第42話
夢小説設定
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頭を撫でる手の感覚に目が覚め、ロイは瞬きする。
「閣下…?」
「すまない、起こしたか?
こんなに君を悩ますつもりはなかったんだが。
補佐官にも当たり前だと呆れられ、叱られたよ」
「…閣下」
「妻にも叱られたし、君を守ろうと思ったんだが。
極端過ぎてしまったな。
だが、溺愛だけで階級を上げる程に私は馬鹿ではないぞ」
「…2階級も昇進させる馬鹿ではありますけどね」
「君の不満は受け入れよう」
ロイは起き上がって座り直し、閣下を見つめる。
「貴方が私を裏切るまで?」
「…ロイ」
「ふふっ、意地悪が過ぎました。
私は貴方を裏切るなら裏切られた方がいい」
「君は裏切るなんて出来るタイプではないよ」
「信頼し過ぎですよ。
私だって汚い面もあります」
「将軍等に比較すれば、そんなものは汚い面とは言わんよ」
「まるで知っているような言い方ですね」
「どうだろうな」
「相変わらず、読めない人ですね」
「…もういいのか?」
「部下だけに任せる訳にはいきませんから。
もう大丈夫です」
立ち上がってロイは軍服を着て鏡の前で髪を直す。
「軍服を直してもらいなさい。
今日はそのままで構わないから」
「…はい」
「大総統府に移動して来なさい。
準備もあるだろうが、出来るだけ早くおいで」
「在籍だけではないのですか」
「元々、君の席は用意してあるだろう?」
「そうですが…」
「将軍の執務室もほとんど使ってないだろう?
部下達と同じ執務室を使っていたようだし」
「落ち着かないんですよ」
「まったく、君は」
「すみません」
寒い時や将軍だけの仕事の時に将軍の執務室に移動するだけだった。
「マスタング将軍。
大丈夫ですか?
今日は事件も少ないですし、早退しても…」
「中尉、大丈夫だ。
セルシアに直接伝えたいから定時には帰れるようにしてくれると助かる」
「承知しました」
ロイは積まれていた書類が減っていることに気がついた。
「将軍の部下達が引き取りに来ましたよ」
「何故?」
「そりゃ、上官になった人にこんな幼稚な嫌がらせが出来ないでしょう?
今頃は不安に駆られているなら可愛いもんっスけど」
「あの人達がそんな可愛いはずないだろ、ブレダ。
どうせ妬んで新たな嫌がらせが出来ないように企んでるだろ」
「ハボック少佐!」
「へい、すいません」
中尉に叱られたハボックにロイは苦笑いして席に戻る。
見覚えのないシンプルにラッピングされている小さな箱にロイは瞬きする。
「昇進のお祝いです。
お祝いしてあげないと、せっかくの昇進が嫌な思い出になってしまうでしょう?」
「中尉が?」
「…はい。
リーゼル大佐よりもお祝いを渡すのは迷いましたか。
むしろ、お祝いしないことに叱られそうだなと」
「…そうだな。
ありがとう、中尉」
「いいえ。
ささやかなものですが」
「気持ちが嬉しいよ」
「マスタング将軍のお祝いをしないなんてありえない!って感じですから」
「お祝いのパーティーは改めてしましょうや、マスタング将軍の奢りで」
「ふはっ!
私の奢りなのか」
ロイの笑顔に中尉達は安堵し、大丈夫そうだなと確信する。
「中尉程のものはあげれませんが。
はい、俺の愛用の煙草です。
まだ手付けてませんよ」
「給料前なんでコレで勘弁してください
」
「私はこれを…」
「僕からもよかったら」
部下達からの値段は安くてもプレゼントが嬉しかった。
「ハボック、煙草はどうかと思うぞ」
「おまえらも似たようなもんだろ」
「急だったし、仕方ないだろ」
「ハボック少佐よりはマシですよ」
「ははっ、ハボックらしくていいさ。
ありがとう」
楽しそうに笑うロイに瞬きしながらも中尉達は嬉しそうに笑う。
珍しく中尉も柔らかな微笑みを浮かべていた。
「楽しそうなことしてんじゃん。
俺も混ぜてくれよ!」
「うわ…っ」
後ろから現れたヒューズに肩を抱かれ、ロイは呆れ顔。
「はい、これは俺からな」
「えっ?」
「今度また食べに来いよ」
「…ん。
ありがとう」
「おや、珍しい」
「プレゼントを貰ってお礼を言わないことはない。
使うかは別だけれど」
ヒューズからのプレゼントは写真の入っていないアルバムだった。
「ここに沢山の思い出と共に写真を入れるんだよ。
悲しいことも傷つくことがあっても後悔しない人生を生きろ」
「…分かってるよ」
ため息をつくロイにヒューズは苦笑いし、ポンポンと肩を叩く。
「ロイ。
居るかね?」
「閣下、ノックと同時に入って来ては意味がありませんが」
「それはすまないね。
荷物は部下達に任せてもいいから先に来なさい」
「ちょ…っ、書類もあるのですが」
「…あとで届けます。
荷物は指示をしてもらえれば」
「とりあえず、私の荷物はまとめといてくれ。
あとで運ぶから」
「承知しました」
半ば閣下に引きずられるようにロイは腕を引かれて行く様子に中尉達は苦笑いする。
「閣下…?」
「すまない、起こしたか?
こんなに君を悩ますつもりはなかったんだが。
補佐官にも当たり前だと呆れられ、叱られたよ」
「…閣下」
「妻にも叱られたし、君を守ろうと思ったんだが。
極端過ぎてしまったな。
だが、溺愛だけで階級を上げる程に私は馬鹿ではないぞ」
「…2階級も昇進させる馬鹿ではありますけどね」
「君の不満は受け入れよう」
ロイは起き上がって座り直し、閣下を見つめる。
「貴方が私を裏切るまで?」
「…ロイ」
「ふふっ、意地悪が過ぎました。
私は貴方を裏切るなら裏切られた方がいい」
「君は裏切るなんて出来るタイプではないよ」
「信頼し過ぎですよ。
私だって汚い面もあります」
「将軍等に比較すれば、そんなものは汚い面とは言わんよ」
「まるで知っているような言い方ですね」
「どうだろうな」
「相変わらず、読めない人ですね」
「…もういいのか?」
「部下だけに任せる訳にはいきませんから。
もう大丈夫です」
立ち上がってロイは軍服を着て鏡の前で髪を直す。
「軍服を直してもらいなさい。
今日はそのままで構わないから」
「…はい」
「大総統府に移動して来なさい。
準備もあるだろうが、出来るだけ早くおいで」
「在籍だけではないのですか」
「元々、君の席は用意してあるだろう?」
「そうですが…」
「将軍の執務室もほとんど使ってないだろう?
部下達と同じ執務室を使っていたようだし」
「落ち着かないんですよ」
「まったく、君は」
「すみません」
寒い時や将軍だけの仕事の時に将軍の執務室に移動するだけだった。
「マスタング将軍。
大丈夫ですか?
今日は事件も少ないですし、早退しても…」
「中尉、大丈夫だ。
セルシアに直接伝えたいから定時には帰れるようにしてくれると助かる」
「承知しました」
ロイは積まれていた書類が減っていることに気がついた。
「将軍の部下達が引き取りに来ましたよ」
「何故?」
「そりゃ、上官になった人にこんな幼稚な嫌がらせが出来ないでしょう?
今頃は不安に駆られているなら可愛いもんっスけど」
「あの人達がそんな可愛いはずないだろ、ブレダ。
どうせ妬んで新たな嫌がらせが出来ないように企んでるだろ」
「ハボック少佐!」
「へい、すいません」
中尉に叱られたハボックにロイは苦笑いして席に戻る。
見覚えのないシンプルにラッピングされている小さな箱にロイは瞬きする。
「昇進のお祝いです。
お祝いしてあげないと、せっかくの昇進が嫌な思い出になってしまうでしょう?」
「中尉が?」
「…はい。
リーゼル大佐よりもお祝いを渡すのは迷いましたか。
むしろ、お祝いしないことに叱られそうだなと」
「…そうだな。
ありがとう、中尉」
「いいえ。
ささやかなものですが」
「気持ちが嬉しいよ」
「マスタング将軍のお祝いをしないなんてありえない!って感じですから」
「お祝いのパーティーは改めてしましょうや、マスタング将軍の奢りで」
「ふはっ!
私の奢りなのか」
ロイの笑顔に中尉達は安堵し、大丈夫そうだなと確信する。
「中尉程のものはあげれませんが。
はい、俺の愛用の煙草です。
まだ手付けてませんよ」
「給料前なんでコレで勘弁してください
」
「私はこれを…」
「僕からもよかったら」
部下達からの値段は安くてもプレゼントが嬉しかった。
「ハボック、煙草はどうかと思うぞ」
「おまえらも似たようなもんだろ」
「急だったし、仕方ないだろ」
「ハボック少佐よりはマシですよ」
「ははっ、ハボックらしくていいさ。
ありがとう」
楽しそうに笑うロイに瞬きしながらも中尉達は嬉しそうに笑う。
珍しく中尉も柔らかな微笑みを浮かべていた。
「楽しそうなことしてんじゃん。
俺も混ぜてくれよ!」
「うわ…っ」
後ろから現れたヒューズに肩を抱かれ、ロイは呆れ顔。
「はい、これは俺からな」
「えっ?」
「今度また食べに来いよ」
「…ん。
ありがとう」
「おや、珍しい」
「プレゼントを貰ってお礼を言わないことはない。
使うかは別だけれど」
ヒューズからのプレゼントは写真の入っていないアルバムだった。
「ここに沢山の思い出と共に写真を入れるんだよ。
悲しいことも傷つくことがあっても後悔しない人生を生きろ」
「…分かってるよ」
ため息をつくロイにヒューズは苦笑いし、ポンポンと肩を叩く。
「ロイ。
居るかね?」
「閣下、ノックと同時に入って来ては意味がありませんが」
「それはすまないね。
荷物は部下達に任せてもいいから先に来なさい」
「ちょ…っ、書類もあるのですが」
「…あとで届けます。
荷物は指示をしてもらえれば」
「とりあえず、私の荷物はまとめといてくれ。
あとで運ぶから」
「承知しました」
半ば閣下に引きずられるようにロイは腕を引かれて行く様子に中尉達は苦笑いする。