第42話
夢小説設定
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胃痛から復活したロイは机に向かい、書類を手にした。
「君、書類が苦手なんだろう?」
「あのような大量の書類は苦手です。
必要ない書類なら尚更でしょう?」
「それも“設定”かね?」
「またくだらない理由で左遷は勘弁して欲しいものです。
男の嫉妬も醜いんですよ、閣下」
微かに笑みを浮かべてロイは万年筆を置いた。
「どうした?」
「ずっと有給、取ってないんですよ。
セルシアも私も」
「書類をしてたのはそれが理由か」
「2日間の休みをください。
旅行には行きませんから」
閣下の後ろから抱きついておねだりしているロイに補佐官はため息をつく。
「父様、お願いします」
「…そういう甘えは予想外だな」
「こうでもしないと邪魔されて有給が取れないんですよ。
多忙だったのもありますが」
「う〜む…」
「今度の休みに泊まりに行きます。
晩酌も付き合います」
「よかろう」
有給要請の書類に閣下のサインを貰ってロイは微笑む。
「ありがとうございます!
すぐに提出して来ます」
パッと離れて書類を手にするロイに閣下は苦笑いする。
「こんな忙しい時に2人揃って有給と良い身分だな、国家錬金術師殿は。
昇進しても分かるだろう、マスタング中将?」
「これは無効で構わないね?」
(…今はそこまで忙しくないのにな。
ヤバイ奴等に見つかった。
どうやって抜け出すべきか)
将軍に馴れ馴れしく肩を抱かれ、不快感を感じながらも表情には出さない。
「私のサインでも有給要請が無効なのは初耳だな」
「「閣下!」」
ロイから奪った有給要請の書類には閣下のサインと印があった。
「ロイもリーゼル大佐も有給を取ってないから私が2人に有給を取るように言ったのだが、何か問題があるかね」
「あっ、いえ…」
「それでしたら…、はい」
「いつまでも馴れ馴れしくロイの肩を抱いている?
私の息子に何をしている?」
閣下の圧に将軍達は慌てたように逃げて行く。
「君、もう1人で出歩くな」
「やれやれ。
遅いから様子を見に来てよかった」
閣下は将軍が触れていたロイの肩をポンポンと汚れを落とすように叩く。
「マスタング中将!」
「…中尉」
「あれ程、1人で出歩かないようにと言ったじゃないですか。
必要な時はお呼びください。
今は将軍達は気が立っているんですから
。
自覚なさってください」
「すまなかった」
駆けつけた中尉に叱られてロイは肩を竦めて苦笑いする。
ロイは足音に気がついて微かに笑みを浮かべて振り向いた。
『マスタング中将。
誰を吹き飛ばしましょうか?
それとも、マスタング中将以外の将軍ですか?』
「やめてくれ。
解決したから気にするな。
それよりも、有給を頂いた。
中央からは出れないが」
『ふふっ、それは楽しみですね』
セルシアは甘えるようにロイの首に抱きついた。
「あまり遠くには出歩かないようにしてください。
夜遅くの外出は控えるようにして頂けると」
「…分かってるよ」
苦笑いしてロイは中尉の肩をポンポンと叩いた。
「リーゼル大佐。
執務室に戻りますよ」
『せっかく会えたのに』
「有給なら必要な書類は終わらせてください」
中尉に半ば強引に引き剥がされて不満そうな様子にロイは苦笑いする。
『マスタング中将。
失礼します』
「なん…っ」
一瞬の隙でグイッとロイの唇にキスし、ロイは瞬きする。
『これで頑張れます。
では、失礼します』
「リーゼル大佐!
こんな人前で。
マスタング中将、口紅が付いていますから」
「…ん」
中尉に渡されたハンカチで唇を拭い、ロイは苦笑いする。
「セルシアは今日も元気だな」
「えぇ、元気過ぎるくらいです」
「くくっ…ご苦労さん」
ため息をついて敬礼して去って行く中尉にロイは楽しそうに笑う。
「リザちゃんをリーゼル大佐に取られちまったみたいだな」
「ヒューズ、誤解を招くような言い方をするな。
中尉なら安心して任せられるよ」
「では、私はリーゼル大佐やホークアイ中尉から君を奪ってしまったかな」
閣下に肩を抱かれてロイは苦笑いしてしまう。
「私の隊は強いとはまだ言えませんが、それでも私が居なくても離れても中尉だけではなく、誰1人として恥ずかしくない者です。
決して諦めはしない。
私がそう教育して来ましたから。
まだ完璧とは言えない未熟な面もありますが、彼等が成長する姿を見るのも悪くない。
私から離れても、私が居なくなっても生きていけるように」
いつか平和になってロイは戦争の時の罪から逃れようとはせず、受け入れるつもりなのたろう。
「その時は私も一緒だな」
「何を…っ」
「おまえさんだけで行かすかよ」
閣下とヒューズには言葉の意味が伝わったのだろう。
「何をするんだ!」
「そうやって生きろよ。
部下達が諦めないのならば、おまえさんも諦めんな。
それが部下達の生きる気力だ。
勝手に居なくなっては失礼だろう?
あんな個性的な奴等、おまえさん以外に誰がまとめられるんだよ」
「ふはっ!
確かに、それは難しいな」
ヒューズにくしゃっと頭を撫でられてロイは微かに笑う。
「君、書類が苦手なんだろう?」
「あのような大量の書類は苦手です。
必要ない書類なら尚更でしょう?」
「それも“設定”かね?」
「またくだらない理由で左遷は勘弁して欲しいものです。
男の嫉妬も醜いんですよ、閣下」
微かに笑みを浮かべてロイは万年筆を置いた。
「どうした?」
「ずっと有給、取ってないんですよ。
セルシアも私も」
「書類をしてたのはそれが理由か」
「2日間の休みをください。
旅行には行きませんから」
閣下の後ろから抱きついておねだりしているロイに補佐官はため息をつく。
「父様、お願いします」
「…そういう甘えは予想外だな」
「こうでもしないと邪魔されて有給が取れないんですよ。
多忙だったのもありますが」
「う〜む…」
「今度の休みに泊まりに行きます。
晩酌も付き合います」
「よかろう」
有給要請の書類に閣下のサインを貰ってロイは微笑む。
「ありがとうございます!
すぐに提出して来ます」
パッと離れて書類を手にするロイに閣下は苦笑いする。
「こんな忙しい時に2人揃って有給と良い身分だな、国家錬金術師殿は。
昇進しても分かるだろう、マスタング中将?」
「これは無効で構わないね?」
(…今はそこまで忙しくないのにな。
ヤバイ奴等に見つかった。
どうやって抜け出すべきか)
将軍に馴れ馴れしく肩を抱かれ、不快感を感じながらも表情には出さない。
「私のサインでも有給要請が無効なのは初耳だな」
「「閣下!」」
ロイから奪った有給要請の書類には閣下のサインと印があった。
「ロイもリーゼル大佐も有給を取ってないから私が2人に有給を取るように言ったのだが、何か問題があるかね」
「あっ、いえ…」
「それでしたら…、はい」
「いつまでも馴れ馴れしくロイの肩を抱いている?
私の息子に何をしている?」
閣下の圧に将軍達は慌てたように逃げて行く。
「君、もう1人で出歩くな」
「やれやれ。
遅いから様子を見に来てよかった」
閣下は将軍が触れていたロイの肩をポンポンと汚れを落とすように叩く。
「マスタング中将!」
「…中尉」
「あれ程、1人で出歩かないようにと言ったじゃないですか。
必要な時はお呼びください。
今は将軍達は気が立っているんですから
。
自覚なさってください」
「すまなかった」
駆けつけた中尉に叱られてロイは肩を竦めて苦笑いする。
ロイは足音に気がついて微かに笑みを浮かべて振り向いた。
『マスタング中将。
誰を吹き飛ばしましょうか?
それとも、マスタング中将以外の将軍ですか?』
「やめてくれ。
解決したから気にするな。
それよりも、有給を頂いた。
中央からは出れないが」
『ふふっ、それは楽しみですね』
セルシアは甘えるようにロイの首に抱きついた。
「あまり遠くには出歩かないようにしてください。
夜遅くの外出は控えるようにして頂けると」
「…分かってるよ」
苦笑いしてロイは中尉の肩をポンポンと叩いた。
「リーゼル大佐。
執務室に戻りますよ」
『せっかく会えたのに』
「有給なら必要な書類は終わらせてください」
中尉に半ば強引に引き剥がされて不満そうな様子にロイは苦笑いする。
『マスタング中将。
失礼します』
「なん…っ」
一瞬の隙でグイッとロイの唇にキスし、ロイは瞬きする。
『これで頑張れます。
では、失礼します』
「リーゼル大佐!
こんな人前で。
マスタング中将、口紅が付いていますから」
「…ん」
中尉に渡されたハンカチで唇を拭い、ロイは苦笑いする。
「セルシアは今日も元気だな」
「えぇ、元気過ぎるくらいです」
「くくっ…ご苦労さん」
ため息をついて敬礼して去って行く中尉にロイは楽しそうに笑う。
「リザちゃんをリーゼル大佐に取られちまったみたいだな」
「ヒューズ、誤解を招くような言い方をするな。
中尉なら安心して任せられるよ」
「では、私はリーゼル大佐やホークアイ中尉から君を奪ってしまったかな」
閣下に肩を抱かれてロイは苦笑いしてしまう。
「私の隊は強いとはまだ言えませんが、それでも私が居なくても離れても中尉だけではなく、誰1人として恥ずかしくない者です。
決して諦めはしない。
私がそう教育して来ましたから。
まだ完璧とは言えない未熟な面もありますが、彼等が成長する姿を見るのも悪くない。
私から離れても、私が居なくなっても生きていけるように」
いつか平和になってロイは戦争の時の罪から逃れようとはせず、受け入れるつもりなのたろう。
「その時は私も一緒だな」
「何を…っ」
「おまえさんだけで行かすかよ」
閣下とヒューズには言葉の意味が伝わったのだろう。
「何をするんだ!」
「そうやって生きろよ。
部下達が諦めないのならば、おまえさんも諦めんな。
それが部下達の生きる気力だ。
勝手に居なくなっては失礼だろう?
あんな個性的な奴等、おまえさん以外に誰がまとめられるんだよ」
「ふはっ!
確かに、それは難しいな」
ヒューズにくしゃっと頭を撫でられてロイは微かに笑う。