第34話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ロイは疲れたようにため息をついて苦笑いする。
「…お疲れさん」
「いや、俺達の研究費は維持であっさり決まったし。
毎年あんな感じ?」
「軍所属でも軍人ではないから内部を知らないんだよ」
「結果を出してないなら口先だけなんだろ。
それなら研究費を貰えるだけでも」
「研究費が少ないから結果を出せないと言ってるんだよ」
「無茶苦茶な…」
エドは呆れるが、ロイは苦笑いするだけだった。
「じゃあ、またな。
あんまり無茶するなよ」
「分かってるよ」
ロイと分かれて司令部の廊下を歩き、ヒューズと遭遇。
「大変だったみたいだな。
お疲れさん」
「いや、俺よりも…」
「ロイか?
いいものを見せてやるよ。
ちょっと来い」
ヒューズに連れられて来たのは射的練習場。
「ヒューズ中佐、何なんだよ」
「あれを見ろよ」
「将軍…?」
無表情でロイが片手で自分の銃で射的していた。
すべての銃弾が的の真ん中でロイに銃を渡されると中尉が無言で素早く切れた銃弾を詰めて渡す。
「ロイもストレス溜まるんだよ。
国家錬金術師の研究費の会議が終わるといっつもあんな感じだな。
この時ばかりは将軍達も怖がってピリピリしてるロイに嫌味どころか避けるようにしてる。
前に近づいて無表情なのに将軍を睨み付けたからなぁ~。
多分、無意識だろうけど」
「誰も近づけないんじゃ…」
「いや、例外が1人。
ロイの怒りのスイッチを切ってくれる奴がいる」
ヒューズの言葉にエドは不思議そうに首を傾げた。
何発を撃つ気なんだとエドは顔を引きつらせる。
『ロイさん、終わりですよ。
今日のデザートはレモンパイです。
好きでしょ?
さあ、戻りましょう』
「セルシア…」
無表情から微かに笑みを浮かべてロイはセルシアに手を引かれて戻って行く。
「リーゼル大佐って何者なんだ」
「さすがはロイが選んだ相手だろ?
まぁ、いろんな意味で相性がいいのかもな」
「はぁ?」
「エドにはまだ早いか。
ああいう時のロイは中尉とリーゼル大佐しか近づかせないから。
でも、止めるのは中尉では難しいんだよ」
「ふ~ん…」
「将軍達が近寄らないと思ったらマスタング将軍か。
やれやれ、今回も酷かったみたいのようだな」
「補佐官!」
「別にかしこまらなくていい。
階級だけならヒューズ中佐の方が上だからな」
(…この人も謎だよな。
いきなり現れるし)
さすが北方出身なだけあるというところだろうか。
「ロイ、気分は落ち着いたかね?」
「…閣下。
会議は終わったのですか?」
「やっと終わった。
毎年ながら嫌になるよ。
君には特に当たりが強いから苦労かけてしまっているな。
軍所属でも軍人ではないから内部のことは分からないのだろうけど。
まったく、結果は出さないくせに口先だけは」
ロイは閣下の発言に苦笑いするしかない。
日常が戻って来たが、まだ休みボケの軍人達も多い。
(まぁ、連休なんて普段はないし。
遊びまくったのだろう。
独身の奴等は尚更か。
来年は行けるかな。
私もセルシアもやることがあったから行けなかったし)
毎年変わらない光景にロイは苦笑いする。
「…セルシア」
『どうしました?
美味しくなかったですか?』
「いや、美味しいよ。
そうではなくて。
今日定時に帰れたら墓参りしてもいいか?」
『はい、もちろんです。
休みの時に行けなかったですから』
「君の両親の墓参りに行けなかったのに」
『私の両親のは遠いですから。
遠慮しないでいんですよ。
お花を買って行きましょう』
1人では両親の墓参りに行けないことを理解していてロイが行きたいと言えば、セルシア は来てくれる。
「…中尉。
今日は送らなくていい」
「どちらに行くか聞いても?」
「両親の墓参りに」
「そうでしたか。
失礼しました」
「セルシアを連れて行くから気にするな」
「承知しました」
少し切なそうなロイに気づきながらも中尉はあえて何も言わない。
この役目は自分ではなくて婚約者のセルシアだと理解している。
「…お疲れさん」
「いや、俺達の研究費は維持であっさり決まったし。
毎年あんな感じ?」
「軍所属でも軍人ではないから内部を知らないんだよ」
「結果を出してないなら口先だけなんだろ。
それなら研究費を貰えるだけでも」
「研究費が少ないから結果を出せないと言ってるんだよ」
「無茶苦茶な…」
エドは呆れるが、ロイは苦笑いするだけだった。
「じゃあ、またな。
あんまり無茶するなよ」
「分かってるよ」
ロイと分かれて司令部の廊下を歩き、ヒューズと遭遇。
「大変だったみたいだな。
お疲れさん」
「いや、俺よりも…」
「ロイか?
いいものを見せてやるよ。
ちょっと来い」
ヒューズに連れられて来たのは射的練習場。
「ヒューズ中佐、何なんだよ」
「あれを見ろよ」
「将軍…?」
無表情でロイが片手で自分の銃で射的していた。
すべての銃弾が的の真ん中でロイに銃を渡されると中尉が無言で素早く切れた銃弾を詰めて渡す。
「ロイもストレス溜まるんだよ。
国家錬金術師の研究費の会議が終わるといっつもあんな感じだな。
この時ばかりは将軍達も怖がってピリピリしてるロイに嫌味どころか避けるようにしてる。
前に近づいて無表情なのに将軍を睨み付けたからなぁ~。
多分、無意識だろうけど」
「誰も近づけないんじゃ…」
「いや、例外が1人。
ロイの怒りのスイッチを切ってくれる奴がいる」
ヒューズの言葉にエドは不思議そうに首を傾げた。
何発を撃つ気なんだとエドは顔を引きつらせる。
『ロイさん、終わりですよ。
今日のデザートはレモンパイです。
好きでしょ?
さあ、戻りましょう』
「セルシア…」
無表情から微かに笑みを浮かべてロイはセルシアに手を引かれて戻って行く。
「リーゼル大佐って何者なんだ」
「さすがはロイが選んだ相手だろ?
まぁ、いろんな意味で相性がいいのかもな」
「はぁ?」
「エドにはまだ早いか。
ああいう時のロイは中尉とリーゼル大佐しか近づかせないから。
でも、止めるのは中尉では難しいんだよ」
「ふ~ん…」
「将軍達が近寄らないと思ったらマスタング将軍か。
やれやれ、今回も酷かったみたいのようだな」
「補佐官!」
「別にかしこまらなくていい。
階級だけならヒューズ中佐の方が上だからな」
(…この人も謎だよな。
いきなり現れるし)
さすが北方出身なだけあるというところだろうか。
「ロイ、気分は落ち着いたかね?」
「…閣下。
会議は終わったのですか?」
「やっと終わった。
毎年ながら嫌になるよ。
君には特に当たりが強いから苦労かけてしまっているな。
軍所属でも軍人ではないから内部のことは分からないのだろうけど。
まったく、結果は出さないくせに口先だけは」
ロイは閣下の発言に苦笑いするしかない。
日常が戻って来たが、まだ休みボケの軍人達も多い。
(まぁ、連休なんて普段はないし。
遊びまくったのだろう。
独身の奴等は尚更か。
来年は行けるかな。
私もセルシアもやることがあったから行けなかったし)
毎年変わらない光景にロイは苦笑いする。
「…セルシア」
『どうしました?
美味しくなかったですか?』
「いや、美味しいよ。
そうではなくて。
今日定時に帰れたら墓参りしてもいいか?」
『はい、もちろんです。
休みの時に行けなかったですから』
「君の両親の墓参りに行けなかったのに」
『私の両親のは遠いですから。
遠慮しないでいんですよ。
お花を買って行きましょう』
1人では両親の墓参りに行けないことを理解していてロイが行きたいと言えば、セルシア は来てくれる。
「…中尉。
今日は送らなくていい」
「どちらに行くか聞いても?」
「両親の墓参りに」
「そうでしたか。
失礼しました」
「セルシアを連れて行くから気にするな」
「承知しました」
少し切なそうなロイに気づきながらも中尉はあえて何も言わない。
この役目は自分ではなくて婚約者のセルシアだと理解している。