第39話
夢小説設定
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閣下の視線に気づいたヒューズは首を傾げる。
「君は友人だったな」
「はい?
なるほど、ロイですか」
「ロイは誕生日を祝ってもらうのは好きではないのか?」
「まぁ、そうですね。
環境なのか性格なのか分かりませんけど。
人を気遣って自分の評価を低く見すぎる傾向がありますから」
「盛大なパーティーするか」
「多分、それは…」
「嫌われるのがオチですよ。
父様呼びをされなくなるかと」
「それは嫌だ。
却下だな」
「閣下だからこそ贈れるプレゼントがあるのでは?
物にこだわる必要ないかと」
「どういう意味だ?」
「…ウィル・マスタング。
あとは閣下次第です。
それでは、失礼します」
ヒューズは閣下に敬礼して執務室から出ようとする。
「ヒューズ中佐、ありがとう」
「ロイの為ですよ。
閣下でもロイを傷つけたら許しませんからね。
同僚で親友で…、弟みたいな存在ですから。
ロイは上官ではあるんですが」
「傷つけたりしないよ。
むしろ、傷つけたら私は自分が許せなくなるだろう。
妻にぶん殴られるよ」
(…ぶん殴られるって。
どんな奥さんか分からなくなる)
閣下夫人もロイを息子のように可愛がってくれているので間違いではなさそうだ。
閣下の執務室から出てヒューズは苦笑いする。
(俺も甘いな。
ロイに影響されたかも。
危険かもしれないと分かっていてもアイツが閣下と話す時は楽しそうで。
妬いたこともあったけど。
そんなことを言ったらアイツはどんな反応するかな)
楽しくなってヒューズは執務室に向かった。
「…あれは兄と言うよりも父親みたいですね」
「確かにそうだな」
補佐官の呟きに閣下は苦笑いしながらも頷く。
「ロイ、元気か~?」
「さっき廊下で会ったのだが?」
「いいじゃねぇか。
最近は閣下に取られてるし」
「はぁ?」
「理解者は俺だと思ってたのによ。
かなり一時期は妬いてた」
「…っぶ!
ゴホッ…ゴホッ…
何のカミングアウトなんだ!」
「妬いてたよ、寂しかったなと」
「意味が分からん」
「おまえは妬かないのか?」
「ヒューズの周りにはよく人が居たし、本を読んでれば時間は過ぎる」
「おまえなぁ!
マイペースで冷静にも程がある」
どこか抜けているロイにヒューズはため息をつく。
「…おまえの中で私の優先順位は高いと思うのだが?
それに、おまえは裏切らない」
「言い切られると。
そうなんだけどさ!」
「私に妬いて欲しいのか、マース」
「なっ!
おまえ、なに色気ある声で…!
普段は呼ばないくせに!」
耳元で囁くとヒューズは何故か真っ赤にして離れる。
クスクスと笑うロイにヒューズは不満顔を浮かべる。
「あんたらは何をしてるんですか」
『ヒューズ中佐、自分で煽っておいて何を照れてるんですか?』
「普段は呼ばないから!
色気ある声で囁きやがって」
「男性でもやられるんですね」
呆れながらも妙に納得して頷いているハボック達だった。
「マース?」
「分かったよ!
もう降参だ。
まさかこんな手法で」
「私をおまえが理解してるように私も理解してるだけだ、マース」
「おまえ、絶対に楽しんでるよな!?」
「そんな反応されて楽しまない訳ないだろ」
((…確かに))
「おまえらも何を納得してるんだよ!」
『ヒューズ中佐、赤い顔で言われても説得ないですよ』
最終的にセルシアに一撃でやられてしまう。
「何でこんなことに。
信じてくれてるのは嬉しいけど」
「それだけでは不満か?」
「いや、そんなことは。
墓穴を掘る前に戻るよ」
「はいはい、またな」
今回はロイに圧勝されてしまったなとヒューズは苦笑い。
『…ロイさん。
誕生日おめでとうございます』
夜勤だったセルシアは先に眠っているロイの頬にキスする。
「セルシア?
んぅ…お帰り」
『起こしましたか?』
「んんっ…大丈夫」
寝惚け眼のロイに優しく頭を撫でると抱き締められて眠った。
「君は友人だったな」
「はい?
なるほど、ロイですか」
「ロイは誕生日を祝ってもらうのは好きではないのか?」
「まぁ、そうですね。
環境なのか性格なのか分かりませんけど。
人を気遣って自分の評価を低く見すぎる傾向がありますから」
「盛大なパーティーするか」
「多分、それは…」
「嫌われるのがオチですよ。
父様呼びをされなくなるかと」
「それは嫌だ。
却下だな」
「閣下だからこそ贈れるプレゼントがあるのでは?
物にこだわる必要ないかと」
「どういう意味だ?」
「…ウィル・マスタング。
あとは閣下次第です。
それでは、失礼します」
ヒューズは閣下に敬礼して執務室から出ようとする。
「ヒューズ中佐、ありがとう」
「ロイの為ですよ。
閣下でもロイを傷つけたら許しませんからね。
同僚で親友で…、弟みたいな存在ですから。
ロイは上官ではあるんですが」
「傷つけたりしないよ。
むしろ、傷つけたら私は自分が許せなくなるだろう。
妻にぶん殴られるよ」
(…ぶん殴られるって。
どんな奥さんか分からなくなる)
閣下夫人もロイを息子のように可愛がってくれているので間違いではなさそうだ。
閣下の執務室から出てヒューズは苦笑いする。
(俺も甘いな。
ロイに影響されたかも。
危険かもしれないと分かっていてもアイツが閣下と話す時は楽しそうで。
妬いたこともあったけど。
そんなことを言ったらアイツはどんな反応するかな)
楽しくなってヒューズは執務室に向かった。
「…あれは兄と言うよりも父親みたいですね」
「確かにそうだな」
補佐官の呟きに閣下は苦笑いしながらも頷く。
「ロイ、元気か~?」
「さっき廊下で会ったのだが?」
「いいじゃねぇか。
最近は閣下に取られてるし」
「はぁ?」
「理解者は俺だと思ってたのによ。
かなり一時期は妬いてた」
「…っぶ!
ゴホッ…ゴホッ…
何のカミングアウトなんだ!」
「妬いてたよ、寂しかったなと」
「意味が分からん」
「おまえは妬かないのか?」
「ヒューズの周りにはよく人が居たし、本を読んでれば時間は過ぎる」
「おまえなぁ!
マイペースで冷静にも程がある」
どこか抜けているロイにヒューズはため息をつく。
「…おまえの中で私の優先順位は高いと思うのだが?
それに、おまえは裏切らない」
「言い切られると。
そうなんだけどさ!」
「私に妬いて欲しいのか、マース」
「なっ!
おまえ、なに色気ある声で…!
普段は呼ばないくせに!」
耳元で囁くとヒューズは何故か真っ赤にして離れる。
クスクスと笑うロイにヒューズは不満顔を浮かべる。
「あんたらは何をしてるんですか」
『ヒューズ中佐、自分で煽っておいて何を照れてるんですか?』
「普段は呼ばないから!
色気ある声で囁きやがって」
「男性でもやられるんですね」
呆れながらも妙に納得して頷いているハボック達だった。
「マース?」
「分かったよ!
もう降参だ。
まさかこんな手法で」
「私をおまえが理解してるように私も理解してるだけだ、マース」
「おまえ、絶対に楽しんでるよな!?」
「そんな反応されて楽しまない訳ないだろ」
((…確かに))
「おまえらも何を納得してるんだよ!」
『ヒューズ中佐、赤い顔で言われても説得ないですよ』
最終的にセルシアに一撃でやられてしまう。
「何でこんなことに。
信じてくれてるのは嬉しいけど」
「それだけでは不満か?」
「いや、そんなことは。
墓穴を掘る前に戻るよ」
「はいはい、またな」
今回はロイに圧勝されてしまったなとヒューズは苦笑い。
『…ロイさん。
誕生日おめでとうございます』
夜勤だったセルシアは先に眠っているロイの頬にキスする。
「セルシア?
んぅ…お帰り」
『起こしましたか?』
「んんっ…大丈夫」
寝惚け眼のロイに優しく頭を撫でると抱き締められて眠った。