第34話
夢小説設定
ヒューズに同行してもらって銀行で鍵と自分の身分証を提示した。
「マスタング将軍でしたか。
失礼致しました。
こちらにどうぞ」
「同行の者も構わないか?」
「身分証を」
「…分かった」
「マース・ヒューズ中佐ですね。
許可致します」
職員に身分証を提示してヒューズもロイに同行する。
「随分と頑丈な金庫だな」
「この銀行の最高級の防犯です。
では、どうぞ」
「な…っ」
「いくらあるんだよ、これ」
「豪邸は建てられるくらいはありますね。
ウィル博士の本は今でも価値ありますから」
「何冊あるんだ?
100冊以上か?」
「…予想を遥かに越えてる」
「そうだろうな」
巨大な金庫に高々と積まれたものが数百もあり、分厚い本が軽く100冊もあった。
「…これをどうしろと」
ロイはヒューズの肩に手を置いて小さく唸る。
「大丈夫か?
自分の為にも他人の為にも使えるだろうな。
将来的なものなのか、困窮している人達に使うのか。
今すぐに答えを出さなくてもいいんじゃないか?」
「…そうだな」
銀行の職員と共に金庫から出てロイとヒューズは銀行をあとにした。
「大丈夫か?」
「…気持ち悪い」
「あれは衝撃的だし。
意外とそういうの弱いよな。
おまえの場合は色々と考えるんだろうけど」
正月休みの現在は公園に人はほとんどいなくてヒューズに連れられてロイはベンチで休む。
「ヒューズ、すまん。
肩を貸してくれ」
「はいよ。
おまえさんは考えすぎだ」
ヒューズに寄りかかってロイはため息をつく。
いろんな可能性があるからこそ、ロイは悩んでしまう。
「…イシュヴァールの復興にさえも使えるだろうな。
だが、現状では軍人の私では許されない」
「将来的には分からんよ。
今使わない選択も可能だ」
「そう、だよな」
「たまには自分の為に使ってもいいんじゃないか?」
「それは今の給料で十分だ。
国家錬金術師の研究費も閣下に十分なほど、私は貰ってるし。
将軍の給料に特別補佐官の時間内の給料が追加されてる」
「国家錬金術師の研究費って同じ額ではないのか?」
「あぁ、毎年審査があるんだ。
資料や能力で決まる。
あとは軍人か、軍所属なのか。
ほかにも色々とあるんだ。
私は炎と今は氷もあるし、高度な錬金術だから研究費も高い。
宝石を使って実験してるから今までは研究費が足らずに自腹だったんだけど。
それに閣下が気づいて追加してくれることになった。
言うつもりはなかったんだけど。
現在は何を使ったのか提出しないといけなくて足らないことに気づいたらしくて」
「それならよかったじゃないか」
「…でもないんだな」
「特別扱いの嫌味倍増か」
「軍人ではない軍所属の国家錬金術師の研究者から当たりが強いな。
将軍達になら耐えられるけど」
軍人ではない研究者に言われるのは辛いものがあるようだ。
この会議でセルシアと会ってないのないのだろうか。
「セルシアは?」
「参加していたらしいが、人数が多くて数回に分けていて」
「それで会わなかったのか」
「みたいだな。
鋼のは今年も不参加なのだろうか。
だから、研究費が低いのに。
本気で取り組んでないという判断になるんだよ」
「どうしてるんだ?」
「資料が私宛に届いて“不参加だからよろしく”の一言だけで私に代理をさせてる」
「ぶはっ!」
エドらしいエピソードもだが、文句を言いながら代理をするのだから本人が否定してもロイは優しいなとヒューズは思う。
「さてと、帰ろうか。
付き合わせて悪かったな。
今度奢るから」
「気にするな。
ロイ、グレイシアにそんなに気遣わなくていいぞ」
「はっ?」
「言い忘れたが、上半身を見せた訳じゃない。
腕しか見せてない。
その前に俺がグレイシアを別室に移動させたし」
「はぁ!?
おまっ、先に言えよ!」
「…すまん」
ロイは顔を歪めるとため息をついてスタスタと歩き出す。
「………。」
「悪かったって」
「どちらにしても私に非がある。
今日のことがなければ、怒ってた」
「付き合って正解だったな」
「せっかくの休みに悪かった」
「ん~…別に?
滅多に頼らないおまえからの頼み事だし」
楽しそうに笑うヒューズにロイは苦笑いする。
「マスタング将軍でしたか。
失礼致しました。
こちらにどうぞ」
「同行の者も構わないか?」
「身分証を」
「…分かった」
「マース・ヒューズ中佐ですね。
許可致します」
職員に身分証を提示してヒューズもロイに同行する。
「随分と頑丈な金庫だな」
「この銀行の最高級の防犯です。
では、どうぞ」
「な…っ」
「いくらあるんだよ、これ」
「豪邸は建てられるくらいはありますね。
ウィル博士の本は今でも価値ありますから」
「何冊あるんだ?
100冊以上か?」
「…予想を遥かに越えてる」
「そうだろうな」
巨大な金庫に高々と積まれたものが数百もあり、分厚い本が軽く100冊もあった。
「…これをどうしろと」
ロイはヒューズの肩に手を置いて小さく唸る。
「大丈夫か?
自分の為にも他人の為にも使えるだろうな。
将来的なものなのか、困窮している人達に使うのか。
今すぐに答えを出さなくてもいいんじゃないか?」
「…そうだな」
銀行の職員と共に金庫から出てロイとヒューズは銀行をあとにした。
「大丈夫か?」
「…気持ち悪い」
「あれは衝撃的だし。
意外とそういうの弱いよな。
おまえの場合は色々と考えるんだろうけど」
正月休みの現在は公園に人はほとんどいなくてヒューズに連れられてロイはベンチで休む。
「ヒューズ、すまん。
肩を貸してくれ」
「はいよ。
おまえさんは考えすぎだ」
ヒューズに寄りかかってロイはため息をつく。
いろんな可能性があるからこそ、ロイは悩んでしまう。
「…イシュヴァールの復興にさえも使えるだろうな。
だが、現状では軍人の私では許されない」
「将来的には分からんよ。
今使わない選択も可能だ」
「そう、だよな」
「たまには自分の為に使ってもいいんじゃないか?」
「それは今の給料で十分だ。
国家錬金術師の研究費も閣下に十分なほど、私は貰ってるし。
将軍の給料に特別補佐官の時間内の給料が追加されてる」
「国家錬金術師の研究費って同じ額ではないのか?」
「あぁ、毎年審査があるんだ。
資料や能力で決まる。
あとは軍人か、軍所属なのか。
ほかにも色々とあるんだ。
私は炎と今は氷もあるし、高度な錬金術だから研究費も高い。
宝石を使って実験してるから今までは研究費が足らずに自腹だったんだけど。
それに閣下が気づいて追加してくれることになった。
言うつもりはなかったんだけど。
現在は何を使ったのか提出しないといけなくて足らないことに気づいたらしくて」
「それならよかったじゃないか」
「…でもないんだな」
「特別扱いの嫌味倍増か」
「軍人ではない軍所属の国家錬金術師の研究者から当たりが強いな。
将軍達になら耐えられるけど」
軍人ではない研究者に言われるのは辛いものがあるようだ。
この会議でセルシアと会ってないのないのだろうか。
「セルシアは?」
「参加していたらしいが、人数が多くて数回に分けていて」
「それで会わなかったのか」
「みたいだな。
鋼のは今年も不参加なのだろうか。
だから、研究費が低いのに。
本気で取り組んでないという判断になるんだよ」
「どうしてるんだ?」
「資料が私宛に届いて“不参加だからよろしく”の一言だけで私に代理をさせてる」
「ぶはっ!」
エドらしいエピソードもだが、文句を言いながら代理をするのだから本人が否定してもロイは優しいなとヒューズは思う。
「さてと、帰ろうか。
付き合わせて悪かったな。
今度奢るから」
「気にするな。
ロイ、グレイシアにそんなに気遣わなくていいぞ」
「はっ?」
「言い忘れたが、上半身を見せた訳じゃない。
腕しか見せてない。
その前に俺がグレイシアを別室に移動させたし」
「はぁ!?
おまっ、先に言えよ!」
「…すまん」
ロイは顔を歪めるとため息をついてスタスタと歩き出す。
「………。」
「悪かったって」
「どちらにしても私に非がある。
今日のことがなければ、怒ってた」
「付き合って正解だったな」
「せっかくの休みに悪かった」
「ん~…別に?
滅多に頼らないおまえからの頼み事だし」
楽しそうに笑うヒューズにロイは苦笑いする。