第35話
夢小説設定
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店主は可笑しそうに笑いながらハヤテ号の頭をワシャワシャと撫でる。
「あははっ!
賢いな、マスタング将軍の言葉を理解してるみたいだ」
「マスタング将軍、買い物かい?
野菜はどうだい?
新鮮な野菜が入荷したよ。
果物もオススメだよ!」
「新鮮な野菜を頂くよ。
果物は林檎がいいか。
ん~…あとはどれがオススメ?」
「そうだな、レモンは?
飲み物にしてもいいよ」
「よし、レモンにしてもらおう。
あとはオレンジも」
「オレンジが好きなのかい?
この前も買ってくれたけど」
「セルシアがジャムにしてくれるんだ」
「そうかい。
はい、サービスだ。
新種の柑橘系だが、うまいから」
「ありがとう。
頂くとするよ」
雑談に応じながら市場で買い物を済ませてペットショップでハヤテ号のおやつを買った。
「わんっ!」
「はいはい、帰ったらあげるよ」
「充実した休みみたいだな、マスタング将軍」
「…また来たのか」
「答えてくれるまで退けないよ」
「グルル~」
「ハヤテ号、大丈夫だから」
敵だと判断したようでハヤテ号は唸り声を上げる。
「いっでぇ!
何しやがるんだ!?」
「それはこっちの台詞だ!
毎回毎回、マスタング将軍を陰湿に追いかけて嫌なことを聞いて!」
「そうだよ!
嫌なことを聞くんじゃない!」
「あの記事にはいつか文句を言おうと思っていたんだ!」
記者の頭を市場の店主の妻がフライパンで殴り、主婦層に説教されてる。
さすがに複数の主婦には敵わないようで記者も圧倒されていた。
「マスタング将軍、大丈夫だから今のうちに裏口から」
「ありがとう、助かるよ」
「また買いに来てくれ」
「必ず来るよ」
小声で挨拶して逃がしてもらってハヤテ号を抱えて早足で大通りに出ると家に帰る。
「わんっ!」
「待て、足を拭くから。
これでよしっと。
おやつをやろう」
開ける前に膝によじ登って来るハヤテ号にロイは苦笑い。
「くぅ~ん…」
「ははっ、怒らんよ。
中尉なら叱ってるんだろうな」
ハッとしてお座りして気まずそうなハヤテ号の頭を撫でてロイは笑っておやつを与える。
「わんっ!」
「スカイ、お帰り。
おやつあるよ」
ロイに林檎を貰ってスカイは満足そうにじゃれついて来るハヤテ号と遊んでいる。
否、スカイにからかわれているハヤテ号だった。
それを横目にロイは本を読みながら静かな時間を過ごす。
『…ロイさん?』
「ただいま帰りました。
将軍、寝てましたか?
そんなとこで寝てたら風邪引きますよ」
「あ~…寝るつもりはなかったのだが」
『迎えに来ないと思ったらハヤテ号も一緒に寝てたんだね』
「わんっ!」
ロイにくっついて寝ていたハヤテ号はソファから降りて中尉の足にすり寄った。
「ただいま、ハヤテ号。
おやつまで買って頂いて」
「ついでだよ。
気分転換に付き合ってもらったお礼かな」
「ハヤテ号、よかったわね」
「わんっ!」
中尉に抱えられて満足そうにハヤテ号は吠える。
中尉とセルシアが各自の部屋で着替えに行く。
「ん~っ!
せっかくの休日なのにな。
まぁ、のんびり出来たからいいか」
「わんっ!」
「返事してくれるのかい?
君も可愛いね」
クスクスと笑いながらロイは屈んでハヤテ号を撫でてから立ち上がり、手を洗う。
『いい匂い!
これって、ロイさんが作ってくれたんですか?』
「時間あったし」
「凄いですね」
「夕方から作ったからあまり凝った料理ではないけどな」
「将軍、買い物したのですか?」
「ハヤテ号と一緒に。
さすが君の愛犬だったぞ。
ボディーガードのつもりか、例の記者を唸って威嚇してた」
「大丈夫だったんですか?」
「あぁ、市場の御婦人達が裏口から逃がしてくれてね。
フライパンで叩かれたりしてやっつけられてたな」
「…さすがですね。
ハヤテ号、偉いわ」
『容赦ないですけど、それくらい当然ですよ!』
(市場の御婦人達にも将軍は好かれてますからね)
安易に想像がついて中尉は思わず、苦笑いしてしまう。
食べようとしたらチャイムが鳴ってロイが席を立つ。
「大丈夫、家を知る者は少ないし。
ちゃんと確認するって。
ヒューズ!
その格好はどうした!?」
「すまん、風呂貸してくれ。
自宅よりも司令部よりもおまえの家が近くて。
夕食の時間だったよな。
迷惑かけてすまん」
「それは構わんが…
汚れは気にせずに風呂に」
「助かるよ」
戸惑いながらヒューズをお風呂に入ってもらう。
ロイが私服をヒューズに貸してセルシアと中尉は床掃除。
「セルシア、中尉も助かるよ。
ありがとう」
「お気になさらずに」
『何があったんでしょうね』
「夜勤と言ってたし、仕事関係とは思うが。
食事しながら待とう」
『そうですね』
「さあ、食べようか。
冷えては勿体ないだろう」
「はい…いただきます」
『いただきます。
んっ…辛すぎずに美味しいです!』
「それはよかった。
君達は辛すぎるのは苦手だし」
「美味しいです」
満足そうにロイは微かに笑って自分も口にする。
「ロイ、助かった…」
「上がったか?」
「勝手にドライヤーとか借りた」
「構わんよ。
軍服はバケツに浸けておけ」
「いや、グレイシアに」
「そんな汚れは素人では知識ないし、取れんぞ」
「すまない」
「食べて行くか?
おまえがよく言ってたカレーだが」
「ご馳走になります!」
ロイが苦笑いしてヒューズの分も盛り付けて持って来る。
「それで、泥だらけの理由は?」
「捜索に駆り出されてさ。
暗くなって足を滑らせて溝に落ちたんだよ」
「それで全身は汚れんだろ」
「溝に落ちて帰ろうとしたら車が勢いよく通って泥の含んだ水溜まりが跳ねて。
今日は不運続きだ」
「くくっ、それは災難な…」
「笑うなよ!」
「それで済んでよかったな」
肩を震わせて笑うロイにヒューズは苦笑いする。
-END-
2017.4.24
「あははっ!
賢いな、マスタング将軍の言葉を理解してるみたいだ」
「マスタング将軍、買い物かい?
野菜はどうだい?
新鮮な野菜が入荷したよ。
果物もオススメだよ!」
「新鮮な野菜を頂くよ。
果物は林檎がいいか。
ん~…あとはどれがオススメ?」
「そうだな、レモンは?
飲み物にしてもいいよ」
「よし、レモンにしてもらおう。
あとはオレンジも」
「オレンジが好きなのかい?
この前も買ってくれたけど」
「セルシアがジャムにしてくれるんだ」
「そうかい。
はい、サービスだ。
新種の柑橘系だが、うまいから」
「ありがとう。
頂くとするよ」
雑談に応じながら市場で買い物を済ませてペットショップでハヤテ号のおやつを買った。
「わんっ!」
「はいはい、帰ったらあげるよ」
「充実した休みみたいだな、マスタング将軍」
「…また来たのか」
「答えてくれるまで退けないよ」
「グルル~」
「ハヤテ号、大丈夫だから」
敵だと判断したようでハヤテ号は唸り声を上げる。
「いっでぇ!
何しやがるんだ!?」
「それはこっちの台詞だ!
毎回毎回、マスタング将軍を陰湿に追いかけて嫌なことを聞いて!」
「そうだよ!
嫌なことを聞くんじゃない!」
「あの記事にはいつか文句を言おうと思っていたんだ!」
記者の頭を市場の店主の妻がフライパンで殴り、主婦層に説教されてる。
さすがに複数の主婦には敵わないようで記者も圧倒されていた。
「マスタング将軍、大丈夫だから今のうちに裏口から」
「ありがとう、助かるよ」
「また買いに来てくれ」
「必ず来るよ」
小声で挨拶して逃がしてもらってハヤテ号を抱えて早足で大通りに出ると家に帰る。
「わんっ!」
「待て、足を拭くから。
これでよしっと。
おやつをやろう」
開ける前に膝によじ登って来るハヤテ号にロイは苦笑い。
「くぅ~ん…」
「ははっ、怒らんよ。
中尉なら叱ってるんだろうな」
ハッとしてお座りして気まずそうなハヤテ号の頭を撫でてロイは笑っておやつを与える。
「わんっ!」
「スカイ、お帰り。
おやつあるよ」
ロイに林檎を貰ってスカイは満足そうにじゃれついて来るハヤテ号と遊んでいる。
否、スカイにからかわれているハヤテ号だった。
それを横目にロイは本を読みながら静かな時間を過ごす。
『…ロイさん?』
「ただいま帰りました。
将軍、寝てましたか?
そんなとこで寝てたら風邪引きますよ」
「あ~…寝るつもりはなかったのだが」
『迎えに来ないと思ったらハヤテ号も一緒に寝てたんだね』
「わんっ!」
ロイにくっついて寝ていたハヤテ号はソファから降りて中尉の足にすり寄った。
「ただいま、ハヤテ号。
おやつまで買って頂いて」
「ついでだよ。
気分転換に付き合ってもらったお礼かな」
「ハヤテ号、よかったわね」
「わんっ!」
中尉に抱えられて満足そうにハヤテ号は吠える。
中尉とセルシアが各自の部屋で着替えに行く。
「ん~っ!
せっかくの休日なのにな。
まぁ、のんびり出来たからいいか」
「わんっ!」
「返事してくれるのかい?
君も可愛いね」
クスクスと笑いながらロイは屈んでハヤテ号を撫でてから立ち上がり、手を洗う。
『いい匂い!
これって、ロイさんが作ってくれたんですか?』
「時間あったし」
「凄いですね」
「夕方から作ったからあまり凝った料理ではないけどな」
「将軍、買い物したのですか?」
「ハヤテ号と一緒に。
さすが君の愛犬だったぞ。
ボディーガードのつもりか、例の記者を唸って威嚇してた」
「大丈夫だったんですか?」
「あぁ、市場の御婦人達が裏口から逃がしてくれてね。
フライパンで叩かれたりしてやっつけられてたな」
「…さすがですね。
ハヤテ号、偉いわ」
『容赦ないですけど、それくらい当然ですよ!』
(市場の御婦人達にも将軍は好かれてますからね)
安易に想像がついて中尉は思わず、苦笑いしてしまう。
食べようとしたらチャイムが鳴ってロイが席を立つ。
「大丈夫、家を知る者は少ないし。
ちゃんと確認するって。
ヒューズ!
その格好はどうした!?」
「すまん、風呂貸してくれ。
自宅よりも司令部よりもおまえの家が近くて。
夕食の時間だったよな。
迷惑かけてすまん」
「それは構わんが…
汚れは気にせずに風呂に」
「助かるよ」
戸惑いながらヒューズをお風呂に入ってもらう。
ロイが私服をヒューズに貸してセルシアと中尉は床掃除。
「セルシア、中尉も助かるよ。
ありがとう」
「お気になさらずに」
『何があったんでしょうね』
「夜勤と言ってたし、仕事関係とは思うが。
食事しながら待とう」
『そうですね』
「さあ、食べようか。
冷えては勿体ないだろう」
「はい…いただきます」
『いただきます。
んっ…辛すぎずに美味しいです!』
「それはよかった。
君達は辛すぎるのは苦手だし」
「美味しいです」
満足そうにロイは微かに笑って自分も口にする。
「ロイ、助かった…」
「上がったか?」
「勝手にドライヤーとか借りた」
「構わんよ。
軍服はバケツに浸けておけ」
「いや、グレイシアに」
「そんな汚れは素人では知識ないし、取れんぞ」
「すまない」
「食べて行くか?
おまえがよく言ってたカレーだが」
「ご馳走になります!」
ロイが苦笑いしてヒューズの分も盛り付けて持って来る。
「それで、泥だらけの理由は?」
「捜索に駆り出されてさ。
暗くなって足を滑らせて溝に落ちたんだよ」
「それで全身は汚れんだろ」
「溝に落ちて帰ろうとしたら車が勢いよく通って泥の含んだ水溜まりが跳ねて。
今日は不運続きだ」
「くくっ、それは災難な…」
「笑うなよ!」
「それで済んでよかったな」
肩を震わせて笑うロイにヒューズは苦笑いする。
-END-
2017.4.24