第39話
夢小説設定
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ロイは報告書と共に閣下に報告している。
「はい、経験豊富な軍人とペアを組むことで防げるかと。
今回の件は警備担当の軍人の経験値の確認不足でした」
「…そうか」
「奥様を危険な目に晒してしまいました」
「過ぎたことだ。
妻も気にしてないし、無傷だった。
ロイ、もう大丈夫だからそんな顔するな」
「…閣下」
微かに顔を歪めるロイに閣下は苦笑いして優しく頭を撫でた。
「家に帰ってから叱られたよ」
「えっ?」
「私を身体を張って守ってくれたのに責めるように厳しく言い過ぎだと。
過ぎたことは言っても仕方ないと妻に叱られた。
すまなかったな」
「いえ、私の確認ミスなので」
「それなら仕事を減らしておくべきだったと正論で返されたよ。
普段は口出しはしないのだが、君のことになると妻も例外らしいな」
「奥様に感謝ですね。
ありがとうございます」
「私も丸投げで確認していなかったからな。
お互い様だよ」
結局は激甘だと補佐官は呆れたようにため息をつく。
「では、これでやってみます」
「何があれば相談を」
「お待ちください!
失敗した者にまた任せるのですか!」
「納得が出来ません!」
ロイを押し退けて一部の将軍が閣下に苦言する。
「決まったことだ。
ロイ、構わんから行きなさい」
「マスタング将軍。
失敗したくせに何故、辞退をしないんだ」
「将軍、離してください」
「離しなさい。
それは脅迫だ!」
ロイの胸ぐらを掴む将軍の手を叩いて止めると閣下はロイを庇うように自分の後ろに引っ張った。
辞退してもよかったが、冷静に考えて自分以外に出来る人はいないという結論になった。
「君は何を勝手に飲み物を口にしてるんだ!」
「閣下の許可はありますよ」
「ロイには好きに飲むように言ってるし、そもそもこれはロイがブレンドしたものだから私が好意で譲ってもらっているのだよ」
「同じような苦言で飽きました。
それを言うなら1枚でも書類作業をしてはどうですか?」
「この…ッ」
「恐喝並びに暴行罪で軍法会議で取り上げましょうか?」
「貴様!
覚えてろよ!」
荒々しく去って行く将軍にロイは呆れたようにため息をつく。
「初歩的な作戦に引っ掛かるとは」
「あまり挑発するなよ」
「しなくてもやられますから。
ちなみにカップは空なんですけどね」
「あの短時間で淹れられたらマジックだな」
「頭脳派でないのは確かですね」
飲んだフリをしながら挑発していたことは将軍以外は気づいていた。
『マスタング将軍、報告は終わりましたか?
お迎えに上がりました』
「ありがとう。
閣下、失礼します」
『マスタング将軍。
ちょっと失礼します。
軍服が少し乱れているので。
聞かなくても分かりますけど』
「えっ?」
『こんなバカなことをするのは頭脳派ではありませんから』
ロイの軍服を直しながらにっこりとセルシアが笑う。
2017.6.11
「はい、経験豊富な軍人とペアを組むことで防げるかと。
今回の件は警備担当の軍人の経験値の確認不足でした」
「…そうか」
「奥様を危険な目に晒してしまいました」
「過ぎたことだ。
妻も気にしてないし、無傷だった。
ロイ、もう大丈夫だからそんな顔するな」
「…閣下」
微かに顔を歪めるロイに閣下は苦笑いして優しく頭を撫でた。
「家に帰ってから叱られたよ」
「えっ?」
「私を身体を張って守ってくれたのに責めるように厳しく言い過ぎだと。
過ぎたことは言っても仕方ないと妻に叱られた。
すまなかったな」
「いえ、私の確認ミスなので」
「それなら仕事を減らしておくべきだったと正論で返されたよ。
普段は口出しはしないのだが、君のことになると妻も例外らしいな」
「奥様に感謝ですね。
ありがとうございます」
「私も丸投げで確認していなかったからな。
お互い様だよ」
結局は激甘だと補佐官は呆れたようにため息をつく。
「では、これでやってみます」
「何があれば相談を」
「お待ちください!
失敗した者にまた任せるのですか!」
「納得が出来ません!」
ロイを押し退けて一部の将軍が閣下に苦言する。
「決まったことだ。
ロイ、構わんから行きなさい」
「マスタング将軍。
失敗したくせに何故、辞退をしないんだ」
「将軍、離してください」
「離しなさい。
それは脅迫だ!」
ロイの胸ぐらを掴む将軍の手を叩いて止めると閣下はロイを庇うように自分の後ろに引っ張った。
辞退してもよかったが、冷静に考えて自分以外に出来る人はいないという結論になった。
「君は何を勝手に飲み物を口にしてるんだ!」
「閣下の許可はありますよ」
「ロイには好きに飲むように言ってるし、そもそもこれはロイがブレンドしたものだから私が好意で譲ってもらっているのだよ」
「同じような苦言で飽きました。
それを言うなら1枚でも書類作業をしてはどうですか?」
「この…ッ」
「恐喝並びに暴行罪で軍法会議で取り上げましょうか?」
「貴様!
覚えてろよ!」
荒々しく去って行く将軍にロイは呆れたようにため息をつく。
「初歩的な作戦に引っ掛かるとは」
「あまり挑発するなよ」
「しなくてもやられますから。
ちなみにカップは空なんですけどね」
「あの短時間で淹れられたらマジックだな」
「頭脳派でないのは確かですね」
飲んだフリをしながら挑発していたことは将軍以外は気づいていた。
『マスタング将軍、報告は終わりましたか?
お迎えに上がりました』
「ありがとう。
閣下、失礼します」
『マスタング将軍。
ちょっと失礼します。
軍服が少し乱れているので。
聞かなくても分かりますけど』
「えっ?」
『こんなバカなことをするのは頭脳派ではありませんから』
ロイの軍服を直しながらにっこりとセルシアが笑う。
2017.6.11