第34話
夢小説設定
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閣下に戻された特別補佐官のバッチを見つめて閣下に手渡す。
(やはり、すぐには受け取ってはくれないか)
ロイは立ち上がってハンガーに掛けてある軍服の上着を着た。
「付けてください」
「ロイ?」
「信じても信じなくてもまた傷つけられるなら私は信じます。
貴方を父と重ねて利用していたのは私も同じなんです。
この年齢になっても恋しかったなんて笑えますよね」
「笑ったりしない。
好きなだけ利用して構わない。
ずっと寂しかった気持ちを封じていたのだろう?」
平気なフリをしていたが、感情をなくすほどに寂しくて両親のぬくもりが恋しくて記憶をなくしても会いたくてたまらなかった。
閣下に抱き締められてロイは閣下の軍服を掴む。
「絶対に忘れてください!」
「君のボロ泣きは初めてではないだろう?
はっはっ! 可愛いなぁ~」
真っ赤になって声にならないロイに閣下は笑う。
「…嫌いです」
「私は大好きだぞ」
滅多に表情に出ないロイなので尚更、閣下は嬉しくて楽しくなる。
「今更ながら将軍に傷つけられたのは不愉快ですね。
どうやら冷静に欠けてました。
やり返す方法は考えておきます」
(…こういうとこはウィルの息子だ)
妖しい笑みを浮かべるロイはどこか楽しそうで閣下は苦笑い。
ロイは顔を洗って眼鏡を装着して閣下と仮眠室から出る。
閣下に特別補佐官のバッチは装着してもらった。
「閣下、用事は済みましたか?
まだ仕事が残っています」
「…やれやれ。
仕方ないな」
「おや、話し中でしたか」
「書類ならこちらに」
「お願いします。
君も早く書類を提出したらどうだね?」
「今からしますよ」
「将軍の地位になってから仕事のスピードが遅いのではないか?」
「将軍が速いのでは?
それなら今よりも書類の量を増やしても問題なさそうですね」
「なっ!?」
「将軍の人数が減少してますし。
さすがですね!」
((…笑顔で褒めながら追い込んでる!))
ロイの笑顔は本当には笑っていなくて目が恐ろしい。
「そうだな。
追加してもらおうか。
嫌味を言える余裕もあるみたいだ」
「ちょっ、お待ちください!」
((…やっぱり))
懲りないなと閣下に制裁された将軍に周りの軍人達は苦笑い。
「頑張ってくださいね」
「貴様!」
「何でしょうか?
それとも、事件現場に行きます?
解決が出来るのなら」
「私を馬鹿にするのか!」
「誰も解決が出来ないと言っておりませんが。
まさか解決が出来ないのですか?
将軍の階級の者が事件を一件も解決が出来ない訳ないですよね」
「……っ…」
笑顔のロイに閣下も後ろにいて逆らえずに将軍は黙る。
将軍が事件解決が出来ないことを理解した上でロイは弱味を攻める。
「私はこれで失礼しますね。
頑張ってください。
父様、それでは失礼します」
「…あぁ」
ロイの“父様”呼びに将軍だけではなくて周りの軍人達もザワつく。
閣下も一瞬驚いたが、苦笑いしながら見送って補佐官は瞬きする。
「閣下、マスタング将軍は…
笑顔で退治してましたが」
「やり返したんだよ。
あの呼び方も将軍に見せつける為に使ったのだろう。
傷つけてしまってな、使用していいと言ったら案の定だ。
とは言っても自分の利益の為には利用しないのだろうな。
パパ呼びはしてくれんか」
「…それは絶対に無理かと。
閣下、喜ぶのは構いませんから仕事してください」
補佐官達も閣下のロイに対する溺愛を慣れていた。
「将軍、父様って」
「いいではないか。
将軍が悔しがってたし。
閣下は喜んでいたが」
「…それは喜ぶでしょうね」
ハボック達は理解して思わず、苦笑いしてしまう。
(国家錬金術師の研究費の会議の次は今年の軍の予算か。
1月は決めることも多いし、会議も多いからな)
時間になって資料を持ってロイは会議室に向かった。
「閣下、お隣でよろしいですか?」
「毎回確認しなくても構わんよ。
補佐官が同行する時は伝えるし、将軍クラスの会議には出席することは特別な事情がない限りはないだろう?」
「そうなのですが」
資料を机に置いてロイは閣下の隣に座った。
(やはり、すぐには受け取ってはくれないか)
ロイは立ち上がってハンガーに掛けてある軍服の上着を着た。
「付けてください」
「ロイ?」
「信じても信じなくてもまた傷つけられるなら私は信じます。
貴方を父と重ねて利用していたのは私も同じなんです。
この年齢になっても恋しかったなんて笑えますよね」
「笑ったりしない。
好きなだけ利用して構わない。
ずっと寂しかった気持ちを封じていたのだろう?」
平気なフリをしていたが、感情をなくすほどに寂しくて両親のぬくもりが恋しくて記憶をなくしても会いたくてたまらなかった。
閣下に抱き締められてロイは閣下の軍服を掴む。
「絶対に忘れてください!」
「君のボロ泣きは初めてではないだろう?
はっはっ! 可愛いなぁ~」
真っ赤になって声にならないロイに閣下は笑う。
「…嫌いです」
「私は大好きだぞ」
滅多に表情に出ないロイなので尚更、閣下は嬉しくて楽しくなる。
「今更ながら将軍に傷つけられたのは不愉快ですね。
どうやら冷静に欠けてました。
やり返す方法は考えておきます」
(…こういうとこはウィルの息子だ)
妖しい笑みを浮かべるロイはどこか楽しそうで閣下は苦笑い。
ロイは顔を洗って眼鏡を装着して閣下と仮眠室から出る。
閣下に特別補佐官のバッチは装着してもらった。
「閣下、用事は済みましたか?
まだ仕事が残っています」
「…やれやれ。
仕方ないな」
「おや、話し中でしたか」
「書類ならこちらに」
「お願いします。
君も早く書類を提出したらどうだね?」
「今からしますよ」
「将軍の地位になってから仕事のスピードが遅いのではないか?」
「将軍が速いのでは?
それなら今よりも書類の量を増やしても問題なさそうですね」
「なっ!?」
「将軍の人数が減少してますし。
さすがですね!」
((…笑顔で褒めながら追い込んでる!))
ロイの笑顔は本当には笑っていなくて目が恐ろしい。
「そうだな。
追加してもらおうか。
嫌味を言える余裕もあるみたいだ」
「ちょっ、お待ちください!」
((…やっぱり))
懲りないなと閣下に制裁された将軍に周りの軍人達は苦笑い。
「頑張ってくださいね」
「貴様!」
「何でしょうか?
それとも、事件現場に行きます?
解決が出来るのなら」
「私を馬鹿にするのか!」
「誰も解決が出来ないと言っておりませんが。
まさか解決が出来ないのですか?
将軍の階級の者が事件を一件も解決が出来ない訳ないですよね」
「……っ…」
笑顔のロイに閣下も後ろにいて逆らえずに将軍は黙る。
将軍が事件解決が出来ないことを理解した上でロイは弱味を攻める。
「私はこれで失礼しますね。
頑張ってください。
父様、それでは失礼します」
「…あぁ」
ロイの“父様”呼びに将軍だけではなくて周りの軍人達もザワつく。
閣下も一瞬驚いたが、苦笑いしながら見送って補佐官は瞬きする。
「閣下、マスタング将軍は…
笑顔で退治してましたが」
「やり返したんだよ。
あの呼び方も将軍に見せつける為に使ったのだろう。
傷つけてしまってな、使用していいと言ったら案の定だ。
とは言っても自分の利益の為には利用しないのだろうな。
パパ呼びはしてくれんか」
「…それは絶対に無理かと。
閣下、喜ぶのは構いませんから仕事してください」
補佐官達も閣下のロイに対する溺愛を慣れていた。
「将軍、父様って」
「いいではないか。
将軍が悔しがってたし。
閣下は喜んでいたが」
「…それは喜ぶでしょうね」
ハボック達は理解して思わず、苦笑いしてしまう。
(国家錬金術師の研究費の会議の次は今年の軍の予算か。
1月は決めることも多いし、会議も多いからな)
時間になって資料を持ってロイは会議室に向かった。
「閣下、お隣でよろしいですか?」
「毎回確認しなくても構わんよ。
補佐官が同行する時は伝えるし、将軍クラスの会議には出席することは特別な事情がない限りはないだろう?」
「そうなのですが」
資料を机に置いてロイは閣下の隣に座った。