第35話
夢小説設定
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ロイの表情からどれだけ中尉を大切にしているのか伝わる。
セルシア以外にロイが穏やかな笑みを浮かべるのは中尉だけだろう。
「よし、決まり。
これを渡しておくから」
「鍵と…?」
「小切手。
好きに使いなさい」
「こんなに貰えません!」
「色々と買い揃えるのだから必要になるはずだ。
失礼な話をするが…
必要なものを揃えて部屋を見つけて家具も新しく買うとなれば私の副官だから同僚より貰っているが、貯金を崩したとしてもかなりの額になるだろう?」
「それはそうですが」
「君のことだからしっかり貯金してるから誰かさんみたいに金欠にはならないだろうけどね。
私からの見舞金だ」
「…本当によろしいのですか?」
「受け取って欲しい。
使うのは君の自由だから」
「ありがとうございます。
ちゃんと使わせて頂きます」
「中尉には甘いですよね。
俺達がそうなってもくれます?」
「やるに決まってるだろ。
中尉よりゼロは少ないけどな」
「酷くないっスか?」
「中尉と同等なんて甘いんだよ」
「いでっ!」
「それをして欲しかったらもっと学ぶんだな」
ペシッとロイに軽く叩かれてハボックは苦笑い。
「「ロイ様っ!」」
「ご無事ですか!?
お怪我はしておりませんか!?」
「…全員で来たのか?
こんな豪雨の中で」
「貴方に何かあったら」
「大丈夫、何もないよ」
ニュース速報で心配になり、執事やメイドが駆けつけて来た。
ロイは呆れながらも執事長に小声で頼むと頷き、執事長は全員を引き連れて帰って行く。
「お騒がせ致しました」
「ロイ様、失礼しました」
「…またな」
挨拶を交わして去って行く姿に市民達は唖然としていた。
「今夜は仕方ないにしても仮設を建てる場所も探さなくては。
市民の荷物捜索もありますし、通常勤務もありますから全員が来る訳にはいきませんよ」
「…そうだな。
とりあえず、毛布を配布して薄着だから着替える洋服に暖房設備も」
「毛布は軍から運んで配布はしてあります。
食事も必要かと」
「あぁ、そうだな」
様々な不満の声も聞こえて来て苛立ちも高まってる。
「ロイ様、準備が整いました」
「ありがとう」
「帰ったのでは…」
「ロイ様のご命令で準備をして来ました」
「閣下、緊急事態なので屋敷の者にも協力させて頂いても?」
「構わんよ。
人手不足だからな」
「食事と衣服の心配はいりません。
すぐに配布を」
「承知しました」
執事長がロイの指示に頷くと使用人達が運んで来る。
「只今より、食事配布をします」
「こちらには洋服がありますから取りに来てください」
「沢山ありますから大丈夫ですよ。
並んでくださいね」
温かい食事と洋服にザワつきながら市民達は歓声を上げて並ぶ。
軍人達は避難所はロイの使用人達に任せて国家錬金術師達と共に川の防壁修理と捜索と片付けに向かう。
「ロイ、あれは…」
「屋敷の料理人と使用人に作って来てもらった。
洋服は屋敷の取引先から洋服を買い取らせた。
空腹だと苛立ちから喧嘩にもなるからな。
温かい料理を食べれば身体も暖まるだろう?」
「なるほどな」
「ロイ様、料理が冷えて来ました」
「今行くよ」
メイドからの報告に中尉に護衛されてロイは向かう。
パチンッとロイが指を鳴らすと大きな鍋から湯気が出る。
市民達からの歓声にロイは苦笑いしてしまう。
「ロイ、助かったよ」
「一時的なものです。
仮設を建てる場所は?」
「難しいな。
一部の市民だが、人数も少なくはないから」
「数ヶ所に分けて建てるとなると解体の時に大変だし。
近辺住宅の許可も必要だからな」
「それなら屋敷に招待しましょう」
「「はっ?」」
「しばらくの間ですよね?」
「そうだが、大丈夫なのか?」
「客室も多いですし」
「…助かるよ。
なるべく早く住宅を見つけるようにしよう。
市民の生活費は私のポケットマネーから出すから」
「よろしいのですか?」
「このままではロイにだけ負担を掛けることになるだろ」
「執事長に話して来ます。
準備も必要ですなら」
「あぁ、頼むよ」
中尉に執事長を呼んでもらって避難所の隅で話す。
セルシア以外にロイが穏やかな笑みを浮かべるのは中尉だけだろう。
「よし、決まり。
これを渡しておくから」
「鍵と…?」
「小切手。
好きに使いなさい」
「こんなに貰えません!」
「色々と買い揃えるのだから必要になるはずだ。
失礼な話をするが…
必要なものを揃えて部屋を見つけて家具も新しく買うとなれば私の副官だから同僚より貰っているが、貯金を崩したとしてもかなりの額になるだろう?」
「それはそうですが」
「君のことだからしっかり貯金してるから誰かさんみたいに金欠にはならないだろうけどね。
私からの見舞金だ」
「…本当によろしいのですか?」
「受け取って欲しい。
使うのは君の自由だから」
「ありがとうございます。
ちゃんと使わせて頂きます」
「中尉には甘いですよね。
俺達がそうなってもくれます?」
「やるに決まってるだろ。
中尉よりゼロは少ないけどな」
「酷くないっスか?」
「中尉と同等なんて甘いんだよ」
「いでっ!」
「それをして欲しかったらもっと学ぶんだな」
ペシッとロイに軽く叩かれてハボックは苦笑い。
「「ロイ様っ!」」
「ご無事ですか!?
お怪我はしておりませんか!?」
「…全員で来たのか?
こんな豪雨の中で」
「貴方に何かあったら」
「大丈夫、何もないよ」
ニュース速報で心配になり、執事やメイドが駆けつけて来た。
ロイは呆れながらも執事長に小声で頼むと頷き、執事長は全員を引き連れて帰って行く。
「お騒がせ致しました」
「ロイ様、失礼しました」
「…またな」
挨拶を交わして去って行く姿に市民達は唖然としていた。
「今夜は仕方ないにしても仮設を建てる場所も探さなくては。
市民の荷物捜索もありますし、通常勤務もありますから全員が来る訳にはいきませんよ」
「…そうだな。
とりあえず、毛布を配布して薄着だから着替える洋服に暖房設備も」
「毛布は軍から運んで配布はしてあります。
食事も必要かと」
「あぁ、そうだな」
様々な不満の声も聞こえて来て苛立ちも高まってる。
「ロイ様、準備が整いました」
「ありがとう」
「帰ったのでは…」
「ロイ様のご命令で準備をして来ました」
「閣下、緊急事態なので屋敷の者にも協力させて頂いても?」
「構わんよ。
人手不足だからな」
「食事と衣服の心配はいりません。
すぐに配布を」
「承知しました」
執事長がロイの指示に頷くと使用人達が運んで来る。
「只今より、食事配布をします」
「こちらには洋服がありますから取りに来てください」
「沢山ありますから大丈夫ですよ。
並んでくださいね」
温かい食事と洋服にザワつきながら市民達は歓声を上げて並ぶ。
軍人達は避難所はロイの使用人達に任せて国家錬金術師達と共に川の防壁修理と捜索と片付けに向かう。
「ロイ、あれは…」
「屋敷の料理人と使用人に作って来てもらった。
洋服は屋敷の取引先から洋服を買い取らせた。
空腹だと苛立ちから喧嘩にもなるからな。
温かい料理を食べれば身体も暖まるだろう?」
「なるほどな」
「ロイ様、料理が冷えて来ました」
「今行くよ」
メイドからの報告に中尉に護衛されてロイは向かう。
パチンッとロイが指を鳴らすと大きな鍋から湯気が出る。
市民達からの歓声にロイは苦笑いしてしまう。
「ロイ、助かったよ」
「一時的なものです。
仮設を建てる場所は?」
「難しいな。
一部の市民だが、人数も少なくはないから」
「数ヶ所に分けて建てるとなると解体の時に大変だし。
近辺住宅の許可も必要だからな」
「それなら屋敷に招待しましょう」
「「はっ?」」
「しばらくの間ですよね?」
「そうだが、大丈夫なのか?」
「客室も多いですし」
「…助かるよ。
なるべく早く住宅を見つけるようにしよう。
市民の生活費は私のポケットマネーから出すから」
「よろしいのですか?」
「このままではロイにだけ負担を掛けることになるだろ」
「執事長に話して来ます。
準備も必要ですなら」
「あぁ、頼むよ」
中尉に執事長を呼んでもらって避難所の隅で話す。