用なのか、不器用なのか分からんな」
閣下に頭を撫でられてロイは苦笑いしてしまう。
「大将、それはさ」
「俺でも分かるけどな」
「何だよ?」
「エドワードくん。
それは普通に考えてアドバイスよ」
「はあぁ?」
「視野を広く持てって。
犯人の捕まえ方を工夫しろってことだろう?」
「おまえさん、妙なとこて子供だな」
「ヒューズ中佐!」
「まぁ、ロイは誤解されやすいが。
今回に限ってはなぁ…」
「普通にアドバイス、ですよね」
「マジかよ!」
頭を抱えるエドにヒューズ達は小さく笑っていた。
「失礼しま〜す。
兄さん、用事は終わったの?」
「…アル。
俺って鈍感?」
「え?
今更でしょ?」
((…トドメを刺した))
撃沈したエドに首を傾げつつ、アルは引きずって帰る。
どっちが兄なんだと苦笑いしながらも見守った。
『中央に引っ越してきてから、こういう時間はあまりなかったですね』
「そうだったな」
『カフェでのんびり過ごして。
美術館に行って。
そんなものが贅沢と思えるとは』
「君がしたいことはないのか?
私の行きたいとこだろう?」
『それが私の願いですよ。
ロイさんの行きたい所に2人で行ければ、満足です』
苦笑いしながらロイはセルシアの髪に触れる。
『私はロイが楽しいなら、それだけで幸せですよ』
「…やれやれ」
『こういう過ごし方が幸せですよ』
ロイの手を包むように握ると嬉しそうに微笑んだ。
『ロイさんが居た頃よりも変わっているんですよ。
ゆっくり歩き回れることなんてなかったでしょう?』
「うわ…っ」
セルシアに手を引かれて驚きながらも一緒に走る。
「噴水なんてあったか?
記憶が曖昧になっているな」
『数年前に出来たらしいです』
公園のベンチに座ってロイは空を見上げて息を吐いた。
『疲れました?』
「いや…、空を見上げたのも久しいなと思ってね」
『たまには歩みを止めるのも必要ですよ』
「…そうだな」
ふわりと微笑んでロイは空を見上げ、肩の力を抜けた。
『今くらい、何も考えなくても罰が当たりませんよ。
いつも前を向いてなくても良いんですから』
「…ん」
ロイは腕を組んでセルシアの肩に寄り掛かった。
「遠出は出来ないが。
こんなものでよかったのか?」
『ロイさんはつまらないですか?』
「そんなことない」
『私も同じです』
散歩しながらも喫茶店や美術館などのんびりと過ごしていた。
「それで?」
「あのなぁ…、大総統の前で言えるかよ!」
「おや、罪でも犯したか?」
「そんな訳…っ」
エドの脳裏には建物など破壊した数日前の出来事が浮かんだ。
「…鋼の」
「な、何だよ」
「そういうとこは子供らしいと言うべきか?
素直過ぎるのも問題だぞ。
犯人を捕まえるとは言え、建物を破壊するのはやり過ぎだ」
「それは…っ」
「君は“国家錬金術師”だ」
「分かってるよ!」
「やれやれ。
何度破壊するんだか」
「…悪いとは思ってるよ」
不貞腐れたようなエドの表情にロイは微かに笑みを浮かべる。
「まぁ、無駄とは言えないが。
君はどうしてこうトラブルに巻き込まれるのかな」
「…それは俺も知りてぇよ」
「受理はしてあげよう。
もう少し細かく書きなさい」
「いでっ!
面倒なんだって」
「それも“仕事”だ」
「ふぁ〜い」
エドを書類で軽く叩き、サインと印を押して手渡す。
「珈琲くらいは淹れてやるが?」
「誰があんたと飲むかよ。
アルも待っているし」
「おや、それは残念だ。
セルシアが焼いてくれたお菓子があるんだが」
クルリとエドは黙って戻るとソファに座った。
「くくっ、分かりやすいな」
「悪いかよ」
「いいや?
君らしいな。
閣下も珈琲でよろしいですか?」
「あぁ、それで構わんよ」
「…珈琲以外もあんの?」
「紅茶とハーブティーもある」
「喫茶店かよ」
「ホットミルクもあるぞ」
「珈·琲·で!」
ロイは楽しそうに笑いながら向かい、エドがため息をつく。
「熱いから気をつけろよ」
「わかってるよ」
「閣下、砂糖はあまり入れすぎないように。
奥様に叱られますよ」
「…うむ」
「どっちが上なんだか」
「しっかりした息子だろう?」
「閣下!」
流石のロイもエドの前で頭を撫でられるのは気恥ずかしいようだ。
「それで?」
「ん…?」
「俺を引き止めたってことは依頼があるんだろ」
「いいや?」
「はあぁ!?」
ロイは瞬きし、エドの反応にクスクスと笑う。
「そう騒ぐな。
君が各地をウロチョロしてるから」
「ウロチョロって!」
「ウィンリィが私宛に送って来た。
急ぎの手紙ではないが、返事してやりなさい」
「…マジかよ。
何なんだよ、アイツは」
「鋼の、女の子にアイツ呼びは感心しないな」
「あんたに関係…、なくはないけど」
関係ないと言おうとしてエドは親子関係のロイとウィンリィに不満顔だ。
「ウィンリィ、あんたに相談してんの?」
「…そうだな。
職業のことを詳しくは知らないが、少なくてもウィンリィや君達より外のことを知っている。
悔しかったら視野を広く保ちなさい」
「はぁ?」
「目の前のことだけではない。
君はどうやら目の前のことしか見えないからね」
「結局、説教かよ」
「そう思いたいのならそれで構わん」
エドが不満そうな顔をしていてロイは微かに笑う。
エドが執務室から出ると閣下は微かに笑いながら近づく。
「アレを説教と思うとは、やはりまだ子供だな」
「…閣下」
「それが分かれば、もっと成長が出来ているのでは?
アドバイスと思わないとは」
「それでいいんですよ」
「君は器用なのか、不器用なのか分からんな」
閣下に頭を撫でられてロイは苦笑いしてしまう。
「大将、それはさ」
「俺でも分かるけどな」
「何だよ?」
「エドワードくん。
それは普通に考えてアドバイスよ」
「はあぁ?」
「視野を広く持てって。
犯人の捕まえ方を工夫しろってことだろう?」
「おまえさん、妙なとこて子供だな」
「ヒューズ中佐!」
「まぁ、ロイは誤解されやすいが。
今回に限ってはなぁ…」
「普通にアドバイス、ですよね」
「マジかよ!」
頭を抱えるエドにヒューズ達は小さく笑っていた。
「失礼しま〜す。
兄さん、用事は終わったの?」
「…アル。
俺って鈍感?」
「え?
今更でしょ?」
((…トドメを刺した))
撃沈したエドに首を傾げつつ、アルは引きずって帰る。
どっちが兄なんだと苦笑いしながらも見守った。
『中央に引っ越してきてから、こういう時間はあまりなかったですね』
「そうだったな」
『カフェでのんびり過ごして。
美術館に行って。
そんなものが贅沢と思えるとは』
「君がしたいことはないのか?
私の行きたいとこだろう?」
『それが私の願いですよ。
ロイさんの行きたい所に2人で行ければ、満足です』
苦笑いしながらロイはセルシアの髪に触れる。
『私はロイが楽しいなら、それだけで幸せですよ』
「…やれやれ」
『こういう過ごし方が幸せですよ』
ロイの手を包むように握ると嬉しそうに微笑んだ。
『ロイさんが居た頃よりも変わっているんですよ。
ゆっくり歩き回れることなんてなかったでしょう?』
「うわ…っ」
セルシアに手を引かれて驚きながらも一緒に走る。
「噴水なんてあったか?
記憶が曖昧になっているな」
『数年前に出来たらしいです』
公園のベンチに座ってロイは空を見上げて息を吐いた。
『疲れました?』
「いや…、空を見上げたのも久しいなと思ってね」
『たまには歩みを止めるのも必要ですよ』
「…そうだな」
ふわりと微笑んでロイは空を見上げ、肩の力を抜けた。
『今くらい、何も考えなくても罰が当たりませんよ。
いつも前を向いてなくても良いんですから』
「…ん」
ロイは腕を組んでセルシアの肩に寄り掛かった。
「遠出は出来ないが。
こんなものでよかったのか?」
『ロイさんはつまらないですか?』
「そんなことない」
『私も同じです』
散歩しながらも喫茶店や美術館などのんびりと過ごしていた。