第42話
夢小説設定
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閣下の屋敷には1日滞在予定だったが、事件なども重なってセルシアが代理で行っていて帰れなくなって延長になった。
(正装や私服、ネックレスも私が好きなブランドものばかり揃えられているのは恐ろしいな。
まぁ、補佐官が調べたんだろうけど。
チェスを始めた娯楽もあるし。
…避妊具まで用意しないでください。
流石の私でも閣下の屋敷でする訳がないでしょう。
見なかったことにしよう。
セリムお坊ちゃまが開けたらどうするんだろう)
避妊具の入っている引き出しに錬金術で鍵を装着した。
「ロイ、起きていたか。
熱は少し下がったか。
そんな薄着でいては悪化するぞ」
上着を肩に掛けられてロイは苦笑いしていた。
(みんなに会わないように、わざとさせられているのではないだろうか。
人質になったような気分だ。
こんな待遇される人質は居ないが)
栄養があるからと高級な果物まで食べさせられていて苦笑いするしかない。
「また痩せただろう?
忙しさもあったんだろうに。
気づかなくてすまなかった」
「そんな…っ」
「君は平気そうな顔でしてしまうからね。
仕事量が多いなら言いなさい。
将軍達の前で言わなくていいから」
「そう言っても私以外には…」
「それを躾けるのが私の役目だ」
(躾けると言いましたが)
ズキズキと痛む頭にロイは微かに顔を歪める。
「大丈夫?
貴方、仕事の話は…」
「すまない。
頭痛は酷いのか?」
「…大丈夫です」
「少し熱が上がって来たのかもしれないわ。
部屋で休みなさい」
「もう十分な程に休んでます」
ロイは閣下の奥様にまで最近は溺愛されつつある。
「無理に休むことはない。
ここは日差しが当たるし、少しなら居てもいいさ」
「部屋で十分ですよ」
「ずっと部屋にいるのは暇だろう」
「大丈夫です。
頭痛はしますが、書類くらいなら出来ますよ」
「まだ熱があるのに何を言ってる。
今休まないと悪化するぞ」
「…はい」
閣下が叱られてしまうのでロイはそれ以上は言えない。
(まさか5日間もいるようになるとは。
何があったんだろうか)
熱が下がっても様子を見ると言われて帰してもらえなかった。
(書類は溜まっているが、東方司令部に比べたら…)
担当していた雑用の仕事が減っていてロイは首を傾げる。
「マスタング将軍。
今日から復帰でしたね。
おはようございます」
「中尉、おはよう。
迷惑掛けてすまなかった」
「あの仕事の量ですから。
いつ倒れてもおかしくありませんでした。
もう少し私が配慮すべきでした」
「いや、中尉は悪くないさ。
気にしないでくれ」
中尉の肩をポンポンと軽く叩き、慰めていた。
報告書を読んだロイはまたしても破壊した鋼の錬金術師に深いため息をつく。
「エドワードくんですか?」
「…勘弁して欲しいものだ」
「まぁ、それがなければ大将じゃないですからね」
「否定は出来んな」
真面目な姿は違和感がありすぎてロイは苦笑いする。
「復帰初日に軍議とは大変っスね」
「書類はこちらに。
確認をお願いします」
「ありがとう。
問題ないよ」
中尉に渡された軍議に必要な書類を確認する。
「すれ違いですね。
やっと会えるのに!と言いながらリーゼル大佐は帰って行きましたから」
「仕方ないさ。
私の代わりに頑張ってくれてたし」
「そうですね。
帰ったら甘やかしてあげてください」
「あぁ、そうするよ」
「何人か吹き飛ばしてましたよ」
「将軍達ではありませんが」
「ははっ…やはり、そうなったか」
安易に想像がついてロイは苦笑いしながら立ち上がる。
「今日は閣下のお迎えが遅いっスね」
「毎回来る訳ではないだろう。
あれでも閣下は忙しいのだから」
「寂しいですか?」
「…馬鹿者」
からかったハボックにロイはため息をつき、書類で頭を叩いた。
「おまえは毎回ながら一言どころか、余計な言葉が多いんだよ」
「マスタング将軍、そろそろ時間ですから」
「あぁ、行こうか」
軍議には参加が出来ずとも会議室までは補佐官と共に行く。
それはロイだけではなく、ほかの将軍達も閣下も変わりない。
(…あのような会話をしてしまったから迎えに来なかったんだろうか。
それはないか。
屋敷では変わった様子もなかったし。
気づかなかったのかもしれないが。
それでは私が閣下の迎えを待っているみたいではないか。
これも慣れてしまったな)
自分の思考に呆れてしまって小さくため息をつく。
「マスタング将軍。
やはり、まだ体調が?」
「そんなことはない。
大丈夫だ。
少し考え事をしていただけだ」
「…そうですか」
深く追求しない中尉にロイは微かに笑い、切り替えなくてはならないなと頷いた。
「それでは、行って来る」
「…はい。
お気をつけて」
ノックして会議室に入って行くロイに中尉は心配そうに見つめ、扉が閉まるまでそこに居た。
この扉がもどかしくて、階級が恨めしく思うこともあった。
階級が上がれば傍に居れないが、それでも今よりも守れるのではないかと悩んでいた時期もあった。
(正装や私服、ネックレスも私が好きなブランドものばかり揃えられているのは恐ろしいな。
まぁ、補佐官が調べたんだろうけど。
チェスを始めた娯楽もあるし。
…避妊具まで用意しないでください。
流石の私でも閣下の屋敷でする訳がないでしょう。
見なかったことにしよう。
セリムお坊ちゃまが開けたらどうするんだろう)
避妊具の入っている引き出しに錬金術で鍵を装着した。
「ロイ、起きていたか。
熱は少し下がったか。
そんな薄着でいては悪化するぞ」
上着を肩に掛けられてロイは苦笑いしていた。
(みんなに会わないように、わざとさせられているのではないだろうか。
人質になったような気分だ。
こんな待遇される人質は居ないが)
栄養があるからと高級な果物まで食べさせられていて苦笑いするしかない。
「また痩せただろう?
忙しさもあったんだろうに。
気づかなくてすまなかった」
「そんな…っ」
「君は平気そうな顔でしてしまうからね。
仕事量が多いなら言いなさい。
将軍達の前で言わなくていいから」
「そう言っても私以外には…」
「それを躾けるのが私の役目だ」
(躾けると言いましたが)
ズキズキと痛む頭にロイは微かに顔を歪める。
「大丈夫?
貴方、仕事の話は…」
「すまない。
頭痛は酷いのか?」
「…大丈夫です」
「少し熱が上がって来たのかもしれないわ。
部屋で休みなさい」
「もう十分な程に休んでます」
ロイは閣下の奥様にまで最近は溺愛されつつある。
「無理に休むことはない。
ここは日差しが当たるし、少しなら居てもいいさ」
「部屋で十分ですよ」
「ずっと部屋にいるのは暇だろう」
「大丈夫です。
頭痛はしますが、書類くらいなら出来ますよ」
「まだ熱があるのに何を言ってる。
今休まないと悪化するぞ」
「…はい」
閣下が叱られてしまうのでロイはそれ以上は言えない。
(まさか5日間もいるようになるとは。
何があったんだろうか)
熱が下がっても様子を見ると言われて帰してもらえなかった。
(書類は溜まっているが、東方司令部に比べたら…)
担当していた雑用の仕事が減っていてロイは首を傾げる。
「マスタング将軍。
今日から復帰でしたね。
おはようございます」
「中尉、おはよう。
迷惑掛けてすまなかった」
「あの仕事の量ですから。
いつ倒れてもおかしくありませんでした。
もう少し私が配慮すべきでした」
「いや、中尉は悪くないさ。
気にしないでくれ」
中尉の肩をポンポンと軽く叩き、慰めていた。
報告書を読んだロイはまたしても破壊した鋼の錬金術師に深いため息をつく。
「エドワードくんですか?」
「…勘弁して欲しいものだ」
「まぁ、それがなければ大将じゃないですからね」
「否定は出来んな」
真面目な姿は違和感がありすぎてロイは苦笑いする。
「復帰初日に軍議とは大変っスね」
「書類はこちらに。
確認をお願いします」
「ありがとう。
問題ないよ」
中尉に渡された軍議に必要な書類を確認する。
「すれ違いですね。
やっと会えるのに!と言いながらリーゼル大佐は帰って行きましたから」
「仕方ないさ。
私の代わりに頑張ってくれてたし」
「そうですね。
帰ったら甘やかしてあげてください」
「あぁ、そうするよ」
「何人か吹き飛ばしてましたよ」
「将軍達ではありませんが」
「ははっ…やはり、そうなったか」
安易に想像がついてロイは苦笑いしながら立ち上がる。
「今日は閣下のお迎えが遅いっスね」
「毎回来る訳ではないだろう。
あれでも閣下は忙しいのだから」
「寂しいですか?」
「…馬鹿者」
からかったハボックにロイはため息をつき、書類で頭を叩いた。
「おまえは毎回ながら一言どころか、余計な言葉が多いんだよ」
「マスタング将軍、そろそろ時間ですから」
「あぁ、行こうか」
軍議には参加が出来ずとも会議室までは補佐官と共に行く。
それはロイだけではなく、ほかの将軍達も閣下も変わりない。
(…あのような会話をしてしまったから迎えに来なかったんだろうか。
それはないか。
屋敷では変わった様子もなかったし。
気づかなかったのかもしれないが。
それでは私が閣下の迎えを待っているみたいではないか。
これも慣れてしまったな)
自分の思考に呆れてしまって小さくため息をつく。
「マスタング将軍。
やはり、まだ体調が?」
「そんなことはない。
大丈夫だ。
少し考え事をしていただけだ」
「…そうですか」
深く追求しない中尉にロイは微かに笑い、切り替えなくてはならないなと頷いた。
「それでは、行って来る」
「…はい。
お気をつけて」
ノックして会議室に入って行くロイに中尉は心配そうに見つめ、扉が閉まるまでそこに居た。
この扉がもどかしくて、階級が恨めしく思うこともあった。
階級が上がれば傍に居れないが、それでも今よりも守れるのではないかと悩んでいた時期もあった。