第37話
夢小説設定
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身分証を返却してもらってロイは閣下に敬礼する。
「どうかなさいましたか?
いった…」
「やはりな。
クナイで掠れたか。
四方八方から投げられてたからな」
「大丈夫?
前髪で見えなかったのね」
「奥様、ハンカチが汚れてしまいますから」
「気にしないで。
ほら、動かないの」
「…はい」
((半端ない溺愛だ))
閣下に前髪を上げられて奥様にハンカチで拭われて護衛が持って来た消毒液で手当てされる。
逃げるだけ無駄だと理解してロイはおとなしく手当てされた。
「これで大丈夫ね。
ほかに痛むとこはない?」
「大丈夫です。
ありがとうございます」
「君の息子は何歳なんだ?
大学生くらいかと」
「よかったな、若く見られて」
「どうせ童顔ですよ。
実年齢に見られたことはないです」
閣下は楽しそうに笑ってロイの頭を撫でた。
ロイの将軍の地位に更に口説かれたのは言うまでもない。
「どうした?」
「外交パーティーが続行されるとは思わなかったので」
「手引きした者も犯人も逮捕されたし、このまま中止をすればまた同じ事をされるだろう。
誰かを狙っていた訳ではないし」
「言い方は悪いですが、この中の誰でもよかったんでしょうね」
さすがに窓も壊してしまったので屋敷の別の会場に移動して料理と飲み物も新しくなった。
予備に用意されていたので会場の問題はなかったが、料理と飲み物は裏方が大変な思いをしたのは言うまでもない。
「窓ガラスを壊して申し訳ありません。
弁償になります?」
「気にするな。
弁償なんてさせんよ。
緊急事態の咄嗟の判断だろう?」
「そうですが…」
「守ってもらったんだし、元々の原因は検査官だ。
軍とは別枠でも今回ばかりは口出しをしない訳にはいかんな」
ロイは微かに安堵しながらも少し複雑な気持ちになる。
「このお酒を飲みません?」
「乾杯だ、乾杯。
君が軍人とは思わなかったな。
それも、将軍か!」
「ありがとうございます」
「閣下の息子的な立場から?」
「まさか。
それはロイの功績だ。
補佐官としても優秀と言うべきか、手厳しいんだよ」
「説教されてますからね。
まぁ、自業自得なのですが」
「ここで暴露しなくてもいいだろ」
「きちんとしてくれたら私も説教せずに済みますよ」
「君までか」
「書類提出してなかったですよね。
仕方ないので補佐官の権利で延長させてもらいましたよ」
「ははっ、バレたか」
「重要な書類ではなくても隠さないでください。
子供じゃないんですから。
私でもしなかったですよ」
((…こうやっていつも怒られてるんだな))
淡々とした口調のロイに閣下は苦笑いする。
「どちらが上か分からんな」
「特別補佐官って、補佐官ではあるんですよね?」
「ロイは将軍の地位に隊の部下も居ますし、補佐官として異動させる訳にはいかないので兼任です。
普段は通常通りの将軍として指揮官として働いてもらっていますよ」
閣下のさぼり癖は異国のトップ達の間でも有名なのか驚きはなかった。
外交パーティーは無事に終わり、来ることがあれば連絡してくれとロイは連絡先を貰った。
「これは頂いてもよろしいのでしょうか?」
「ウィルの息子というのもあるし、構わんよ。
気に入ってたみたいだからな。
君を連れて来て正解だ。
会話も盛り上がっていたし」
「…そうですか」
「疲れたか?」
「激しい戦闘のあとに強い酒を大量に飲まされて酔いが回りそうになっているだけですから」
「かなり飲まされてたな。
止めればよかったか」
「お気になさらずに。
閣下は奥様と護衛隊をお帰りください」
「君はどうする?」
「大丈夫です、部下に送ってもらいますから。
まだ居ると思いますし」
「さっきから何をしているの?」
「ちょっと…」
お酒の銘柄をロイはいつも持ち歩いてる手帳に書き込む。
「もういいか?」
「お待たせしました。
父様、どうぞ。
使えるか分かりませんが、大統領の方々が好んでいたお酒の銘柄と話していた貿易など記憶の限りは書きました。
知っているものはあるかと」
「…自分のものにはしないのか?」
「今は必要なのは私ではなく、父様ですから」
「本当に記憶力が優れているわね」
「ありがとう」
感心したように奥様が呟いて閣下は微かに笑って頷いて受け取る。
「口出しをしてもよろしいでしょうか?」
「構わんよ」
「こちらの貿易。
この国とは早急に今すぐにでも手を組むべきかと。
文化として今はありませんが、未来を視野に入れたら必要になるものでしょう」
「ふむ…検討しておこう。
君は現在よりは未来か」
「時間は待ってくれません。
時代に取り残されたらそのレッテルは世界ではマイナスでしかありませんよ」
これもほかの将軍達と合わない理由のひとつだ。
「どうかなさいましたか?
いった…」
「やはりな。
クナイで掠れたか。
四方八方から投げられてたからな」
「大丈夫?
前髪で見えなかったのね」
「奥様、ハンカチが汚れてしまいますから」
「気にしないで。
ほら、動かないの」
「…はい」
((半端ない溺愛だ))
閣下に前髪を上げられて奥様にハンカチで拭われて護衛が持って来た消毒液で手当てされる。
逃げるだけ無駄だと理解してロイはおとなしく手当てされた。
「これで大丈夫ね。
ほかに痛むとこはない?」
「大丈夫です。
ありがとうございます」
「君の息子は何歳なんだ?
大学生くらいかと」
「よかったな、若く見られて」
「どうせ童顔ですよ。
実年齢に見られたことはないです」
閣下は楽しそうに笑ってロイの頭を撫でた。
ロイの将軍の地位に更に口説かれたのは言うまでもない。
「どうした?」
「外交パーティーが続行されるとは思わなかったので」
「手引きした者も犯人も逮捕されたし、このまま中止をすればまた同じ事をされるだろう。
誰かを狙っていた訳ではないし」
「言い方は悪いですが、この中の誰でもよかったんでしょうね」
さすがに窓も壊してしまったので屋敷の別の会場に移動して料理と飲み物も新しくなった。
予備に用意されていたので会場の問題はなかったが、料理と飲み物は裏方が大変な思いをしたのは言うまでもない。
「窓ガラスを壊して申し訳ありません。
弁償になります?」
「気にするな。
弁償なんてさせんよ。
緊急事態の咄嗟の判断だろう?」
「そうですが…」
「守ってもらったんだし、元々の原因は検査官だ。
軍とは別枠でも今回ばかりは口出しをしない訳にはいかんな」
ロイは微かに安堵しながらも少し複雑な気持ちになる。
「このお酒を飲みません?」
「乾杯だ、乾杯。
君が軍人とは思わなかったな。
それも、将軍か!」
「ありがとうございます」
「閣下の息子的な立場から?」
「まさか。
それはロイの功績だ。
補佐官としても優秀と言うべきか、手厳しいんだよ」
「説教されてますからね。
まぁ、自業自得なのですが」
「ここで暴露しなくてもいいだろ」
「きちんとしてくれたら私も説教せずに済みますよ」
「君までか」
「書類提出してなかったですよね。
仕方ないので補佐官の権利で延長させてもらいましたよ」
「ははっ、バレたか」
「重要な書類ではなくても隠さないでください。
子供じゃないんですから。
私でもしなかったですよ」
((…こうやっていつも怒られてるんだな))
淡々とした口調のロイに閣下は苦笑いする。
「どちらが上か分からんな」
「特別補佐官って、補佐官ではあるんですよね?」
「ロイは将軍の地位に隊の部下も居ますし、補佐官として異動させる訳にはいかないので兼任です。
普段は通常通りの将軍として指揮官として働いてもらっていますよ」
閣下のさぼり癖は異国のトップ達の間でも有名なのか驚きはなかった。
外交パーティーは無事に終わり、来ることがあれば連絡してくれとロイは連絡先を貰った。
「これは頂いてもよろしいのでしょうか?」
「ウィルの息子というのもあるし、構わんよ。
気に入ってたみたいだからな。
君を連れて来て正解だ。
会話も盛り上がっていたし」
「…そうですか」
「疲れたか?」
「激しい戦闘のあとに強い酒を大量に飲まされて酔いが回りそうになっているだけですから」
「かなり飲まされてたな。
止めればよかったか」
「お気になさらずに。
閣下は奥様と護衛隊をお帰りください」
「君はどうする?」
「大丈夫です、部下に送ってもらいますから。
まだ居ると思いますし」
「さっきから何をしているの?」
「ちょっと…」
お酒の銘柄をロイはいつも持ち歩いてる手帳に書き込む。
「もういいか?」
「お待たせしました。
父様、どうぞ。
使えるか分かりませんが、大統領の方々が好んでいたお酒の銘柄と話していた貿易など記憶の限りは書きました。
知っているものはあるかと」
「…自分のものにはしないのか?」
「今は必要なのは私ではなく、父様ですから」
「本当に記憶力が優れているわね」
「ありがとう」
感心したように奥様が呟いて閣下は微かに笑って頷いて受け取る。
「口出しをしてもよろしいでしょうか?」
「構わんよ」
「こちらの貿易。
この国とは早急に今すぐにでも手を組むべきかと。
文化として今はありませんが、未来を視野に入れたら必要になるものでしょう」
「ふむ…検討しておこう。
君は現在よりは未来か」
「時間は待ってくれません。
時代に取り残されたらそのレッテルは世界ではマイナスでしかありませんよ」
これもほかの将軍達と合わない理由のひとつだ。