第37話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
どこまでが閣下の本心か分からないが、疑う気持ちもゼロではない。
それでもロイは父のことを知って話してくれて大切にしてくれているだけで十分だった。
「私の行動や発言で君には迷惑掛けるかもしれないが」
「貴方に振り回されるのも慣れて来ましたから。
予想外な発言や行動で度々、驚かされますが。
妬みの嫌がらせも今更です」
「…そうか。
あまり無理するなよ。
辛いようなら頼りなさい」
閣下に優しく頭を撫でられてロイは微かに笑う。
最初は抵抗して気恥ずかしさも大きかったが、今は不思議と温かな手に安心する。
「ありがとうございます。
そんなに優しくされるとそれが当たり前になってしまいますよ」
「当たり前になって構わんよ」
「弱くはなりたくないです。
貴方がそんな風にするから…、涙腺も崩壊するんですよ」
「普段、泣かないから。
たまに泣くとボロ泣きになるんだよな」
「言わないでくださいよ!」
微かに頬を赤らめて叫ぶロイに閣下は楽しそうに笑う。
セルシアとヒューズと中尉以外は閣下の前で何度かボロ泣きしてしまっている。
それでもセルシアに比べたら回数は少ないが。
「閣下、どちらに…」
「またマスタング将軍を連れ回していたのですか。
奥様に叱られますよ」
「内緒にしておいてくれ。
ロイも乗りなさい」
「私はここで…」
「抱えて乗っても構わないが?」
「失礼します」
渋々ながら乗るロイに閣下は満足そうに笑う。
どうにか説得してロイは途中で降ろしてもらって敬礼して見送る。
「マスタング将軍」
「急に呼び出して悪かった」
「いえ、構いませんよ。
そうでなければ閣下が納得しなかったのでしょう?
送って行きますから」
「ありがとう」
中尉を呼び出して来てもらうと自宅に送ってもらう。
「それでは、お疲れ様です」
「お疲れさん。
気をつけて帰ってくれ」
「はい、ありがとうございます」
ロイが玄関のドアに手を掛けたのを確認して中尉は軍車に乗り込む。
「ただいま」
『お帰りなさい。
身体が冷えてますね。
お風呂に入って来てください。
用意してますから』
「ありがとう」
『ロイさん、ちょっと待って。
これは葉かな?
付いてましたよ。
どこで付いたんでしょうね』
「あっ、閣下に連れて行ってもらったから多分そこで…」
『あとで聞かせてください。
今はお風呂ですね』
「あぁ、入って来るよ」
ロイをお風呂場に向かわせてセルシアは夕食の準備をする。
『ちゃんと温まりました?』
「大丈夫だよ。
ははっ、君も閣下みたいだ。
母親みたいだな」
『すみません、思わず』
「悪くないよ」
クスクスと笑うロイに安堵しながら髪を渇かす。
気分が落ちていることに気づきながらもあえて聞いてなかった。
夕食後にティータイムで寛ぎながらロイは話す。
「…父は成長した自分を連れて行きたいと話してくれていたんだ。
それは叶わなかったけど。
でも、代わりに閣下が叶えてくれたんだ。
連れて行く必要もないのに。
黙っていてもいいはずなのに。
冬だからまだ何もないけど、春や夏には綺麗な花が咲くらしい。
君と行きたい。
今度は綺麗な景色を君と見たいな」
『はい、連れて行ってください。
約束ですからね!』
「もちろん」
『でも、閣下にばかりロイさんを取られるのは嫌です』
「…私は問答無用で連れて行かれるのだが」
『分かってますけど』
不満顔でセルシアは見つめてロイの唇にキスする。
「……っ…」
『こういう顔は閣下は見られませんよね』
「何の対決なんだ」
少し呆れながらも小さく笑うロイにセルシアは抱きついた。
『だって、最近は閣下と一緒に居ることが多いし。
外交パーティーにも連れて行かれちゃうし』
「…寂しい思いさせてすまない。
君に甘えてた」
『ロイさんが楽しんで嬉しそうなのが尚更です。
本気で嫌とかではないですよ。
まぁ、嫉妬です。
分かっているとは思いますが、私はロイさんが大好き過ぎるから』
「あ~…うん」
『自分でも引くことがあるくらいですし!』
(…何をして引いたんだ)
暴走しているなとロイは苦笑いしながら優しく頭を撫でる。
嬉しそうに笑ってセルシアはロイの胸板にすり寄り、甘えるように腰に抱きつく。
「くすぐったいって」
『いい匂いです』
「またそういうことを。
男に言う台詞じゃないぞ」
『じゃあ、中尉に?』
「…驚愕して硬直するからやめなさい」
ロイは中尉が硬直する姿が浮かんで苦笑い。
『そんなことしませんよ。
ロイさんの匂いが好きなんです』
「そんなに香るか?
そこまで香水を振り掛けてないのだが」
『香水もですけど、そういう匂いではないですよ』
自分で手首辺りの匂いを嗅いでロイは首を傾げる。
「意味が分からん」
『ふふっ、ロイさんだからですよ』
理解が出来ないのはロイだけではないだろう。
「ん~…」
『それよりもキスしてください』
「珍しいな」
『寂しかったから』
「何度でも。
君が寂しさを忘れるくらいに」
『んっ…んぅ…!
ふぁッ…』
軽いキスから急激な濃厚なキスに驚いて逃げ腰になる。
腰を抑えられて舌の感覚に思わず、ビクッと反応してしまう。
「…そんなに苦しかった?」
『意地悪。
わざとしたくせに!』
「ごめんって。
可愛い反応するから思わずね」
『こういうキスじゃない』
「分かってるって」
濃厚なキスは嫌いではないが、翻弄されてどうしたらいいか分からなくて苦手意識が強い。
微笑んでロイが優しくキスすると嬉しそうに柔らかな笑みを浮かべた。
それでもロイは父のことを知って話してくれて大切にしてくれているだけで十分だった。
「私の行動や発言で君には迷惑掛けるかもしれないが」
「貴方に振り回されるのも慣れて来ましたから。
予想外な発言や行動で度々、驚かされますが。
妬みの嫌がらせも今更です」
「…そうか。
あまり無理するなよ。
辛いようなら頼りなさい」
閣下に優しく頭を撫でられてロイは微かに笑う。
最初は抵抗して気恥ずかしさも大きかったが、今は不思議と温かな手に安心する。
「ありがとうございます。
そんなに優しくされるとそれが当たり前になってしまいますよ」
「当たり前になって構わんよ」
「弱くはなりたくないです。
貴方がそんな風にするから…、涙腺も崩壊するんですよ」
「普段、泣かないから。
たまに泣くとボロ泣きになるんだよな」
「言わないでくださいよ!」
微かに頬を赤らめて叫ぶロイに閣下は楽しそうに笑う。
セルシアとヒューズと中尉以外は閣下の前で何度かボロ泣きしてしまっている。
それでもセルシアに比べたら回数は少ないが。
「閣下、どちらに…」
「またマスタング将軍を連れ回していたのですか。
奥様に叱られますよ」
「内緒にしておいてくれ。
ロイも乗りなさい」
「私はここで…」
「抱えて乗っても構わないが?」
「失礼します」
渋々ながら乗るロイに閣下は満足そうに笑う。
どうにか説得してロイは途中で降ろしてもらって敬礼して見送る。
「マスタング将軍」
「急に呼び出して悪かった」
「いえ、構いませんよ。
そうでなければ閣下が納得しなかったのでしょう?
送って行きますから」
「ありがとう」
中尉を呼び出して来てもらうと自宅に送ってもらう。
「それでは、お疲れ様です」
「お疲れさん。
気をつけて帰ってくれ」
「はい、ありがとうございます」
ロイが玄関のドアに手を掛けたのを確認して中尉は軍車に乗り込む。
「ただいま」
『お帰りなさい。
身体が冷えてますね。
お風呂に入って来てください。
用意してますから』
「ありがとう」
『ロイさん、ちょっと待って。
これは葉かな?
付いてましたよ。
どこで付いたんでしょうね』
「あっ、閣下に連れて行ってもらったから多分そこで…」
『あとで聞かせてください。
今はお風呂ですね』
「あぁ、入って来るよ」
ロイをお風呂場に向かわせてセルシアは夕食の準備をする。
『ちゃんと温まりました?』
「大丈夫だよ。
ははっ、君も閣下みたいだ。
母親みたいだな」
『すみません、思わず』
「悪くないよ」
クスクスと笑うロイに安堵しながら髪を渇かす。
気分が落ちていることに気づきながらもあえて聞いてなかった。
夕食後にティータイムで寛ぎながらロイは話す。
「…父は成長した自分を連れて行きたいと話してくれていたんだ。
それは叶わなかったけど。
でも、代わりに閣下が叶えてくれたんだ。
連れて行く必要もないのに。
黙っていてもいいはずなのに。
冬だからまだ何もないけど、春や夏には綺麗な花が咲くらしい。
君と行きたい。
今度は綺麗な景色を君と見たいな」
『はい、連れて行ってください。
約束ですからね!』
「もちろん」
『でも、閣下にばかりロイさんを取られるのは嫌です』
「…私は問答無用で連れて行かれるのだが」
『分かってますけど』
不満顔でセルシアは見つめてロイの唇にキスする。
「……っ…」
『こういう顔は閣下は見られませんよね』
「何の対決なんだ」
少し呆れながらも小さく笑うロイにセルシアは抱きついた。
『だって、最近は閣下と一緒に居ることが多いし。
外交パーティーにも連れて行かれちゃうし』
「…寂しい思いさせてすまない。
君に甘えてた」
『ロイさんが楽しんで嬉しそうなのが尚更です。
本気で嫌とかではないですよ。
まぁ、嫉妬です。
分かっているとは思いますが、私はロイさんが大好き過ぎるから』
「あ~…うん」
『自分でも引くことがあるくらいですし!』
(…何をして引いたんだ)
暴走しているなとロイは苦笑いしながら優しく頭を撫でる。
嬉しそうに笑ってセルシアはロイの胸板にすり寄り、甘えるように腰に抱きつく。
「くすぐったいって」
『いい匂いです』
「またそういうことを。
男に言う台詞じゃないぞ」
『じゃあ、中尉に?』
「…驚愕して硬直するからやめなさい」
ロイは中尉が硬直する姿が浮かんで苦笑い。
『そんなことしませんよ。
ロイさんの匂いが好きなんです』
「そんなに香るか?
そこまで香水を振り掛けてないのだが」
『香水もですけど、そういう匂いではないですよ』
自分で手首辺りの匂いを嗅いでロイは首を傾げる。
「意味が分からん」
『ふふっ、ロイさんだからですよ』
理解が出来ないのはロイだけではないだろう。
「ん~…」
『それよりもキスしてください』
「珍しいな」
『寂しかったから』
「何度でも。
君が寂しさを忘れるくらいに」
『んっ…んぅ…!
ふぁッ…』
軽いキスから急激な濃厚なキスに驚いて逃げ腰になる。
腰を抑えられて舌の感覚に思わず、ビクッと反応してしまう。
「…そんなに苦しかった?」
『意地悪。
わざとしたくせに!』
「ごめんって。
可愛い反応するから思わずね」
『こういうキスじゃない』
「分かってるって」
濃厚なキスは嫌いではないが、翻弄されてどうしたらいいか分からなくて苦手意識が強い。
微笑んでロイが優しくキスすると嬉しそうに柔らかな笑みを浮かべた。